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2003年2月20日(木) がらくた好きなあなたのための2冊(の1冊)
・チチ松村『ゴミを宝に!』(1999年,光文社):オンライン書店bk1・Amazon.co.jp・楽天ブックス
チチ松村氏は、ゴンザレス三上氏とともにギターデュオ「ゴンチチ」を結成しているミュージシャン。その一方で、エッセイやテレビ・ラジオへ出演してのトークでも知られている。俺は「クラゲマニア」、「テルミンマニア」という印象をなぜか持っている。
この本はもともと、朝日新聞夕刊(大阪本社発行)で週刊連載されたもの。内容は、氏が色々なところで色々なゴミを見つけた様子の記録。すべてのゴミについて、写真もついている。この「ゴミとの遭遇」が、読んでいてなんとも楽しい。
しかし、よくもまあと思うくらいに数々のゴミを発見する様子には、ある種の才能を感じてしまう。例えば病院や学校の保健室にあるような体重計。氏はあれを粗大ゴミ置き場で見つけて、自転車に乗っけて持って帰ってしまうのである。それから焼却炉が捨ててあるのを見て、それを燃やす焼却炉について思いをはせたり(燃えないゴミなので燃やしはしないと思うのだが)、ひっくり返った自転車のまわりにネクタイやパンツが転がっているのを見て、その現場の謎に頭をひねったりする。
その際の松村氏の独特な言動が面白い。氏はいつも分度器や地図帳を持ち歩いているらしいし、自分の自転車への名前の付け方にも非凡なセンスをひしひしと感じる。中古で買った初代が「宮田五郎兄さん」。これはミヤタ製で前の鍵番号が5023だったから。二代目がナショナル製で五郎兄さんの弟なので「松下六助」。そして同じくナショナル製で、ゴミの中から拾った三代目が「松下捨七」。いやあ、面白いわ。
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2004年2月9日(月) たまにはこんな本もあるということで
千原兄弟『チハラトーク』(2001年,双葉社):オンライン書店bk1・Amazon.co.jp
・楽天ブックス
吉本興業の漫才師、千原兄弟のトークライブを活字にしたもの。これまでふたりのコントをテレビで見たり、トークをラジオで聴いたりしていた俺にとっては、なかなか面白かった。
他愛もない話が多いのだが、それでも面白く聞かせるのはこのふたりの言葉の選び方や、話の持っていき方のよさがあるからだろう。また、トークライブという場の勢いで出てくる話もなかなか面白い。弟のJr(浩史)氏がふられた時の話などは、ライブの勢いという感じがする。
ただ、後半兄の靖史氏が色々と店にクレームをつけた話を自慢気にしているのはどうかと思った。そういう話がふたつ出てきて、ひとつはハンバーガー屋で買ったセットにポテトが入っていなくて、対応したバイトが適当だったという、まあ明らかに店側が悪いんだけど、もうひとつはわざわざ家まで謝りにきた工場のおじさんを、そこにいた連中でいじめ倒した話。こっちは靖史氏側のいちゃもんに近い。これはかなりイメージダウンですよ。この本読んで、俺は靖史派からJr派に転向しました。
2007.08.13追記:そして今、私は千原兄弟には全然好感を持っていません。
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