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木の葉燃朗の週刊ほんトーク
およそ週刊ペースで、気になる本の小ネタ、最近読んだ・読んでいる本を紹介していきます。
メールマガジン(木の葉燃朗の週刊ほんトーク
- まぐまぐ!)ではサイトにない余計な話も含めて配信中。
2009年1月 1月3日号 1月10日号 1月18日号 1月24日号 1月31日号
●本の小ネタ
・漫画全巻セットを中古・新品まとめて検索できる「漫画全巻検索どっとこむ
」 - japan.internet.com E-コマース
http://japan.internet.com/ecnews/20081222/4.html
ネット書店やオークションから漫画の全巻セットを検索できる。
●読んでいる本は、野田昌宏『レモン月夜の宇宙船』(創元SF文庫)。
小説も面白かったが、後半のエッセイも面白い。以前別の本で読んだエピソ
ードもあるのだけれど、それも面白い。同じ話を何度読んでも面白いというの
は、語り口のうまさなんだなあと思う。
Amazon.co.jp:レモン月夜の宇宙船
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4488731015/garakuta07-22/ref=nosim/
●今読んでいるのは、門田 隆将『甲子園への遺言 伝説の打撃コーチ 高畠導宏の生涯』(講談社文庫)。
ドラマ『フルスイング』のモデルになった高畠導宏氏の評伝。30年プロ野球の打撃コーチを務め、落合やイチローを育て、そして60歳を前にして高校教師へ転身する。しかし、ガンのため甲子園出場の夢を果たせずに亡くなってしまう。 その力強さ、人間性には、自分は一生懸命生きなければならないという思いになる。
Amazon.co.jp:『甲子園への遺言』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/406276217X/garakuta07-22/ref=nosim/
●川上弘美『どこから行っても遠い町』(新潮社)を読み終える。
ある商店街を舞台に、そこに暮らす人々を描く短編集。 世界にぽっ、ぽっと灯が点るような物語。ひとつの短編で登場した人物について、次の短編で別の人物が語り、という感じで、少しずつ大きな物語になっていく。
Amazon.co.jp:どこから行っても遠い町
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4104412058/garakuta07-22/ref=nosim/
●竹縄 昌 『日本最初のプラモデル 未知の開発に挑んだ男たち』(アスキー新書)を読み終える。
日本最初のプラモデルをつくった、マルサン商店に関わった人へのインタビュー集。マルサン商店の歴史をまとめたものというよりも、ひとりひとりの証言を聞く、という形式。 もっとボリュームがあってもとは思うが、それでもプラモデル黎明期の証言を聞けて面白い。
Amazon.co.jp:『日本最初のプラモデル』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048675117/garakuta07-22/ref=nosim/
●とり・みき『ロボ道楽の逆襲』と『冷食捜査官 1』を読み終える。
『ロボ道楽の逆襲』は様々な雑誌に掲載した短編集を集めたもの。自画像が登場する短編、漫画や小説のパロディ・漫画化、複数の短編をリミックスした「ロボ道楽の逆襲」の三編からなる。 「ロボ道楽の逆襲」は、モンティ・パイソンを彷彿とさせる。
『冷食捜査官 1』は、1990年代から書き継がれてきた短編のシリーズ。自然食料を食べることが禁じられた未来。それでも、かつて作られ保存された冷凍食品を闇で取引し、食す者が存在した。主人公は、そんな闇取引を取り締まる冷食捜査官。 発表時期が早いものは、ギャグが多いのだが、最近のものになると、シリアス、というか、「かつて自然食料を食べていた時代のノスタルジー」を感じさせる内容になっている。
Amazon.co.jp:『ロボ道楽の逆襲』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4781600530/garakuta07-22/ref=nosim/
Amazon.co.jp:『冷食捜査官 1』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4063727564/garakuta07-22/ref=nosim/
●野田昌宏『レモン月夜の宇宙船』(創元SF文庫)を読み終える。
●第140回芥川賞・直木賞決定
芥川賞は津村記久子『ポトスライムの舟』。直木賞は天童荒太『悼む人』、山本兼一『利休にたずねよ』がそれぞれ受賞。
オンライン書店ビーケーワン 第140回芥川賞・直木賞受賞作品決定!:http://www.bk1.jp/contents/booklist/0901_bungakushou
●狩野俊(かりのすぐる)『高円寺 古本酒場ものがたり』(晶文社)を読み終える。 高円寺にある「古本酒場コクテイル」の店主さんによる、2006年〜2008年の日記、国立から高円寺へ、さらに高円寺内の移転と節目になった時期を回想する文章、中央線沿線の古本屋さんへのインタビューを収録している。
コクテイルには、何度かイベントを聞きに行ったことがある。狩野さんは寡黙なのだが、非常に細やかにお店を運営している人、という印象がある。
本を読んでいると、色々な苦労もされているのだが、たくさんの人に好かれて、助けられている人だということが分かる。 最近はお店には行っていないのだが、久しぶりに行ってみたくなる。
古本酒場コクテイル
http://koenji-cocktail.com/Amazon.co.jp:高円寺 古本酒場ものがたり
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794967306/garakuta07-22/ref=nosim/
●あとは、『RPG伝説』という、パソコン、テレビゲームのRPGを振り返って紹介する本も読んでいる。「80年代編」を読み終えて、「90年代編I」を読んでいるところ。 これまで、『GAME SIDE』、その前身である『ユーゲー』、『ユーズド・ゲームズ』といった雑誌に掲載されたものの再録がほとんど(一部書き下ろしあり)。私はこの雑誌は『ユーズド・ゲームズ』創刊号からすべて持っているのだが、それでも改めて年代順に並ぶのを読むと面白い。
Amazon.co.jp:RPG伝説~80年代編~ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4896373022/garakuta07-22/ref=nosim/Amazon.co.jp:RPG伝説 (90年代編I)http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4896373081/garakuta07-22/ref=nosim/
●本の小ネタです
・新刊情報のメール:筑摩書房
http://www.chikumashobo.co.jp/mail/
筑摩書房が新刊情報のメール配信を始めています、これは大変ありがたい。
・原研哉デザイン展 「本」 友人、原田宗典がモノ書きだったおかげで。:武蔵野市立吉祥寺美術館
http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/data/kikaku/2008/hara/haradesign.html
1/24(土)-3/1(日)。
●そして読んでいる本の話。
内田百けん(けんは門の中に月)『居候そう々(いそうろうそうそう)』 (そうは勹の中に夕)、
『RPG伝説 90年代編 I』、
『「テクノ歌謡」ディスクガイド』という、
「そんなバラバラでいいの?」 と言われそうなくらいバラバラな三冊を平行して読んでいます。
●内田百けん(けんは門の中に月)『居候そう々(いそうろうそうそう)』(そうは勹の中に夕)は、大学の先生の家に居候をしている書生の主人公が、学者・大学の様子を風刺しながら描くという小説。
百けん先生らしいユーモアと皮肉が込められているのだが、結末が衝撃的です。「それかよ!」というような。
併録されている『王様の背中』も、童話のような落語のような短い話が数編収録されている。
Amazon.co.jp
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480038949/garakuta07-22/ref=nosim
●『RPG伝説 90年代編 I』は、1990年代前半に発表されたテレビゲーム・パソコンのRPGを紹介する本。メジャーなものからメジャーではないものまで。
懐かしいなあ。
Amazon.co.jp
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4896373081/garakuta07-22/ref=nosim/
●『「テクノ歌謡」ディスクガイド』は、1980年代を中心に、前後の時代を含めた日本の「テクノ歌謡」のガイドブック。 こういうジャンルの本は、執筆者・監修者の実力がもろに出ると思うのですが、この本はしっかり作られている印象がある。
Amazon.co.jp
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4594058256/garakuta07-22/ref=nosim/
●クラシック音楽のフリーペーパー『ぶらあぼ』を定期購読し始めました。
CDショップのクラシックコーナーやコンサートホールに行けば無料でもらえるのですが、送料払っても毎月送ってもらった方がいいかと思いまして。 よくよく考えると、クラシックのコンサートの情報源として『ぶらあぼ』は貴重なんですよね、私にとって。
WEBぶらあぼ クラシック音楽情報 - WEBぶらあぼ : クラシック音楽情報サイト:http://www.mde.co.jp/
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●まずは本の小ネタ
◆2009年本屋大賞! ノミネート作品発表:オンライン書店ビーケーワン
http://www.bk1.jp/books/contents/booklist/0901_09honya
ノミネートは下記の通り。また直木賞と受賞がかぶったりしちゃうのかなあ。
『悼む人』天童荒太(文藝春秋) / 『告白』湊かなえ(双葉社)
『出星前夜』飯嶋和一(小学館) / 『ジョーカー・ゲーム』柳広司 (角川書店)
『新世界より』貴志祐介(講談社) / 『テンペスト』池上永一(角川書店)
『のぼうの城』和田竜 (小学館) / 『ボックス!』百田尚樹(太田出版)
『モダンタイムス』伊坂幸太郎(講談社) / 『流星の絆』東野圭吾(講談社)
◆尾崎翠の新世紀
http://osakimidori.info/
3月27日(金)28日(土)、日本近代文学館・講堂にて開催。
ただし現時点では予約満席。追加募集や当日券はあるかもね、という状態らしい。
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●そして読んだ本。
先週まで読んでいた、
・内田百けん(けんは門の中に月)『居候そう々(いそうろうそうそう)』
(そうは勹の中に夕)
・『RPG伝説 90年代編 I』
・『「テクノ歌謡」ディスクガイド』
は、いずれも読み終える。
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●ずっと読みかけだった細野晴臣『分福茶釜』を読み終える。
鈴木惣一郎さんとの、「時事放談」的な対話を活字にしたもの。
なんというか、普段あまり見せない細野さんの真の姿という感じの話が多い。
アマゾン:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4582833918/garakuta07-22/ref=nosim/
●そして、五百沢 智也『歩いて見よう東京』(1994年・岩波ジュニア新書233)を読み終える。
1994年当時の東京を、高校生が5日間修学旅行をするとしたら、という観点で書かれたガイドブック。
15年前の本だけれど、意外と古びていない(東京国際フォーラムが建設中だったりはするのだが)。あまり個々の町まで踏み込まず、東京を大まかに捉えて歩く、というガイドだからではないかと思う。
あとは、臨海副都心(お台場)や汐留・六本木の再開発などはまだ行なわれる前なので、まったく登場していないのも古さを感じない理由かもしれない。
とにもかくにも、久々に東京を歩いてみたくなる。この本の通りに歩くと、一日歩きづくめで余裕はないが、東京近郊に在住の人なら、区間を区切って歩いてみると面白いかもしれない。
アマゾン:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4005002331/garakuta07-22/ref=nosim/
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●で、今読んでいるのは、キャサリン・サンソム『東京に暮す 1928〜1936』 (岩波文庫)
イギリスの外交官夫人による、戦前の昭和の東京の人・物・出来事の観察記録。
外国人としての外からの冷静な目線で、当時の東京はこんな感じだったのだろうと素直に思わせてくれる(内側からの贔屓の目線ではない、という意味で)。
かといって(悪い意味で)科学的な冷たさはなく、読み物として純粋に面白い。
アマゾン:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4003346610/garakuta07-22/ref=nosim/
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