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2005.4.23(土) 春の休日、やっぱり古本買いに行く−池袋・神保町編−(2005.07.03掲載)
 4月23日土曜日、春うららかな日差しの休日。俺はやっぱり古本を買いに行っていたのであった。
 今回は、午前中に「池袋西口公園古本まつり」へ行き、午後は神保町の古書会館でトークショー「古本屋の著作を語る」を聞き、その後神保町周辺をうろうろしてきました。その模様をご紹介しましょう。

●池袋編

 まずは池袋へ。東京芸術劇場前の池袋西口公園で開催された「池袋西口公園古本まつり」を見る。これは、公園全体に古本屋さんが出店した青空古本市。
 屋外だし、天気もいいし、人手も適度な数だし、のどかな雰囲気が漂う。早稲田の穴八幡宮(早大文学部前)でおこなわれる「早稲田青空古本祭」に近い雰囲気。

 ただ、特に古本会場を区切るわけではなく、公園の一部にテントを出しているので、周りには公園のベンチで昼寝する人、弁当を食べる人、さらに尺八を吹く人もいて、その中で老若男女が古本を見て歩くという、なかなかごしゃごしゃした面白い雰囲気でした。

 買った本は次のとおり。最初はあまり気分が乗らなかったのだが、買い始めたら徐々に加速度がついていった(リンク先は特に記載がなければオンライン書店bk1の紹介ページです)。

・東谷暁『困ったときの情報整理』(2001年,文春新書)
オンライン書店ビーケーワン:困ったときの情報整理
 情報整理とか、勉強法とかの本は、「これ!」という一冊はないと思います。とにかく数を読んで、取り入れられる部分を取り入れて、徐々に自分のスタイルを確立していくわけです。ということで、著者についてなど、くわしくは知らなかったが、買ってみる。

・中村 雄二郎『術語集 気になることば』(1984年,岩波新書 黄版

 「アイデンティティ」、「エントロピー」、「パラダイム」など、現代思想に関係する用語を解説した本。大学生の頃、こういう勉強をしたなあ。だから今でもこういう本は気になる。

・桂枝雀『らくごDE枝雀』(1993年,ちくま文庫)

 枝雀師匠の高座は、テレビやラジオで見聞きしたことはあるが、本は読んだことがなかった。もちろん、ちくま文庫で何冊か出ているのも知っていたが、なんとなくタイミングが合わなかった。今回ひょっと見つけて、購入。

・永江朗『インタビュー術!』(2002年.講談社現代新書)

 刊行当時話題になったのは知っていて、書店でも見た記憶があるが、なぜか読み逃していた本。これもひょいっと見つけて、購入。

・志村けん『志村流 金・ビジネス・人生の成功哲学』(2002年,マガジンハウス)
オンライン書店ビーケーワン:志村流

 芸人さんがビジネス風の話をする本は、企業秘密を明かすことにもなるので、どのくらいまで書いているのか気になって購入。
 こういう「ビジネス書っぽい本」、結構好きです。

 また、古本だけでなく、中古のCDやビデオ、おもちゃなどを販売している店もあり、その中から中古CDを一枚購入。

・熊谷幸子『POISON KISS』(1994年,TOCT-8361)

 俺が好きなのミュージシャン、倉橋ヨエコさんが影響を受けたと読んだことがあるので、気になって購入。俺自身も中学生くらいの頃に歌を聴いた記憶があるので、懐かしくて購入。

 それから、今回の「池袋西口公園古本まつり」で面白かったことをひとつ。各店の真ん中あたりに本部のブースがあり、そこでお客さんが探している本を受け付けるようになっている。受け付けると、マイクで会場内の各店に呼びかけ、在庫している店は本を持って在庫に駆けつける。値段と本の状態に納得が行けば交渉成立で購入、というわけ。
 個人的には、「探すのはネットで検索でもして、こういう古本市ではぶらぶら歩けばいいじゃないの」と思わないこともないが、端から放送を聞いている分には面白かった。本を持って来る様子の実況中継になっているところや、放送を聞いて店の人が「あの本、うちになかったか?」などと話している様子が。

 そんな雰囲気の中、会場を一回りし、神保町へ。池袋には古本屋や新刊書店がいくつかあるのだが、今回は時間の関係上パスして地下鉄に乗る。

●神保町−トークショー編−
 地下鉄丸の内線の御茶ノ水駅から、まずは一路東京古書会館を目指す。
 先に、2階情報コーナーで開催中の「古本屋の書いた本」展を見る。題名どおり、古本屋の書いた本がスペース内に展示されている。新刊本については販売もされていた。
 ここでは、展示の図録を購入

・『「古本屋の書いた本」展図録』(2005年,東京都古書籍商業協同組合)
 今回展示されている本を紹介でもあるのだが、古本屋が書いた・関わった本のデータとしても貴重。

 それから、トークショー「古本屋の著作を語る」を聞いてきました。古本界の重鎮八木福次郎氏(『日本古書通信』編集長)、青木正美氏(青木書店店主)の両名が、古書店の店主や店員が書いた、または関わった本を紹介しながら、古書店や出版に関する過去のエピソードを語る。
 俺は古書店や出版に詳しいわけではないが、そんな俺が聞いても面白い話が満載であった。
 物理学の教授を退官してから古本屋を開業した高木秀男氏の話や、日本の古本屋を紹介した「全国古本屋地図」のハングル語版が正式に出版されているとか。

●神保町−買い物編−
 
トークショーを聞いた後、同じ古書会館の地下でおこなわれている古書展へ。一通り会場内を歩いて本を見るが、購入はなし。ううむ、やっぱり池袋から神保町と回ったので疲れたのかなあ。
 とはいえ、このまま帰るのはもったいないので、いくつかの店にポイントを絞って見て回ることにする。
 まずはいったんJR御茶ノ水駅の方に戻って、ディスクユニオンのお茶の水駅前店へ。ここで中古CDを三枚購入。

・SWING SLOW『SWING SLOW』(1996年,PHCR-916)
SWING SLOW

 SWING SLOWは細野晴臣・越美晴によるユニット。

・島谷ひとみ『Poinsettia 〜亜麻色ウィンターメモリーズ〜』(2002年,AVCD-17187)
Poinsettia

・THE COLLECTORS『ピクチャーレスク・コレクターズ・ランド』(TECN-28016)
Collectors

 それからまた坂を下り、神保町へ。すずらん通り沿いの店を中心に見ていくが、結局購入は神保町古書モールでの下記一冊のみ。

・赤瀬川原平『千利休 無言の前衛(1990年,岩波新書)

 先日読んだ赤瀬川氏の『目利きのヒミツ』にこの本の話が出てきて、印象に残っていたので購入。赤瀬川氏が映画『利休』の脚本を書くことになったのをきっかけに、千利休について調べていく本らしい。
 さすがに疲れてしまい、本日は以上で終了となった。
 
●まとめ
 「池袋西口公園古本まつり」は、初めての開催だったが、会場の雰囲気もいいし、出展している古本屋のジャンルもバラエティに富んでいると思った。定期的に開催されたら、できるだけ行ってみたいです。
 古書会館でのトークショーも、貴重な話を聞くことができた。こういう催しも、積極的に参加したいと思った。

 購入した本はそれほど多くなかったが、充実した一日でありました。

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