ぜんじろう単独ライブ「ぜん自動」レポート
2005年3月6日(日) 新宿プーク人形劇場にて 2005.4.28掲載

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 3月に行ってまいりました、ぜんじろうさんの単独ライブのレポートを、遅ればせながら掲載致
します。
 過去二回、トークライブは拝見したものの、今回はネタのライブを初めて見るということで、興
味津々であった。
 会場は、新宿のプーク人形劇場。劇場そのものは、名前の通り子ども向けの人形劇を行うよ
うな施設。椅子とかトイレとか、全体的に小さい。ちょっと新鮮な気分だった。

 では、早速ライブの内容紹介と感想を。


●登場−フリートーク
 照明が当たると、舞台の真ん中にぜんじろうさんが。自分自身でテーマソングを歌いながら、
「ぜんじろうのポーズ」でライブが始まる。テーマソングは、映画「ターミネーター」のテーマのパ
ロディで、「♪ぜぜぜっ、ぜぜ、ぜぜぜっ、ぜぜ、……」というもの。またポーズは、体全体で「Z」
を表現する。

 その後、フリートーク。リハーサルでポーズを逆に取った話、テレビ「踊るさんま御殿」に出演
したときに、ポーズを取ろうとしたがうまく行かなかった話など。
 それから、トークライブのアンケートで「ネタが見たい」という声が多かったという話。ぜんじろ
うさん自身は、これは「もう一度ネタが見たいというより、一回くらい見てみたいということだと思
う」と分析。
 全体のテーマは「妄想」と発表してから、いよいよ最初のネタへ。

1.透明人間との漫才
 ぜんじろうさんがツッコミ、声だけの透明人間がボケという漫才。テンポがよく、「実は立ち位
置が逆」、「透明人間が物真似や手品を披露」などの、間にはさまれる細かなギャグも面白か
った。

●フリートーク ぜんじろうさんの妄想について
 「妄想」という感じは男が考えたのではないかという話から、ぜんじろうさん自身の妄想の話
へ。
 夜中にコンビニへ行く途中、マンションのベランダで白い服のおっさんが中を覗いているのを
発見したぜんじろうさん。そこで一気に妄想を広げ、自分が繰り広げるドラマ(の妄想)を熱く語
る。
 しかし、実はおっさんだったと思ったのはゴミ袋だった、というオチ。

 また、ニッポン放送・ライブドア問題に関連し、ライブドアのサイトで堀江社長がしゃべる動画
について紹介。「映像を撮影する間、堀江社長はこんな感じに違いない」という再現(想像)は、
最高だった。
 それから、妄想と言い訳、ごまかしの話となり、そこから次のネタへ。

2.一人コント「オレ会議」
 彼女を部屋に招いた男。留守電を聞くと、女性からのメッセージが入っていた。彼女に
「誰?」と聞かれる。
 ここから、男の中にいるたくさんの自分が頭の中で会議をはじめる。
 例えば、こんな感じ。
 ・デンじろう(デンはデンジャラスのデン):逆切れしてごまかす。
 ・しょぼじろう:謝る、土下座する。
 ・ゲラじろう:ネタにする。
 ・せこじろう:ブレーカーを落とす。
 ・ずるじろう:「相手の女は嫌な女で、自分に付きまとっている。電話でいつも彼女の悪口を言
うので、聞かせたくない」と言う。

 ずるじろうの方法を採用して、彼女に話をするが、「聞きたい」と言われてしまう。再び会議。
 意見がまとまらず、勇気を出してそのままメッセージを聞いてみる。すると、男の友人のいた
ずらだった。

 こういう修羅場の経験はないけれど、「オレ会議」は分かるなあ。俺もたまにそうやって考える
ことがあるので、共感できた。

●変わったCDの紹介
 効果音のCD。まずはきゅうりを食べる音と、つけものを食べる音。会場中が「違いが分から
ん」という雰囲気で聞き入る。
 その他、二分半続くげっぷ、奇声など。
 ここで、ぜんじろうさんの説明の前後で音がどう聞こえるかを実験する。題材はハイヒールで
歩くカツカツという音。最初は普通に聞く。そして二回目の前に、ぜんじろうさんからこんな説明
が。「会社に忘れ物を取りに戻ったら、部屋から女装した上司が出てきました。あなたは物陰
からそれを眺めています」。

 カツ、カツ、カツ、…。

 こ、こわい。でもなんだか面白い。

 それから、外国人がしゃべっているCDを紹介し、それに関連して次のネタへ。

3.外国人のしゃべりの効果音を聞いて一言(アドリブ)
 各国の人のしゃべっているCDにあわせ、アドリブでドラマをつくり台詞をしゃべる、というも
の。「こういう才能はないけれど、チャレンジする」と前置きしてから始めましたが、さすがうま
い。答えそのものもうまいけれど、台詞を言うまでの間の取り方がうまかった。
 俺も、外国人の台詞はなにを言っているのか分からなかったけれど、ぜんじろうさんの台詞
で雰囲気が目に浮かんだ。

 ここで、一旦休憩となる。

4.ぜんぎり
 ぜんじろうさんが司会役で、大喜利の出題とツッコミを担当。歌が答えに使われる。
 回答者は、平井堅(そっくりの絵)、森山直太郎(そっくりの絵)、宇多田ヒカル(そっくりの
絵)。

5.「3年B組金八先生」を分析する。
 過去の「3年B組金八先生」の、普通では考えられない生野慈朗氏の演出の素晴らしさを紹
介。普通であればカットされるような失敗、アドリブをそのまま活かしていることを、実際にビデ
オを見ながら解説。

 紹介されたのは、まず第VIシリーズで、いじめを再現する話の、金八が一瞬武田鉄也に戻っ
て苦笑いする場面、その直後の、明らかに金八の演技とは違う切れ方の場面(ぜんじろうさん
曰く「これ付き人に怒るときみたい」)。
 それから、第IIシリーズの、加藤優たちを殴り、抱きしめる感動のシーンが、実はぐでぐでで、
でもぐでぐでのまま撮影を続けて、結果的に名場面になったという解説。これはたしかに、後ろ
の不良役の役者が明らかに武田鉄也の演技にびびっていたり、武田鉄也が台詞をかんでい
たり、ぐでぐでだが名場面として成立していた。

 いずれもまさに解説の通りだった。細かなところまでチェックしているんだなあ。
 その後、もしハリウッド・韓国で、武田鉄也主演で金八がリメイクされたら、という自作の予告
編を上映。ぜんじろうさんの生のナレーション付。これもよかったなあ。特にアメリカ版「School 
of Kinp achi」。

6.フランシスコ・ザビエルとのビデオ漫才。
 はじめに、中学・高校で勉強したことは、じつはめちゃめちゃ難しくて、今ではほとんど覚えて
いないという話。
 そんな記憶を思い出しながら見て欲しいということで、ぜんじろうさんとフランシスコ・ザビエル
の漫才。ザビエルはビデオの映像。
 どう考えてもザビエルが言いそうにない現代のネタや、突然切れるザビエルなど、イメージと
のギャップの大きさが笑いを誘う。


 ということで約二時間、あっという間であった。俺がこれまで見たのはトークライブのみだった
が、今回のようにネタを何本も見せてくれる形式のライブも面白いと思った。BGMの選び方・使
い方も、コーネリアスやピチカートVが使われて、かっこよかった。とにかくライブ全体として、よ
かったなあ。チケット代は充分元が取れました。

【参考】ぜんじろうさん関連のサイトは下記の通り
・公式サイト『ぜんじろうハリウッドへの道』:http://www.fandango.co.jp/zenjiro/
・公式ブログ『ポジぜん』:http://blogs.dion.ne.jp/posizen/
・声日記(webラジオ)『ぜんじろうのデジゼン』http://dp37022342.lolipop.jp/dedizen/
・「日刊 耳カキ」内インタビュー「ぜんじろう 旅の途中」:http://www.mimi33.com/zenjiro.html


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