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ラ・フォル・ジュルネ2017個人的感想まとめ


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ゴールデンウィークに、有楽町の東京国際フォーラムを中心に行われるクラシックの音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」(http://www.lfj.jp/lfj_2017/)。
今年も会期中三日間通ったので、twitterに書いた内容を元に、個人的感想をまとめておきます。

「ラ・フォル・ジュルネ」は、クラシック音楽を1公演45分〜60分、3,000円くらいで聴ける音楽祭。東京国際フォーラムのホールをフルに使って、朝10時から夜10時まで、どこかしらでクラシックが流れている。地上には屋台村も出るし、クラシック音楽のフェスみたいな催し。

毎年テーマがあって、2017年は「ラ・ダンス 舞曲の祭典」。いわゆるクラシック音楽とともに、民俗音楽とかジャズとか現代音楽とか、色々なジャンルの音楽がプログラムに入っている。

一時期よりは聴く公演も減ったけれど、今年も6公演聴く予定でした(「予定でした」の意味は後述)。ちなみに一番聴いた年は、3日間で20公演くらい聴いた。1日6〜7公演。たぶん、タイムテーブルの関係上、これくらいが限界だろうとは思います。その時は、会場近くの神田のホテルに泊まりこんだ(我ながら、いい意味でどうかしている)。

※ツイッターのモーメントのまとめはこちら→ラ・フォル・ジュルネ2017個人的感想まとめ / Twitter : https://twitter.com/i/moments/860807282132623361

●5月4日(木)

・公演142

曲目

ファリャ:火祭りの踊り
ウィーラン:リバーダンス
リード:アルメニアン・ダンス パート1
挾間美帆:組曲「The DANCE」(日本初演)

出演

シエナ・ウインド・オーケストラ
挾間美帆 (指揮)
中村睦郎 (指揮)


今年最初は吹奏楽。プログラムは画像の通り。狭間さんの新作は、これが楽譜に書かれているのがすごいのよ。

あと、コンサート聴いていて気分が乗って、空きがある公演のチケットを急遽買うのも懐かしい感覚。「ラ・フォル・ジュルネ」に来た気分になる。
これで、元々6公演の予定が10公演を聴くことに。

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そして、次の公演までの間に屋台村のカレーを食べる。

・公演143

曲目

伊福部昭:日本組曲から 盆踊、演伶(ながし)、佞武多(ねぶた)
伊福部昭:オーケストラとマリンバのためのラウダ・コンチェルタータ

出演

安倍圭子 (マリンバ)
新日本フィルハーモニー交響楽団
井上道義 (指揮)

次に聴いたのが伊福部昭作品。ほぼ最前センターだったので、音的にはもう少し後ろの方がよかったのかもしれないけれど、井上道義さんの指揮も安倍圭子さんのマリンバも目の前で拝見できて感動。安倍圭子さんは日本のマリンバ演奏はこの人から始まったと言われている、いわば生きる伝説みたいな方なので、貴重な経験だったわあ。

・公演114

曲目

ベートーヴェン:ロマンス第1番 ト長調 op.40
ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 op.92

出演

ドミトリ・マフチン (ヴァイオリン)
ウラル・フィルハーモニー管弦楽団
ドミトリー・リス (指揮)

本日最後はベートーヴェン。交響曲第七番は、ウラル・フィルはいい意味で落ち着きがある演奏。いわゆる「爆演」も好きですが、端正なのもいいですよね。
ちなみにこの公演は、Aホール1階最後列という、久々に(初の?)後ろの方の席な。意外とステージが見える。音も意外とよかった。

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予定の公演を聴き終えて、焼きそばを食べて帰る。昔はこのあと、もう三公演くらい聴いて、22時くらいに東京国際フォーラムを出ていましたけれどね。

●5月5日(金)

この日はインターバル30分で三公演聴くので、結構慌ただしい。移動時間とかカーテンコールとか考慮すると、閉演と開演の間隔は30分がギリギリ。これは、10年間この音楽祭に通っている経験で学んだ。

・公演223

曲目

騎士──ネグリートス
バイレ・デル・チモ──バイレ・デ・エスパーダス(剣の踊り)──ハラベ
クンベエス──シェリート・リンド
サランベケス──アグアニエベ(「ブスカピエス」のフィナーレつき)
フォリア(またはジグ)──アランカサカテ
グアビーナ──ガジャルダ・ナポリターナ──エル・ハラベ・ロコ
ランチャス・パラ・バイラール(踊りのためのランチャ)──松の根元で
ファンダンゴ──ファンダンギート
カナリオス──イグアナ

出演

テンベンベ (メキシコ民俗音楽)

メキシコの民俗音楽。ヨーロッパとか南米とか、様々な地域の音楽から生まれた音楽なのかもしれないという印象を受けた。

・公演244

出演

小曽根真 (ピアノ)
アレクセイ・ヴォロディン (ピアノ)

曲目

(デュオ)モーツァルト「2台ピアノのためのソナタ ニ長調 K.448」から第1楽章
(ヴォロディン)ショパン:アンダンテ・スピアートと華麗なる大ポロネーズop.22
(小曽根)ピアソラ:ローラズ・ドリーム
(デュオ)モーツァルト「2台ピアノのためのソナタ ニ長調 K.448」から第3楽章
(アンコール:デュオ)
レクオーナ:ヒタネリアス
即興演奏

小曽根真、アレクセイ・ヴォロディンの2台ピアノ。モーツァルトからラテンアメリカの音楽から即興まで。小曽根さんの公演はいつもなにが飛び出すか分からない楽しさがある。

・公演214

曲目

グリンカ:幻想的ワルツ ロ短調(管弦楽版)
ラフマニノフ:交響的舞曲 op.45

出演

ウラル・フィルハーモニー管弦楽団
ドミトリー・リス (指揮)

ロシア・ソ連の作曲家による二曲。グリンカが穏やかな印象なので、ラフマニノフは舞曲なんだけれどなんとなく物悲しい。それがラフマニノフっぽいとも思うけれど。

・公演215

曲目

グラス:2つのティンパニとオーケストラのための幻想的協奏曲(全3楽章)
石井眞木:モノプリズム(日本太鼓群とオーケストラのための)

出演

林英哲 (和太鼓)
ピョートル・コストゼワ (ティンパニ)
ピョートル・ドマンスキ (ティンパニ)
英哲風雲の会 (和太鼓ユニット)
シンフォニア・ヴァルソヴィア
井上道義 (指揮)

日本とアメリカの作曲家による、オーケストラと打楽器の協奏曲。グラスは、まさにグラスらしい、リズミカルなのにどこか不穏なミニマル音楽。石井眞木作品は、和太鼓とオーケストラを組み合わせた元祖といっていい曲で、とにかくぶつかり合う音の迫力が強烈。

●5月6日(土)

・公演312

曲目

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35
ショスタコーヴィチ:バレエ「黄金時代」から 序曲、ポルカ、ダンス

出演

テディ・パパヴラミ (ヴァイオリン)
ウラル・フィルハーモニー管弦楽団
ドミトリー・リス (指揮)

チャイコフスキーとショスタコーヴィチは19世紀ロシアと20世紀ソ連がいい意味で対照的。「黄金時代」はフットボールがテーマのバレエ音楽。一度全編で聴いてみたい。

・公演313

曲目

ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
ラヴェル:ボレロ

出演

萩原麻未 (ピアノ)
フランス国立ロワール管弦楽団
パスカル・ロフェ (指揮)

フランスのオーケストラのラヴェルは、やっぱり、なんとなくしっくりくる感じ。ラヴェルまで来ると、20世紀の音楽だと感じる。ジャズなどの他の音楽に触発された部分もあるしね。

・公演344

曲目

タン・ドゥン:パッサカリア?風と鳥の秘密?
ハチャトゥリアン:ピアノ協奏曲 変ニ長調 op.38
ヴィクトロワ:踊る天使(日本初演)

出演

ボリス・ベレゾフスキー (ピアノ)
ウラル・フィルハーモニー管弦楽団
ドミトリー・リス (指揮)

私自身の2017年最後の公演。それぞれ特徴と魅力のある三曲。タン・ドゥンの「パッサカリア」は冒頭に観客がスマートフォンでダウンロードした音を流し、同じフレーズがオーケストラに演奏されるのが面白かった。

今年は結局10公演聴きました。いわゆる「クラシック音楽」の枠に止まらない作品も多く聴けて(この音楽祭の特徴でもあります)、満足。また来年!

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