タイトルどおり、およそ週刊ペースで
本に関するあれこれの情報を紹介しようと思います。基本的には、自分のブログ(木の葉燃朗の「本と音楽の日々」)に
掲載したものの再録ですが、 ブログに載せきれなかった小ネタなども あわせて紹介していきます。
本に張っているリンクは、特に断り書きがなければ、オンライン書店bk1へのリンクです。
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2006年12月
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■声で操作できる百科事典(ブログ未掲載)
■筒井康隆原作のアニメ映画『時をかける少女』を見る
■浅田次郎原作の映画『椿山課長の七日間』を見る
■ヨシタケシンスケ氏のイラストが気になる
■桂文我師匠の本が二冊
■『よつばと!』関連の本とCDを買うともれなくミニ画集がもらえる
■声で操作できる百科事典(ブログ未掲載)
これは私個人の印象なのですが、百科事典や辞書って、本の中で一番新しい技術を取り入れやすいのかな、と思います。CD-ROMが発売されたのも早い段階だったし、オンラインで公開されたのも、他のジャンルの本(文章)に比べて早かったように思う。
そして今度は、ポプラ社から声で操作できる百科事典が発売されています。
・デジタルポプラディア ユーザーサポート デジポ:http://www.digipo.jp/index.html
・声で百科事典を「操る」子供向けソフト:日経パソコンオンライン:http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20061108/253039/?ST=pc_news
・ポプラ社のデジタル百科事典、音声認識技術で音声操作が可能に - CNET Japan:http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000056022,20300047,00.htm
「総合百科事典 デジタルポプラディア 2006セット」、または「総合百科事典 デジタルポプラディア 2005」をインストールしているパソコンなら、別売りの「デジタルポプラディア
プラス2 VOICE」を使って、ヘッドセットから音声でソフトを操作できるとのこと。
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■筒井康隆原作のアニメ映画『時をかける少女』を見る
恵比寿ガーデンシネマで、アニメ映画『時をかける少女』(細田守監督)を見てきました。
あらすじは、あまり色々書いてしまうとこれから見る人の楽しみを奪ってしまうので割愛しますが、女子高校生紺野真琴が、ひょんなことからタイムリープ(時間移動)の能力を手に入れて……、という話。
『時をかける少女(以下、『時かけ』)』というと、私はどうしても大林宣彦監督、原田知世出演の実写映画版を思い出してしまう。
しかし、このアニメ映画は、あえて主人公をオリジナルに設定して(芳山和子は主人公の叔母として物語にかかわる)、映画の雰囲気も変えたことで、新しい『時かけ』として魅力ある物語になっている。
大林版『時かけ』は、初めからどことなく切なさ、物悲しさを感じさせたが、細田版『時かけ』は、初めはコメディタッチ。しかし、徐々にシリアスな要素も登場し、最後はやはり切ない。大林版と異なる表現の仕方で、雰囲気は別の映画だが、見た後でなんとなく共通する思いを抱かせてくれた。エンディングテーマは「時をかける少女」ではなく、奥華子さんの「ガーネット」だが、これもラストにふさわしいいい曲だった(「時をかける少女」のカバーにしなかったところは、映画のオリジナリティを感じさせる意味で成功だったと思う)。
それから、時間移動というテーマを扱ったSF映画としても、うまくできていると思う。分かり易すぎず、難解すぎず、ちゃんと「そういうことか!」と見ていて分かる。
あと、個人的には、劇中に登場した電車が京成電鉄をモデルにしているのが(行き先表示や車体の形式で分かりました)、印象的だった。京成電鉄を日常的に使っているので。
有名・無名を問わず、多くの人が絶賛していた映画でしたが、その気持ちがよく分かった。
東京では、恵比寿ガーデンシネマで公開中ですので、気になる方はどうぞ。私が行ったのは平日の昼だったので、予想していたほどの混雑はありませんでした。
その他の上映状況は、下記の公式サイトからご覧ください。
・アニメ映画『時をかける少女』 http://www.kadokawa.co.jp/tokikake/
・公式ブログ http://www.kadokawa.co.jp/blog/tokikake/
・恵比寿ガーデンシネマ http://www.gardencinema.jp/yebisu/
(参考)
・筒井 康隆〔著〕『時をかける少女』(2006.5,角川文庫,\460)
・ニュータイプ編『時をかける少女NOTEBOOK』(2006.7,角川書店,\1,890)
「2006年夏公開アニメ映画「時をかける少女」のガイドブック。感動の物語を、場面写真と監督のコラムで完全解説。紺野真琴役・仲里依紗撮り下ろしフォトストーリー、キャラクター設定、スタッフインタビューなども収録」(オンライン書店bk1の紹介文)
・細田 守監督・絵コンテ
/ アニメスタイル編集部編『時をかける少女』(2006.7,スタイル,\2,940)
「2006年夏公開の劇場版アニメーション「時をかける少女」の絵コンテを収録。絵コンテはすべて細田守監督自身によって描かれており、監督のインタビューも掲載する」(オンライン書店bk1の紹介文)
・琴音 らんまる漫画 /
筒井 康隆原作 / 貞本 義行キャラクター原案 / 「時をかける少女」製作委員会原案『時をかける少女』(2006.7,角川書店,\567)
角川エンタテインメント (2006/10/20)売り上げランキング: 3824
奥華子 佐藤準 ポニーキャニオン (2006/07/12)売り上げランキング: 2285
1. ガーネット(弾き語り)
2. 変わらないもの
3. ガーネット
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■浅田次郎原作の映画『椿山課長の七日間』を見る
映画『椿山課長の七日間』(河野圭太監督)を見てきました。11月中旬に始まって、そろそろ終映というぎりぎりのところで間に合いました。
まず、簡単にあらすじを。
仕事中に、脳溢血のために突然死した椿山和昭(西田敏行)。彼は、死後四日目、天国と地獄へ向かう途中の「中陰役所」で、初七日までの残り三日間だけ現世に戻る「逆行」を希望する。
同じく「逆行」を希望した者のうち、ヤクザの親分・武田(綿引勝彦)・小学生の雄一(伊藤大翔)と椿山の三人だけが、戻ることを認められる。武田は、これ以上人が死なないようにするために、雄一は、生みの親に会うために、そして椿山は、ある「重大な秘密」を知るために。
そして、椿山は生前の中年男とはまったく逆の和山椿(伊東美咲)の姿で甦り、雄一の化身である蓮子(志田未来)とともに行動する。一方武田も、若き美容師・竹内弘実(成宮寛貴)の姿でこの世に戻り、正体を悟られずにそれぞれの目的を達成するため、三日間を過ごす。
感想は、簡潔に言えば「想像していたよりずっと良かった」。最初、見ようかどうしようか迷っていたのですが、見てよかった。
死んだ人間が、初七日までの間、別の人間として現世に戻る、という奇抜な設定が、しっかり生かされていた。物語としても破綻せずにちゃんと収まりがついていて、最後はちょっと泣いた。
あとは、役者陣がみな良かった。ほぼ全員と言っていいくらい、キャスティングがぴたりとはまっていた。伊東美咲さんも、他のドラマなどで演技に難ありという話を伝聞で聞いたことがあったが、この映画に関してはそれは感じなかった。見る人によっては、「外見は絶世の美女だが、心は男(西田敏行)」という設定だから、ぎこちなかったりちょっと不自然だったりが逆に生かされていた、と思うかもしれないが、それも含めてキャスティングの成功だと私は思う。
それから、志田未来ちゃんがかわいい。彼女に関しては、「外見は女の子だけれど心は男の子」というより、完全に女の子という感じだったけれど、私としてはそこまで難しい(複雑な)演技を要求するよりも、生みの両親に会いたいと一途に思う姿をよく演じていたところを評価したい(ちょっと偉そうな書き方でごめんなさい)。
他にも、脇を固める國村隼・余貴美子・桂小金治などのベテラン勢も、みな役にはまっていた。特に、椿山の親友だった知子を演じた余貴美子さんが、よかったなあ。
・映画『椿山課長の七日間』:http://www.tsubakiyama.jp/
・原作
・浅田 次郎著『椿山課長の七日間』(2005.9,朝日文庫,\630)
・DVD化も予定されているようです
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■ヨシタケシンスケ氏のイラストが気になる
最近、時々書店で見かけるイラスト集が気になります。
作者はヨシタケシンスケ氏。なんとなく力が抜けているけれど、でもしっかり描かれているタッチが印象的。添えられている文字もいい感じです。月並みな言い方かもしれないけれど、味がある。
下のwebサイトでも一部見ることができますので、気になる方はどうぞ。
・ヨシタケシンスケページ:http://www.osoraku.com/
・ヨシタケ シンスケ著『しかもフタが無い』(2003.9,PARCO)
「日常の風景、気になる出来事、無意識のつぶやき…。高校生も、OLも、おじさんも、誰もが「あるあるある!」と言っちゃうシーンが満載。しみじみ笑えて、なんだかちょっと元気になるイラスト集」(オンライン書店bk1の紹介文)
・ヨシタケ シンスケ著『やっぱり今日でした』(2004.11,ソニー・マガジンズ)
「「クククッ」と笑って癒される、心と頭のヒトコマ体操(イラスト)。2002年に自費出版した冊子「デリカシー体操」を加筆・修正・再構成して単行本化」(オンライン書店bk1の紹介文)
・ヨシタケ シンスケ著『じゃあ君が好き』(2005.9,主婦と生活社)
「街を歩きながら、電車に乗りながら…思い出すこと、思いつくこと、描いておかないときっとすぐ忘れてしまう小さい小さいこと。まばたきをしていたら見逃してしまう一瞬のニヤリとするシーンが満載」(オンライン書店bk1の紹介文)
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■桂文我師匠の本が二冊
桂文我師匠の本が、最近二冊刊行されました。
『メッケもん!』は、様々なコレクションを紹介した本。紹介文に書いてあるラインナップ、惹かれますねえ。
・桂 文我著『メッケもん!』(2006.10,ポプラ社)
「大村崑のとんま天狗お面、花菱アチャコの爆笑漫画本、藤山寛美のソフビ丁稚人形…。珠玉の一品から笑える珍品まで総額ン百万円! 選りすぐりの「メッケもん」を一挙大公開! 雑誌『中洲通信』連載の単行本化」(オンライン書店bk1の紹介文)
そして『落語「通」入門』は、噺家の紹介本のようです。
・桂 文我著『落語「通」入門』(2006.10,集英社新書)
「5代将軍・綱吉の時代、元祖噺家の霧の五郎兵衛が登場して以来、上方と江戸で名人・奇才がぞくぞく誕生。江戸から明治へ、そして大正、昭和へと受け継がれてきた噺家たちの足跡をたどり、「通」になるための薀蓄を述べる」(オンライン書店bk1の紹介文)
どちらも気になる。
・四代目桂文我公式Website:http://www.katsurabunga.net/
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■『よつばと!』関連の本と漫画を買うともれなくミニ画集がもらえる
あずまきよひこ氏の『よつばと!』の6巻が発売になりました。また、絵本とCDも同じく発売中。
下記の漫画・絵本・CDを三点とも購入すると、応募者の送料負担(応募時に郵便小為替を要同封)ですが、ミニ画集がもれなくもらえるそうです。2007年2月16日消印有効とのこと。
無理矢理三点とも買う必要はないと思いますが、買おうかどうしようかと思っている方は、せっかくですから検討してみては。
・あずまひよひこ.com > 2006年12月17日:よつばと6巻発売:http://azumakiyohiko.com/archives/2006/12/17_2359.php
・あずま きよひこ著『よつばと!
6』(2006.12,メディアワークス)
・あずま きよひこ『よつばとしろとくろのどうぶつ』(2006.12,メディアワークス,\880)
「うし、パンダ、ペンギン、シマウマ、シャチ、ダルメシアン…。白と黒なのがかわいくて、ちょっとふしぎな動物たちとよつばが繰りひろげる「!」の世界。コミック「よつばと!」のイラストがかわいい絵本」(オンライン書店bk1の紹介文)
栗コーダーポップスオーケストラ
ジェネオン エンタテインメント (2006/11/22)
売り上げランキング: 36
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【2006-12.11-2006.12.17号】 このページの先頭に戻る
■サンプルとしての電子書籍(ブログ未掲載)
■「本を読んで自己啓発、ってどうなのよ」ってことに、「本を読んで気づこう」って記事(ブログ未掲載)
■文藝春秋の『はじめての文学』シリーズ
■いしいひさいち先生の新刊ラッシュ
■山田雅夫氏のスケッチ本
■筒井康隆原作のアニメ映画『パプリカ』(監督:今敏・音楽:平沢進)を観てきた
■サンプルとしての電子書籍(ブログ未掲載)
出版社・印刷会社などの出資により設立されている(株)パブリッシングリンクの電子書籍販売サイト『Timebook Town』。
会員登録すると、60日間限定で電子書籍が無料で購読できるサービスが行われています。
・Timebook Town http://www.timebooktown.jp/Service/
・会員限定・無料作品コーナーhttp://www.timebooktown.jp/Service/search/ksearch000.asp?S_KN=R01
特に、講談社の漫画作品の第一話が配信されているのが興味深い。『働きマン』とか『おおきく振りかぶって』とか『ドラゴン桜』とか『もやしもん』とか。
漫画の場合、書店ではビニールが巻かれていて、立ち読みは出来ないことがほとんどで、なんだかなあという思いをすることも多い。たしかに、漫画を立ち読みする人間の中に、マナーが守れない者がいるので(雑誌でも単行本でも文庫でも同じだけれどね)、仕方ないとは思う。
でも、なんかいい方法がないかなあとも思う。一部の書店で、一冊だけ立ち読み用にビニールをかけていなかったりしますが、それも一部の本に限られる。
表紙や帯を見て、「面白そう」と思っても、「でも、中身分からないからなあ」と、購入を躊躇して、あきらめてしまうこともある。
電子書籍で、コピーされないような工夫をして(専用ソフトでしか読めないとか)、一部をサンプルとして後悔するというのは、個人的にはありがたい。
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■「本を読んで自己啓発、ってどうなのよ」ってことに、「本を読んで気づこう」って記事(ブログ未掲載)
・税込み380円の自己啓発書『シッダールタ』 (超ビジネス書レビュー):NBonline(日経ビジネス オンライン)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20060509/102008/
ヘルマン・ヘッセ『シッダールタ』の紹介。「ブッダがカリスマになれたのは、彼がほかのカリスマの書いた自己啓発書を、(中略)まじめに読み続けたからではない」ということを「本を読んで」思いましょうという文章。ん?
なんだか。
でも、『シッダールタ』自体は面白そう。
・ヘッセ〔著〕
/ 高橋 健二訳『シッダールタ』(1992,新潮社,\380)
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■文藝春秋の『はじめての文学』シリーズ
文藝春秋より、『はじめての文学』というシリーズが刊行されています。
・文藝春秋 > 『はじめての文学』 http://www.bunshun.co.jp/book/hajimete/index.htm
現代日本文学の作家ごとに、作家自らが中・短編を選んだアンソロジー。タイトルどおり、その作家の作品をはじめて読む人に薦めたい作品を選んでいるようです。
現時点で、村上春樹・村上龍の両氏の分が刊行されています。
・村上 春樹著『村上春樹(はじめての文学)』(2006.12,文芸春秋)
「小説の面白さ、楽しさを味わうために、著者自身が用意したスペシャル・アンソロジー。はじめてのひとも、春樹ファンも欠かせない一冊。「シドニーのグリーン・ストリート」「かえるくん、東京を救う」など全17編を収録」(オンライン書店bk1の紹介文)
・村上龍著『村上龍(はじめての文学)』(2006.12,文芸春秋)
「文学の入り口に立つ若い読者のために、著者自身が用意したスペシャル・アンソロジー。時代のトップランナー、村上竜の魅力がこの一冊に。「ハワイアン・ラプソディ」「希望の国のエクソダス」など全9編を収録」(オンライン書店bk1の紹介文)
以降の刊行予定は、一ヶ月ごとに下記のとおり。
- よしもとばなな
- 宮本輝
- 宮部みゆき
- 浅田次郎
- 川上弘美
- 小川洋子
- 重松清
- 桐野夏生
- 山田詠美
- 林真理子
個人的には、川上弘美さんの分は読みたい。
ただ、ここに名前が挙がっている作家の作品を、必ずしも読まなければならないわけじゃないと思う。もっと言えば、ノンフィクションを読んだっていいわけで。
だから、あくまで自分が読みたい本を探す参考にした方がいいと思う。間違っても、義務感で毎月律儀に買って全員の分を読む必要はないでしょう。
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■いしいひさいち先生の新刊ラッシュ
いしいひさいち先生の漫画作品が、先月末から今月にかけてまとめて刊行されています。思わずオンライン書店bk1でまとめて注文してしまった。届いたのを順に読みましたが、面白かったなあ。『いしいひさいち選集 39』は、比較的最近の作品を集めているので、今の時事ネタが登場して楽しい。これ、傑作選ではなかなか味わえない面白さですね。
・いしい ひさいち『ライ麦畑でとっつかまえて いしいひさいち選集 39』(2006.11,双葉社・アクションコミックス
ドーナツブックス)
・いしい ひさいち著『バイトくん
6 禁じられたあくび』(2006.12,双葉文庫・ひさいち文庫)
・いしい ひさいち著『女(わたし)には向かない職業
2 なんとかなるわよ』(2006.11,東京創元社)
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■山田雅夫氏のスケッチ本
簡単なスケッチが描けると(「簡単『に』」じゃないよ。そこまでズボラじゃないので)、いいなあと思う。どこかへ行った時でも、誰かに会ったときでも、ちょっとした絵が記録として残せるっていいじゃない。
ということで、山田雅夫氏の『スケッチは3分』、買ってみました。まだぱらっとめくった程度ですが、実際に絵を書きながら勉強します。
・山田 雅夫著『スケッチは3分』(2006.11,光文社新書)
「速ければ速いほど、絵はうまく描ける! えんぴつで下描きすることなく、いきなり黒のペンで線描写を始める線画主体の絵。3分から5分程度で完成する「ちょいとスケッチ」、略して「ちょいスケ」の技法をご紹介」(オンライン書店bk1の紹介文)
しかし、著者の絵の指南の本、「15分」、「5分」、そして今回の「3分」と、だんだん描く短くなっていくなあ。次はきっと「30秒」だな。
・山田 雅夫著『15分スケッチのすすめ』(2004.12,山海堂)
「先で「描きたい!」と思った場面をその場でスケッチ、即完成。絵はがきとして投函…。そんなスケッチの楽しみ方を提案。誰でもわかるように、描き方のプロセスを丁寧に教えます」(オンライン書店bk1の紹介文)
・山田 雅夫著『5分イラストのすすめ』(2005.10,山海堂)
「メッセージや手紙に、自分で描いたイラストを添えてみませんか。文房具や腕時計、iPodなど身の回りのものを5分でイラストにできる手法を紹介。どこから描き始めるか、補助線の引き方など詳しい手順で丁寧に解説します」(オンライン書店bk1の紹介文)
・オンライン書店bk1 > 著者インデックス > 山田 雅夫
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■筒井康隆原作のアニメ映画『パプリカ』(監督:今敏・音楽:平沢進)を観てきた
映画『パプリカ』(今敏監督)を観てきました。元々気になってはいたのですが、なんだか評判がいいようで、ますます気になって。
土曜日だったこともあり、テアトル新宿はすごい人で、ほぼ満席でした。そんな中で観てきたのですが、いやあ、面白かった。
多分、原作のエッセンスを90分に凝縮した内容なのだろうと思うのですが(ごめんなさい、原作は未読なもので)、非常に上手く凝縮されている。
他人の夢(精神世界)に入り込むことのできる機器「DCミニ」を使ってサイコセラピーを行っていた精神医療総合研究所のメンバー達。しかしある日、その三台の「DCミニ」が盗まれてしまう。そして、サイコ・セラピスト千葉敦子と、夢の世界での彼女の分身パプリカが、「DCミニ」を取り戻すべく精神世界へと飛び込んで行く。
面白かったのは、画面に映っているのが現実世界の描写なのか、それとも夢(精神世界)なのかが、徐々に分からなくなりそうになるところ。実際に、場面の転換がハッキリせず、同じ人物を映していても、一度カメラが動いて元に戻ると急に場面が切り替わったり、つながりようのない場面が人物の動きにあわせてつながっていったりする。この不安定さが、なんだか不思議に気持ちいい。
あとは、クールな千葉敦子と、天真爛漫なパプリカという、まったく雰囲気の違う二人で一人のヒロインの魅力。この両方の声を、一人の声優が演じ分けたことが、二人で一人という人物描写、さらに現実と夢の二重構造という映画のストーリー自体にも説得力があったと思う。さすが林原めぐみさんだわ。
それから、平沢進氏の音楽がまた素晴らしい。公式サイトのBGMにもなっている「媒介野」のメロディーは、映画の全編を通じてアレンジされて使われ、エンディングテーマ「白虎野の娘」にも使われているのだが、これがずっと聴いていても飽きないし、やはり映画の雰囲気にぴったりくる。
「いい映画観た」って感じでした。
気になる方は、下記のサイトなどを見てみてください。
・映画『パプリカ』公式サイト http://www.sonypictures.jp/movies/paprika/site/home.html
(実は、色々サイト内をクリックすると、隠しページに行けたり、画像を見たりできます。映画を見た方は特にチャレンジしてみましょう)
・平沢進氏公式サイト http://chaosunion.com/
(エンディングテーマ「白虎野の娘」と、未公開曲「走る者」のmp3データが無料でダウンロードできます!)
サントラ インディペンデントレーベル (2006/11/23)売り上げランキング:
154
01:パレード
02:媒介野
03:回廊の死角
04:サーカスへようこそ
05:暗がりの木
06:逃げる者
07:Lounge
08:その影
09:滴いっぱいの記憶
10:追う者
11:予期
12:パレード(instrumental)
13:白虎野の娘(パプリカ・エンディングテーマ)
・Listen Japan:『パプリカ』特設サイト http://listen.jp/store/musictopics_702_4.htm
(今敏監督、平沢氏コメントあり。会員登録すれば「白虎野の娘」と予告編動画のダウンロードも可能)
・NIKKEI NETおとなのOFF > 映画「パプリカ」を語る 今敏監督(インタビュー)
http://off.nikkei.co.jp/contents/interview/news.cfm?i=20061124ax051n4
原作は未読だったのですが、読んでみたい。実は筒井氏の小説はちょっと苦手で、ほとんど読んでいないのですが(短編集をちょっと読んだことがある程度)、買ってきたので、今度読んでみようと思います。
・筒井 康隆著『パプリカ』(2002.11,新潮社)
・筒井 康隆著『パプリカ』(1997.4,中央公論社)
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【2006-11.27-2006.12.03号】【2006-12.04-2006.12.10号】 このページの先頭に戻る
■訃報:ノンフィクション作家永沢光雄氏
■女優石原真理子が「暴露本」出版(ブログ未掲載)
■新潮文庫から新しい文芸誌、『yomyom(ヨムヨム)』創刊
■小松崎茂氏の『地球SOS』がアニメ化されているのね
■ひぇ、『ドグラ・マグラ』の映画版があったなんて。しかもDVD化されている。
■論創社の「ダーク・ファンタジー・コレクション」、気になる
■ちくま文庫復刊フェア2006
■文庫サイズの手帳カタログ(2007年版)
■訃報:映画監督・実相寺昭雄氏
■「幻冬舎新書」、いかにも最近の新書らしいラインナップ
■訃報:ノンフィクション作家永沢光雄氏
ノンフィクション作家の永沢光雄氏が、11月1日に肝機能障害のため亡くなられました。享年47歳。
新聞に死亡記事が載った記憶がない。ネットのニュースにもなかったのではないかと思う。私は読売新聞の追悼記事(ある期間に亡くなられた方について、記者の方が書く)と、下記の日経ビジネスの記事で初めて知ったような次第。
インタビュー集『AV女優』が、題名のイメージとはまったく違う、人間的な深みを書いている本だということで、永沢氏ともども有名になったことは記憶にある(私が氏の名前を知ったのも、この本がきっかけだった)。でも、著作は読んだことがないし、2002年に下咽頭ガンで声帯を除去された(声が出なくなってしまった)ことも知らなかった。亡くなられたことも日が経ってから知ったような次第。
亡くなられたことがきっかけになってしまったのは、非常に申し訳ない話なのだが、改めて氏の著作を読んでみたいと思う。
ご冥福をお祈りします。
・名インタビュアーは『声をなくして』も… (超ビジネス書レビュー):NBonline(日経ビジネス オンライン)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20061128/114519/
・永沢
光雄著『声をなくして』(2005.5,晶文社)
「インタビューの名手として知られる著者は43歳の或る日、下咽頭ガンの手術で声を失ってしまう。その闘病生活を1年にわたり赤裸々に綴った日記。何があっても生きる。だから、みんなも生きて欲しいというメッセージを贈る」(オンライン書店bk1の紹介文)
・永沢
光雄著『AV女優』(1999.6,文春文庫)
・オンライン書店bk1
> 著者インデックス > 永沢 光雄
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■女優石原真理子が「暴露本」出版(ブログ未掲載)
すでにあちこちで有名になっていますが、女優石原真理子さんが芸能人との恋愛などを綴った「暴露本」を出版したそうです。
・石原
真理子著『ふぞろいな秘密』(2006.12,双葉社)
「「ふぞろいの林檎たち」メンバーとの三角関係、80年代人気タレントたちとの恋愛、SEX強要、元恋人のDV、イジメ、宗教脱会、離婚、芸能界の裏側…。石原真理子が今、そのすべてを語る!」(オンライン書店bk1の紹介文)
(参考記事)
この手の本は、話題になった時点で「勝ち」という気がする。個人のブログやAmazon.co.jpのレビューなどを読むと賛否両論のようですが、そもそも読むべき本じゃないと思う。売る側としても、買ってもらった時点で目的達成とでもいうか。あとは読まれようと読まれまいと、捨てられようとブックオフに売られようと関係ないというか。何年も(何ヶ月も)売れ続けることは考えずに作られたように感じる。
個人的には、そういう目的では本というメディアを使って欲しくないと思う。
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■新潮文庫から新しい文芸誌、『yomyom(ヨムヨム)』創刊
創刊されると言う情報は聞いていた、新潮社の新しい文芸誌、『yomyom(ヨムヨム)』。いよいよ創刊され、先日書店(ブックファーストルミネ新宿2店)で現物を見てきたのでご紹介します。
特徴は、まず文庫売場にも並べられること。出版社と書店でなにか取り決めがあるのかは不明ですが、たしかに文庫売場で新潮文庫の新刊とともに平積みになっていました。また、新刊の単行本の棚にも並んでいました。
雑誌のサイズは、A5(一般的な文芸誌のサイズ、『文藝春秋』とか『広告批評』とかと同じあのサイズ)なので、雑誌を横にして、文庫二冊分のスペースを取って並んでいました。これは、文庫の平積みの中では、目立つ。
それから、小説はすべて読みきり。編集長の創刊あいさつ(下記に引用します)によれば、新しい作家と出会って欲しい、という思いが込められているらしい。
まあ、読みきりばかりなので、「どの号から買っても大丈夫ですよ」というアピールもあるのだろうと思う。
さっと(本当にさっと)立ち読みした限りの印象ですが、雑誌と言うよりはペーパーバックのようなイメージ。小説もエッセイもコラムも詰め込んだアンソロジーとでもいうか。
個人的な意見としては、今号は川上弘美・恩田陸両氏の読みきり短編と、カート・ヴォネガットの短編の翻訳が気になるくらい(ヴォネガットに関連して日本の漫才師が書いたエッセイは、きっと蛇足だと思う)。正直言って、買いたいと思うほどの魅力は感じなかったのですが、しばらくどんな感じの雑誌になるのか見てみたいです。
・重松清他『yomyom
Vol.1』(2006.12.7,新潮社)
(上記ページより目次を引用)
◆特別エッセイ
重松 清「親指の(思いだせない)記憶」
江國香織「ここに居続けること」
角田光代「涙の読書日記」
山本文緒「ご飯とお菓子」
◆読切小説
川上弘美 「長い夜の紅茶」
梨木香歩「家守綺譚」クスノキ オオアマナ 露草 サナギタケ サギゴケ 梔子
阿川佐和子「優美」
大島真寿美「三人姉妹」
吉田修一「大阪ほのか」
恩田 陸「楽園を追われて」
◆特別読み物
畠中恵の「今様お江戸散歩」:おなじみ『しゃばけ』シリーズの畠中さんと、若手真打・柳家三三さんの江戸東京散歩
◆連載エッセイ
いしいしんじ「遠い足の話」:ちょっとした遊びの見つけ上手のいしいさん 1回目はアートの島・直島へ
三浦しをん「三浦しをんの「ふむふむ」」:日本全国で活躍する女職人さんに会いに行こう 創刊号は下町の靴職人さんに訊け!
嶽本野ばら「誰も祝福しない星のガイドブック」:現代美術家・藤本由紀夫の写真とのコラボレーション小説
大平 健・倉田真由美「大平先生のyom yom診療室」:若い女性が抱える悩みもいろいろ。漫画家・クラタマが聖路加国際病院の大平先生に相談してみました
◆特集 アメリカの小説をヨムヨム
■訳し下ろし短編小説
カート・ヴォネガット、浅倉久志訳「キヴォーキアン先生、あなたに神のお恵みを」
爆笑問題・太田光 エッセイ「私はパクろうと思った――ヴォネガットについて」
レベッカ・ブラウン、柴田元幸訳『合っていない鬘の女』より
◆特別紀行
〜中島京子 猫魚日和 ミシシッピ河に沿って名作の舞台を訪ねる
◆コラム
■山崎まどか さまよえる少年少女のための5冊
■岸本佐知子 翻訳小説食わず嫌いにとりあえずお薦めしたい何冊か
■大森望 『ダーク・タワー』地獄の読破録――全VII部16冊最速クリア7日間の旅
■新潮社出版部 全貌を現した『ハンニバル・ライジング』
◆yom yom club ヨムヨムクラブ 本好きのための、ブックページ
■「私の本棚」〜どんな書庫・本棚を使ってますか?
第1回目は、ご自宅に図書室を作った小野不由美さんの、書庫作りの苦労話を
■「人生を変えたこの三冊」 穂村弘
■「いまお薦めの本」 豊崎由美さんによる読書指南
■「小説検定」 あなたは何問解けますか? 小説好きはぜひ挑戦を
■「Yonda?club」 の応募券がつきます
(引用終わり)
(出版社のサイトhttp://www.shinchosha.co.jp/yomyom/concept.htmlより編集長あいさつを引用)
新潮文庫からヨムヨム雑誌
1914年の創刊以来、古今の名作から新鋭の話題作まで幅広いタイトルを読者に届けてきた新潮文庫から、新しい季刊誌「yom yom」(ヨムヨム)を創刊します。新潮文庫に親しんでいる若い読者のみなさまに、好きな作家の一番新しい作品を届け、またこれまで読んだことのなかった作家の一編をきっかけに、その作家の本を手にとってもらいたい――「yom
yom」は「読む」ことの好きな人たちに向けた、「読む」楽しみをもっと拡げるための“ヨムヨム雑誌”です。
カバンに一冊入れておけば、いつでもどこでも、読書の楽しみを味わうことが出来る文庫本。だから普段の読書は文庫本で、という方も多いはず。「yom
yom」は、そんな文庫本でお馴染みの大好きな作家が〈今書いた小説〉を、毎回読み切りでお届けします。また、文庫本はもちろん、まだ単行本も出ていない新しい作家の作品もどんどん紹介していきますので、誰よりも早くお気に入りの作家を見つけられるはず。小説はもちろん、エッセイや紀行文まで新鮮で元気なブンガクをどんどん掲載、毎日の生活を豊かにしてくれる〈ヨムヨム生活〉のスタートです。
「yom yom」は新潮文庫から出る雑誌ですから、文庫売り場でお目見えします。表紙にはお馴染みの「Yonda?パンダ」が登場。表紙だけでなく、雑誌の中のあちこちに、ちょっとお洒落に顔を出していますので、ファンの方は必見です。
また、新潮文庫をたくさん読んで応募マークを集めると素敵なグッズがもらえる「Yonda?Club」。その応募マークが「yom yom」にも付いていますので、どんどん読んでどしどしご応募下さい。
新しい文学雑誌「yom yom」をどうぞよろしくお願いいたします。
「yom yom」編集長 木村由花
(引用終わり)
・新潮社の紹介ページ
http://www.shinchosha.co.jp/yomyom/
・オンライン書店bk1の特設ページ
http://www.bk1.co.jp/contents/booklist/0612_yomyom.asp&partnerid=p-garakuta57186
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■小松崎茂氏の『地球SOS』がアニメ化されているのね
小松崎茂氏の絵物語『地球SOS』がアニメ化されているのね。知らなかったです。
・Project BLUE 地球SOS:http://www.projectblue.jp/
キャラクターやメカニックは、小松崎氏のデザインをそのまま使用しているわけではありませんが、メカや風景の雰囲気には、小松崎氏のいわゆる「懐かしい未来」のイメージが生かされています。
放送はCSやケーブルテレビで行なわれているようですが、順次DVD化されているので、興味がある方はどうぞ。
アミューズソフトエンタテインメント (2006/08/25)
アミューズソフトエンタテインメント (2006/09/22)
アミューズソフトエンタテインメント (2006/10/27)
アミューズソフトエンタテインメント (2006/11/24)
アミューズソフトエンタテインメント (2006/12/22)
アニメーションをノベライゼーションした小説も刊行されています。
・小松崎 茂原作 / 東野
司著『ProjectBLUE地球SOS 1』(2006.9,ハヤカワ文庫 JA)
・小松崎 茂原作 / 東野
司著『ProjectBLUE地球SOS 2』(2006.10,ハヤカワ文庫 JA)
ただ、原作の『地球SOS』自体が品切れで入手不可なのが残念なところ。
・小松崎茂オフィシャルサイト:http://www.komatsuzaki.net/
・小松崎 茂著『地球SOS 超特作科学冒険物語
』(2002.11,双葉社)
「一躍少年雑誌界の寵児となった小松崎茂の代表作「地球SOS」をオールカラーで完全復刻。氏を忍ぶ秘蔵の写真群も掲載する」(オンライン書店bk1の紹介文)
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■ひぇ、『ドグラ・マグラ』の映画版があったなんて。しかもDVD化されている。
『ドグラ・マグラ』が映画化されていたというのは、知らなかった。
1988年、松本俊夫監督。主な出演者は、桂枝雀(正木博士)・室田日出男(若林博士)・松田洋治(呉一郎)、などなど。
Amazon.co.jpのレビューを見ると、おおむね評価も高いようで、ちょっと気になる。ただ、原作を読んだのもかれこれ10年近く前なので、原作の内容もはっきりとは覚えていない(また、訳の分からないすごい話なんだこれが)。原作も読み返してみようかなあ。
・goo映画 > ドグラ・マグラ
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD18041/index.html
エスピーオー (2004/02/27)
売り上げランキング: 14583
・夢野 久作著『夢野久作全集 9』(1992.4,ちくま文庫)
ちくま文庫版。『ドクラ・マグラ』収録。
・夢野 久作〔著〕『ドグラ・マグラ 上』(1997.7,角川文庫)
・夢野 久作〔著〕『ドグラ・マグラ 下』(1999.7,角川文庫)
角川文庫版。
そういえば、『夢野久作の少女地獄』という映画を、大学生の頃に大井武蔵野館(という伝説的な名画座があったのよ)に見に行ったのを思い出した。『乙女の祈り』(1994年、ピーター・ジャクソン監督)・『1999年の夏休み』(1988年、金子修介監督)との三本立てという、今思うとすごい豪華なラインナップ。
『夢野久作の少女地獄』も、異様な雰囲気の映画だった。
ってこれもDVD化されている!
・goo映画 > 夢野久作の少女地獄(1977年、小沼勝監督)
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD18728/index.html
ビデオメーカー (2003/03/28)
売り上げランキング: 53108
・夢野
久作『少女地獄』(2000.12,角川文庫)
・『日本カルト映画全集 3 夢野久作の少女地獄』(1995.9,ワイズ出版)
「蘇った天才作家・夢野久作−その怪奇幻想の無残絵を描いた推理小説のルーツに肉迫する映画、という謳い文句の日活ロマンポルノ映画をシナリオ・監督や出演者へのインタビュー・評論等で構成・紹介する」(オンライン書店bk1の紹介文)
松竹 (2002/09/21)
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アニプレックス (2001/08/22)
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なお、ブログに掲載後、同じく「少女地獄」を原作にした映画に下記もあることを教えていただいたので、あわせて紹介しておきます。
ジーダス (2003/03/28)
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■論創社の「ダーク・ファンタジー・コレクション」、気になる
論創社から、「ダーク・ファンタジー・コレクション」というシリーズが刊行されています。いずれも短編集のようです。現在刊行されているのは下記三冊。
・フィリップ・K.ディック著
/ 仁賀 克雄訳『人間狩り』(2006.8,論創社)
「奇才ディックの初期傑作短編集。自分がケンタウリ・アルファから地球の爆破に送り込まれたエイリアンのスパイではないかと疑われ、親友に拉致され殺されかける「偽者」、パパもどきがいる「パパふたり」など11編を収録」(オンライン書店bk1の紹介文)
・リチャード・マシスン著
/ 仁賀 克雄訳『不思議の森のアリス』(2006.8,論創社)
「得体の知れない怪物を一人称の日記体で描いた、処女短編「男と女から生まれて」。真夜中、喉の渇いた男が水を飲みたいのに、様々な障害からそれが果たせず苦闘する「一杯の水」など16編を収録。異様な世界をご堪能あれ」(オンライン書店bk1の紹介文)
・アントニー・バウチャー著
/ 白須 清美訳『タイムマシンの殺人』(2006.10,論創社)
「アメリカのミステリ評論家として知られるバウチャーの中短編集。博学多識の教養を縦横に発揮した作品はミステリやSFの形式を取っているが、むしろダーク・ファンタジーと呼ぶにふさわしい。表題作ほか全12編を収録」(オンライン書店bk1の紹介文)
こういう幻想文学系の叢書、最近増えていますね。早川書房の「異色作家短篇集」の復刊とか、河出書房新社の「奇想コレクション」とか。このジャンルは、あまり読み込んではいないのですが、読書経験のルーツにミステリー・SFがある身としては気になります。
・オンライン書店bk1 > 早川書房 異色作家短篇集
・オンライン書店bk1 > 河出書房新社 奇想コレクション
「ダーク・ファンタジー・コレクション」の刊行予定を、出版社サイトから紹介しておきますね。不勉強ながら、私は知らない作家もいますが、興味を惹かれます。
(http://www.ronso.co.jp/series/dfc.htmlより引用)
ヘンリー・スレッサー短編集
ヘンリー・スレッサー著 森沢くみ子訳
快盗ルビイ・マーチンスンの未訳作品を収録!(近刊)
アーカム・ハウス・アンソロジー
オーガスト・ダーレス編 三浦玲子訳
アーカム・ハウス派によるアメリカン・ホラー(近刊)
フィリップ・K・ディック短編集
フィリップ・K・ディック著 仁賀克雄訳
中編ファンタジーの名品を含むディック第二弾(近刊)
シーバリー・クイン短編集
シーバリー・クイン著 熊井ひろ美訳
オカルト探偵ジュール・ド・グランダン傑作選(近刊)
チャールズ・ボウモント短編集
チャールズ・ボウモント著 仁賀克雄訳
夭折した鬼才による、珠玉の第二短編集(近刊)
英国ホラー・アンソロジー
ヴァン・サール編 金井美子訳
名アンソロジストによる選りすぐりの短編集(近刊)
C・L・ムーア短編集
C・L・ムーア著 仁賀克雄訳
妖美と幻想にあふれた、スペース・ファンタジー(近刊)
(引用終わり)
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■ちくま文庫復刊フェア2006
ちくま文庫、今年も復刊フェアを行っています。昨年は翻訳が主でしたが、今回は下記のラインナップ。好き嫌いはあるかもしれませんが、村松友視『百合子さんは何色』とか、古川緑波『ロッパの悲食記』とか、いい本が復刊されているなあという感じ(私は両方とも古本屋を歩いて入手した)。
- 種村季弘『書物漫遊記』
- 種村季弘『贋物漫遊記』
- 谷川俊太郎『谷川俊太郎の33の質問』
- 鶴見俊輔・中川六平:編『天皇百話(上・下)』
- 佐野洋子『私の猫たち許してほしい』
- 矢川澄子『わたしのメルヘン散歩』
- 谷崎潤一郎『美食倶楽部』
- 伊藤俊治『裸体の森へ』
- 古川緑波『ロッパの悲食記』
- 村松友視『百合子さんは何色』
とはいえ、ふたたび品切れになるのも早いかもしれませんので、気になる方はお早めに。
・筑摩書房 ちくま文庫 復刊2006
http://www.chikumashobo.co.jp/special/fukkan2006/
中から一冊購入してきました。
・種村 季弘著『書物漫遊記』(1986.5,ちくま文庫)
(出版社の紹介ページhttp://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480020482/より引用)
この本の内容
書物の頁を繰ると、そこから不思議な幻想世界への旅がはじまっていた。戦中から焼跡へ、さらに未来へと、失われた都市の相貌を求めて、通り過ぎた奇人、変人、そして凡人たちの顔を探して、書物めぐりの旅は続く。名著、奇書、珍本…博覧強記の筆者による異色の読書案内。
目次
名前と肩書の研究―『潮文化人手帖』
不思議な節穴―武井武雄『戦中気儘画帳』
畸人ぎらい―色川武大『怪しい来客簿』
猫が食いたい―石堂淑朗『好色的生活』
吸血鬼入門―種村季弘『吸血鬼幻想』
見えない人間―『定本山之口貘詩集』
開かれた箱―坂根巖夫『遊びの博物誌』
悪への郷愁―高垣眸『豹の眼』
泥棒繁盛記―野尻抱影『大泥棒紳士館』
分家開き―谷崎潤一郎『秘密』
二階の話―古今亭志ん生『2階ぞめき』
我が闘争―吉田健一『流れ』
逃げた浅草―『正岡容集覧』
九段の怪談―内田百(けん)『遊就館』
見世物今昔考―江戸川乱歩『パノラマ島奇談』
大食のすすめ―武田百合子『富士日記』
接続法第二式―『木村・相良独和辞典』
ベルリッツ・スクール―イヨネスコ『授業』
書かれなかった本―四方八郎『ビルマ革命の内幕』
Kilroy was here―ドウス昌代『東京ローズ』
留学の成果―久生十蘭『新西遊記』
何でもないものの魅力―武田泰淳『新・東海道五十三次』
(引用終わり)
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■文庫サイズの手帳カタログ(2007年版)
昨年、文庫サイズの手帳を紹介したエントリを書きましたが、11月くらいからそちらをご覧になっている方が増えているようです。
データが古いままでもなんなので、2007年版の手帳の案内をしておこうと思います。
とはいえ、出版社の発売する手帳は、ほぼ限られてきているようです。この分野の老舗といえる、ちくま文庫『文庫手帳』に、新興勢力として人気の、新潮文庫の『マイブック』。更に、角川文庫の『マイメモリー文庫』というところに限られてきているようです。
今年は、小学館が読書用に特化した文庫サイズの手帳を刊行したのが珍しいくらいですかね。
最近は手帳が流行しているようで、文庫サイズを含めて、様々なサイズの手帳が出ていますから、あえて出版社で出すことがなくなってきているのかもしれないですね。
・『文庫手帳 2007』(2006.10,ちくま文庫)
(出版社の紹介ページhttp://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480422712/より引用)
見た目は文庫で中味は手帳。かるくて、安くて、使いやすい! シンプルなデザインで小さなバッグにも入る、リピーターの多いロングセラー。
(引用終わり)
・『マイブック 2007年の記録
』(2006.11,新潮文庫)
(出版社の紹介ページhttp://www.shinchosha.co.jp/book/120859/より引用)
マイブックは、日付と曜日が入っているだけの真っ白い本。これは世界に一冊しかない、2007年のあなたが作る本なのです。どんな風に使うかは、もちろんあなたの自由。日記をしたためてもよし、手帳として利用してもよし。自分だけのオリジナルな使い方をさがしてみるのも楽しいかもしれません。毎日使いつづけて完成させたなら、きっとかけがえのない一冊になっているはずです。
(引用終わり)
・『MEMO2007 マイメモリー文庫』(2006.9,角川文庫)
(出版社の紹介ページhttp://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?pcd=200601000148より引用)
365日、主役は私。あなたの2007年をあなたらしく。
[ 内容 ]
1日1ページ、好きなことを好きなように、なんでも自分のことをメモできるマイメモリー文庫。2007年版は横書きで一層メモしやすくなりました。毎日もれなく1つずつ、女の子の生活を素敵にしてしまう、小ネタ入り。
■さらに詳しく
この本は何をかいても、どんな風に使ってもまったく自由。
手帖としても、日記帳として、メモ帳としても。
あなたの1年間を好きなようにメモしてください。
そして1年たったとき、あなただけの1冊になります。
1日1ページ、365日分あります。好きなことを好きなようにメモしてください。小さな□にはテーマにあわせた点数、評価、指数、パーセンテージなど小さな記号、数値のメモも入れられます。
例えば、1日1ページを□とともに、こんな風につかってください。
・日々の出来事を綴った日記帳に(□は天気)
・読んだ本の感想をメモして読書帳に(□は点数)
・欠かさず観ているテレビ番組の感想メモに(□は評価)
・観た映画の感想、観たい映画の予定をメモして映画評論帳に(□はオススメ度)
・バッグに入れて持ち歩くスケッチブックに(□は自己採点)
・ワードローブ、買いたい服、着ていく服の予定をメモして着回しスケジュール帳に(□はお気に入り度)
・カフェやレストランの場所、メニュー、感想をメモして自分だけのミシュランに(□使える度)
・買った物、買ったお店をメモしてお買い物帳に(□満足度)
・ペットの成長を記録する母子手帳(?)に(□はペットのご機嫌度)
・何を食べたか、どんな運動をしたかをメモしてダイエット手帳に(□は体重)
・日々の節約をまとめた節約手帳に(□はエンゲル係数)
・見た夢をメモして夢日記に(□は夢見心地度)
・写真を貼ってアルバム代わりに(□フォトジェニック度)
・ジョークをメモしてネタ帳に(□自信度)
・その日にやることを書き留めるtodoリストに(□は達成度)
また、端々にあるのは生活美人になる“小ワザ”です。美容・節約・ダイエット・料理・雑学・デトックスなどに関することが1日一つずつ入っています。
自分なりの使い方で2007年のメモリーを残しましょう。
よい1年を!
(引用終わり)
・小学館:編『My読書ノート』(2006.10.6,小学館)
最初にマンスリーの手帳があって、そこに読んだ本のタイトルと、「感想は○○ページに記入」という記録ができる点。後のページに、本の感想を詳しく書けるようになっています。
(出版社の紹介ページhttp://skygarden.shogakukan.co.jp/skygarden/owa/solrenew_detail?isbn=409418709Xより引用)
あなたの読んだ本が、思い出として形に残る
読書好きにとって、読んだ本の軌跡は歩んできた道そのもの。だが残念ながら、感動は記憶とともに薄れていく。そこでこの「My読書ノート』に、書名、著者名、購入日、読了場所等を記入し、心に残ったシーンや感想を書き込んでいけば……、思い出はあなたの人生を豊かにするはず。小学生から大人まで、だれでも手に取りやすい文庫サイズで、使いやすさ抜群。毎年積み重ねていけば貴重な記録に。読書週間に小学館文庫が贈る1冊。
(引用終わり)
・『私の本 mon livre』(2006.10,新風舎文庫)
(出版社の紹介ページより引用)
【概要】
本が好き。物語が好き。書くことが好き。
365日を輝かせる、私だけの本。アンテシリーズが贈る 2007年度版ダイアリー。
谷川俊太郎、遠藤周作、川端康成の愛にまつわる名文入り。
(引用終わり)
・『マイ・ストーリーズ 2007』(2006.10,センチュリー)
(参考)
・2005年12月22日:文庫サイズの手帳や日記の話
http://blogs.dion.ne.jp/konohamoero/archives/2527677.html
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■訃報:映画監督・実相寺昭雄氏
映画監督の実相寺昭雄氏が、11月29日、胃がんのため亡くなりました。享年69歳。
実相寺監督と言えば、私は「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」の演出や、映画「帝都物語」の監督などが印象に残る。
最近も数多くの映画やテレビドラマを手がけ、今年に入ってからもオムニバス映画『ユメ十夜』の第一夜や、映画『シルバー假面』(『シルバー仮面』のリメイク)なども手がけておられてだけに、突然、という感じです。
ご冥福をお祈りします。
【関連記事】
【参考】
・映画『シルバー假面』
http://www.silverkamen.com/silverkamen/
・映画『ユメ十夜』
http://www.yume-juya.jp/
・実相寺 昭雄著『ウルトラマンの東京』(2003.3,筑摩書房)
・実相寺 昭雄著『ウルトラマン誕生』(2006.6,ちくま文庫)
・実相寺 昭雄著『昭和電車少年』(2002.1,JTB)
「映画監督であり鉄道ファンの著者が、思い入れのある名列車や風景を様々なエピソードとともに振り返る。電車の形式の説明はもちろん、その電車が走り始めた頃の環境や時代背景も、懐かしさを込めて丁寧に描く」(オンライン書店bk1の紹介文)
・オンライン書店bk1 > 著者インデックス > 実相寺 昭雄http://www.bk1.co.jp/author.asp?authorid=110000484580000&partnerid=p-garakuta57186
エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ (2006/09/13)
売り上げランキング: 1531
ハピネット・ピクチャーズ (2006/08/25)
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ハピネット・ピクチャーズ (2000/02/25)
売り上げランキング: 78995
・Amazon.co.jp > 実相寺昭雄氏関連DVD
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■「幻冬舎新書」、いかにも最近の新書らしいラインナップ
<< 2007年1月 ■ 2006年11月
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