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2005年振り返り


※元はブログに掲載しています。
2005年振り返り:今年見たDVD編 / 2005年振り返り:聴いたCD編 / 2005年振り返り:映画編 / 2005年振り返り:ライブ・イベント・展覧会編 / 2005年振り返り:やっぱり、2005年の本の話はしておきたい


2005年振り返り:今年見たDVD編

 今年見たDVDの中のベスト1を。これは、俺個人にとっては間違いなく下のDVDです(リンク先はAmazon.co.jpの紹介文)。

・明和 電機『メカトロニカ』

 2003年にパリで行ったライブのDVD。発売は去年の夏で、買ったのは去年の12月なんですけれどね。
 しかし、もう3回から4回見たなあ。これは俺にとっては異例のことです。そして、見るたびにそのかっこよさに涙が出てくる。
 特に後半、「地球のプレゼント」から「夢見るシャンソン人形」へとつながる部分は、泣ける。

 次点としては下のDVD。これも去年発売されたものなのですが。
NONFIX 「その先の日本を見に。 ~少女と鉄道~」 堀北真
希 ・堀北真希「NONFIX その先の日本を見に。〜少女と鉄道〜」
 これは、女優堀北真希さんが、新宿から鉄道で一筆書きの旅に出た様子を撮影したドキュメンタリー。
 堀北さんは今年映画やドラマに出演し、有名になりましたが、なんといっても昨年フジテレビで発売され、DVD化されたこの番組が素晴らしい。 本当にかわいらしいです。
 と思っていたら第二弾もDVD化されました。か、買わなきゃ。
その先の私を見に。~少女と鉄道 九州篇~堀北真希・堀北 真希『NONFIX その先の私を見に。〜少女と鉄道 九州篇〜』

 今年出たDVDでは、下のプラスチックス(Plastics)のCD・DVDの二枚組みか、大阪万博の記録映画かなあ。

HARD_COPY・PLASTICS『HARD COPY』
 1981年アメリカでのライブツアーの映像。画質はお世辞にも最良とはいえないけれど、当時の映像が見られるということがとにかく貴重だった。

・『公式長編記録映画 日本万国博』(2005年,GNBD-1101)
 名古屋の「愛・地球博」に行く前後に見ていた大阪万博の記録映画。
 なんというか、年齢も国籍も問わず、色々な人が会場の中を歩く様子を見ると、それだけで感動する。こういう催しがかつて日本で行われたとい うことが、なんとなく嬉しい。
 実際に会場に行くと、色々大変なこともあっただろうとは思うけれどね。実際に行った「愛・地球博」でも、人の多さや暑さは大変だった。


2005年振り返り:聴いたCD編

 聴いたCDについて。これは、iTunesの再生回数データを元に見てみました。結構分かりやすく結果が出ました)。
 一番聴いたのは、倉橋ヨエコさんの下のCD。

東京ピアノ・倉橋 ヨエコ『東京ピアノ』
 買ったのは去年の11月です。一年間コンスタントに聴いていたんだなあ。

 二位は下のコンピレーション。テクノ歌謡の三枚組。これもよく聴いているなあ。
イエローマジック歌謡曲・ V.A.『イエローマジック歌謡曲』

 三位はなんと12月16日に買ったばかりの倉橋ヨエコさんのニューアルバム。
ただいま・倉橋 ヨエコ『ただいま』

 『ただいま』は来年もめちゃめちゃ聴くと思う。とにかくなにか音楽を聴こうかと思ったときに、まず思い浮かぶので。

 他には下のようなCDもよく聴いています。

Night Hike・ HARCO『Night Hike』
 HARCOは青木慶則氏のソロユニット。夏にライブで見てから、その歌のよさによさに惹かれて何枚かCDを買っています。『Night Hike』は今年発売されたアルバムです。

はらいそ・細野 晴臣『はらいそ』
 復刻された細野さんの『はらいそ』も、聴いています。

 なお、購入したCDの数は、数え切れそうにないのであきらめました。


2005年振り返り:映画編

 本日までで12本。やや少ないかな。まずは見た日付順に紹介。

1/2 僕の彼女を紹介します『僕の彼女 を紹介します』
2/21 MOOG『moog (モーグ)』
4/18 ベルンの奇蹟『ベルンの 奇蹟』
5/27 江分利満氏の優雅な生活『江分利満 氏の優雅な生活』 / 『月給泥棒』
5/28 殺人狂時代『殺人狂時 代』 / ああ爆弾『ああ爆 弾』
7/21 亀は意外と速く泳ぐ デラックス版『亀は意外 と速く泳ぐ』 / 逆境ナイン かけがえのない通常版『逆境ナイ ン』
8/3 リンダリンダリンダ『リンダリ ンダリンダ』 / ノミ・ソング『ノミ・ソ ング』

 今年公開の映画は、どれも面白かった。逆に言うと、突出して面白い映画は決めかねるというか。

 実は、抜群に面白かったのは、池袋の新文芸坐で見た「追悼・岡本喜八監督の軌跡」の中の『殺人狂時代』だった。見た当時の感想文を 再掲載します。

「5/28-02 本日もまた、池袋の新文芸坐で岡本喜八 監督映画を」より)
 都筑道夫氏の推理小説『なめくじに聞いてみろ』(当時のタイトルは『飢えた遺産』)を原作とした映画。天本英世演じる、殺人に美を感じ る精神科医溝呂木とその刺客が、仲代達也演じるさえない犯罪心理学の教授桔梗信治に襲い掛かる。
 自分が狙われる理由も分からないまま、事件に巻き込まれた桔梗は、新聞記者鶴巻啓子、ひょんなことから子分になった大友ビルとともに、溝呂 木一味に立ち向かうのであった!
 すっげえ面白かった! ファーストシーンの精神病院の描写から、狂気が画面からあふれ出す。基本的にサスペンスで、殺し屋達との対決が手に 汗握る。一方で、随所に笑えるシーンも盛り込まれ、小気味よく最後まで楽しめる。
 クライマックスの溝呂木×桔梗の対決シーンも、かっこいいなあ。
 あとは、ラストに待ち構えるどんでん返しも、うまく出来ている。
 BGMも、なんとなくのんびりした感じのフランス、イタリアあたりのポップス風で、そのギャップもまた楽しい。
 あと、ヒロイン鶴巻啓子役の団玲子さんがかわいい。

 たしかに「すっげえ面白かった」のを覚えています。


2005年振り返り:ライブ・イベント・展覧会編

 訪れたライブ・イベント・展覧会を思い返してみようと思います。
 音楽のライブから、トークライブ、美術館やギャラリーでの展覧会まで、有料・無料を問わず、まとめて思い返してみようと思います。漏れがあ るかもしれませんが、ブログに書いた記録を元にしているので、ほぼすべてかと思います。

 今年の自分を振り返って画期的だったのは、「当日券ではなく前売券を買ってライブに行くようになった」ことが挙げられます。特に夏以降。
 これまでは、休みに合うイベントやライブに、当日券を買って行っていました。しかし、「ライブにあわせて休みを取る」ようになったのは、自分にとって大きな変化です。

 そうしたライブの中で、一番印象に残ったのは、12月29日「ヨエコの部屋2005総集編〜ヨエコとうめ吉」@下北沢440かなあ。つい一昨日 見たという印象の強さもありますが。倉橋ヨエコさんのライブは、どれもよかった。
 あとは8月24日「明和電機ライブツアー『SWITCHED ON KAPPA 2005』」@原宿アストロホールもよかった。初めての明和電機のライブは、 楽しかったなあ。

 トークライブでは、9月5日「ムダな抵抗はやめよ。 おじさん対談!」(出演:夏目房之介・南伸坊)@新宿のネイキッド・ロフト11月4日「ぜんじろうの教室 vol.1」(出演:ぜんじろう・明和電機 土佐信道社長)@世田谷ものづくり学校 2年A組(IID 3F)が印象に 残っています。でも、全部で四回行った岡崎武志さんのトークライブ(うち一回は角田光代さんとのトーク)や、糸井重里さん・川上弘美さんの二人によるトークショーもよかったなあ。


2005年振り返り:やっぱり、2005年の本の話はしておきたい

 やはり今年の本の話をしておきましょ う。
 まずは今年の新刊のうち、読んで印象に残った本を。順不同です。

【新刊】
オンライン書店ビーケーワン:お笑い解体新書 Vol.1・OAK MOOK『お笑い解体新書 Vol.1 ブームの謎を完全に紐解くお笑いMANUAL MOOK』(2005.10,オークラ出版)
 この本に自分の書いた原稿を載せてもらえたというのは、個人的なニュースの一位です。

・初見健一『まだある。今でも買える“懐かしの昭和”カタログ〜食品編〜 』(2005.7.1,大空出版・大空ポケット文庫)
・初見健一『まだある。今でも買える“懐かしの昭和”カタログ〜文具・学校編〜 』(2005.12.10,大空出版大空ポケット文 庫)
 この二冊を、いち早く見つけて読めたことは嬉しかった。
 1960年代〜70年代に発売されたものを中心に、今でも購入できるお菓子やインスタント食品(食品編)、文房具や学用品(文具・学校編) を紹介した本。カラー写真、発売年・メーカーなどのデータと、商品についてのコラムからなる。非常に面白い本です。

オンライン書店ビーケーワン:放送禁止映像大全・天野ミチヒロ『放送禁止映像大全』(2005.7,三才ブックス)
「「ウルトラセブン」第12話はなぜ封印されたのか? 存在が知られながらも決して見ることができない263の映像作品を紹介し、不適切 とされている表現を時代背景とともに解説する」(オンライン書店bk1の紹介文)
 個人による著作としては非常に手間がかかっており、また著者の思い入れを感じた本。

オンライン書店ビーケーワン:さおだけ屋はなぜ潰れないの
か?・山田真哉『さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 』(2005.2,光文社新書)
「数字大嫌い、暗記も苦手。でも会計は知っておきたい。大ざっぱに会計の本質をつかめる本」(オンライン書店bk1の紹介文)
 あまりに話題なので、改めて紹介するのもちょっと恥ずかしいのですが、でも入門書としては非常に面白かった。

 他に、下記のような作家によるエッセイ集も面白かった。

オンライン書店ビーケーワン:卵一個ぶんのお祝い。・川上弘美『卵一個ぶんのお祝い。 東京日記』(2005.9,平凡社)
「ふつうに生活していても、けっこう妙なことが起こるもの…。おおむね楽しい、ちょっぴりさみしい。からだ半分、ずれている。カワカミさ んの、5分の4はホントの、日々のアレコレ。『東京人』連載を単行本化」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:いろんな気持ちが本当の気持ち・長嶋有『いろんな気持ちが本当の気持ち』(2005.7,筑摩書房)
「僕は大きく二文字「増刷」と書いた。書いてみると思った以上に間抜けで、小さく「したい」と書き添えたら、もっと間抜けになった−。セ カイとジブンが愛おしくなるエッセイ集」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:小説以外・恩田陸『小説以外』(2005.4,新潮社)
「本屋さんに愛される作家は、いかにして誕生したか? デビュー以来14年にわたる「小説以外」の活動を一冊に集約。読書遍歴、デビュー 前夜、創作の舞台裏…。恩田陸のすべてが分かる、決定版・恩田陸大事典」(オンライン書店bk1の紹介文)

【文庫化・復刊】

 文庫化されたり、復刊された本の中では、次の二冊が印象に残っている。

オンライン書店ビーケーワン:1988年10・19の真実
・佐野正幸『1988年10・19の真実 「近鉄−ロッテ」川崎球場が燃えた日 』(2004.10,光文社知恵の森文庫)
 1988年のパ・リーグ優勝チームを決定する試合となった、10月19日川崎球場での近鉄vsロッテのダブルヘッダー。その一日を、筋金入りの近鉄 ファンで、スタジアムで観戦した著者がつづった記録。
 個人的には、日本プロ野球が魅力的であった時代を思い出させてくれた。

オンライン書店
ビーケーワン:細野晴臣インタビューTHE ENDLESS TALKING・細野晴臣:著・北中正和:編『細野晴臣インタビュー THE ENDLESS TALKING』(2005.9,平凡社ライブラリー)
「はっぴいえんど、キャラメル・ママ、ティン・パン・アレー、YMO、FOE。一貫して日本のロックの最先端に立ち続けてきた細野晴臣。 めまぐるしく変貌する細野サウンドの「謎」を徹底インタビューで解き明かす」(オンライン書店bk1の紹介文)
 まさかこの本が復刊されるとは思わなかった。手に入れた時は嬉しかったなあ。すぐに読みました。

【漫画】

 漫画は非常にオーソドックスですが下記の三作品で。『のだめカンタービレ』はまだ完結していませんし、『のだめ』も『ラブロマ』も連載ス タートや最初の単行本は今年ではありませんが、今年新刊が出て、それも含めて読んだというくくりで選びました。

オンライン書店ビーケーワン:失踪日記・吾妻ひでお『失踪日記』(2005.3,イースト・プレス)
「突然の失踪から自殺未遂・路上生活・肉体労働、アルコール中毒・強制入院まで。波乱万丈の日々を綴った、今だから笑える赤裸々なノン フィクション!」(オンライン書店bk1の紹介文)
 吾妻氏がすごいということを、改めて知った本。

オンライン書店ビーケーワン:のだめカンタービレ(講談社
コミックスキス) 全13巻・二ノ宮知子『のだめカンタービレ(講談社コミックスキス・既刊13巻)』(講談社)
 色々なところで面白いという評判は聞いていて、とりあえず一巻を読んだら、やっぱり面白くて夢中になってしまい、それから一週間くらいで既 刊13巻を一気読みしてしまった。

オンライン書店ビーケーワン:ラブロマ(アフタヌーンKC) 全5巻・とよ田みのる『ラブロマ(アフタヌーンKC・全5巻)』(講談社)
 学園もののラブコメです。登場人物が、変だけれどいい奴ばかりで、過剰なドラマがないのも面白い。
 12月に5巻が出まして、完結しました。5巻は未読なので、早速買ってこようと思います。

【古本】

 刊行年や買った時期によらず、今年読んで印象に残った本を。

オンライン書店ビーケーワン:コンパクトYMO・『コンパクトYMO』(1998.4,徳間書店)
「1978年に誕生し、84年に封印されたモンスター、YMO。現在に至ってもなお時代に深く刻まれているその足跡を俯瞰し、もう一度見 つめ直す。豊富なデータとメンバーの肉声によるYMOのすべて」(オンライン書店bk1の紹介文)
 今年はこの本を読んでYMO熱、テクノポップ熱が再燃しました。ずいぶん色々なCDを買ったよなあ。
 その影響で、下記の本も読んでいます。

・佐久間英夫:編著『テクノのススメ』(1999.9,ブルース・インターアクションズ)
「YMOから始まったテクノ・ポップと現在のテクノを同一線上に結び付け、これまでのテクノの流れを統括し、分かりやすく解説する」 (オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:テクノ・ポップ・美馬亜貴子:監修『テクノ・ポップ』(2004.3,シンコー・ミュージック)
「70年代後半〜80年代の音楽シーンを席巻したテクノ・ポップ。英・米・欧の重要アーティストはもちろん、YMOを始めとする日本の シーンもたっぷり紹介。定番から埋もれた名盤まで、強力執筆陣が徹底的にフォロー」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:テクノ歌謡マニアクス・コイデヒロカズ:編『テクノ歌謡マニアクス』(2000.4,ブルース・インターアクションズ)
「テクノ+歌謡=テクノ歌謡? YMOから伊藤つかさまで、80年代日本が生んだ、ジャンルを超越する奇跡の音楽の全て。200を越える テクノ歌謡のディスコグラフィーに、細野晴臣らのインタビューを収録」(オンライン書店bk1の紹介文)

 それともう一冊は下記の本。この本の中の一節に、俺は感銘を受けました。これは今年一番印象に残った言葉のひとつです。
オンライン書店ビーケーワン:江分利満氏の酒食生活・山口瞳『江分利満氏の酒食生活』(2002.3,角川春樹事務所ランティエ叢書)
「葱鮪鍋か、鴨なんばんか、湯豆腐か。一期一会の出会いを求めて、今夜も一杯、美味しい肴で…。酒の話、食の話、行きつけの店、礼儀作 法。「一生懸命の店」を愛した山口瞳のエッセイ」(オンライン書店bk1の紹介文)

 印象に残ったのは下記の部分。
「ジャーナリストとは、他人のファイン・プレイを探して世の中に紹介する職業だと私は思っている。このごろでは他人の私事をあばくのを本分と するジャーナリストがふえてきたが、こんなのはほんとのジャーナリストではない。新人の作家(各分野での)を発見し、発見することを喜び、当 人の気のつかない立派な仕事をジャーナリスティックな目でとりあげて育てるのが新聞記者や雑誌編集者の仕事だと思う」(p.41)
 俺はジャーナリストではないけれど、他人のファインプレイを紹介していきたい。せめて、会社の仕事以外での部分では、心がけて行きたい。

 さあ、来年もどんどん本を読むぞ。そしてできれば書評や本の話で名を知られるようになりたいなあ。


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