がらくたフリートーク

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2002年6月
6月30日(日) 大一番の結果発表 の巻
「へっぽこです」
「ワンギャル・ドルジです」
「えー、今月は今回のワールドカップに出場していない名選手を紹介してきましたが……。 ぶっちゃけた話、それは誰ですか?」
「それは下の記事を見てくれたまえ」


最下位決戦はブータン勝利 4−0でモントセラト下す 
 【ティンプー30日共同】国際サッカー連盟(FIFA)ランキング202位のブータンと最下位2 03位の英領モントセラトが30日、ブータンの首都ティンプーでサッカーの“最下位決戦”を 行った。試合は4−0でブータンが勝利し、試合後、サッカーを通じた友情をたたえ「双方と も勝者」を意味する半分に分けたトロフィーが両チームに授与された。

 試合は終始ブータンのペースで進んだ。前半4分に主将のワンギャル・ドルジ選手(26) がゴール。後半22分、同選手がFKでさらに1点。その後もデニシュ・チェトリ選手(16)がシ ュートを決めたほか、ドルジ選手がハットトリックとなる3点目を決めた。

 FIFA公認の親善試合で、試合会場には早朝から市民ら数千人が詰めかけた。子どもた ちが顔に色とりどりのペインティングをするなどして両国を声援、“本番”のW杯さながらの熱 気に包まれた。国王の二男のジゲル・ウゲン・ワンチュク王子らも観戦した。

 モントセラトの選手はヒマラヤ山脈の山あいに位置するティンプー到着後、高山病に苦し み、ウィリアム・ブラムウェル監督(49)は「選手たちはかなり参っていた。でもベストを尽くし たよ」と語った。

「ということで、ブータンの主将のワンギャル・ドルジです」
「長いフリだなあ。しかし、『ワンギャル』ってのがいいね」
「この試合については、ぜひ詳しく見てみたいねえ。この試合を取り上げたドキュメンタリー 映画がつくられるそうだし、見たいね。少林サッカーの100倍見たいね」
「それはこの間の俺のネタのパクリですね」
「でもサッカーってさあ、ワールドカップで決勝を戦うようなチームの選手でも、上の記事み たいに世界最下位を決める戦いをする国の選手でも、もっと言えば道端や土のグラウンド での素人サッカーでも、楽しいと思う気持ちは共通なんだろうな。だから世界中でみんなが プレーするんだよ」
「やけに真面目だな」
「たまにはいいじゃあないか。このサッカーフィーバー、プライスレス!
「またそのネタかよ! なんどもパクるところを見ると、相当なお気に入りだな」


6月29日(土) 風流野郎参上! の巻
「へっぽこです」
「高原直泰です」
「メジャーなところできたな。高原選手は、Jリーグジュビロ磐田のフォワードです。昨シーズ ンは、アルゼンチンのボカ・ジュニアーズにも在籍しました。ワールドカップ前に病気という アクシデントに見舞われ、残念ながら出場はなりませんでした。期待されていただけに残念 でしたね」
「ではここで短歌をひとつ」
「へ?」
「『俺たちも いとしこいしに なれるかな』 彼の言葉に 頬赤らめる」
「え?」
「『俺たちも いとしこいしに なれるかな』 彼の言葉に 頬赤らめる」
「なんですか、それは?」
「『俺たちも いとしこいしに……」
「えー、もういいです。なんでいきなり短歌なんだよ!」
「(無視して)ではこの歌の解釈を。『いとしこいし』に二つの意味が込められていますね。ひ とつは『愛しい恋しい』。つまりは相思相愛になれるだろうかと。友達以上恋人未満の関係 の男性から、相思相愛になれるだろうかと言われて頬を赤らめる純情な少女の気持ちが表 れていますね」
「はあ…」
「もうひとつは漫才師の『夢路いとし・喜味こいし』師匠ですね」
「そうなのか?」
「男性が『いとし・こいし師匠のように何十年も寄り添っていきたい』と言い、それを聞いて頬 を赤らめる演芸好きの純情な少女の気持ちが表れていますね。多分この男女は、テレビで 演芸番組を見ていたのでしょう。あるいは演芸場にいたのかも」
「どんな渋い趣味の男女なんだよ!」
「非常に趣のある短歌ですな」
「そうかあ? だいたい、この短歌の季語は?」
「こい」
「『こい』って、『鯉』じゃないよな、さっきの解釈を聞く限りは。それにどっちかというと、 これって短歌というより狂歌じゃないのか?」
「鈴木狂歌」
「えー、それは女優の鈴木京香さんですね。しかし、いきなりなにを始めたんだよ」
「いやあ、俺も風流野郎としては短歌や俳句・都都逸のひとつでも詠もうと思ってさ」
「だいたいお前は風流野郎なんて呼ばれてないし、そもそも風流野郎の言葉の意味がわか らないぞ」
「これからも作品ができたら紹介していきますね。あと、町の風流野郎である皆さんからの 投稿もお待ちしていますよ」
「また無責任に始めやがって……」


6月24日(月) サッカー世界最弱決定戦開催! の巻
「へっぽこです」
「アリ・ダエイです」
「ダエイ選手は、アジアを代表するストライカーです。イラン代表で、ドイツのクラブチームで 活躍しています」
「イランは今回のアジア地区予戦で第3位となり、アイルランドとのプレーオフにまわりました が、惜しくも敗れました。実力はサウジアラビアや中国に劣らないので、見たかったですね え」
「さて、今日もサッカーがらみで面白い記事を見つけました紹介します」
「新しい手抜きの方法を見つけたね」
「人聞きの悪いことを言うな! えー、6月24日(月)の読売新聞夕刊・3面の記事です」

決戦の日、FIFA公認で「世界最弱」決定戦
 サッカー・ワールドカップ(W杯)は、あと4試合を残すのみとなった。頂点の決勝戦が横浜 で行われる30日に、もう1つの熾烈(しれつ)な戦いが、ブータンの首都ティンプーである。 今年2月で国際サッカー連盟(FIFA)のランキング202位のブータンと203位のモントセラト とによる“最底辺マッチ”だ。
 英国統治領のモントセラトはカリブ海に浮かぶ島国で、1996年にFIFAに加盟した。7つ の活火山があり、95年夏以降の断続的な噴火で多くの住民が英、米に避難。サッカーの国 際試合ができる唯一の競技場も灰に埋もれた。今回のW杯では北中米カリブ海地域の予 選に出場したが、203位のランクは世界最下位だ。
 ヒマラヤ奥地に位置する仏教国のブータンは2000年にFIFAに加盟し、ランクはモントセ ラトより1つ上の202位。険しい山岳国のためサッカーができる平地は少ないが、国内では 国技の弓術と並ぶ人気スポーツで、僧侶がプレーを楽しむこともあるという。
 今回の対戦はオランダの広告代理店が発案し、両国に持ちかけて実現した。FIFAも国 際試合に公認。日本の映像制作会社が協力し、試合を通じた両国の交流の様子をドキュメ ンタリー映画にまとめ、世界の共通言語であるサッカーの魅力を伝えるという。
 両国の対戦を知った元サッカー・イタリア代表の人気選手ロベルト・バッジオは「その日は 世界中がW杯に注目するだろうが、同じ日に最下位を争うこの2チームの試合も、同様にサ ッカーの素晴らしさを教えてくれるだろう」とメッセージを寄せている。
「行こうよ、ブータン!」
「落ち着けよ。しかし、興味深いといえば興味深いですね。ちなみに、英国統治領のモント セラト」に代表チームがあるのを奇妙に思う人もいるかもしれませんが、これには以下のよ うな理由があります」

  FIFAの「加盟国」は、独立国家とは限られてない。原則は「一国家一協会」だが、本国 から  離れて、独自にサッカーの活動をしている「地域」も、加盟を認められるケースがよく ある
(大住良之『新・サッカーへの招待』,1998・岩波新書,p72)

「『イギリスという国の代表チーム』が存在せずに、イングランド・ウェールズ・スコットランド・ 北アイルランドという4つの『地域』が、それぞれにサッカー協会を持ち、代表チームを結成 するのも同じ理由ですね」
「FIFAランキングを見ると、下位に位置するチームは、『地域』の場合が多いですね。オフィ シャルなサイトかどうかわからないけど、ランキングがここに載っています。英語で構わなけ れば、FIFAオフィシャルのサイトがあります」
「ブータンの国技が弓術ってのもすごいな。まあ、ブータンに行くのはお金と時間の関係か ら断念するとしても、「試合を通じた両国の交流の様子をドキュメンタリー映画」は見たい ね」
「見たいね。『少林サッカー』の10倍は見たい気持ちがあるね
「試合の結果がどこかでわかったら続報を入れますね」


6月23日(日) こんな記事を見つけた の巻
「へっぽこです」
「ドワイト・ヨークです」
「渋い人選ですねえ。ヨーク選手は、イングランドプレミアリーグのマンチェスター・ユナイテ ッドで活躍するフォワードです。トリニダード・トバコ代表の選手です」
「トリニダード・トバゴは、カリブ海に浮かぶ島です。今回のワールドカップ予選では北中米カ リブ地区最終予選で敗退しました」
「さて、今日はワールドカップがらみでちょっと面白い記事を見つけたので紹介しましょう。6 月22日(土)の読売新聞朝刊・9面に載った記事です。全文を引用します。ちなみにこちら からも読むことができます」

北朝鮮テレビ、韓国の16強入りに触れず
 【ソウル21日=白川義和】韓国の聯合ニュースは21日、政府関係者の話として、北朝鮮 のテレビがサッカー・ワールドカップ(W杯)の16強を韓国だけ除いて紹介したと伝えた。
 同関係者によると、北朝鮮の朝鮮中央テレビが先週、W杯の試合を録画中継した際、決 勝トーナメントの対戦表で韓国が入るべきところが空欄になっていた。20日の放送でも、同 テレビのアナウンサーは韓国を除いた15か国を紹介したという。
 北朝鮮は正規の放映権を獲得しないまま、W杯を連日、録画放送しているが、韓国で開 催されていることや韓国チームの躍進は報じない方針とみられる。
(6月21日23:08)

「なんというか、SFのような話だな」
「まあ、国民が全然知らないってことはないと思うけどね」
「でも、韓国が優勝したらどうするんだろう?」
「ワールドカップそのものがなかったことにされたりして」
「あながちないとも言えないのがこわいな」


6月22日(土) つくってます! の巻
「へっぽこです」
「ベルカンプです」
「えー、ベルカンプ選手はオランダ代表のミッドフィールダーです。イングランドのアーセナル に所属しています」
「残念ながらオランダはワールドカップに出場できませんでしたが、出場できても飛行機嫌 いのベルカンプは来たかどうか……
「ベルカンプ選手の飛行機嫌いは有名ですね。実際、代表チームやクラブチームの試合で 遠征に参加しなかったこともありました。で、タイトルに『つくってます!』とあるが、おまえは なにをつくっているんだ?」
「つぼ!」
「あぁ?」
「ろくろを回して、つぼをつくっているの」
「ああ、そうですか。で、なにをつくっているんだ! 洗いざらい、言っちまいな!」
「パソコンの『JLAEGUEプロサッカークラブをつくろう』というゲームで、Jリーグのチームを 作っています」
「このゲーム、通称『サカつく』と呼ばれ、一番最初はセガサターンで発売されました。その 後、ドリームキャストで続編がつくられ、今年ドリームキャスト版、プレイステーション2版に 続き、Windows版が発売されました。Jリーグチームのオーナー兼監督として、チームを育て ていくシミュレーションゲームです」
「こう見えても燃朗は、サターン版の『1』からやっています」
「で、どうですか? パソコン版は」
「面白い! この面白さ、プライスレス!
「久々にCMのパクリですね。で、どんなところがいいの?」
「まずは『自分がオーナーになって、チームを育てていく』というごっこ遊びとしての面白さが 一番だね。あとは、サッカーを知れば知るほどこのゲームは面白くなる。かつての日本・世 界を代表する名選手が、実名ではないんだけど登場するんだよ。だから自分なりのこだわ りのオールスターチームがつくれる」
「なるほどねえ」
「ちょっとずつしか進めていないから、まだ3年目なんだけどね。2年目に勝ち点差1でJ1昇 格を逃したときは、自分がスポーツノンフィクションの主役になった気分だったよ」
「だったら、スポーツノンフィクション風の小説でも書いてみたらいいじゃん。『サカつく』を遊 ぶ中で起こったイベントや獲得した選手を盛り込んでさあ」
「それいいねえ! お前いいこと言う。顔のわりにいいこと言う!
「顔は関係ないだろ!」
「おお、アイデアが浮かんできた。試合前のスタジアムで、チームのオーナーが殺される。 頭にはスパイクの跡がついていた。事件の現場を発見した主人公の新聞記者とその恋人 は、様々な圧力を受けながら事件の真相に近づいていく……」
「えー、それはこの間紹介した『ワールドカップ殺人事件』の筋をそのままパクってます
「まあ、アイデアが浮かんだら書いてみます。しかしその前に、ゲームをやらなくては!」
「ちなみに、『サカつく』についてくわしく知りたい方は下記のページをどうぞ。発売元のセガ の公式ページです。 http://sega.jp/ 」


6月16日(日) 燃朗のお蔵出し!
「ジョージ・ウエアです」
「いきなりきたな。えー、ジョージ・ウエア選手は、アフリカのリベリア代表の英雄ともいえる 存在です。1995年、ACミラン在籍時はストライカーとして活躍し、FIFA年間最優秀選手賞 を受賞しています」
「世界で一番すごいサッカー選手だな」
「身も蓋もない言い方をするなよ。ちなみに、今大会のアフリカ大陸予選では、あと一歩で 出場のところを、惜しくもナイジェリアの前に屈しました」
「現在35歳という年齢を考えると、最後のチャンスだっただけに悔やまれる。話によると、 一時は代表監督も兼任していたらしいし、財政面でも相当自国の代表を支援していたらし いぞ。ううむ、残念」
「で、今回はなんの話ですか?」
「いやあ、この間部屋を掃除していたら、学生時代に書いた文章が出てきてさあ。まあ、小 説は比較的大事にとっていたんだけど、それ以外の駄文雑文の類も見つかってさ。これが なかなか面白かったので、紹介しようかと」
「…手抜きですか?」
「人聞きの悪いことを言うな! 今の自分が読んでも、わりとよかったんで、公開したくなっ たのさ。名づけて『燃朗のお蔵出し』です。1999年に友人に見せるために書いた、本の紹 介文です」



つかこうへい『長島茂雄殺人事件 ジンギスカンの謎』(1986・カドカワノベルス)

 一瞬の気の迷いから、この本を読んでしまったまぎれもなく、トンデモ小 です。著者のつかこうへい氏は、「作者のことば」に、こんなことを書いています。

「この作品は、雑誌『野生時代』に半年間連載を続けていましたが、途中でどうしても、 島はジンギスカンの生まれかわりではないか、という直感に襲われて き続けることができず、やむなく中断しておりました。」

 この文章だけで、この小説のトンデモぶりがわかろうというものです。
 内容紹介をする前に、この小説はきわめて読者を選ぶ小説であることを述べてお きます。おそらく、この小説を読破できるのは、次のような方々でしょう。

 1、長島(現・長嶋)茂雄原理主義者
 2、つかこうへい原理主義者
 3、めちゃめちゃ忍耐力のある人

 上記以外の方は、読む前によく考えてください。この本を読む時間で、他にもっといい本 が読めるかもしれませんよ。決して、勢いや中途半端な好奇心で読み始めては いけません。それは危険です。「序」を読むと、「あ、おもしろかも」と思う かもしれませんが、それは罠です。
 では、内容に少し触れましょう。個人的な見解ですが、この本は推理小説と、SF 小説と、時代小説の要素を持っています。でも、トンデモです。
 話の柱となるのは2つのテーマ。ひとつは、長島茂雄暗殺をめぐる物語です。もうひとつ は、長島茂雄出生の謎です。しかし、実はそんなことはどうでもいいのです。この 小説で一番大切なのは、長島茂雄はすげえと、そういうことなのです。推理小説と しての整合性とか、そんなことを期待してはいけません。ここで描かれるの は、長島茂雄のすごさと、そこに隠された秘密なのです。それが楽しめない 人には、つらいです。少なくとも、「長島茂雄って、ヘンな英語をしゃべるお じさんでしょ」程度の認識しかない人は、読まないほうが無難です。
 最後に、この小説でもっとも印象深い言葉を引用しましょう。

「長島を一番愛している人間が、長島を殺す権利がある」

 これでもまだ読み人は、読んでください。あたしゃ止めないから。ただし、この文章 を読んで、「なんかおもしろそう。読んでみようかな?」と思った人には忠告しておきます。 やめとけって。トンデモ本というのは、実際に読むとかなりつらいものが多いのです。こ の本も例外ではありません。読むにはそれなりの気合いがいると思うぞ。



「おまえは世紀末のニッポンで、なにをやっていたんだ」
「いやあ、この本、初めは古本屋で見つけた後輩に借りてさあ。読んでみたらあまりにハチ ャメチャな内容だったので、思わず紹介しちゃったんだよ。残念ながら、今手元にはないん だけど」
「しかし、今とやってることが大差ないな。下の『ワールドカップ殺人事件』の感想も、方向性 は同じだぞ」
「まあ、首尾一貫しているともいえるわけで。でも、トンデモ本という言葉が懐かしいですね。 こんな感じの文章がまた見つかったら、紹介します」
「手抜きできるしね」


6月15日(土) ワールドカップ記念! ペレ『ワールドカップ殺人事件』を 語る
「キューウェルです!」
「ヴィドゥカです!」
「えー、キューウェル、ヴィドゥカとも、オーストラリア代表の選手です。所属クラブはイングラ ンドのリーズ。オーストラリアは、今大会も残念ながら出場できませんでした」
「オセアニア大陸には複雑な事情がありまして。普通、ワールドカップは各大陸の地区予選 を勝ち進んだチームが本大会に進めます。しかし、オセアニア大陸はFIFAに加盟している 国・地域が少ないため、『地区予選を勝ち抜いたチームが、他地区のチームとのプレーオ フに勝って初めてワールドカップ出場』となるわけです。地区予選ではいつもオーストラリア が勝つんですが、そのあとのプレーオフが高い壁となって立ちはだかっています」
「ちなみに今回の予選では南米予選5位のウルグアイに敗れました。98年フランス大会予 選の際にはアジア4位のイランに敗れ、94年アメリカ大会予選の際にはアルゼンチンに敗 れています」
「いいサッカーをするんだけどねえ…。見たかったなあ、オーストラリア」
「うまい具合にサッカーの話題に乗ったところで、今日はペレ著『ワールドカップ殺人事 件』(創元推理文庫)の紹介ですね」
「ええ。この本、俺が初めて見たのは1998年フランスワールドカップ開幕直前でした。その ときは購入しなかったのですが、今回無性に読みたくなり、いくつかの本屋を探して、ようや く手に入れたというわけです」
「奥付を見ると、1998年に再販がされていて、初版は…、うわ、1990年だ」
「そう、俺もこれには驚いた。というのも、舞台ワールドカップ開催時のアメリカなのよ。だか ら1994年前後の本だと思ってたんだけど、それより更に前だった」
「でも、元々はいつ出版されているの?」
「巻末に付いている加藤久の解説にはそういう大切なことはなにも書いていないんだ けど、扉を見ると1988年にアメリカで出版されているらしい。だから微妙に変なのよ」
「例えば?」
「舞台はアメリカ開催のワールドカップで、アメリカが決勝まで行くんだ。これはまあいい。 も、決勝の相手が東ドイツ。しかも、準決勝の対ブルガリア戦でアメリカはソ連の審判 の不公平なジャッジで苦戦する」
「はあ、東西冷戦の頃を思い出させますな。まさか1990年に東西ドイツが統一されるな んて、ペレにも想像できなかったんだろうね」
「その辺はまだいい。でも、決勝でのアメリカのフォーメーションは4−2−4。東ドイツ は3−2−5」
「いつの時代ですか?」(※注)

※注 「フォーメーションが3−2−5」というのは、「ディフェンダー3人・ミッドフィルダー2人・フォワード5人の選手配 置」という意味。かつてはそうしたフォーメーションもありましたが、現在の主流は3−5−2・4−4−2などです。いずれ にしてもフォワード多すぎ。

「多分1994年のアメリカワールドカップを想定しているんだと思うけどね。で、その決勝戦 の直前に、代表チームに多くの選手を送り込んでいるクラブチームのオーナーが、スタジア ム内のオフィスで殺害される。頭にスパイクの跡をつけられて。当時そのスタジアムには、 練習のため代表チームの選手らがいた」
「おお、ミステリーらしくなってきた」
「そこで、スポーツ記事担当の記者が、警部補に脅されて犯人をでっち上げるように命 令される」
「え?」
「なんで一警部補に市民をこき使う権利があるのかはよくわからないが、とにかく『金持ち や上流階級以外の人間を犯人にでっち上げろ。さもなくばおまえを逮捕する』と言わ れるんだよ」
「めちゃくちゃじゃん」
「もっとめちゃくちゃになるぞ。主人公は、国連と国務省と東ドイツの秘密警察にも脅さ れる。それぞれの組織にとって、都合のいい人間を犯人にするように(あるいは都合の悪 い人間を犯人にしないように)」
「なんで国務省や国連や秘密警察が、直接警察に圧力をかけるんじゃなくて一記者に脅し をかけるんだよ?」
「さあ。でも、主人公はそんなこと考えずに、犯人が誰かで悩むんだよ。しかも、事件当時 スタジアムにいた容疑者たちは非協力的で、自分勝手ときている。それから、ヒロイン役の 心理学者! こいつがひどい!」
「なんで?」
「もとはといえば、主人公が事件に巻き込まれたのはこいつのせい。こいつが被害者 を発見して、警察に通報したら、犯人扱いされるんだよ、主人公を脅した警部補に。で、主 人公は『おまえのガールフレンドを逮捕してもいいんだぞ』と言われる」
「ひでえな」
「でも当のヒロインはそんなことおかまいなしで、犯人を捕まえて警察に突き出そうとする。 主人公が脅されていることも知らずに、勝手な推理を展開して。しかも主人公が心配し ているのに、『男は能力のある女に嫉妬する』といったような場違いな理論を意地になって 持ち出してくる」
「…この小説、面白いのか?」
「(あっさりと)つまんないよ。そうそう、主人公の勤める出版社の上司もひどい。結局出 てくる奴出てくる奴全員嫌な奴なのよ」
「あの、もういいので結末を聞かせてください」
「ミステリーなんで、犯人やトリックには触れませんが、ものすごい腰砕けです。まあ、最 後の方は主人公が逆切れして、容疑者に嘘をついたり鎌を掛けたりして、真相に近 づくんですけどね」
「で、ワールドカップはアメリカが東ドイツに勝つんだろ」
「あたり。しかも、リードされた終盤に『監督を兼任している40歳近いベテラン選手』が交代 出場して、彼の活躍で一気に逆転勝ち。そのプレーが事件解決の鍵になるんだが、『そ んなの被害者見たときに誰か気づけよ』と思う内容です」
「…なんか、これ以上語ってもどうかと思うので、最後にまとめてください」
「はじめは、『なんでワールドカップ開催に便乗してこの本を大々的に復刊しねえんだよ』と 思った。なにせペレが書いた『ワールドカップ殺人事件』だぜ。でも、読んでみてわかった。 『復刊しなくて正解だわ』って」
「はあ…。ちなみに、『ネタをばらされてもいいから犯人やトリックが知りたい!』という 方はメールをください。真相まで語ったスペシャルトークをお送りします」


6月14日(金) へっぽこの「ダウンタウン・ブロードバンド」完結編
「前回までとタイトルが違うぞ」
「『イェン・タウン・ブロードバンド』の方がよかったか…」
「いや、そういう問題ではありませんね」
「前回、燃朗がモデムボートとLANボートを勘違いしていたせいでえらい目にあいまし たが、無事LANボードを購入し、接続に成功しました。ちなみに内蔵型LANボードとLAN ケーブルをあわせて2000円程度です」
「しかし、快適だなあ。もともとPHSをモデムに使っていた身からすると、電話代を気にしな くていいのがなによりありがたいねえ」
「しかもカード型のPHSじゃなくて普通のPHSだからな。まあ、それだってISDNと同じ速度 は出ていたんですけどね」
「今後は、色々なホームページを見に行きますので、リンクページでどんどん紹介します。よ ろしく。…あ!」
「なんだよ」
「カーロンです」
「だからなんだよ!」
「ワールドカップに出られない名選手の紹介を忘れてたからさ」
「えー、カーロン選手はイタリアのインテル・ミラノ所属のフォワードです。シエラレオネ代表 です。ちなみに、シエラレオネはアフリカにあります」
「アフリカって、だいたい突出した能力を持った選手がまずヨーロッパあたりの有名クラブで 活躍して、徐々にその国の選手が活躍するというパターンが多いよな」
「おまえ、時々いきなりもっともらしいことを言うよな」


6月11日(火) へっぽこの「ブロードバンドやろうぜ!」後編
「へっぽこです」
「20世紀最後のファンタジスタ、ロベルト・バッジオです」
「えー、バッジオ選手は、1990年代、『イタリアの至宝』と呼ばれた選手です。しかし、今回 のワールドカップには、ケガの影響もあり代表には招集されませんでした」
「見たかったけどねえ」
「ちなみに、『ファンタジスタ』の定義は難しいですが、『見る者を魅了する名選手』というふう に理解してもらうといいのではないでしょうか」
「さあ、今日はペレの…」
「今日は『ブロードバンドやろうぜ』の続編です」
「え、『ワールドカップ殺人事件』は?」
「今日は『ブロードバンドやろうぜ』の続編です!」
「ちなみに、『ブロードバンド』というのは、インターネットで従来よりも多くのデータを早くやり 取りできる接続方法だと思ってください」
「具体的には、音楽や画像、映像のように、データとしての容量が大きいものをやりとりする 方法です。たとえばある画像のデータの大きさを100とする。で、これまでの接続方法で は、1分間にやり取りできるデータの量が10だったと考えてください。この場合、画像をやり 取りするにはデータを10ずつに分けて送らなければならない。つまり10分かかったわけで す。でも、ブロードバンドだと、1分間にやり取りできるデータ量が100だったり1000だった りに上がるわけです。このおかげで、たくさんの画像、映像を掲載したホームページを快適 に見ることができます」
「長げえなあ…。しかも解りにくいぞ」
「ちなみに従来の接続方法を、『ブロード(=広い)バンド』に対比して『ナロー(=狭い)バン ド』と呼んでいます」
「データのやり取りに時間がかかって、使っている人が『なろー』と言う、という意味もありま す」
「ありません。さて、ようやくプロバイダからADSL用のモデムが届きました。後はつなげて 設定をすればブロードバンドができるんです!」
「よし! その辺の設定はまかせとけ」
「大丈夫かよ?」
「俺の仕事を知らないな。これしきのこと、ちょちょいのちょいだ!」

 ……30分後。
「まだですか?」
「いやあ、あとはパソコンにケーブルをつなぐだけなんだけど…。パソコンのLANボードにケ ーブルが入らねえんだよ。このLANボードのコネクタにケーブルを入れれば完了なのに。 …ケーブルの先のコネクタをヤスリでちょっと削るか」
「そんな原始的な作業が必要なのかよ。ちょっと見せてみろよ…。……!」
「どうした?」
「えー、あなたの言っているLANボードというのはこれですか?」
「そうだよ」
「これは従来のインターネット接続に使うモデムのコネクタですね。ここにLANのケー ブルが入るわけねえだろ!」
「え、そうなの? 俺、今までPHSをつないでインターネットやってたから、てっきりそれがL ANのコネクタだと思ってたよ」
「そんなわけなねえよ。だいたいこのパソコン、LANボードついてないじゃないか」
「いやあ、初心者が良くやる間違いですな」
「いくら初心者でもやらないだろ。ここでおまえの職業を言ったら、みんな驚くぞ」
「まあ、明日LANボードを買ってこよう。というわけで今日はここまで」
「今回で終わるはずが、完結編が必要になっちゃったよ」


6月8日(土) 5月にはこんな本を読んだ(後編)
「へっぽこです」
「ネドベドです」
「えー、ネドベド選手は、チェコ代表のミッドフィルダーです。所属チームはユベントス(イタリ ア)。今回は、残念ながらチームが欧州地区予選で敗退してしまいました。ちなみに、『ネド ヴェド』と表記する場合もあります」
「しかし、俺はチェコといえばスクラヴィーを思い出すなあ」
「スクラヴィーは、旧チェコスロヴァキア代表だったフォワードです。三浦知良選手がイタリア のジェノアに在籍した頃のチームメイトでした」
「当時のジェノアには、ファントシップというオランダ人のミットフィルダーもいたんだよ。ケガ でほとんど出場できなかったけど」
「中途半端にマニアックなサッカートークをするな」
「5月に読んだ最後の4冊です」

●荒俣宏『奇ッ怪紳士録』(平凡社ライブラリー)
「19世紀末から20世紀の初め頃に実在した、奇人変人を紹介した本です」
「正直俺はこの本に出てきた人のことをほとんど知らなかったし、当時の歴史もそれほど勉 強していない。でも、ここに出てくるエピソードは本当に面白い。世の中にこんな人が実在し たのかよ、という面白さだな」
「でも、そういう面白さって、それを面白がる人がいて初めて成立するよね。その意味で、現 代の奇ッ怪紳士、荒俣宏の目の付け所がさすがです」
「たとえば、源義経が中国に渡ってジンギスカンになったと主張した小谷部全一郎の話に は、ある種の関心さえ抱いてしまいますよ、ええ」

●リュック・ヌフォンテーヌ『フリーメーソン』(創元社「知の再発見」双書)
「なんか、怪しい本が続くねえ」
「フリーメーソンは、簡単に説明すると、ヨーロッパやアメリカに現在も存在する秘密結社で す。よくトンデモ本で題材にされますね」
「この本をきちんと読んだ人間の説明とは思えねえな」
「まあまあ。実は最初は興味本位で読んだのよ。でも、フリーメーソンについて丁寧に紹介 した真面目な本だった。たまに言われる『OOはフリーメーソンの陰謀だ』って話も、ほとん ど信憑性がないことがわかる」
「まあ、われわれの生活にはあまり身近ではないので、一概にどうこうは言えませんけど ね」
「図や絵もふんだんに使われているので、入門書としてなかなかいいのではないでしょう か。『「知の再発見」双書』は、様々なテーマの本が出ていますので、興味がある方は探して みてください」

●みうらじゅん・山田五郎・泉麻人・安斎肇『日本崖っぷち大賞』(毎日新聞社)
「で、次はこんな本か」
「この本は、あるテーマについて、誰もが知っている『常識』と、誰も知らない『非常識』の間 の『崖っぷち』を討論して決めるという内容です」
「どうでもいいっちゃあ、どうでもいい内容ですな。しかし、上の4人が語るというのがいいで すねえ」
「だろう。『タモリ倶楽部』っぽい雰囲気が漂うんだよ。テーマも『ウルトラ怪獣』に始まり、『ヒ ゲの有名人』・『プロレス技』・『オレたちひょうきん族』など、くだらなくて面白い」

●読売新聞運動部編『サッカーの惑星 W杯参加国ガイドブック』(中公文庫)
「ワールドカップに参加している32か国の『現在』がわかる手軽なガイドブック。かつての名 選手のインタビュー、過去の大会のハイライトもある」
「気分を盛り上げるためにはいいですよね。簡単にまとまっているし」
「まあ、わかっている人にとっては必要ない本かと思いますが」

「ということで、5月の本12冊の紹介終了です」
「ということなんだが、次回も特別に本の紹介をします。今月読んだ本の速報です!」
「なんでそんなに急ぐんだよ?」
「なぜなら! それがペレ著『ワールドカップ殺人事件』だからだ!」
「なんと!」
 ……なんともわざとらしいが、次回に続く。


6月5日(水) 5月にはこんな本を読んだ(中編)
「サラスです!」
「サモラノです!」
「二人合わせてサ・サ・コンビです!」
「えー、サラス・サモラノの両選手は、いずれもチリ代表のフォワードです。1998年のフラン ス大会では世界を沸かせたツートップでしたが、残念ながら今大会は予選敗退でした」
「さて、5月の本第2弾ですぞ」

クラフト・エヴィング商会『じつは、わたくしこういうものです』(平凡社)
「まず、実在する人物の写真がある。その写真に、架空の氏名・職業が書かれている。そし てその人のインタビューがある。という凝ったつくりの本」
「その職業が、またいいんですよ。『ひらめきランプ交換人』『月光密売人』『二代目アイロン マスター』など、興味をひかれるんじゃないでしょうか。装丁やレイアウトも含めて、センスが あります」
「かっこいいねえ」

ノ・ジョンユン著・二宮清純監修『日韓サッカー文化論』(講談社現代新書)
「ノ・ジョンユンは、Jリーグ開幕当時にサンフレッッチェ広島に所属した韓国人選手です。そ の後オランダのチーム・セレッソ大阪を経て、現在はアビスパ福岡でプレーしています」
「韓国人Jリーガーのパイオニアです。韓国サッカーの特徴や、オランダでの生活などは興 味深かった。韓国のスポーツ選手と徴兵の話は、知っている人には常識だろうが、俺は勉 強になった。ラストにちょっと教訓めいた話が続くのは、人によって好き嫌いが分かれると 思うけどね」
「この本を読むと、日韓両国で行われるワールドカップに対する熱狂も一段と高まるのでは ないでしょうか」

●星新一『きまぐれフレンドシップPART2』(新潮文庫) 古本
「他の作家の小説の解説文・様々なパンフレットへ書いた文章などを集めたものです」
「PART1を読んだときにも思ったが、星新一の興味の範囲の広さを感じる。あとは、紹介者 としてのうまさね。ここで紹介されている小説は、みんな読みたくなってしまう」
「星新一は小説だけじゃなくて、エッセイも面白いですよね。平易な言葉で、色々なことを語 ってくれます」

杉浦茂・斉藤あきら・井上晴樹・後藤繁雄『杉浦茂――自伝と回想』(筑摩書房)
「今の若い人の中で、どれくらいが杉浦茂という漫画家を知っているのでしょうか」
「俺は夏目房之介の漫画評論で知った。児童漫画の主流である丸っこい描線なんだけど、 絵もストーリーもナンセンスでシュールな印象を持っています」
「2000年に92歳で亡くなった杉浦茂の、自伝とインタビュー、かつての弟子による回顧録 をまとめた本です」
「生い立ちや私生活を知ると、意外に思う点も多い。でも、そうしたことを知らなくても杉浦茂 の漫画は面白いし、そうしたことを知ってもその面白さには変わりはないね」

「次回で5月の本は最終回です。その後も企画は色々あるので、ちょっとハイペースでトー クを掲載していきます。お楽しみに」
「近いうちにプレゼント大会でもやろうかと思います。そちらもお楽しみに」


6月3日(月) 5月にはこんな本を読んだ(前編)
「へっぽこです」
「シェフチェンコです」
「えー、シェフチェンコ選手は、ウクライナ代表のサッカー選手です。ポジションはフォワー ド、所属クラブはACミラン(イタリア)です」
「今月はワールドカップに出られない名選手を紹介します」
「また趣味の悪いまねを…。さあ、今日は5月に読んだ本の紹介です」
「全部で12冊あるので、4冊ずつ3回に分けて紹介します。その方がネタ切れの心配もな いし
「そういう言い方をするな。1冊1冊を深く紹介したいというのが本当の理由です」
「そうかぁ?」
「おまえが疑ってどうすんだよ! さあ、始めるぞ」

ミニコミ『廃本研究Vol.2』(杉並北尾堂)
杉並北尾堂発行のミニコミ誌です。雑誌というよりも本に近い内容の濃さですが」
「大きく分けて、バカミステリー、バカSFと呼ばれる小説を紹介するパート、ライターのコラ ムやエッセイを中心に、ボツ原稿を集めたパート、そして主にノンフィクションの本の研究パ ートからなる。しかし、掲載されている文章にほとんどはずれがないよ。人によって好き嫌い はあるだろうが、俺は楽しめた」
「ミニコミのため、普通の本屋にはないので、詳しく知りたい方は北尾堂のページへどうぞ」

菊地聡『超常現象の心理学 人はなぜオカルトにひかれるのか』(平凡社新書)
「超能力やオカルトを疑いなく信じている人には、ぜひ読んで欲しい本ですね」
「個人的には、『血液型による人間分類』の間違いを指摘した部分をぜひ多くの人に読んで 欲しい。あと、占いを信じている人も、この本を読めば心おきなく信じられなくなります」
「同じ著者の『超常現象をなぜ信じるのか』(講談社ブルーバックス)もおすすめします」

織田正吉『笑いとユーモア』(ちくま文庫) 古本
「笑いを『ウイット』『コミック』『ユーモア』に分類し、考察していく本です」
「といっても難しい内容じゃない。落語・狂言からアメリカのコメディ映画まで、豊富な事例か ら『人間が面白いと感じるもの』について考える本です」
「読んで面白く、ためになりますね」 

川上弘美『パレード』(平凡社)
「同じ著者の『センセイの鞄』に出てきた2人を主人公にした短い話です」
「一読すると子どもにも理解できそうな平易な文章なんだけど、なぜか心に残る。不思議な 話だ。ある日突然2匹の天狗が見えるようになった、女の子の思い出が淡々と語られてい きます」
「『センセイの鞄』を読んでいなくても、独立した物語として楽しめるし、『センセイの鞄』を読 んでいると、また心に染みる部分があります」

「今日はここまで!」
「続きは次回になります。お楽しみに」


6月1日(土) お笑いを語る 完結編 の巻
「ということで、月をまたいでしまいましたが、お笑いについての話に決着をつけましょう」
「一行コメント程度になるが、前回挙げた10組について語ろうか。ちなみに順不同です」
●ハリガネロック
 ボヤキ漫才の王道を行く正統派。息の合った2人でのツッコミを初めて見たときは、とに かく笑った。
●ますだおかだ
 もはやメジャーだがあえて。ボケもツッコミも、強烈な個性があるわけではないのだが、漫 才をやるととにかく面白い。不思議な魅力がある。
●アメリカザリガニ
 ハイテンションなつっこみとクールなボケ。昔のダウンタウンを思わせる。2人の温度差 が、なんともいえない。
●アンタッチャブル
 ボケの存在感がすごい。それに対する適切なツッコミが笑いを倍増させる。まさにぴった りのコンビだと思う。
●おぎやはぎ
 テンポ・雰囲気とも独特のものがある。ボケもツッコミも淡々としているのに、じわじわと面 白くなる。
●ダイノジ
 作りこんだコントから、アドリブの応酬じゃないかと思うような漫才まで、色々なネタがあ る。人によって好き嫌いがはっきりすると思う。俺は大好きです。
●中川家
 兄弟による漫才。背が小さくてボケまくる兄ちゃんを、でかい弟がツッコミまくる。大阪の漫 才らしい漫才だと思う。
●テツandトモ
 ジャージの二人組が、ギターをかき鳴らし歌い踊る。「なんでだろ」「ぜんぶ嘘なのよ」など の歌ネタは、21世紀の「なんでかフラメンコ」「やんなっちゃうな」と言っても過言ではない。
●パペットマペット
 黒子のようなかぶりものをした男が、「かえる」と「うし」の人形を操ってショートコントを繰り 広げる。言葉で表現するとシュールだが、実際に見るともっとシュールだぞ。ちなみに初め て見たとき、「ずるいいっこく堂だ…」と思った。
●マギー審司
 師匠のマギー司郎直伝のトークと、アメリカで修行したという本格的なマジックが持ち味。 個人的には独特の間が好き。
「こんなもんだ」
「しかし、世がワールドカップで盛り上がっているときに、なにやってんだろうね」
「いや、フリートークはわが道を行く。そのかわり、掲示板ではサッカートークで盛り上げま すぜ」
「ということで、次回のトークもサッカーとは関係ない話題の予定です」
「5月に読んだ本の感想だよ!」
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