トークライブ『ぜんじろうの処方せん・一回め』レポート
2005年1月20日(木) 新宿歌舞伎町ロフトプラスワンにて (2005.1.30掲載)

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 1月20日(木)、会社帰りに新宿歌舞伎町のロフトプラスワンへ行ってきました。目的は、ピン
芸人ぜんじろうさんのトークライブ、『ぜんじろうの処方せん・一回め』。

 開演15分前に着いたのだが、既に座席は9割以上埋まっている状況。しばらく席を探し、後ろ
の方に空席を見つける。
 ロフトプラスワンは、ライブやイベントを見聞きしながら飲食のできるスペース。観覧時には原
則ワンオーダーが必要。そこでオーダーをしたり、会場の様子を眺めていたりするうち、19時
30分となり、イベント開始。

■ライブの概要

 はじめに、ぜんじろうさんが黒地に白の模様入りのパジャマで舞台に登場。今回のライブの
内容を説明。ぜんじろうさんが患者となり、医者に扮した若手ピン芸人に悩みを話し、答えを探
していく、というもの。
 早速、ぜんじろうさんの紹介で、若手芸人が舞台に登場する。

 ここからは、各出演者の話の中で、印象に残った部分を紹介して行きます。あわせて、俺自
身の感想も書いていきます。

■第一部・その1−医者:あべこうじ・佐久間一行

●二人の自己紹介、ぜんじろうさんのパジャマは自前なのに、医者の白衣は衣装、
 などの話をはさんで、早速最初の悩みへ。

【悩みその1】
 「ぜんじろうはまだやっているのか?」という話を見聞きしてへこむ。どうしたらいいのか?
(以下、ぜんじろう=ぜ、あべこうじ:あ、佐久間一行:さ)

・ぜ:インターネットに「ぜんじろうは今?」というテーマのページがある。そこでは「消えた派」、
   「干された派」に分かれて、討論がされている。
   そこで、自分が本人として書き込みをしたら、一旦書き込みが減った。
   でも、しばらくしたら「僕もぜんじろうです」という書き込みが出てきて、
   別々のぜんじろうが20人くらい出てきた。インターネットなどで悪く書かれるのを読んで、
   どうすればいいか。
・あ:インターネットは見ないで、認めない。見るとやっぱりへこむ。嘘でも本当でも、
   自分にマイナスになる情報は見たくない。
・ぜ:軽くへこみたい気持ちもある。中には、嘘だけではなくあっていることもある。
   どんなことが書いてあるかを知るのは、かさぶたを少しめくるような感じで、
   してみたい気持ちもある。
・さ:自分はすごく見るかもしれない。自分については気になる。

●話の中で、あべこうじさんがあまり笑わせる話になっていないことを気にする。
 ぜんじろうさんは「こういう雰囲気でもいいのでは」と言っていた。俺個人も、
 ロフトプラスワンの雰囲気では、こういうややシリアスで深い話も面白いと思いながら
 聞いていた。

・ぜ:10人中10人を笑わせたいので、へこむのかもしれない。でも、へこむのは
   上り坂にいるからだと思う。楽な状態は下り坂。

●話の途中で、救急車のサイレンの音。これは「この悩みに対する答えを出す時間」という
 合図。あべ・佐久間の両名が相談し、フリップに解決を書く。

【解決策】
 基本はハッピーに。

●その後の話の中で、インターネットに「ぜんじろうは消えた」と書き込みをした人の家に行く
 ロケをしようということになる。あべ・佐久間の二人が、家を訪ねて「ぜんじろうさんは
 消えていない」と言い、ぜんじろうさんが登場する、という内容。これは今後のライブで
 披露する可能性もあるとのこと。
 実現したら面白そうだなあ。

【悩みその2】
 趣味がない。

・ぜ:色々なことを始めるのに拒否はしないが、はまることがない。今は格闘技の道場に
   行っているが、体を鍛えるというより、本気で強くなりたい人が多くて、怖い。
   止めるとも言い出せない。
・あ・さ:やめたいと言いにいくロケをしましょう。
・ぜ:そんな雰囲気じゃない。たぶんロケに行ったら二人ともひく。
   二人の趣味は?
・あ:フットサルはどうですか?
・ぜ:しんどいのは続かない。

●しばらく、ぜんじろうさんの「30歳過ぎると体力が落ちる」という話。この話は色々な人から
 聞くが、みんな共通して感じるんだなあと思う。

・あ:ウィンドウショッピングをして、オープンカフェに行くのはスタイリッシュでいいですよ。

●佐久間さんによる、あべさんは「スタイリッシュ」にこだわるという話。
 パスタの大盛りを注文するとスタイリッシュでないと怒られる、など。
 その後佐久間さんの趣味の話。

・さ:東京に出てきてからは、家にこもることが多い。でも、ザリガニ釣りが趣味で、
   家で100匹くらい育てている。

●しばらく、佐久間さんがザリガニの話を熱く語る。

・ぜ:(一通り話を聞いてから、)ザリガニ取りに行くのは嫌。
・さ:懐かしいじゃないですか?
・ぜ:ザリガニ取ったことない。

●ぜんじろうさんの「ザリガニ取ったことない」に対する佐久間さんの驚きぶりが、
 面白かった。「そこまでびっくりするんだ」と、聞いているこちらもびっくり。

・ぜ:釣れないと、怒りそう。
・さ:これまで見たことないくらい怒るかもしれません。

●ここで再び救急車のサイレン。後半はほとんど佐久間さんのザリガニの話のまま解決策へ。

【解決策】
 ザリガニかオープンカフェ。

・あ:またはザリガニを持ってオープンカフェに行きましょう。

 ここで、医者役が交代となり、第一部のその2へ。

■第一部・その2
 −医者役:吉田サラダ、はいじまともたけ、山本吉貴(元チャイルドマシーン)

●なぜか3人とも、NSC(吉本総合芸能学院)の何期生かを入れて自己紹介。
 それぞれのネタのさわりを披露。(はいじまさんは、準備も万全でがっつりとやる)。

【悩みその3】
 後輩と話が合わない。いじって欲しい。
(以下、ぜんじろう=ぜ、吉田サラダ=よ、はいじまともたけ=は、山本吉貴=や)

・ぜ:今、ルミネtheよしもとで最年長。特に、はいじま君がきっかけでギャップを感じた。
   ルミネの出番直前に、舞台袖で色々と話しかけてもらった。本当は
   舞台に集中したかったが、色々と話をした。
   その後、舞台を終えて戻ったら、もう舞台袖にはいなかった。ひょっとして自分は、
   「うざい先輩」ではないのか?
・は:ぜんじろうさんはふわっとしていて、なんとなく壁がある。例えば私服がシックなところ。
・ぜ:その意見は貴重。そういう話を聞きたい。
・や:ぜんじろうさんは、たしかにかっこうに隙がない。

●ぜんじろうさんが山本さんの言葉を受け、山本さんがルミネの楽屋でいかに楽しそうかを
 力説。ルミネのエレベータを降りたところから始まり、実際に舞台の上を歩いて
 楽屋の様子を紹介。
 みんなが楽屋でトランプをしているので、入りたいと思ってあいさつすると、山本さんは
 すごく嫌そうな顔で振り向いた。山本さんと一対一で話す機会があったので、飲みに誘うと
 「僕、酒癖悪いっすよ」と言われた。ぜんじろうさんが「どのくらい?」と聞いたら、
 「殴りますよー」と言われた。などのエピソードを紹介。

・や:そういうエピソードがあるということは、十分溶け込んでいるんですよ。

●救急車のサイレン。なぜかフリップに答えを書く前に、円陣を組む三人。

【解決策】
 明るい服で、邪険に。

●ぜんじろうさんが来たらみんなトランプを切ることにしようという意見も出る。

【悩みその4】
 女性をベッドに誘うタイミングが分からない。

・ぜ:はじめ、いい人として話をするので、そこからどう口説いたらいいのか?

●三者三様の「俺はこうして成功した」エピソード。

・は:自宅に彼女を招いて、卒業アルバムを見せる。その中に通知表を挟んでおいて、
   いやいや通知表を見せるフリをし、自分の出来のいいところをアピール。
・ぜ:いいところを見せてから、ベッドに誘うまでをどうするか?
・や:合コンで、軽く女性の足を踏む。それで振り払われなければOK。
・ぜ:それができるのはもてる人間だから。

●話の中で、ぜんじろうさんから「女性が自分のことを見ている気がするのは、
 自分が女性をじっと見ているから。相手が気配を感じてみているだけ」という説が
 紹介される。これは面白かった。俺も学生時代に経験があります。
 吉田サラダさんのエピソードは、後ほど紹介されたのだが、これも面白かった。
 会っていきなり誘い、断られたら延々説教をする、というもの。そうすると徐々に
 女性が吉田さんに認められたくなってくるという。

【解決策】
 卒業アルバムを足に落とす。

 ここで、休憩を挟んで第二部へ。

■第ニ部

 第二部では、全員が登場し、まずは会場のお客さんからの悩みに答える。

▲テンションを上げるにはどうすればよいか?(20代・女性・会社員)

・あ:自分はバイクで車を避けるとテンションが上がる。
・ぜ:会社にも徐々に慣れた、余裕が出てきた会社員、という状況での
   テンションの上げ方は?
・あ:自分の顔のコピーをとる。
・さ:声を出すのはいい。ゴミに怒ってみるとか。
・は:ブリッジで頭に血を送る。
・ぜ:そもそも、テンションが低くてもいいのではないか。間接照明がいいのと同じようなもの。
   そういえば、楽しいこと、面白いことがなくても、笑ってみると、脳が楽しいと判断して
   楽しくなるという話を聞いたことがある。

▲親方のオヤジギャグにどう対応すればいいか(男性・板前)

・ぜ:芸人はギャグを言われ、反応を期待されることが多い。
・あ:母親が「このネタ使いなさい」とくれることがある。
・や:ずっと親方の目を見てつっこまなければいいのでは。
・よ:わざとほめる。「決まった!」、「来た!」など。そうすると徐々に
   からかわれていることに気づくと思う。

・さ:先輩の芸人と、楽屋や移動中、2時間くらいずっとコントのやりとりをしていて、
   つらかった。そのときに楽屋で山本さんがツッコミを入れてコントを終わらせてくれた。
   ものすごく助かった。

・ぜ:柴田恭兵さんと仕事をしたとき、たくさんギャグを言っていた。
・あ:そのときは「関係ないね」と言えばよかったのでは。

▲芸人になったきっかけを知りたい(10代・女性・高校生)

・ぜ:先生・友人がきっかけで芸人になった人は多いと聞く。
・は:中学校の先生に、作文をほめられて、吉本に入れと言われた。

●ぜんじろうさんの、「お笑い芸人の世界は、プロ野球と同じように、全国の面白い人間が
 集まってくる」という話は興味深かった。その中で更に、芸人が見ても驚くほど面白い人を
 見ることができる、という。

●あべさんによる、吉本でNSCを卒業してから、芸人としてどのように
 ステップアップしていくかという話も、細かな説明があって面白かった。

【ぜんじろうさんの悩みその5:今回のライブで最後の悩み】
 3月にライブを行うが、そこでなにをするのか。これを決めたい。

・ぜ:これまでピンで、色々自分で自由に考えたが、自由ゆえの不自由も感じる。
  まわりに決めてもらった、ある意味で不自由な状況の中で、自由を見つけることも
  してみたい。

●ライブのタイトル、ぜんじろうさんの登場時のギャグ・動きを決める。
 各自がフリップに書く形式だったので、大喜利のようなアイデアもテンポ良く飛び出して、
 これもなかなか面白かった。いくつか印象に残ったアイデアを紹介。あまりに次々と
 アイデアが飛び出したので、どなたの発言か失念してしまったものもあります
 (「?」となっている部分)。ご了承ください。

タイトル
・は:俺もぜんじろうだ。
・や:俺こそぜんじろうだ。
・?:一日一ぜん
・?:ピンチだ、ぜんじろう

登場ギャグ
・?:ぜんじローブロー、アンド、バックブロー
・?:ぜんまい、ぜんざい、ぜんじろう

 検討の結果、ライブのタイトルは「ぜん自動」に決定し、登場時のギャグも決定。ギャグは今
後テレビや舞台などでも登場時に披露するとのことなので、お楽しみに。

■まとめ
 ということで、かなり熱い夜であった。ぜんじろうさんがトークの中で言っていた、「お笑い芸人
には全国から面白い人間が集まってくる」という言葉を、図らずもこのライブがまさに証明して
いたように思う。チケット代の元は十分取れました。

 次回は。2月22日(火)に、ロフトプラスワンで再びトークライブが、3月6日(日)には新宿プー
ク人形劇場で単独ライブが開催されます。興味がある方は是非(詳細は下記をご参照くださ
い)。

・ぜんじろうの声日記(webラジオ)「デジゼン」内、ライブ案内ページ
 http://dp37022342.lolipop.jp/dedizen/info.html

 また、ぜんじろうさん関連のサイトは下記の通り

・公式サイト『ぜんじろうハリウッドへの道』:http://www.fandango.co.jp/zenjiro/
・公式ブログ『ポジぜん』:http://blogs.dion.ne.jp/posizen/
・声日記(webラジオ)『ぜんじろうのデジゼン』http://dp37022342.lolipop.jp/dedizen/
・「日刊 耳カキ」内インタビュー「ぜんじろう 旅の途中」:http://www.mimi33.com/zenjiro.html


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