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ヨコハマトリエンナーレ2011感想レポート

 2011年8月23日、ヨコハマトリエンナーレ2011に行ってくる。3年に1回行われる芸術祭。

ヨコハマトリエンナーレ2011 OUR MAGIC HOUR−世界はどこまで知ることができるか?ー
http://118.151.165.140/


●全体的な感想として

 私は過去のヨコハマトリエンナーレは2008年に行っているので、その時との比較からの感想です。
 まず印象的だったのは、横浜美術館がメイン会場に含まれたこと。これまでは、パシフィコ横浜、赤レンガ倉庫、山下埠頭倉庫といった場所が会場になった。前回も日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)と、当時出来たばかりの新港ピアがメイン会場に使われた。そういう場所は、サイズが大きかったりスペースを使ったりする作品(インスタレーションとか体験型展示とか)には適していると思う。
 ただ、今回は美術館という入れ物に展示することでしっくりくる作品もあったし、逆に美術館に置くことで違和感をかもしだして、それが面白さになっている作品もあった。あとは、純粋に美術館の展示は見やすい。順路などを考えて設計されていることを感じる。美術館に収まる展示は横浜美術館に、それ以外の大きな展示はBankART Studio NYKに、という分類が出来ていて良かったと思う。BankART Studio NYKの、スケールの大きな作品や、見る側の見方で動きが変わる作品も、やはり面白い。

 それから、今回は会場がコンパクトなので、メイン会場だけなら半日で見て回れる。前回はまとまった展示のある会場だけでも、新港ピア・BankART Studio NYK・横浜赤レンガ倉庫1号館・三溪園と存在したので、結局別々の二日間行った。チケットもそれを見越してか、一枚で二日間入場できる仕組みになっていた。それはそれで、ちょっとした旅行気分で面白かったけれど、もう少し気軽に見るには、今回くらいの規模がいいのかもしれない。今回は、主催団体のひとつだった国際交流基金が事業仕分けの影響で参加できず、横浜市が中心となって主催したり、東日本大震災の影響があったり、舞台裏は色々あったのだろうと推測されますが、その中でいわゆる身の丈にあった内容になったのではないかなと思います。
 ちなみに今回も、チケットは横浜美術館、BankART Studio NYKのそれぞれで一日有効になっています。一日目に横浜美術館を見て、二日目にBankART Studio NYKを見る、ということも可能。

 続いて展示されている作品について。前回は「15歳以下は鑑賞禁止」、「人によっては不快感を抱く内容です」などの注意書きのある展示もあったのだけれど、今回はそうした展示はない。個人的な考えとしては、作者に信念さえあれば、危険さや不快さも含んだものがアートだとは思う(ただし、最近の「現代美術家」にたまにいる、注目を浴びるために露悪的にする連中は論外です)。しかし、今の日本で、あえて刺激の強い作品を展示し、見る必要はないのではないかという思いもある。そう思うと、今回のヨコハマトリエンナーレはほどよくマイルドという感じがする(ただし、決しておとなしい作品ということではないです)。

 全体的な感想は以上。


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