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「振り返れ!2014」
【プロローグ】
●んー、ぱっ
ミ ぱっ ミ
三 ぱっ 三
■えー、年に一回、「その年を振り返るために後ろを振り返る」という、誰にも伝わらないギャグを披露するお時間がやってまいりました。
●お届けするのは木の葉燃朗と、
■へっぽこです。ちなみにこの企画、2005年から燃朗ひとり語りだったり、フリートーク形式だったり、内容も多かったり少なかったりしながら続いています。2005年には当時15歳の堀北真希さんが、新宿から鉄道で一筆書きの旅に出た様子を撮影したDVDを絶賛したりしています。
●僕は、ショートカットの堀北さんがもう一度見たいです。
■なんだよその個人の感想は。
【手帳】
●じゃあまず手帳の話。
■急に本題かよ!
●『DIME』に載って良かったね。
■「良かったね」って、他人事かよ。
●そう、あれは我輩の世を忍ぶ仮の……
■その設定面倒くさいので踏み込むの止めよう。
●良かったね。
■良かったね。あと、手帳の話は下記でご覧ください。
木の葉燃朗の「手帳と俺」 : http://konohamoero.web.fc2.com/techo/techo.html
【仕事とか体調とか】
●じゃあ、あとは嫌な話からしておくか。
■いいよ、なんで年の瀬に嫌な話するんだよ。
●今年の嫌なことは今年のうちに厄払いしておいた方がいいだろう? いいだろう〜? ワイルドだぜぇ〜。
■なぜここでその物真似を。
●仕事は、夏前に謎のひとりプロジェクトを担当してえらい目にあった。しかし、嫌いな上司とは間にもう一人責任者の人が入ったので距離ができてちょっと人間関係が楽になった。
■その話やっぱり要らなかったよ。
●体調的には、年明け早々に謎の腹痛に悩まされて、年末にはインフルエンザで、結構大変だった。その間はそこそこの低空飛行でしたが。
■それでも低空飛行なんだ。
●もう低さで言ったら銀座線くらい。
■すみません例えが分からないです。
●もう、困ったちゃんね! 銀座線は最初に出来たから地下の結構浅いところを走っているの! だから表参道から渋谷に出た時に地上三階に出るの! 分かる?
■それは分かるけれど低空飛行と関係ねえじゃねえかよ!
【ゲーム】
●じゃあ、ゲームの話をしようかね。
■なにが「じゃあ」なのかいまいち分かりませんが。
●デジタルゲームでは、ニンテンドーDSの『メタルマックス2:リローデッド』を年の前半に遊んで、夏に3DSの『メタルマックス4』を遊んだのが一番印象的かな。あと、ゲームセンターのクイズゲームAnswer×Answerは夢中で遊びましたが、これは2015年の1月でサービスが終わっちゃうんだよね。
■急に真面目な話だな。
●あと、残業続きがイヤになって、残業がテーマのオリジナルのカードゲームを作り始めたはいいものの、なぜかパロディキャラクターを作ることに力を入れてしまい、肝心のゲームが迷走している話ね。
■直前の真面目さが台無しだな。
●あと、カードゲーム「パニハイ!」の予約特典の小冊子に載せる小説他、ちょこっと絡ませてもらったのもいい思い出です。大阪に旅行して、ゲーム会に参加したり手帳オフ会に参加したり心斎橋や日本橋で買い物をしたのも良い思い出です。
■「たほいや」の本もつくったじゃない。
●大量に印刷しすぎて絶賛あまり中です。
■言わないでください。
●いやあ、去年ちょっとずつコピーしては製本していたので、今回はどーんとまとめて作ったら、あまった感が強くなってしまいました。
■えー、絶賛頒布中ですので、よろしくお願いします。
【フットボール・アート・デジタル】
■なんだこのジャンルのまとめ方は?
●いや、本と音楽の話が後半になりそうなので、その前にほかの話題をまとめておこうと思ってね。
■はあ。
●フットボール、まあこの国では「サッカー」と呼ぶのが一般的だが、その呼び名は日本とUSAくらいでしか使われていない。
■うわ、面倒くさいタイプの人だ。
●まあ、私はそう呼ぶというだけのことです。今年はなでしこリーグを中心に、女子フットボールをずいぶんスタジアムで観戦したなあ。西が丘サッカー場もそうだし、NACK5スタジアムにも何度か行った。なでしこリーグ開幕戦を見に、味の素スタジアム西競技場にも行った。
■なんですか味の素スタジアム「西」というのは?
●その名の通り、味の素スタジアムの道路挟んで西にあるスタジアム。陸上競技用のトラックもあるので、目の前という感じではないが、スタジアムとしては整っていたよ。
■そういう場所に出かけて行くバイタリティはあるよね。
●2007年に、埼玉スタジアムの第二グラウンドでどちらも二部だったAS埼玉とジェフ千葉レディースの試合も見たことあるぞ。
■でも、男子の試合は全然見に行かないよね。
●まあ、ひいきのクラブがないのと、J1はBSで中継があるからね。あ、でも今年は男子の試合も行ったぞ。
■そうなんだ?
●4月の明治安田生命J3リーグ開幕戦、AC長野パルセイロ対福島ユナイテッドFCを見ているぞ。
■さすがだ、あんたいろんな意味でさすがだ。
●さすがの猿飛。
■前言撤回! で、フットボールが長くなりましたが。
●フットボールが長くなっちゃうとアメリカンフットボールみたいになっちゃう。
■うるせえ! アートとデジタルは?
●アートというか、広い意味での展覧会では、まず3月の「ハイレッド・センター:直接行動の軌跡」展と、11月に見た赤瀬川原平さんのふたつの展覧会。
■町田市民文学館ことばらんどでの「尾辻克彦×赤瀬川原平−文学と美術の多面体−」と千葉市美術館の「赤瀬川原平の芸術原論
1960年代から現在まで」展か。
●赤瀬川原平さんが亡くなられたのは、やっぱり寂しいねえ。
■我々も路上観察など、影響を受けました。
●あとは、世田谷文学館で行われていた日本SF展も良かったな。
【音楽編:本と音楽の日々だしね】
■音楽ですが。
●2014年は、やはり伊福部昭生誕100周年だったですよ。
■だったですか。
●伊福部作品を演奏するコンサート、四つ行きましたし、CDも買った。本も買った。昔から『ゴジラ』などの映画音楽だけでなく純音楽の伊福部作品も聴いてきた身としては、その音楽の豊饒さが広く知られたことが嬉しいです。
■他は?
●初音ミク。
■極端だな。
●いや、でも正直な話、日本人が日本語で歌う歌というのは、一部の昔から聴いている人たちを除いて、ますます心に響かなくなっちゃったよ。これは小説も同じで、それは本の話の中でしゃべりますけれど。
■あれ初音ミクってボケじゃないんだ。
●うん。だってほら、ゲームとアニメで育った人間だから、初音ミクは自然に受け入れられるよ。なにしろ俺、かつて機械の体をもらうために電車に乗って旅に出たくらいだからさ。
■ちゃんとしてそうな話が途中から怪しくなってきましたが、一応聞きます。どこまで旅に出たの?
●え? ひ、東中野。
■新宿から中央線で二駅じゃねえか! なんなんだよその中途半端なネタは。
●すみません、話を戻します。
■お願いします。
●初音ミク。
■だから中途半端なところに戻すなよ!
●いやしかし、本当に「クラシック音楽と、ゲーム音楽とボーカロイド」という、我ながらよく分からない音楽の趣味になってきたよ。ちなみに、コンサートでは毎年行っているクラシック音楽祭の「ラ・フォル・ジュルネ」や、声楽のコンサートが印象に残っています。上原正敏さんの解説付きのコンサートや、幸田浩子さんのリサイタルとかね。
【本編:これでも、本はそれなりに読んでいるよ】
■あんまり本のことを書いてないので、あなたが本読みだということが忘れられつつあるようですよ。
●いいよ別に本読みだと思われていなくても、酒飲みくらいで。
■酒飲みじゃねえだろうが。
●じゃあ、湯呑みで。
■それ、人じゃなくて素焼きです。
●今年は、クラシック音楽の本をいくつか読んで、印象的でした。朝比奈隆『音楽と私―クラシック音楽の昨日と明日』(共同ブレーンセンター)、芥川 也寸志『音楽を愛する人に―私の名曲案内』、『私の音楽談義』(いずれもちくま文庫)。あとは別冊文芸『伊福部昭』もそうだな。感想は全部ポッドキャストでしゃべったきりで、書評は書いていないけれど。
■最後のは言わない方がいいのでは?
●そういうのは正直ベースでね。
■正直ベース。
●世田谷ベース。
■それは所さんじゃねえかよ。
●あと、仕事に関係しそうな本としては、三冊。ほら、ちゃんと書評書いているよ!
【書評】ここから広がる考え方:堀
公俊『ビジネス・フレームワーク』(日経文庫ビジュアル)
【書評】自分を鼓舞する言葉の強さ:佐藤真海『ラッキーガール』(集英社文庫)
【書評】なにかを始めるときに早すぎることも遅すぎることもない:安藤百福発明記念館『転んでもただでは起きるな!
定本・安藤百福』
■分かりましたから落ち着いてください。
●ハーヴェイ・書いてる。
■くだらねえよ!
●書評は書いていないけれど、西成活裕『シゴトの渋滞学: ラクに効率を上げる時間術』(新潮文庫)も色々考えることのある本でした。
■で、小説は?
●フィリップ・K・ディックの『時は乱れて』と『ヴァリス〔新訳版〕』(どちらもハヤカワ文庫SF)かなあ。小説は、やはりディックが読みたくなる。
■どういうところがいいの?
●混沌としているところ、かな。
■なんでちょっとかっこつけてるの?
●混沌としているところ、かな。
■繰り返すんじゃねえ!
●いや、でもこれは本当で、ちゃんとした筋書きがあったり、すぱっとオチがついたりしなくて、もっとごちゃごちゃして、ごちゃごちゃしたまま終わる物語というのが、なんとなくもやっとした感じでいいのよ。
■ふうん。
●まあ、●田◇▲みたいなしょうもない小説家の作品ばかり読んでいるチミたちには理解できない世界かもしれんがね!
■そういう、敵を増やすような発言は、謹んでクダサーイ。
【書評】目に見えているのと違う光景が見え隠れする物語:フィリップ・K・ディック『時は乱れて』(ハヤカワ文庫SF)
【書評】実はシンプルな物語へ、相当に派手なデコレーションを:フィリップ・K・ディック『ヴァリス〔新訳版〕』
●漫画では、年の初めに小坂俊史さんの初期の作品を随分読んだ。なんだか、自分にとってちょっとしたブームになったんだよね。もちろん新刊も読んでいるけれど。あとはカラスヤサトシさんの著作とか、完結したとよ田みのるさんの『タケヲちゃん物怪録』などが印象的。とよ田みのるさんは新刊が出た際のプレゼントで原画もいただいたりして、あれも嬉しかったなあ。
そして漫画といえば、ベートーヴェンの伝記を漫画化した名作『運命と呼ばないで: ベートーヴェン4コマ劇場』も忘れ難い。NAXOS JAPANが原作を担当しているだけあって、笑いと本気度のバランスが絶妙。
【書評】笑えて泣けて、想像以上の素晴らしさ:NAXOS JAPAN(原作)・IKE(画)『運命と呼ばないで: ベートーヴェン4コマ劇場』
●最後に、原田勝彦『ゲーム・レジスタンス』『同2』(マイクロマガジン・GAMESIDE BOOKS)についても話しておきたい。著者はゲーム雑誌の編集やライターとして活躍した方だったが、2008年に交通事故で30歳の若さで亡くなっている。この本では、著者の生前の雑誌連載を中心にまとめられている。こうして書いたものが一冊にまとまったことには様々な人の思いを感じるし、読むと文体などに人に影響を与えるくらいの魅力があったのだと思う。
■原田さん、我々と同世代だったんですよね。
●そして、自分たちにはなにができるのかってことを考えるわけだよ。なにができるかは分からないけれど、それを考え続けなきゃいけないなと。
■なんか、ちゃんとした話になったな、最後は。
●ということで、2015年も頑張ろうなと。
■ということで、よろしくお願いします
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