「木の葉燃朗のがらくた書斎」トップ>>木の葉燃朗の週刊ほんトーク>>2007年1月

木の葉燃朗の週刊ほんトーク

タイトルどおり、およそ週刊ペースで 本に関するあれこれの情報を紹介しようと思います。基本的には、自分のブログ(木の葉燃朗の「本と音楽の日々」)に 掲載したものの再録ですが、 ブログに載せきれなかった小ネタなども あわせて紹介していきます。
本に張っているリンクは、特に断り書きがなければ、オンライン書店bk1へのリンクです。

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2007年1月

【2007.01.22-2007.01.28号】(2007.01.29掲載)このページの先頭に戻る

■オンラインで無料で読める電子ブックサイト「Flib」(ブログ未掲載)
■Googleが書籍のダウンロードサービス(電子書籍)を計画しているらしい(ブログ未掲載)
■『コミック・ガンボ』、雑誌版が欲しいのだが入手できない(ブログ未掲載)
■サッポロ「生搾り」のサイトに、作家長嶋有氏のエッセイが掲載(ブログ未掲載)
■新潮社の『yomyom』は、あえて文庫サイズにしなかった、それができたことで目立った(のだろうきっと)

■オンラインで無料で読める電子ブックサイト「Flib」(ブログ未掲載)

 イーブック・システムズが、FlipBook形式の電子書籍をオンライン上で読めるサイト「Flib」の運営を開始しました。

・Flib
・電子ブックのポータル「FlipBook」がサービス開始--広告モデルで閲覧無料に - CNET Japan

・イーブック、無料で読める電子ブックを多数収蔵した「Flib」を公開 / デジタルARENA
・Japan.internet.com Webビジネス - 無料の電子ブック図書館「Flib」オープン、「コミック・ガンボ」もコンテンツ提供

 専用のビューワーソフトをインストールすると、webブラウザ上で読めるようです。購読は無料。雑誌のほか、絵本や小説などもラインナップに入っています。
 現時点ではそれほど本の数は多くないですが、これから増えていくと面白いかもしれない。

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■Googleが書籍のダウンロードサービス(電子書籍)を計画しているらしい(ブログ未掲載)

 詳しくは下記の記事をご参照ください。インターネット上で書籍のデータをダウンロードして、専用のモバイル端末で読めるようにする計画のようです。

・グーグル、書籍のダウンロードサービスを計画か--ブログ界の反応 - CNET Japan

 電子書籍って、あまり普及しないけれど、Googleの取り組みはどうかなあ。ポイントになるのは、やはり本を読むための端末だと思う。

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■『コミック・ガンボ』、雑誌版が欲しいのだが入手できない(ブログ未掲載)

 (株)デジマより、無料のマンガ雑誌『コミック・ガンボ』が刊行されています。ニュースリリース(pdfファイル)によると「新人ではなく既に実績のあるマンガ家による、読者が「次号を読みたい」
と思うような読み応えのある連載マンガを毎週約15 本掲載」するとのこと。首都圏で週刊で配布されています。執筆陣には江川達也・しりあがり寿・村上もとかなどの諸氏の名前があります。
 また、サイトでもマンガの閲覧が可能のようです。
・『コミック・ガンボ』 / ・(株)デジマ

 気になっていて、一度雑誌を入手してみたいのですが、配布したのを見たことがない。秋葉原は配布場所一覧に入っているんだけれどねえ。まあ、チャンスがあったら入手してみます。

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■サッポロ「生搾り」のサイトに、作家長嶋有氏のエッセイが掲載(ブログ未掲載)

 下記URLから読めます。北海道で生まれた、または育った方が、北海道の魅力を語る、という趣旨のようです。実家のある白老(しらおい)に関する話なのだが、笑ってしまうような内容。それでいて、ちゃんと(失礼か)「いいところなんだろうなあ」と思わせてくれる。

・長嶋有氏:namashibori.com|私が好きな、北海道。

・オンライン書店bk1>>著者インデックス>>長嶋有
・オンライン書店bk1>>著者インデックス>>ブルボン小林

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■新潮社の『yomyom』は、あえて文庫サイズにしなかった、それができたことで目立った(のだろうきっと)
 新潮社の文芸誌『yomyom』、書店に行くと、新潮文庫の平積みとともにちゃんと並んでいます。文庫コーナーで、倍の大きさのA5サイズというのは、目立ちます。

 文庫コーナーには置くけれど、あえて文庫サイズにしないというのが、目立った秘訣なのだろうと思います。普通、文庫コーナーに雑誌を置いてもらうとすると、文庫サイズにしようと考えるでしょう。実際、講談社の『IN☆POCKET』とか、PHP研究所の『文蔵』とか、文庫サイズで、文庫コーナーに置かれる雑誌というのもあるのですが、サイズが同じだと他の文庫本にまぎれてしまっている印象があります。

 一方、文庫の売上が少なかったり、歴史が浅かったりする出版社が「文芸誌を文庫コーナーに置いてくれ」と言っても、書店側で納得しなかっただろうと思います。これは、歴史の長くてシェアのある新潮文庫ならではという気もします。この辺の、自分の実力を考えた上で冒険に出る、というのは、うまいなあと思う。

・PHP研究所>>『文蔵』
オンライン書店ビーケーワン:文蔵 2007JANUARY・PHP文庫「文蔵」編集部編『文蔵 2007JANUARY 特集・「井上靖」の世界がわかる 』(2007.1,PHP研究所,\500)(オンライン書店bk1)

・講談社>>『IN☆POCKET』
オンライン書店ビーケーワン:In・pocket 2006年12月号・『In・pocket 2006年12月号 〈特集〉現代エンタメの「新・古典」』(2006.12,講談社,\200)(オンライン書店bk1)

・新潮社>>『yom yom』
オンライン書店ビーケーワン:yomyom Vol.1・重松清他『yomyom Vol.1』(2006.12.7,新潮社)(オンライン書店bk1)

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【2007.01.15-2007.01.21号】(2007.01.24掲載)このページの先頭に戻る

■本とデジタルの連携についての気になる記事(ブログ未掲載)
■「ガチャピン本」が二冊
■ガンダムのシャアの本、色々出ているが、個人的に気になるのは声を演じた池田秀一氏の本
  ■読書録に載らない本の感想:雑誌『TV Bros.』
■雑誌『文藝』(2007年春季号)は恩田陸特集です
■永島慎二『黄色い涙』が復刊

■本とデジタルの連携についての気になる記事

 本とデジタルの連携について、いくつか興味深い記事がありましたので紹介します。

・nikkeibp>>bpspecial ITマネジメント:コラム>>鈴木貴博のビジネスを考える目>>本が売れないとお嘆きの書籍業界に
 「パソコンソフトと同じライセンス登録制で販売」というアイデア。ライセンス登録すると、電子書籍や書籍をフォローしたサイトなどを読めるようにする、というもの。ちょっとだけ土俵をずらして有利な場で勝負するという話。

 以下は実際に行われている本とデジタルの連携の紹介記事です。

・オリコン、幻冬舎の新作ホラー小説を出版前にブログで一部公開 - ニュース - nikkei BPnet
 山田悠介氏の『ドアD』とのこと。これからこういうプロモーションは増えてくるのだろうなあ。書店の立ち読みの代わりとでもいうか。

・紀伊國屋書店、ケータイ向け在庫確認サービスを開始:日経パソコンオンライン
 香川県の高松店から開始で、順次全国の店舗で展開とのこと。店内の在庫の有無、本のある位置なども表示するとのこと。

・無料のウェブ出版サービス--自動で独自形式の電子本に変換 - CNET Japan
・ZenDoku
 サイト「ZenDoku」に登録し、閲覧が可能。閲覧には専用のビューワーのインストールが必要ですが、登録・閲覧とも無料とのこと。

・Japan.internet.com E-コマース - オトバンク、オーディオブックポータル「FeBe」をオープン
・FeBe
 オーディオブックはなかなか普及していない気もします。素材として面白いと思うのですがねえ。

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■林芙美子『放浪記』を読んでみたくなる

 下の記事で林芙美子について読みまして。

・特集・自分を生きた女たち〜林芙美子(書物漂流):NBonline(日経ビジネス オンライン)
(1) :失恋、貧乏、ひとり旅、「ボロカス女」の人生の乗り切り方

(2)「出世時代」 憧れの“成金女”になって、巴里を闊歩
(3)「家庭生活」 放浪の末手にした「家庭」という幸せ

 林芙美子も『放浪記』も、名前はもちろん知っていたのだが(森光子さん主演の舞台でもお馴染みですね)、読んでみようと思ったことはなかった。
 でも、ちょっと興味が湧いてきました。『放浪記』、読んでみようかなあ。

オンライン書店ビーケーワン:放浪記・林 芙美子著『放浪記』(2002.12,新潮文庫,\780)(オンライン書店bk1)
オンライン書店ビーケーワン:林芙美子放浪記・林 芙美子〔著〕『林芙美子放浪記』(2004.2,みすず書房,\2,520)
「林芙美子の自由な生き方、個性の真骨頂である「放浪記」を、改造社版(昭和5年刊)をテクストに、明治、大正、昭和期の人物エッセイに定評のある森まゆみが、その異同を明らかにする一冊」(オンライン書店bk1の紹介文)
 みすず書房版が初版と同じ内容、今普及している新潮文庫版は、のちに推敲されたもの、のようです。

オンライン書店ビーケーワン:林芙美子・KAWADE夢ムック『林芙美子』(2004.5,河出書房新社,\1,200)
「内容説明 林芙美子の魅力の核心に迫る。川本三郎と与那原恵の対談、井上友一郎や川端康成らの座談会、木村徳三らのエッセイの採録、いしいしんじの林芙美子宅訪問などを掲載。『文芸』別冊 」(オンライン書店bk1の紹介文)

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■「ガチャピン本」が二冊

 ガチャピンの本が、二冊出ています。
 一冊はブログを本にしたもの。
オンライン書店ビーケーワン:ガチャピン日記・ガチャピン著『ガチャピン日記』(2006.12,メディアファクトリー,\1,050)
「ぼくがはじめて書いた本だよ! 2006年7月26日からスタートしたガチャピン日記が本になりました。10月までの日記、グラビア「ぼくの1日」、ガチャピンチャレンジ名場面集などを公開します。巻末にムックの日記付き」(オンライン書店bk1の紹介文)
・ガチャピン日記

 もう一冊は、ガチャピンとムックが東京を観光する本。
オンライン書店ビーケーワン:ガチャピン・ムックのゆっくりゆったり東京散歩・『ガチャピン・ムックのゆっくりゆったり東京散歩』(2006.12,ワニブックス,\1,050)
「東京タワーに始まり、浅草で人力車に乗ったり、日暮里の銭湯でお風呂に入ったり、荒川でもんじゃ焼きを食べたり…。普段の何気ないガチャピン・ムックがいっぱい。心がほっとして、やさしくなれる写真集」(オンライン書店bk1の紹介文)

 「普段の何気ないガチャピン・ムック」って……。でも、こういう著名人(人?)による東京案内というのは、ちょっと面白いのではないかと思う。

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■ガンダムのシャアの本、色々出ているが、個人的に気になるのは声を演じた池田秀一氏の本

   『機動戦士ガンダム』のシャア(シャア・アズナブル)をテーマにした本が、最近出ていまして。中にはビジネスと絡めて語られるという、ちょっと前なら冗談でしかなかった本も、本気で出版されています。
 1980年代に『機動戦士ガンダム』に夢中になった世代が、30歳〜40歳近くになっていることを考えると、たしかにテーマとしてありなのかもしれない。
 ただ、個人的には、「『機動戦士ガンダム』に影響を受けた人の本」よりも、「当時『機動戦士ガンダム』に関わっていた人の本」の方が興味深いわけで。
 だから一番気になるのは、シャアの声を演じた池田秀一氏による下記の本です。

オンライン書店ビーケーワン:シャアへの鎮魂歌・池田 秀一著『シャアへの鎮魂歌 わが青春の赤い彗星』(2007.1,ワニブックス,\1,365)
「シャアの声優が初めて語った、「赤い彗星」とともに生きた27年。すべてのガンダム・ファンに捧ぐ、本人にしか書けない「真実の」ガンダム・ヒストリー。Gacktのメッセージも収録」(オンライン書店bk1の紹介文)

 その他のシャア関連本や記事も、紹介します。

オンライン書店ビーケーワン:評伝シャア・アズナブル 上・皆川 ゆか著 / サンライズ監修『評伝シャア・アズナブル 上』(2006.12,講談社,\600)
オンライン書店ビーケーワン:評伝シャア・アズナブル 下・皆川 ゆか著 / サンライズ監修『評伝シャア・アズナブル 下』(2006.12,講談社,\600)

・GUNDAM OFFICIALS.COM>>評伝シャア・アズナブル
・講談社BOOK倶楽部:評伝シャア・アズナブル〜《赤い彗星》の軌跡〜

・ITmedia News:シャアに学ぶ「男の生き方」 新書で一代記
・ITmedia Biz_ID:シャアの名言に学ぶ、仕事術

オンライン書店ビーケーワン:語ろうシャア!・レッカ社編著『語ろうシャア!』(2004.4,カンゼン,\1,449)
「ガンダム世代の「永遠のカリスマ」、シャア・アズナブルの魅力とは? その魅力をガンダム世代のクリエーターたちの詳言によって多角的に解き明かす、シャア専用読本。シャア専用「トリビア+富野由悠季発言集+語録」も収録」(オンライン書店bk1の紹介文)

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■読書録に載らない本の感想:雑誌『TV Bros.』

・雑誌『TV Bros. 2007年1月20日号』(東京ニュース通信社)
 主な特集は下記のとおり。

  • 若者よ、書は捨てなくてもいいから、旅に出ろ
     ライター森知子氏の2年3カ月にわたる旅の記録。ヨーロッパ・南米・中東・インドと回っている。
     アルゼンチンのブエノスアイレスがいい町だったとか、中東ではイエメンがいい国だったとか、面白いなあ。ちょっと旅してみたくなった。
     たしか前にも海外旅行の様子を『TV Bros.』の特集で書いていたと思うのだが、個人的には書籍化して欲しい。
     ちなみに今は帰国していて、再びライターをされています。
    ・ブログ:ライター 森知子(もりともこ)の旅
  • 就活シーズン到来間近! おかしなおかしな会社案内
  • 海洋堂フィギュアでめぐる「美しい国」ニッポン紀行

 個人的には残りの二特集はあまりぐっと来なかった。
 その他でそういえばと思ったのはスポーツコーナー。「書く闘技通信」というコーナーで、秋山成勲選手のインタビューを連載していたことを読んでから思い出した(前号は新年号で連載が休みだったので)。今号は、「K-1 PREMIUM 2006 Dynamite!!」後の年始の電話インタビューが掲載されている。
 しかし、秋山成勲・桜庭和志戦は秋山選手の不正によりノーコンテストになり、さらに1月17日に秋山選手はFEG(「Dynamite!!」を主催した会社)が主催する大会(K-1やHERO'S)についての無期限出場停止処分が追加された。

・スポーツナビ 格闘技|K-1|秋山成勲戦に関する桜庭和志会見 秋山に無期限出場停止の追加処分が決定

 この状況下で『TV Bros.』が秋山選手に取材をして、どういう記事になるのかは非常に気になる。特に、下記の写真集を刊行している東京ニュース通信社として、どこまでの話を引き出して掲載するか。秋山選手の取材を行ったことは、写真集とまったく関係がないわけではないだろうから。
オンライン書店ビーケーワン:秋山・山内 順仁写真『秋山 秋山成勲写真集 』(2007.1,東京ニュース通信社,\2,000)
「HERO’Sライトヘビー級チャンピオン・秋山成勲の魅力のすべてを収めた写真集。勇ましい試合中の姿から、チャンピオンを獲得した感動の瞬間、トレーニング風景やプライベートショットなど、直筆コメントも交えて収録する」(オンライン書店bk1の紹介文)

 秋山成勲・桜庭和志戦については、ブログに書いた下記の記事もご覧ください。
・2007年01月14日:格闘技をライブで観戦してみたい、と、大晦日の中継を見て思った(おすすめがあったら教えてください)

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■雑誌『文藝』(2007年春季号)は恩田陸特集です

 雑誌『文藝 2007年春季号』(河出書房新社)は、恩田陸特集です。
 3月に刊行予定の『ブラザー・サン、シスター・ムーン』の予告編の小説とか、インタビュー・対談・Q&Aなどが掲載されています。
 立ち読みしてきて、ちょっと気になったので、もう一回書店で見て、購入するかどうかを決めようと思います。

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・オンライン書店bk1>>著者インデックス>>恩田陸

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■永島慎二『黄色い涙』が復刊

   今年の春の実写映画公開(犬童一心監督)もあって、永島慎二氏の『黄色い涙』が復刊されています。
オンライン書店ビーケーワン:黄色い涙・永島 慎二著『黄色い涙』(2006.11,マガジンハウス,\1,260)

 映画は、主演は「嵐」の5人。香椎由宇なども出演とのこと。個人的には、もう少し渋めのキャストの方が好みなのですが、映画もちょっと気になります。
・映画『黄色い涙』

(参考)永島氏の作品集も、昨年刊行されています。

オンライン書店ビーケーワン:永島慎二の世界・永島 慎二著『永島慎二の世界 1962〜1972アンソロジー 』(2006.9,チクマ秀版社,\1,890)
「代表作「青春裁判」「花いちもんめ」から、女性誌に掲載された「井上陽子の場合」まで、1962年から1972年に描かれた珠玉の短編、全11作品を収録。永島慎二10年間の軌跡」(オンライン書店bk1の紹介文)

・チクマ秀版社>>『永島慎二の世界』特集ページ

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【2007.01.01-2007.01.07号】【2007.01.08-2007.01.14号】(2007.01.21掲載)このページの先頭に戻る

■ブログの次はSNSが本の元ネタになりそうですね(ブログ未掲載)
■第136回直木賞・芥川賞について
■同人誌『幻影城の時代』、気になる
■「カルタ2.0」の本
■読書録に載らない本の感想:雑誌『GAME SIDE (ゲームサイド) 』(ファミコン特集)
■中央公論社のアーカイブスとも言える文庫

■ブログの次はSNSが本の元ネタになりそうですね

 ブログを書籍化するという経路はすっかり定着してしまった感がありますが、アメリカではSNSで読者投票を行い、作家の発掘をしているようです。

・新人作家発掘コンテスト,SNSサイトで読者投票:ITpro

 日本でもSNSの「mixi」から出版された本がいくつかあります。ブログの次はSNSが本の元ネタになりそう。
 まあ、「面白いけれど、これまでだったら埋もれていた才能」が発掘されるのであれば、いいのではないかと思う。ただ、電脳空間上に漂うゴミみたいな活字を本にしても、結局燃えるゴミにしか……(なんでもないです)

オンライン書店ビーケーワン:59番目のプロポーズ・アルテイシア著『59番目のプロポーズ』(2005.7,美術出版社,\1,575)
「キャリア系女子「アルテイシア」が出会ったオタクの彼。強引なアタックで付き合うことを決めたが、彼は今まで出会ったどんな男とも違っていた…。ソーシャルネットワーキングサイト「mixi」掲載の個人の日記を単行本化」(オンライン書店bk1の紹介文)
オンライン書店ビーケーワン:59番目のプロポーズ 続・アルテイシア著『59番目のプロポーズ 続』(2006.3,美術出版社,\1,575)
「キャリア系女子「アルテイシア」が付き合うことになったオタクの彼「59番」。2人は互いをかけがえのない存在と認識していき…。ソーシャルネットワーキングサイト『mixi』で話題を呼んだ個人の日記を単行本化」(オンライン書店bk1の紹介文)
オンライン書店ビーケーワン:その恋あたためますか?・KIMU著『その恋あたためますか? コンビニ男ときむらさんの恋日記』(2006.7,ワニブックス,\1,155)
「美大生「きむ」さんのバイト先は、すっごい暇なコンビニ。ある日彼女は、男性客に1枚のレシートをもらい…。ソーシャルネットワーキングサイト『mixi』にアップロードされた「コンビニ男」を加筆、修正、改題して書籍化」(オンライン書店bk1の紹介文)
オンライン書店ビーケーワン:半径50センチのできごと。・Oka‐Chang著『半径50センチのできごと。』(2005.3,主婦と生活社,\1,470)
「mixi上で「友人まで公開」の制限付だった超極私的日記を「全体に公開」。モデル→芸者→作家、Oka‐Changの日常生活はこんなにも素敵」(オンライン書店bk1の紹介文)
オンライン書店ビーケーワン:話のつまらない男に殺意を覚える・ドレミファガール編『話のつまらない男に殺意を覚える』(2007.1,小学館,\1,050)
「話のつまらない男や場の空気を読めない男など、女が男の言動に“殺意”を覚えた爆笑必至の数々。mixiコミュニティの書籍化。世の中のカン違いバカ男をぶった斬ります!」(オンライン書店bk1の紹介文)

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■第136回直木賞・芥川賞について

 第136回直木賞・芥川賞が発表になりました。

  • 直木賞:授賞作なし
  • 芥川賞:青山七恵「ひとり日和」

 とりあえず、私の適当な予想が外れてひと安心。ちなみに予想は下記のとおりでした。

 直木賞は、白石一文『どれくらいの愛情』が受賞すると予想します。
 理由:候補作の中で、唯一文藝春秋から刊行されているから。

 直木賞は、佐川光晴 「家族の肖像」と星野智幸「植物診断室」のダブル受賞を予想します。
 理由:候補作の中で、文藝春秋の『文学界』に掲載されたニ作品だから。そしておそらく、作品が収録された本が文藝春秋から刊行されるだろうから。

 もし予想通り(前回同様、文藝春秋関連の作品が受賞)なら、両賞が文藝春秋の販売促進のための賞になったというイメージが強くなってしまったかもしれないからねえ。前回の結果を見て、賞の名前を「文藝春秋純文学賞」と「文藝春秋大衆文学賞」に変えた方がいいと思ったくらいなので。
 ただ、この両賞の意義などについては色々と考えてしまう。
・文藝春秋>>芥川賞 ・文藝春秋>>直木賞

 なお、直木賞の候補作品は下記六編でした。

オンライン書店ビーケーワン:空飛ぶタイヤ・池井戸 潤著『空飛ぶタイヤ』(2006.9,実業之日本社,\1,995)
「小さな運送会社のトレーラーが起こしたタイヤ脱輪による死亡事故。事故原因は整備不良か、それとも…。「容疑者」と目された男が、家族・仲間とともにたったひとつの事故の真相に迫る、果てなき試練と格闘の数か月! 」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:四度目の氷河期・荻原 浩著『四度目の氷河期』(2006.9,新潮社,\1,890)
「ぼくは今日から、トクベツな子どもになることにした−。何をやっても、みんなと同じに出来ないワタルは、ある日死んだ父親に関する重大な秘密を発見する。その瞬間から、少年の孤独なサバイバルゲームは始まった…」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:ひとがた流し・北村 薫著『ひとがた流し』(2006.7,朝日新聞社,\1,680)
「高校からの幼なじみの千波、牧子、美々。千波が不治の病を宣告され、3人はそれぞれの思いや願い、記憶の断片を思い起こしていく。かけがえのない友よ、時間たちよ−。『朝日新聞』に連載された、北村薫の心ゆさぶる長編小説」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:一瞬の風になれ 1・佐藤 多佳子著『一瞬の風になれ 1』(2006.8,講談社,\1,470)
「サッカーに限界を感じた新二と、やる気のない天才スプリンター連。とくに強豪でもない春野台高校陸上部に入部した幼なじみの2人。それがすべての、始まりだった−。思わず胸が熱くなる、とびきりの陸上青春小説」(オンライン書店bk1の紹介文)
オンライン書店ビーケーワン:一瞬の風になれ 2・佐藤 多佳子著『一瞬の風になれ 2』(2006.9,講談社,\1,470)
「少しずつ陸上経験値を上げる新二と連。才能の残酷さ、勝負の厳しさに出会いながらも強烈に感じる、走ることの楽しさ。意味なんかない。でも走ることが単純に尊いのだ。何かに夢中だったすべての人に贈る陸上青春小説」(オンライン書店bk1の紹介文)
オンライン書店ビーケーワン:一瞬の風になれ 3・佐藤 多佳子著『一瞬の風になれ 3』(2006.10,講談社,\1,575)
「部長になった新二とエースの連。春高陸上部の仲間たちとのハードな練習の向こうに見据えるのは、この部で、このメンバーで、インターハイに行く、ということ−。陸上青春小説、圧倒的迫力の完結編!」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:どれくらいの愛情・白石 一文著『どれくらいの愛情』(2006.11,文藝春秋,\1,800)
「HOW DEEP IS YOUR LOVE? 離れていても、愛し合えるのか。現実よりもリアルで、映画よりも素敵な恋の物語を4話収録。『小説宝石』『オール読物』掲載作品に、書き下ろしの表題作を加えて単行本化」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:失われた町・三崎 亜記著『失われた町』(2006.11,集英社,\1,680)
「30年に一度起こる町の「消滅」。忽然と「失われる」住民たち。喪失を抱えて「日常」を生きる残された人々の悲しみ、そして願いとは。時を超えた人と人のつながりを描く長編小説。『小説すばる』掲載に加筆修正し、単行本化」(オンライン書店bk1の紹介文)

 また、芥川賞の候補作品は下記五編でした。( )内は掲載された雑誌です。

  • 青山七恵「ひとり日和」(文芸・秋号)
  • 佐川光晴 「家族の肖像」(文学界・12月号)
  • 柴崎友香「その街の今は」(新潮・7月号)
  • 田中慎弥「図書準備室」(新潮・7月号)
  • 星野智幸「植物診断室」(文学界・9月号)
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■同人誌『幻影城の時代』、気になる

 先日ブックファースト渋谷店にて、幻影城の時代の会・編『幻影城の時代』という同人誌を見かけました。
 探偵小説専門誌『幻影城』(1975年〜79年)にまつわる内容となっています。元編集長・島崎博氏へのインタビューや、当時の執筆者・読者で現在作家になった方々の文章などが掲載されている。表紙のデザインや目次のレイアウトも、『幻影城』を模していて、作り手の情熱を感じます。
オンライン書店ビーケーワン:幻影城の時代 資料・研究編、回顧編・〈幻影城の時代〉の会 編『幻影城の時代 資料・研究編、回顧編』(2006.12.15,エディション・プヒプヒ,\1,500)(オンライン書店bk1)

 下のサイトによると「版元完売のため、現在は流通在庫のみ」とのこと。取扱書店も同サイトに記載されていますので、気になる方はご確認ください。

・探偵小説専門誌「幻影城」と日本の探偵作家たち
(上記ページより本の内容を引用)

【内 容】
表紙画:渡辺東&山野辺進 レイアウト&デザイン:池田拓
〈巻頭言〉
『幻影城』ありがとう/泡坂妻夫

〈『幻影城』を語る〉
『幻影城』編集長・島崎博さんに聞く 島崎博ロングインタビュー

島崎さんと『幻影城』(権田萬治インタビュー)/『匣の中の失楽』のころ(竹本健治インタビュー)/薔薇十字社と島崎さん(内藤三津子インタビュー)/『幻影城』をデザインして(池田拓インタビュー)/『幻影城』のことなど(山本秀樹インタビュー)

〈『幻影城』回顧〉
「幻影城」の思い出(二上洋一)/鋭い眼をした人(渡辺東)/“幻影城”の片隅で(山野辺進)/麒麟の会(渡邊一考)/歌舞伎町の一夜(戸川安宣)/「影の会」始末(麻田実)/幻影遥かなり(田中文雄)/幻影城へ還る(連城三紀彦)/『幻影城の時代』刊行によせて(田中芳樹)/「幻影城」のころ(栗本薫)/幻影城のころ(友成純一)/懐かしの《幻影城》(山沢晴雄)/幻影城と私(天城一)/落選者かく語りき(新保博久)/怪の会の頃(よしだまさし)/幻影城の思い出(伊藤秀雄)/島崎博さんの古本屋修業(大内茂男)/島崎さんのこと(土屋隆夫)

〈論考〉
宿題を取りにいく(巽昌章)/『幻影城』の文脈(横井司)/島崎幻影城と乱歩幻影城(垂野創一郎)/『幻影城』四年半史(沢田安史)

〈『幻影城』へのオマージュ〉
亜駆良人、芦辺拓、阿部崇、綾辻行人、有栖川有栖、歌野晶午、太田忠司、大橋博之、大森望、奥木幹男、小山正、樫葉浩嗣、霞流一、唐沢俊一、紀田順一郎、北原尚彦、北村薫、日下三蔵、倉阪鬼一郎、越沼正、小西昌幸、小林文庫オーナー、彩古、末國善巳、須川毅、杉谷健治、素天堂、千街晶之、竹内博、田中幸一、谷口年史、戸田和光、長瀬信行、中辻理夫、長山靖生、濤岡寿子、縄田一男、二階堂黎人、西上心太、野村宏平、法月綸太郎、萩元幸治、長谷川卓也、浜田雄介、はやみねかおる、早見裕司、東雅夫、廣澤吉泰、深堀骨、福井健太、藤原義也、細谷正充、真中耕平、皆川博子、宮澤@探偵小説頁、宮部みゆき、村上裕徳、森下祐行、森英俊、八木昇、山口雅也、山田正紀、山前譲

〈編者より〉
島崎博を追った二〇〇四年・台湾独立運動と『幻影城』の休刊・三十年ぶりの『別冊幻影城』と狩久の遺作(野地嘉文)/島崎博さんにお会いして(石井春生)/巻末小記(岩堀泰雄)/編集後記(本多正一)

『幻影城』ギャラリー(渡辺東、山野辺進、池田拓)
島崎博の仕事リスト・日本編/台湾編 (野地嘉文作成)
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責任編集:本多正一
同人代表:岩堀泰雄
同人:石井春生、沢田安史、垂野創一郎、野地嘉文
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(引用終わり)

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■「カルタ2.0」の本

・カルタ2.0
・カルタが"2.0"になるとどうなる? - CNET Japan
 「カルタ2.0」ってなに? と思ったら、要は参加者から文面を投稿で受け付けるということらしい。
 そしてできたのが下の本。まあ、昔からテレビやラジオの投稿を集めた本は出ているので、そんなに「2.0、2.0」というほどでもないとは思うのですが。「サラリーマン川柳」も「川柳2.0」になっちゃう気がするし。

オンライン書店ビーケーワン:おかんカルタ・藤井組著『おかんカルタ』(2006.11,ベストセラーズ,\1,050)
「「あ」んたを中心に地球は回ってないねん。「い」や、このコ24歳も年上の俳優と結婚やて。「う」いた話はないんかいな…。幸せって? 家族って? 友情って? 恋愛って? 関西発「おかん」の格言、カルタで登場!」(オンライン書店bk1の紹介文)

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■読書録に載らない本の感想:雑誌『GAME SIDE (ゲームサイド) 』(ファミコン特集)

GAME SIDE (ゲームサイド) 2007年 02月号 [雑誌]

マイクロマガジン社
売り上げランキング: 1983


 定期購読しているゲーム雑誌。特集は、「今、本当に遊びたいファミコン」。任天堂のWiiで、過去のゲーム機のゲームを遊べる「バーチャルコンソール」というサービスが行なわれているので、そこで遊びたいファミコンのゲームを紹介する。ファミコンの『アイドル八犬伝』を制作した、現(株)ニックナックの安藤君平氏へのインタビューや、結構マイナーなファミコンゲームの紹介など、熱い。
 他にも、PS2の『レッスルエンジェルス サバイバー』(女子プロレスを題材にしたゲーム)発売を記念して、「レッスルエンジェルス」シリーズのクリエイターへのインタビューなど、結構熱の入った内容。
 ここ数号の中では、最もいい内容のように思う。2006年の初め頃は、雑誌としてちょっと迷走した感もありましたが、安定してきた気がする。とりあえず、次の定期購読も申し込みます。
・マイクロマガジン>>ゲームサイド

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■中央公論社のアーカイブスとも言える文庫

 先日書店で、中公文庫にちょっと面白そうな本を見つけました。『中央公論』や『海』に掲載された文章をまとめた文庫です。
 中央公論社のアーカイブスとも言えそうな内容ですね。
 それぞれの本について、出版社のサイトから紹介文を引用します。

オンライン書店ビーケーワン:中央公論文芸欄の明治・中公文庫編集部編『中央公論文芸欄の明治』(2006.10,中公文庫,\1,500)
http://www.chuko.co.jp/new/2006/10/204757.htmlより引用)

漱石・鴎外から荷風・潤一郎へ。名編集者・滝田樗陰が演出した、明治文壇を象徴する大家たちの『中央公論』掲載短篇を厳選する。〈解説〉三浦朱門
(引用終わり)

オンライン書店ビーケーワン:中央公論文芸欄の大正・中公文庫編集部編『中央公論文芸欄の大正』(2006.10,中公文庫,\1,800)
http://www.chuko.co.jp/new/2006/10/204756.htmlより引用)
志賀直哉から芥川龍之介まで。名編集者・滝田樗陰が発掘し、大正期の文壇を彩った新鋭や女流、多士済々の珠玉の名品一一篇を収録。〈解説〉近藤信行
(引用終わり)

オンライン書店ビーケーワン:文芸誌「海」子どもの宇宙・中公文庫編集部編『文芸誌「海」子どもの宇宙』(2006.10,中公文庫,\1,500)
http://www.chuko.co.jp/new/2006/10/204755.htmlより引用)
文芸誌「海」一九八二年臨時増刊号「子どもの宇宙」に収録された、対談・評論・エッセイを文庫化。文学者は「子ども」に何を見たのか。〈解説〉宮田毬栄
(引用終わり)

オンライン書店ビーケーワン:文芸誌「海」精選短篇集・中公文庫編集部編『文芸誌「海」精選短篇集』(2006.10,中公文庫,\1,500)
http://www.chuko.co.jp/new/2006/10/204753.htmlより引用)
一九六九年の創刊から八四年の休刊まで、異色の編集方針と掲載作の高い水準で読書人の注目を集めた文芸誌「海」から精選した短篇を収録。〈解説〉村松友視
(引用終わり)

オンライン書店ビーケーワン:文芸誌「海」精選対談集・大岡 玲編『文芸誌「海」精選対談集』(2006.10,中公文庫,\1,500)
http://www.chuko.co.jp/new/2006/10/204754.htmlより引用)
小社から一九六九年から一九八四年までに刊行されていた「海」に掲載されていた対談を精選。文豪たちのきらめく言葉がいまここに甦る。〈解説〉大岡玲
(引用終わり)

 それから、中公文庫の目録も。内容は、書店で無料でもらえる(ことがある)目録そのままですが、創刊から現在まですべて掲載されているのがポイント。品切れ本を古本で探す時の参考にもなるし、単純に読み物としても面白いと思います。

オンライン書店ビーケーワン:中公文庫解説総目録 1973-2006・中公文庫編集部編『中公文庫解説総目録 1973-2006』(2006.10,中公文庫,\1,300)
http://www.chuko.co.jp/new/2006/10/204746.htmlより引用)
一九七三年六月の創刊から二〇〇六年十月までの文庫全点目録。従来の目録要素に加え、初版刊行年と在庫情報を表示。また、書名索引・著者名索引も付す。

(引用終わり)

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