「古本日記」目次へ戻る
2005.4.15(金) 五反田経由、神保町行き、6.2kgの小さな旅 (2005.4.16掲載)

●はじめに

 最近、古本屋や古書展(古本市)に行っていなかったので、なんだか調子が悪かった です。俺が勝手に名づけている「古本力が足りない」状態です。これは、気力や体力の元にな る「古本力」があって、古本屋に行ったリ古本を買ったりすると、なぜか体調が良くなったり、 色々とやる気が出てきたりするという考え方です。
 科学的にはなにひとつ証明されちゃいませんが、たぶん、自分の好きなように時間を過ごす ことでリラックスしているんだろうなあと思います。

 前置きが長いですね。とにかく、古本力を蓄えるために、久々に行ってきました。

 今回のルートは、まず初めに五反田の南部古書会館で開催されていた古書展を覗いてか ら、神保町へ。神保町でも、東京古書会館で開催されていた古書展を見る。その後、最近出来 て気になっていた「古書モール」にも行く。あとは神保町の古本屋・本屋を数軒見て歩く。という ものです。
 さすがに体力の関係上、今回は新刊書店や中古CD屋などには行きませんでした。ちょっと 前なら、こういうところもがっつりと見て歩いたものですが、体力落ちたなあ。体を鍛えないと。

 ちなみに6.2kgというのは、今日買った本の総重量です。これだけの本を持って街を歩き回る のも、我ながらなかなか元気だとは思います。

 なお、購入した本のうち、新刊でも買える本にはオンライン書店bk1へのリンクを貼っておきま す。

●五反田 南部古書会館にて
 五反田の古書会館では、およそ月に一回、いずれかの金・土に一般客でも本を買える古書 展が開催されています。今回は「本の散歩展」。
▼JR五反田駅前
▼南部古書会館
 ちなみに、俺がつくった五反田の地図もありますのでよかったら参考にしてください。こちら す。

 まずは、一階の均一本の棚を覗く。ここはガレージのような場所に本棚が置かれ、五百円以 下の、比較的安い本が並ぶ。
 ガレージは表の通りに面しているので、春のうららかな日差しを浴びながら、古本を探 す。ああ、幸せだなあ。
 そして、六冊を見つけて購入。
・島秀之助『プロ野球審判の眼』
(1986年,岩波新書)
・平出隆
『白球礼讃 ベースボールよ永遠に』
(1989年,岩波新書)
→岩波新書の野球関連の本を見つけて、まとめて購入。
・スティーヴン・パイル『おかしなおかしな大記録』(1983
年,文藝春秋)

 世界各地の「とほほ」と思ってしまうような人物・出来事を紹
介するユーモアエッセイ集。

・デリス・ウィン:編・常盤新平:編『ミステリー雑学読本』
(1982年,集英社)

・落語ナビゲート隊:編著『落ナビ』(2001年,文芸社)
オンライン書店ビーケーワン:落ナビ
 漫画による寄席レポート、当時の新真打へのインタビュ
ー、寄席や落語会の案内、名作落語の紹介など。
 ちょっと内容が軽いような気もして、どこまで信用できるか
分かりませんが、軽く読むには面白そう。

・『エイティーズ[八〇年代全検証]いま、何がおきている
のか』(1990年,河出書房新社)
 討議:いとうせいこう×上野千鶴子×山崎浩一、吉本隆明
インタビュー、対話:浅田彰×蓮實重彦、稲増龍夫・村上陽
一郎・赤坂憲雄の諸氏の文章など。
 扇田昭彦氏の演劇論、柏木博氏のデザイン論の他、歌
謡・スポーツ・映画・ファッションなど、当時の文化についての
評論もある。
 まったく興味のない書き手もいるので、全部は読みません
が、気になるところはしっかり読もう。

 それから、受付で荷物を預けて二階へ。二階は、値段も特に決まりはなく、いわゆる古書展 の会場である。ここでは、比較的新しい本を中心に四冊購入。

・田村修一『山本昌邦 勝って泣く』(2004年,文藝春秋)
オンライン書店ビーケーワン:山本昌邦勝って泣く
 山本昌邦氏はサッカーのアテネオリンピック監督。現在Jリ
ーグジュビロ磐田の監督。
 この本では、アテネオリンピックの予選のドキュメンタリー
と、山本氏の指導者としての経験をまとめ、オリンピック直前
に出版したもの。

・川上弘美『ニシノユキヒコの恋と冒険』(2003年,新潮社)
オンライン書店ビーケーワン:ニシノユキヒコの恋と冒険
 川上弘美氏の短編集。ニシノユキヒコという男性と、時間も
場所も別々に彼と出会った女性を描いたもの。

・刈部謙一『盧延潤(ノ・ジョンユン)「裏切り者と呼ばれて」 』(2002年,河出書房新社)
オンライン書店ビーケーワン:盧廷潤「裏切り者と呼ばれて」
 盧延潤選手は、Jリーグのサンフレッチェ広島・セレッソ大
阪・アビスパ福岡でプレーした選手。現在は韓国Kリーグで
プレーしている。
 この本は、Jリーグ在籍時の盧延潤選手を取材したノンフィ
クション。

・神吉晴夫『俺は現役だ カッパ大将発言集』(1964年,
オリオン社)
 神吉晴夫氏は、光文社の創立に携わり、「カッパ・ブック
ス」などのシリーズを考案した人。
 社内向けの発言をまとめた本のようである。
 インパクトのある表紙だなあ。

 以上を購入して、南部古書会館を出る。途中、駅前のファーストフードで昼食を摂ってから、 JR線で御茶ノ水へ。ここから、東京古書会館へ向かう。

●神保町 東京古書会館
 神保町の地図は、ちょっと前のものですが参考程度にどうぞ。こちらです。
 東京古書会館では、だいたい毎週金・土に、一般向けの古書展が開催されている。今回は 「がらくた市」。地下の会場で、まずは荷物を預けてから中に入る。古書会館の古書展では、入 口で荷物を預けることになっています。これは神保町も五反田も、高円寺でも同様です。

 五反田で買った本も預け、身軽な状態で会場を一巡り。ここでも四冊購入。

・外山滋比古『日本の文章』
(1979年,北斗出版)
・外山滋比古『新・学問のすすめ
 アウトサイダーの世界』
(1984年,講談社学術文庫)
 外山滋比古氏の本が何冊か眼に止まり、そこから二冊を購入。俺は外山氏の文章について とか、勉強法についてとかの本が、結構好きです。

・澁澤龍彦『澁澤龍彦コレクション2 オブジェを求めて』
(1985年,河出書房新社)
 澁澤龍彦氏が古今東西の書物から選んだ断章集。
 難しそうではありますが、なんとなく面白そうな雰囲気を持
っていたので買うことにする。

オンライン書店ビーケーワン:Nippon air scope
・秋山忠右『Nippon Air Scope』(1999年,京都書院アー
ツコレクション)
 日本の風景をヘリコプターの上から撮影した写真集。文庫
サイズ。
 今はなき京都書院から出ていた本ですね。

 以上を持って、東京古書会館を出る。さすがに鞄が重くて疲労困憊。でも、まだ行きたい店 があるので、とりあえずそこだけは行くことにする。

●神保町 後編

 まずは、すずらん通りにあるミニコミや地方出版社の本を専門に扱う新刊書店書肆アクセス http://www.bekkoame.ne.jp/~much/access/shop/index.htm)へ。最近は夜に神保町に来るこ とが多くて、なかなか中に入れなかったのだが、今日は久々に店内を見る。
 欲しいと思っていた、
・林哲夫『読む人』(2005年,スムース文庫)
 を購入する。林哲夫氏のスケッチ集。タイトルどおり、街中で本を読む人を描いたもの。林哲 夫氏は画家であるとともに、本に関するミニコミ『スムース』の同人。
 また、林氏の本をもう一冊見つけ、あわせて購入。
・林哲夫『忘茶庵用印』(2005年,スムース Pブック)
 A5サイズの豆本。表紙に古本を再利用するなど、凝ったつくり。かっこいいなあ。

 その後、神保町交差点を渡って、靖国通り沿いにある神田古書センター二階、中野書店 漫 画部(http://nakano.fms.co.jp/)へ。ここで、いしいひさいちの漫画が格安で何冊か並んでいる のを見つけ、全部買う。合計五冊。
・いしいひさいち
『ドーナッツブックス
いしいひさいち選集 2
丸と罰』
(1983年,双葉社)
・いしいひさいち
『ドーナッツブックス
いしいひさいち選集 3
健康と平和』
(1983年,双葉社)
・いしいひさいち
『ドーナッツブックス
いしいひさいち選集 4
玉子と乞食』
(1983年,双葉社)

・いしいひさいち『となりの山田くん 5』(2002年,東京創元社)
オンライン書店ビーケーワン:となりの山田くん
・いしいひさいち『となりの山田くん 9』(2003年,東京創元社)
オンライン書店ビーケーワン:となりの山田くん

 そして、他にも行きたい店はたくさんあったのだが、主に体力の関係で泣く泣くあきらめる。 神保町交差点そばの岩波ブックサービスセンターをちょっと見てから、最後に神保町古書モー ル(http://www.uranus.dti.ne.jp/~munta/)へ行く。

 ここは、三省堂書店神田本店の、すずらん通り側出口の横、コンビニエンスストアとの間の 入口を入って、エレベータで五階に昇ったところにあります。何件かの古書店が、定期的に棚 に本を並べているスペース。毎日開かれている古書展みたいなイメージかもしれない。個人的 にはなかなか好きです。年中無休で夜八時まで営業しているようなので、これから会社帰りで も時々寄れるな、と思った。

 今日は二冊購入。
・佐野正幸『1988年10・19の真実 [近鉄・ロッテ]川崎球場が燃えた日』(2004年,光文社知恵の森文庫)
オンライン書店ビーケーワン:1988年10・19の真実
1988年10月19日、近鉄バファローズがパ・リーグ優勝をかけ
てロッテとダブルヘッダーを戦った一日を追ったノンフィクシ
ョン。著者は、近鉄ファンで、近鉄百貨店で勤務していたとい
うなかなかすごい経歴の持ち主
 ちなみに1988年当時、俺はバファローズが好きな小学生で
した。

・山根一眞『スーパー書斎の遊戯術』(1997年,文春文
庫)
 書斎にあるビジネス用品で遊んでみる、という本。ぱらぱら
と読んで、なんとなく登場する道具(ガジェット)が面白そう
で、買ってみる。

 ここで本日は打ち止め。時間的には少し余裕があったので、東京堂書店を見たり、CD屋の ジャニスを覗いたり、靖国通り沿いの古本屋の店頭ワゴンを見たりもしたかったのだが、いず れも断念しました。

 ラーメンを食べてから、神保町駅で地下鉄に乗って、帰ってくる。

●おわりに
 なかなかの強行軍でしたが、久々に大量に古本も買ったし、昼の神保町も歩けたし、いい休 日だったかなと思います。
 四月後半から五月前半にかけては、東京古書センターでいくつか本の催しもあるし、また神 保町には行こうと思います。
 ということで、本日の古本日記は終了。




「古本日記」目次へ戻る

inserted by FC2 system