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振り返れ2010
※元はブログに掲載しました。
2010年印象に残った本 / 2010年購入した中で最も聴いた曲 / 2010年印象に残った映画 / 2010年印象に残ったコンサート
●2010年印象に残った本
毎年、一年間で見聞き、読んだものについて振り返っているのですが、2010年の分も忘れないうちに。2010年は仕事が忙しくて、去年に比べても色々なところに出かける時間が削らた気がします。
そんな中でも面白い出会いはある、ということで、ジャンルごとに紹介します。ちなみに、順不同。おおよそ、読んだ、出かけた日付の早い順になっています。
【印象に残った本】
刊行年に関わらず、今年読んだという範囲の中で印象的だった本を紹介します。
千田
善『オシムの伝言』(みすず書房)
W杯が開催された今年、日本代表の躍進に喜びを感じながらも、「オシムさんが病気にならず、南アフリカで日本を指揮していたら」ということはどうしても感じていた。そんなオシムさんの代表監督時代のサッカー、更に闘病生活も含めた時期の人間性について、通訳であった千田善さんが綴ったのがこの本。
(感想)サッカー監督としてはもちろん、人間として尊敬できる人
http://konohamoero-archives.seesaa.net/article/387286503.html
片桐
卓也『クラシックの音楽祭がなぜ100万人を集めたのか ~ラ・フォル・ジュルネの奇跡~』(ぴあ)
1995年にフランスのナントで始まり、世界各地に広まっているクラシックの音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」。日本でも、2005年から東京で、2008年から金沢で、そして2010年には新潟、琵琶湖をあわせた四ヶ所で、ゴールデンウィークに行われた。その東京での「ラ・フォル・ジュルネ」がいかに始まり、定着したのかの記録。音楽祭のディレクターであるルネ・マルタンさんの、情熱と、それを実現させる行動力が印象的。この人が中心にいるから成功しているのだと思わされる。
カミ『機械探偵クリク・ロボット』(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
面白い小説は色々あったのだが、「人に話したくなる」という点ではこの小説だったので含めました。アルキメデスの子孫の博士が作り、操作するロボットが、色々な仕掛けを繰り出して事件を解決する、ユーモア・ミステリー。笑いの部分だけでなく、推理小説としてちゃんと成立しているのも面白かった。
(感想)明朗愉快な探偵小説
http://konohamoero-archives.seesaa.net/article/387286786.html
横井
軍平・牧野 武文『横井軍平ゲーム館 RETURNS ─ゲームボーイを生んだ発想力』(フィルムアート社)
長く品切れ(絶版)で、幻の名著と呼ばれていた本が復刊された。任天堂のアーケードゲーム、玩具、ゲームボーイの開発に携わった横井軍平さんへのインタビュー。横井さんの作品がすごいのは、当時ヒットするとともに、今も記憶されていること。それから、アナログとデジタルの両方でヒット商品を作ったこと。それらをつくった横井さんのアイデアや生き方も、商品と同じくらい興味深かった。
佐渡
裕『僕はいかにして指揮者になったのか』(新潮文庫)
指揮者佐渡裕氏が三十四歳の時の自伝。佐渡氏は、いわゆる指揮者養成のエリートコースではないところから出発し、一流の指揮者となった。今はベルリン・フィルでもタクトを振る存在。専門教育を受けていない人の成功には、尋常でない努力があったことを知り、感激する。今やっていることを一生懸命やろうと思わせてくれた。
西岸
良平『SFシリーズ ミステリアン』(双葉文庫)
著者は『三丁目の夕日』シリーズを描いているし、表紙もなんとなくほのぼのしているし、「主人公は宇宙から地球の調査にやってきたエイリアン」という設定も面白そうだし、ということで、あまり良く知らないで買ってみたマンガ。
そうしたらこれが、強烈な印象を残す内容だった。たしかに、ユーモアSFとしての魅力もあるのだけれど、もっと人間の生き方などを生々しく考えさせられる。
●2010年購入した中で最も聴いた曲を「完全データ主義」で振り返る
「完全データ主義」って、自分でも書いていてよく分かっていませんが。つまり、印象ではなくて、再生回数を集計して聴いた音楽を振り返る、ということです。
方法は、「2010年1月1日以降に購入した(iTunesに取り込んだ)曲で、再生回数の多い曲から順に並べる」というもの。
前年以前に購入したCDやダウンロード購入した曲は除外されます。また、リリース年に関わりなく、私が買ったのが2010年という曲から集計しています。
前半に購入したCDの方が再生回数は多くなるような気もしますが、とりあえずエクセルを使って集計してみました。
【曲単位編】
うむ、とても分かりやすい。今年出たくものすカルテットと伊藤サチコさんのアルバムを良く聴いたことが分かる。『IF THE GIRLS ARE UNITED.』も、伊藤サチコさんが企画した女性シンガーソングライターのコンピレーション。
その中に、10位にはスーザの「星条旗よ永遠なれ」。クラシック部門があれば、これが一位か。ただし、特にクラシックの場合は「別のアルバムに収録されている同じ曲」を同じ曲としてカウントできないので、正確ではない可能性もあるけれど。
【アルバム単位編】
アルバム単位編では、曲ごとの再生回数をアルバム単位で集計しています。そうすると、「曲数が多いアルバムが上位に来る」という現象が起こる。例えば『ザ・クラシック
70』はクラシック音楽が70曲入ったアルバムなんだけれど、これを一回聴きとおすとアルバムとしては再生回数70になるわけです。収録曲単位では再生1回ずつでもね。
それでも、アルバム単位でも、曲単位と同じ結果が出ました。ただ、3位以下はアルバム自体の再生回数が多いものと、曲数が多いアルバムが混在していて、結構面白い。
印象的だったアルバムを紹介しておきます。
そして、アルバム単位での順位は下記のとおり。
その他、気になるアルバムがあれば各自検索してみてください。
●振り返れ2010:2010年印象に残った映画
映画編。ほぼ見た順で。
・ 月に囚われた男
月を舞台にしたSF映画。予算が少ない中で、アイデアを上手く形にして、面白い物語をつくっている。
(感想)制約をアイデアで乗り越える
http://konohamoero-archives.seesaa.net/article/387286608.html
・ ハッピーエンド
映画マニアのヒロインの周辺で、ある日を境にラブコメのような出来事が次々と起こり始める。映画に対する愛情と、ヒロインを演じた菜葉菜さんの魅力を感じる。
(感想)変化球のようでいて、清々しいほどのストレートさ:映画「ハッピーエンド」を見る
http://konohamoero-archives.seesaa.net/article/387286738.html
・ おのぼり物語
カラスヤサトシさんのマンガの映画化。原作は、上京当時の出来事を描いたエッセイ風の四コママンガなのだが、その中からエッセンスを上手く抜き出している。ややシリアスな内容だが、ギャグも取り込んで、原作らしさを表現しようという作り手の思いを感じる。
(感想)原作のエッセンスをちゃんと取り入れた映画化:映画『おのぼり物語』を見る
http://konohamoero-archives.seesaa.net/article/387286760.html
・アイ・コンタクト
聾(ろう)者女子サッカー日本代表のドキュメンタリー。サッカーをきっかけに聾の世界を知るきっかけになり、サッカー選手の考えや思いは共通ということを感じた。
(感想)サッカーをきっかけに知る聾者の世界:映画『アイ・コンタクト』を見る
http://konohamoero-archives.seesaa.net/article/387286868.html
・クラシコ
この映画もサッカードキュメンタリー。公開は2011年ですが、上映会で見たので紹介。
松本山雅F.C.とAC長野パルセイロという2チームのライバル関係を軸に、「地域リーグ」のサッカーを描く。地域リーグとは、J1、J2、JFLの更に下にある、地域ごとのサッカーリーグ。日本のサッカーの幅の広さと奥の深さを感じる。
(感想)オシムさんにも見て欲しい:映画『クラシコ』上映会&トークイベントへ行く
http://konohamoero-archives.seesaa.net/article/387286859.html
●振り返れ2010:2010年印象に残ったコンサート
「印象に残ったコンサート」。順不同で書いておきます。
・アルド・チッコリーニピアノリサイタル(3/14@すみだトリフォニーホール)
御年85歳のピアニスト、アルド・チッコリーニのリサイタル。シューベルトのピアノ・ソナタ第21番とムソルグスキー「展覧会の絵」。年齢云々ではなく、とにかくまず演奏が素晴らしかった。その上で年齢を考えると、やはりすごいと思う。
ブログに書いた感想:http://konohamoero-archives.seesaa.net/article/387286535.html
・「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」より、モーション・トリオ公演、ミシェル・コルボ指揮「モーツァルト:レクイエム」
ゴールデンウィークに行われるクラシックの音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」は2010年もいい演奏がありましたが、特に印象的だったものとして、アコーディオン三重奏のモーション・トリオと、ミシェル・コルボが指揮をしたモーツァルトのレクイエムを挙げておきます。2011年も楽しみ。
サイトに書いた「ラ・フォル・ジュルネ」レポート
http://konohamoero.web.fc2.com/report/lfj2010.html
・東京二期会オペラ「魔笛」(実相寺昭雄演出版)@新国立劇場オペラパレス
初めて聴いたオペラは、モーツァルトの「魔笛」。実相寺昭雄氏の演出版。かつエンターテインメントとしてのオペラの魅力を感じた。
ブログに書いた感想:http://konohamoero-archives.seesaa.net/article/387286892.html
・レネゲイズ・スティール・ドラム・オーケストラ来日公演(8/28@三鷹市公会堂)
2008年の「ラ・フォル・ジュルネ」で聴いたスティール・ドラムの楽団の来日公演。単独の公演としては11年ぶり。
クラシックからポップス、カリブ海のダンス音楽まで、幅広いレパートリーの魅力と、スティール・ドラムの音色の美しさ、演奏者の幸福さが印象的
ブログに書いた感想:http://konohamoero-archives.seesaa.net/article/387286825.html
・[月見ズtv開局記念プレイベント(仮)](4/9(金)@青山・月見ル君想フ)
出演:pogs / クノシンジ / waffles / hello! / 磯貝サイモン / 大森元気
青山のライブハウス月見ル君想フが行うライブ生中継のプレイベント。会場でも映像やパソコンで見ている人のコメントがモニタに流れたが、ライブハウスが本格的にUstreamの中継を行うとここまでのクオリティになる、ということを見せてくれたライブ。
ブログに書いた感想:http://konohamoero-archives.seesaa.net/article/387286574.html
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