コミックマーケット63俺なりレポート
〜逆さピラミッドの下、人々は集った の巻〜(2002.12.30)
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■はじめに
 タイトルにある「逆さピラミッド」は、東京ビッグサイトの会議等の部分のこと。遠くから見ると、
ちょうどピラミッドを逆さにしたように見えるのですよ。まあ、例によってあまり意味はないタイト
ルなので、あまり気にしないよう。
 さて、昨年末になりますが、コミックマーケット63に行ってきました。冬のコミケなので、通称
「冬コミ」。しかし、12月28日〜30日までというのは、例年に比べても遅い開催だったようです。
特に俺の行った30日なんて、思い切り年末だからねえ。
 今回の俺の目的は、例によって活字の本やミニコミを探すこと。主催者側のジャンル分けで
いうと、「評論・情報」と「その他」に分類されるブースを主に見ました。まあこれは夏のコミック
マーケット62のレポート
でも書いたけれど、一般的にイメージされるコミケのイメージというの
は、一部でしかないのです。俺のような人間が行っても、それなりに楽しめてしまう。受け付け
ない人は受け付けない雰囲気があるかもしれませんが、俺は結構平気ですね。今回で2回目
だけど。
 まあ、こんな話ばかりしていても仕方ないので、そろそろ当日の回想のはじまりです。

■ビッグサイト到着まで
 12月30日(月)午前11時頃。俺はJR東京駅の八重洲口に立っていた。本日は、ここからバス
に乗って一路東京ビッグサイトを目指すことにする。バス乗り場に着くと、既にビッグサイト行き
のバスが待っていた。さっそく飛び乗る。しかし、
「ありゃ?」
 と拍子抜けするくらいに、バスの中は空いていた。車中にいたのは5人程度。夏にも同じよう
にバスでビッグサイトに向かったのだが、その時はぎゅうぎゅう詰めだった。ひょっとしてバスを
間違えたのではないかと不安になったが、車内放送を聞くと、間違いなくビッグサイトに停車す
るようだ。まあいいや、あれこれ考えずのんびり座って行こう。
 30〜40分ほどで、ビッグサイト前に到着する。あまりに早い時間だと、入場制限で待たされる
こともあるのだが、制限は既に解除されているようだ。たくさんの人々が、ビッグサイトに出入り
している。今回は、目当てのジャンル(「評論・情報」と「その他」)が同じ東2ホールにまとまって
いるのでまわるのが楽だ。夏は西ホールと東ホールを行ったり来たりしたからなあ。ということ
で、一路東ホールを目指す。その途中、ちょっと高いところから会場内の様子を見ることができ
たのだが、これがちょっとびっくりした。すごい人なのである。たしかに、前回会場内の人ごみ
の中を歩いているときにも、「すごい人だなあ」と思っていたのだが、こうして外側から眺めると
人の多さが迫力を持って実感できる。
 しかし、ここで恐れをなしている場合ではないのである。俺もあの中に入って、本を探し、買う
のだ! ということで、自分を鼓舞しつつ会場に入る。

■今回のコミケで出会った本たち人たち
 さて、ここからの俺の行動は、非常に地味である。なにせ、「評論・情報」と「その他」の各ブー
スを歩いてまわり、興味があった本を手にとって、面白そうだと思えば購入する。これの繰り返
しである。いちいち俺のそうした行動を書いても面白くないので、こんな本を買いましたよ、とい
う話を中心に進めて行くことにする。
 まずは今回の大きな目的のひとつ、杉並北尾堂のブースを訪ねる。杉並北尾堂は、ライター
の北尾トロ氏が店主を務めるオンライン古本屋・インディーズ出版のサイトである。今回は、北
尾堂発行の出版物と、クローバー・ブックスの雑誌『アートマニア 創刊号』の販売を行ってい
た。北尾氏と、クローバー・ブックスの店主でありライター・編集者の平林享子氏にごあいさつ
し、『アートマニア 創刊号』の見本誌を見せていただく。
 北尾堂ブースには後ほど改めておじゃますることにし、各ブースをひたすら歩く強行軍に出発
したのであった。

 なお、紹介する本の『 』内は書名、( )内はその本を発行している団体名。個人誌の場合は
書名の前に著者名を記載する。

串間努『日曜研究家 第15号』(日曜研究家)
 串間氏は、「昭和B級文化」(庶民文化・子ども文化など)の研究で知られている。前に読書録
で紹介した『ザ・ガム大事典』(2000年,扶桑社文庫)など、著作もたくさん出されている。『日曜
研究家 第15号』、は「1冊まるごと『昭和40年代グッズを探せ!』号」ということで、表紙の目次
を読むだけでわくわくする。昭和40年代は俺の生まれる前だが、俺が子どもの頃に見たものも
あり、「懐かしいなあ」という気持ちになる。雑誌に載っているあやしい通信販売だとか、給食の
カレーシチューだとか、観光地のメダル刻印機だとか、温泉上の射的めぐりやら笑い袋やら
…。ううむ、時間をかけて読んでみたい。

魚住まや『古書籍と古本屋 古本ぐらし 第6号 古本コミック特集』/『古書籍と古本屋
 1998〜2000年の間に発行した号の総集編』(時刻堂)
 古本についてのレポートやエッセイを集めた個人誌。著者は大阪在住の方。そのため関西
地方の古本屋の話が多い。神田神保町を取り上げる場合も、東京の人とはまた違った視点が
あって、興味深い。

かとうけんそう『いぬちゃんの20世紀』
 かとうけんそう氏は、俳優として活躍しているが、俺はコンピュータ関係の雑誌・テレビ・ラジ
オなどでその名を見聞きすることが多い。この本は氏のオリジナルキャラクター「いぬちゃん」
が登場するマンガ。過去の様々な時代にタイムスリップするという設定で、20世紀日本を振り
返る。この設定に惹かれて、購入を決めた。
 元々は『ガロ』(青林堂)で連載したマンガだが、「青林堂のほうでは単行本を出してくれなさ
そう、ということで、今回同人本として出版することになりました」(p.110)という事情があるらし
い。色々大変なんだなあ。
 しかし、ブースでは氏と一緒に、息子さんと思われる小学生くらいの男の子も売り子をしてい
て、ほのぼのした雰囲気が漂っていた。
 ちなみに、マンガは予想を裏切らない面白さでした。


松原圭吾『アドベンチャーヒーローブックス全リスト』/『双葉社ゲームブック全リスト』/
『わんぱっくコミックス全リスト』(Zer0 Create)
 これは、自分にとって本当に懐かしい。あまりに懐かしい。小学生の頃夢中になって読んだ
本のリストが掲載されている。しかも、著者が所有している本(90%以上所有している)につい
ては、表紙の画像つき。
 ちなみに、『アドベンチャーヒーローブックス』は勁文社が出していた活字のゲームブックシリ
ーズ。『わんぱっくコミックス』は、1980年代後半に徳間書店から刊行されていたマンガの単行
本。『わんぱっくコミック』というマンガ雑誌もあった。
 これはもう買うしかないと思いましたね。いずれも自分の記憶に残っている本なので、「こんな
リストを作っている人がいるなんて」というのは驚きだった。

『日々気楽』(れあれあのぷうぱ
 マンガです。はっきりそうとは書いていないので多分だが、関西地方の家電量販店で働く
人々の日々を描いた4コママンガ。小冊子といった大きさの本なのだが、ほのぼのしていて面
白かった。

八雲みどり『はたらくおねえさん6』/『はたらくおねえさん7』(せらどん)
 著者が色々な仕事をしたときの体験を描いたエッセイマンガ。家族の話もなど出てくる。就い
ている仕事は普通の事務職なのだが、そのなかで出てくるエピソードが面白い。アルバイトで
入社した会社から1週間で別の会社に引き抜かれたり、その会社に入社して更に1週間で別の
会社に紹介されたり、当事者にしたら大変なことだろうが、それをネタにしてしまうところがすご
い。

 購入したのは以上の本。その他に、本は購入しなかったがブースで見かけた方々には、
沢俊一氏岡田斗司夫氏、それからと学会会長山本弘氏とおぼしき方(自信はないのですが)
などがいた。

■さらば、逆さピラミッド
 というわけで、色々なブースを回り、何冊かの本を購入した後、再び杉並北尾堂のブースへ。
ここで、最初に見たときに気になっていた『アートマニア』を購入する。アートマニアの詳しい内
容は、こちらで書いていますので、興味がある方はそちらをどうぞ。

 こうして、俺にとっての2002年冬のコミックマーケットは終了した。帰りのバスは、さすがに行
きとは違い混雑していた。その中で、色々な本に出会えたことに充実した思いを抱きつつ、翌
日の大晦日が仕事であるという現実を思い出してどっと疲れが出たのを感じ、東京駅までバス
に揺られたのであった。

■おしまいに
 ということで、1ヶ月以上経ってしまったが、ようやくコミックマーケットレポート掲載。今後も、で
きることなら行ってみたいなあと思っている。
 この文章を読んで、一人でも興味を持ってもらえればいいなあと思いますな。面白い活字の
本も手に入るんだよ、ということが伝わればいいなあと。

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