[ 倉橋ヨエコライブレポート ] 「ただいまてくてくツアー ワンマンライブ 2006年2月10日 渋谷O-WESTでの倉橋ヨエコさんワンマンライブ、見てまいりました。簡単ですが感想を。
まずはセットリストから。 [ 倉橋ヨエコ : ボーカル・キーボード ]
[ 古城康行 : ベース ] [ 一ノ瀬久 : ドラム ] [ 根上誠二 : ギター ] [ 矢島秀治 : マニピュレーター ] 1.M-9.追跡系 2.過保護 3.はないちもんめ - MC - 4.線を書く 5.昼の月 6.盗られ系 - MC - 7.つぶつぶ 8.ラブレター - MC - 9.石鹸ガール 10.感謝的生活 11.東京 - MC - 12.薬指のためのエチュード 13.ここにいる 14.裏返し - MC - 15.白い旗 16.ピエロ 17.シーソー - MC - 18.恋の大捜査 19.シナリオ 20.人間辞めても - MC - 21.卵とじ 22.春の歌 - MC - 23.楯 アンコール1.ロボット アンコール2.流星 曲リストをごらんいただければお分かりの通り、ワンマンライブらしく全25曲と盛りだくさんの内容。 まずはインストの「1.M-9.追跡系」。まず古城康行(ベース)、一ノ瀬久(ドラム)、根上誠二(ギター)の三氏がステージに登場し、演奏を開始。そしてヨエコさんが登場。キーボードで演奏に参加し、更に日本古謡の「さくらさくら」を一部歌う。 ヨエコさんの衣装は緑のロングスカートとオレンジのキャミソール、オレンジの羽織の和装スタイル。髪はショートボブで、コサージュをつけています。バンドの男性陣は、ジャケットにハンチングで衣装を統一。 インストでの4人の楽器のセッションの後、「2.過保護」へ。演奏がすごいのはもちろんなのだが、照明のタイミングなども含め、ステージ全体に迫力があり、見入ってしまう。 続いて「3.はないちもんめ」。ライブバージョンではノリのいい激しいアレンジになっているのだが、この日もやはりノリノリ。後半の根上氏のギター、古城氏のベースもかっこいい。古城さんは、おなじみのベースを弾きながらのターン(ぐるりと一回転)を見せてくれました。 その次にMC。こんばんはのあいさつの後、「今日はワンマンなのでビッグサイズの水を」と、1リットルくらいのペットボトルを掲げるヨエコさん。会場から歓声と笑いが起こる。 このMCでは、本日のライブがアルバム『ただいま』のレコ発ツアーの初日であること、お客さんへの感謝、開始前に会場の一階のコンビニエンスストアに行ったら当日券待ちの行列があって感激したことなどの話があった。 『ただいま』からの曲や、デビューしてからこれまでの5年間の曲を披露することを発表し、再び曲へ。 切なくて泣ける「4.線を書く」、激しい「5.昼の月」、そしてノリノリの「6.盗られ系」と、趣の違う曲が3曲続く。いずれの曲でも感じるのは、ヨエコさんの歌うときの表情の豊かさ。曲の雰囲気を思わせたり、聴いている方にとっては意外なところで笑顔が見られたり、様々な表情が表れる。 次のMCでは、持ち時間が踊るようにあって、曲のリストもいつもの倍くらいあって、ワンマンだと改めて思うという話。そしてO-WESTの思い出。 ヨエコさんが初めてO-WESTに来たのは7年位前。まだ曲作りを始めたばかりで、ライブの経験もない頃、先輩ミュージシャンのライブをお客さんとして見に来たそうな。そして、ライブの非日常的空間に衝撃を受け、人前で歌うことがなんてすごいのかと思ったという。そしてそのライブの帰り、人前で歌ってみたいとめくるめく妄想を繰り広げたそうです。 そして今、O-WESTで歌っていることがよくできた妄想なのではと思いつつ、お客さんを見ていると現実なんだと思うとのこと。でも、もしも妄想でも最後まで楽しくがんばりますとの言葉の後、再び曲へ。 「7.つぶつぶ」と「8.ラブレター」。どちらもかわいい曲。「つぶつぶ」では古城さんのコーラスとの掛け合いも印象的。「つぶつぶ」は、かわしらしい歌なんだけれど、なんだか泣けてくるなあ。不思議な気持ちになる。「ラブレター」は、マーチのようなドラムのリズムにあわせ、こちらはひたすらかわいらしい。 次のMCで、ひとりでしゃべって歌って申し訳ないです、との話。次の曲はよかったら参加してくださいということで、次は「石鹸ガール」を歌うことを発表。口笛やフィンガースナップ(指パッチン)が得意な方は是非ということだったのだが、これはちょっとハードルが高かったかもしれない。 「9.石鹸ガール」は、CDではヨエコさんのコーラスが多重録音されているのだが、そうしたエフェクトのないシンプルなライブバージョンのアレンジも、またいいなあ。 そして、イントロにスキャットが挿入された「10.感謝的生活」、ギターが加わっていることでいつものライブアレンジとはちょっと雰囲気の違う「11.東京」を披露。 続いてのMCで水を飲みながら、なかなか水が減らないと言い、でもライブで飲みきろうと決意を口にするヨエコさん。 改めて、ワンマンっていいですね、との感想。いつもならこの辺で最後の曲ですが、今日はまだ全然ですとうれしそうに言う。見ている側も、うれしい。 ここで、コンピレーションアルバムに収録されている曲を演奏しますとの紹介の後、「12.薬指のためのエチュード」を演奏。 「薬指のためのエチュード」は、6分以上のインスト。2005年12月28日(水)「ヨエコと雄一」@下北沢440で、グランドピアノのソロで演奏されたのだが、今回はバンド編成での演奏。 前半はヨエコさんのソロのキーボード。中盤以降、ドラム・ベース・ギターが加わる。このセッションには、4人のそれぞれの楽器のプレイヤーとしてのレベルの高さがひしひしと伝わる。 そのまま「13.ここにいる」へ。この流れはすごかったなあ。その後の「14.裏返し」は、「裏返す、裏返す、……」のリフレインにエフェクト(エコー)がかかって、印象的。 次のMCで配布しているチラシ「ヨエコくらぶ」とアンケートの案内。そして、一旦バンドがステージ上から退く。一番初めは一人で弾き語りのライブをしていて、今でも原点で大好きですとの言葉の後、「15.白い旗」。 その後、ステージ上には根上誠二氏と矢島秀治氏が登場。2005年12月27日(火)ヨエコとトモフ@下北沢440と同じ「ヤジガミヨエコ」の編成。矢島のヤジ、根上のガミ、そしてヨエコから取った名前です。ヨエコさん曰く「幻のユニットの復活」。 この編成で「16.ピエロ」、「17.シーソー」を披露。「ピエロ」は、歌詞の雰囲気に合わせた夏らしいSEをバックに、ヨエコさんの歌とキーボード、根上氏のギターでの演奏。「ピエロ」をライブで聴いたのは初めてだったが、いいなあ。この切ない感じがたまらない。 ここで、古城・一ノ瀬の両氏もステージに戻り、5人編成での演奏に。その前にMCで、メガネレンチのCD・Tシャツ、ヨエコさんの新しいグッズ(Tシャツ・ステッカー)を紹介。 そして「18.恋の大捜査」。この曲でも古城さんのコーラスとの掛け合いが印象に残る。「19.シナリオ」は、バンドネオンの音色もシーケンサーで流し、CDバージョンに近い雰囲気になる。「シナリオ」のラストから、リズムボックスがつなぎとなってそのまま「20.人間辞めても」へ。この流れもかっこよかったなあ。 次のMCでは、いよいよライブも終わりに近づき、すごくさみしいとの話から、『ただいま』は自信作なので、ひとりでも多くの人に聴いて欲しいとの話など。 そして今後の東京でのライブの予定を発表。3月17日(土)、下北沢440でのCRAZY FINGERSのライブにゲスト出演するとのことです。これは多分、CRAZY FINGERSと同じステージで演奏するということなのかな。 それから、詳細は秘密とのことですが、4月の後半に下北沢のおしゃれな場所でライブをするとのこと。 ううむ、気になる。俺がぱっと想像(というか妄想)したのは2ヶ所。多分、いわゆるライブハウス以外の場所じゃないかと思います。 その1:mona records(http://www.mona-records.com/)。ここはカフェ・CDショップであり、ライブスペースでもある店です。 その2:ヴィレッジヴァンガードレコーズ(ヴィレッジヴァンガード下北沢店)。何度か他のミュージシャンの方のインストアライブが行われたことがあるので。 これは、正式発表を楽しみにしましょう(その後、北沢タウンホールであることが判明。「ヨエコノハカスタ倶楽部/下北沢ゴールデンカーニバル」2006.04.29(土) となります)。 その次の2曲は「21.卵とじ」と「22.春の歌」。「卵とじ」を歌うヨエコさんは、本当にうれしそうだなあ。そして今個人的には一番好きな「春の歌」、この曲は何度聴いてもいい。 ラストのMCで、今日のライブはもうすぐ終わりで寂しいけれど、自分が歌えるのは聴いてくれる方がいるから、みなさんのおかげで歌う人生を送れていますという感謝の言葉。 そして最後は「23.楯」をバンドアレンジで披露。弾き語りももちろんいいのだが、バンドの中で披露されるヨエコさんの歌とピアノもまたいいなあ。 その後アンコールに答えて、やはり5人編成で「ロボット」、「流星」を演奏。アンコールでは全員がヨエコさんの新作Tシャツで登場。会場からの「ヨエコさんかわいい」の声に「なんと、すばらしい方がいる」と返事をして、会場の笑いを誘う。 「ロボット」は、リズムマシーンの効果でCDバージョンに近いアレンジ。後半はリズムマシーン、それぞれの楽器の音が激しくぶつかり合い、アバンギャルドな感じがかっこいい。 そして本当のラスト、「流星」。この曲は、締めくくりにふさわしい雰囲気を持っているなあ。 ワンマンライブは初体験でしたが、なんというか、「ヨエコさん祭り」という感じで、満足でした。色々なミュージシャンとの対バンもいいけれど、やっぱりワンマンはいい。しみじみそう思いました。 2006年も、ヨエコさんのライブには可能な限り行きたいと思います。 【 参考 】 [ 倉橋ヨエコ CD ( リンク先はAmazon.co.jp ) ] ・『ただいま』(2005年,VICB-60010,アルバム) 木の葉燃朗 |