「オードリー・ヘップバーン展 Timeless Audrey」レポート
 2004.6.26 渋谷Bunkamuraザ・ミュージアムにて (2004.6.30掲載)
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 6月26日(金)、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催されている「オードリー・ヘップバー
ン展 Timeless Audrey」を見てきました。

 Bunkamuraでは7月4日までの開催ということと、土曜日ということで、入場まで結構な行列が
出来ていました。十五分くらい待ったかな。また場内もかなりの人手でにぎわっていました。客
層は、女性6割の男性4割といったところ。また年齢層は20代の学生らしき人たちから中高年ま
で幅広かったです。カップルも多かったし、子ども連れもちらほら。

 では、展示内容の紹介と感想に入りましょう。全体に対して感じたのは、展示の見せ方には
不満があったが、展示内容はとても興味深かったということ。
 展示の仕方は、会場が全部で11個のコーナーに区切ってある。1コーナーはおおよそ5uくら
いの広さで、パーテーションで囲まれている。たぶん、それぞれのコーナーを順番に見てもらお
うという意図でつくられたんだろう。でも、実際はどこから見るのも自由だし、コーナー間の行き
来も自由。だから、見ている人の動き方によって、特定の場所に人がすごく集中してしまう。そ
れから、コーナー内の通路の幅も、ちょっと狭い。こうした理由で、落ち着いて見られないという
のは難点だったな。
 でも、展示の内容はすごく面白かった。各コーナーのタイトルは次のとおり。

1. 少女オードリー Audrey the little girl
2. ダンサー・オードリー Audrey the dancer
3. 妻・母オードリー Audrey wife and mother
4. オードリーの家と庭 Audrey’s home and garden
5. オードリーと動物 Audrey and animal
6. オードリーと友 Audrey and friends
7. スター・オードリー Audrey the star
8. オードリーのクローゼット Audrey’s closet
9. 美の女神オードリー Audrey the muse
10. スタイルの象徴 Audrey the icon of style
11. オードリーと世界の子供たち Audrey and the children of the world

 そもそも俺は、ヘップバーンがベルギーで生まれて、子どもの頃オランダで過ごしたことを、
今回初めて知った。ちなみにヘップバーンは1929年生まれ。父はイギリス人、母はオランダ人
です。子どもの頃、住んでいたオランダがドイツに占領されたとか、両親が離婚したとか、そう
いうエピソードも知らなかったなあ。
 その後、10代の頃にバレリーナとして練習を重ね、女優として舞台に立ち、そして23歳で「ロ
ーマの休日」(1953年,ウィリアム・ワイラー監督)の主演に抜擢されるわけだ。そこからの映画
女優としての活躍は、皆さんご存知のとおり。
 また晩年には、ユニセフ親善大使として様々な活動に携わった。そのあたりまで含めたヘッ
プバーンの生涯が、テーマごとに展示されている。

 展示を見て印象に残った点をいくつか。
 まず「ダンサー・オードリー」で、踊っているシーンのビデオが流れていたのだが、やっぱり動
きが華麗だよ。10代の頃ダンサーだったことを知らなかったのだが、ヘップバーンが映画で見
せたダンスにはしっかりした基礎があったんだということが分かった。
 それから、「オードリーのクローゼット」をはじめ、いくつかのコーナーでヘップバーンが実際に
身に着けていた衣装やアクセサリーを見ることができる。それを見るとスタイルのよさがよく分
かる。俺は、ヘップバーンって小柄な人という印象を持っていた。でも、実際は体が細くてすら
っとしてる。着ていたドレスなどを見ても、それはよく分かる。また、晩年になるまでプロポーショ
ンが崩れてないから、ずっときれいな人だったという印象も強い。
 あとは、子どもや動物が好きだったということ。これがヘップバーンが魅力的な女性である理
由の一つなんだと思う。
 俺の個人的な意見なのだが、ヘップバーンは1960年代の映画に出演した頃が一番きれいだ
と、昔から思っていた。今回の展示を見て、それは1960年に長男ショーンを出産したことと関係
があるんじゃないかと思った。ヘップバーンが、海辺らしき場所でまだ小さなショーンを抱きしめ
ているシルエットの写真が展示されていたのだが、これが美しいんだよ。シルエットなのに、「子
どものことを愛しているんだなあ」と思わされる。

 ということで、満足して帰ってきました。またヘップバーンの映画を見たくなった。ちなみに、俺
のヘップバーン主演映画ベストワンは、「パリで一緒に」(1963年,リチャード・クワイン監督)な
んだな。「ローマの休日」や、「麗しのサブリナ」(1954年,ビリー・ワイルダー監督)などももちろ
んいいんだけれど。「パリで一緒に」は、ウィリアム・ホールデン演じる脚本家の口述筆記を、ヘ
ップバーン演じるタイピストが担当する、というあらすじ。その映画(劇中劇)の登場人物も二人
が演じて、しかも劇中劇なので、場面が巻き戻しされるなどの仕掛けもある。そんなちょっと複
雑な設定が、無理なく進んで、面白かった記憶があるなあ。

 なお、Bunkamuraでは2004年7月4日(月)までだけれど、その後全国を巡回する予定。関東
では、2004年の末に横浜で行われる予定ですので、詳しくは公式サイトをご確認ください。

●パンフレット(クリックすると拡大表示します)
    

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