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木の葉燃朗の週刊ほんトーク

およそ週刊ペースで、気になる本の小ネタ、最近読んだ・読んでいる本を紹介していきます。
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2008年9

(目次)

2008.09.06号

2008-09-13号

2008.09.20号

2008.09.27号

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2008.09.06号

■本の小ネタ

 特になし。

 ただ、雑誌の休刊が相次いでいることは随分ニュースになっています。文芸誌よりもノンフィクション誌(オピニオン誌)の方が、取材の費用がかかり、かつ単行本の売れ行きも厳しいので、ここのところ休刊が増えているらしい。

■読んだ本

北欧 (あたらしい教科書 12) あたらしい教科書編集部:編『あたらしい教科書12 北欧』(2007年、プチグラパブリッシング)
 北欧の社会制度を見ると、税金は高いけれど福祉も充実していて、かつ情報公開がはっきりされているのでお金の使われ方が明確に分かる、という制度には魅力を感じる。日本と比べると特にね。

喜味 こいし著・戸田 学聞き手『いとしこいし想い出がたり』(2008年6月・岩波書店・ISBN : 978-4-00-022164-1) オンライン書店bk1
 感想を下記に書きました。

木の葉燃朗のばちあたり読書録:著者別「き」:『いとしこいし想い出がたり』

飯島 洋一『キーワードで読む現代建築ガイド』 (2003年、平凡社新書)  Amazon.co.jp
 1990年代から2002年にかけての日本の建築を紹介し、考察する本。

 最後まで読んで思ったのは、2000年代にはいってからの都市再開発が一段落した今、著者は新しい街々とそこに建つ新しい建築物をどう捉えているのか。これは興味があります。
 この本の中でも、「汐留シオサイト」や「六本木ヒルズ」については言及されていて、著者はそこに、「これからの都市生活を占う意味で二つの大きな特徴がある」(p.219)という。「一つは海外の有名建築家がこぞってこうした高層ビルのデザインに参加していること」(p.219)。「もう一つはそこに建てられるのがオフィスビルだけではなく、高層住宅も加えられている点」(p.220)。
 こうした点から、一部の人に限定してだが、「都心で暮らし、都心で働き、さらに都心で遊ぶことが、二十四時間体制で十分に可能になる」(p.203)し、「仕事と遊びの境界自体がますます見えにくくなり、ライフスタイルもその意味では大きく変わることになる」(p.21)と予測している。

 ただ私は、再開発された地域を見て、また自分の生活からの実感からも、住む場所と働く場所、遊ぶ場所はちょっとずつずれていた方がいいように思う。いわゆる「ヒルズ族」がもてはやされて、その後企業経営にまつわる犯罪を起こして、という流れを見ていても、それは感じる。

■読んでいる本

ユージニア (角川文庫 お 48-2)恩田 陸『ユージニア』(角川文庫) Amazon.co.jp
 かつて起こった毒殺事件をめぐるミステリー(?)。「?」というのは、読んでいる途中ではこの小説がどういう小説なのか分からないようになっているから。

 章によって、過去の事件にまつわる人物が現在「誰か」に話をしている部分、事件が起きた当時の人物を描写した部分など、異なる視点の文章が続く。読み進むうち、過去の事件についてはうっすらと分かってくるのだが、肝心なところは(今の時点では)分からないし、そもそも今事件の関係者に話を聞いている「誰か」が誰なのか分からない。

 だから続きが気になって気になってしょうがない。

雑誌『ゲームサイド 2008年10月号』(マイクロマガジン)
 特集はメガドライブ(カートリッジ編)。メガCDのソフトは除いているが、それでもかなりのボリューム。そして、メガドライブが好きな人は当時から遊んでいる人(記事を書いているライターさん)も開発者(「バトルマニア」開発者インタビューあり)も熱い! 久々にメガドライブを引っ張り出して遊びたくなってきた。あのやたらノイズ音のする本体で。

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2008-09-13号

■本の小ネタ

●ハヤカワ・オンライン|早川書房のミステリ・SF・ノンフィクション:新着ニュース:SF・ファンタジイの復刊・初文庫化・新カバー作品、続々登場!
http://www.hayakawa-online.co.jp/news/detail_news.php?news_id=00000180
●ハヤカワ・オンライン|早川書房のミステリ・SF・ノンフィクション:新着ニュース:ハヤカワ文庫の100冊フェア「強い物語。」
http://www.hayakawa-online.co.jp/fair/detail_fair.php?special_id=00000067

 復刊、新たに文庫入り、新装版(カバー変更)とあるようです。

●秋の100冊文庫フェア|文藝春秋
http://www.bunshun.co.jp/bunkofair2008/index.html

 貫地谷しほりさんをキャラクターに使用。

 夏の文庫フェアは、新潮・角川・集英社の三大勢力が書店の売場を確保しているので(おそらく、一部書店には出版社から販促費も出ているのかもしれない)、そこを敢えて外して、ということなのかな。
 一般的には、「読書の秋」ってこともあるのかもしれません。私は年がら年中本を読んでいるので意識することはありませんが。

■読んだ本

ユージニア (角川文庫 お 48-2)恩田 陸『ユージニア』(角川文庫) Amazon.co.jpオンライン書店bk1楽天ブックス
 明確な結末が示されていない。ということでもう一度メモを取りながら読んでいます。
 ただ、それでも読んでいる途中は非常に面白い。この経過の面白さは、ジャンルや小説の雰囲気は違えど、P.K.ディックと通ずるところがあると思う。

■読んでいる本

野田 昌宏著『スペース・オペラの読み方』(2008年8月・ハヤカワ文庫 JA・ISBN : 978-4-15-030932-9)
 紹介される小説の魅力もさることながら、野田氏の語るエピソードもまた印象的。ハインラインの死後、「NASA最高栄誉賞」を未亡人に贈呈することになった式に矢野徹氏と出席した時の様子とか、テレビの取材でアシモフを訪問した時に、最初期の作品が掲載された雑誌を持参したら、非常に感激されて、普段見せることのない書斎へ案内してくれた話とか。
 コツコツとSFを愛してきた人だったからこそのエピソードにあふれている。

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2008.09.20号

■本のニュース・小ネタ

●BOOK TOWN じんぼう - イベント情報 [ 第49回 東京名物 神田古本まつり 開催 告知情報]:
http://jimbou.info/news/furuhon_fes08.html

 2008年10月27日(月)〜11月3日(月)、神保町の古書店街にて。
 私は最近は、人の多いこの時期に行くのは敢えて避けているのですが、でも気になります。年に一回のお祭りだからね。

●コミック「イキガミ」、星新一氏作品に似ると二女が抗議 : 文化 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20080919-OYT1T00540.htm
●星新一公式サイト-漫画「イキガミ」について-
http://www.hoshishinichi.com/ikigami/
●星新一公式サイト-漫画「イキガミ」について- 星マリナさんの『イキガミ』に対するお尋ねについて
http://www.hoshishinichi.com/ikigami/shogakukan.html

 漫画「イキガミ」が星新一氏の小説「生活維持省」に似ているということで、星氏の次女星マリナ氏が小学館へ質問をした。小学館の回答は、作者も編集者も「生活維持省」を読んだことはなく、偶然であるというもの。

 私は、ある作品(小説でも漫画でも映画でもアニメでもゲームでも)の作者がオリジナルだと思っているアイデアの中にも、既に星新一が作品にしているものがあり、その点で星新一は偉大だと思う。そして『イキガミ』の作者や編集者はお釈迦様の手のひらまで飛んだ孫悟空みたいなものなんだと思う。

 

●小学館101新書 http://www.shogakukan.co.jp/shinsho/
 表紙はドラえもんのポケットを模したものだろうか。しかし、新創刊にしては既に別の新書で見たような著者やテーマのラインナップ。果たして、このラインナップで創刊することに、読者にとっての意味はあるのだろうか。

■読んだ本

野田 昌宏著『スペース・オペラの読み方』(2008年8月・ハヤカワ文庫 JA・ISBN : 978-4-15-030932-9) オンライン書店bk1Amazon.co.jp楽天ブックス
 「スペース・オペラの」とは言いながら、ハインライン、アシモフ、クラークから、ブラッドベリ、F.ブラウン、ロバート・シェクリイと、1950年代を中心とする海外SFが紹介される。第三部「SF”各種の新器”の機能別考察」では、タイムトラベル、タイムパラドックスなどの作品も紹介される。
 そして第二部の「スペース・オペラ的快楽のすすめ」は、小説の紹介とともに、その小説にまつわる野田氏の思い出が語られる。これが小説みたいなエピソードで、面白かった。

■読んでいる本

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア (浅倉 久志:訳)『輝くもの天より墜ち (ハヤカワ文庫 SF テ 3-6)』早川書房  Amazon.co.jpオンライン書店bk1楽天ブックス
 人間とは異なる美しい生物が暮らし、降ってくる美しい星を眺めることができる惑星。その星を管理する三人の人間と、そこを訪れた観光客を描く。
 ティプトリーの小説の中では、非常に読みやすい文章だと思う。今三分の一くらい読んでいますが、まだ大きな事件はおきていない。このまま最後まで行くことはないと思うので、どんな話になるか楽しみです。なんとなく、雰囲気は「陸の孤島もの」のミステリー小説に近いものがある。

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2008.09.27号

■本の小ネタ

●東洋大学/ニュース 
http://www.toyo.ac.jp/news/detail.php?news_id=1056

 井上円了生誕150周年記念講演会(10/18)。荒俣宏氏講演「井上円了の庭園」など。
 詳しい内容は上のリンク先で読めます。

●本屋さんへ行こう!キャンペーン : YOMIURI ONLINE(読売新聞): 
http://www.yomiuri.co.jp/adv/honya/

 書店(新刊書店に限る)で税込500円以上本を買った場合、そのレシートを貼り付けて応募すると、図書カードが当たる。
 応募ハガキ(切手は自分で貼り付けが必要)を備え付けている書店もあります。

●第8回本格ミステリ大賞特別賞を受賞した 島崎 博(しまざきひろし)さん 75 : 出版トピック : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) 
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20080925bk01.htm

●本格ミステリ作家クラブ 会報 
http://honkaku.com/kaihou/kaihou.html

 島崎氏は探偵小説専門誌『幻影城』の元編集長です。

●「スピリッツ」異例の新装刊 : 出版トピック : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) 
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20080924bk04.htm

 休刊した『週刊ヤングサンデー』連載作品を受け入れるとのこと。雑誌の苦境は、漫画誌も例外ではないということなのかな。
 ただ、「集中と選択」の時期に来ているとは思う。

雑誌『ビッグコミックスピリッツ 2008年 9/26号』(小学館) Amazon.co.jp

●寂聴さん、ケータイ小説執筆 : 出版トピック : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) 
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20080925bk02.htm
●特集:「あしたの虹」を書いた理由 瀬戸内寂聴さん・藤原新也さん対談 - 毎日jp(毎日新聞)  
http://mainichi.jp/enta/book/news/20080925ddm010040190000c.html

 ぱーぷる『あしたの虹』がその小説。他にも仮名で書いている作家がいそう。何人かは想像できる。
 毎日jpの対談は、なんとなく宣伝のにおいがします。

ぱーぷる『あしたの虹』(毎日新聞社)  Amazon.co.jp

●《30年の歴史持つ月刊asciiを新装刊》 大学四年で入社の最古参社員がビジネス誌界に挑戦状 
http://itnp.net/category_betsu/16/1919/

 ちなみにいまやアスキーも角川グループの傘下。
 しかし、「ASCII」で「アスキー」と読めない人もいるのか。ちなみに、私は企業としての「アスキー」の名前の由来はASCIIコードではなく、「あなたの・好きな・コンピュータ・一緒に・いいことしましょう」の頭文字だと昔の『ファミ通』に載っていた鈴木みそさんの漫画で知って、ずっとそれを信じている。実際はどうなんでしょう。

●講談社BOOK倶楽部:ファウスト 2008 SUMMER Vol.7 
http://shop.kodansha.jp/bc/magazines/faust/

 筒井康隆がライトノベル「ビアンカ・オーバースタディ」を書いて掲載したのがこの雑誌。
 タイトルだけだと、当然のようにウィリアム・ギブスン『モナリザ・オーヴァドライヴ』を思い出しますが(ライトノベルしか読んだことがない人は知らないかもしれないけれど)、どんな話なんでしょうかね。

『ファウスト Vol.7 2008 SUMMER』(講談社) Amazon.co.jp

ウィリアム・ギブスン著・黒丸 尚訳『モナリザ・オーヴァドライヴ』(1989年、ハヤカワ文庫SF、ISBN : 4-15-010808-0) オンライン書店bk1Amazon.co.jp

■読んだ本

おのぼり物語(バンブーコミックス) (バンブー・コミックス)カラスヤサトシ『おのぼり物語』(竹書房バンブーコミックス) Amazon.co.jpオンライン書店bk1楽天ブックス

 四コママンガ『カラスヤサトシ』シリーズでおなじみのカラスヤさんが、2002年に上京してきてから、2004年頃までの日々を描いている。
 カラスヤさんのマンガは、プライベートや思い出が赤裸々に描かれていて、そこに面白さとともに迫力を感じるのだけれど、このマンガはさらに赤裸々に描かれている。色々と大変なことがあったんだなあと思い、ますますカラスヤさんを応援したくなった。

■読んでいる本

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア (浅倉 久志:訳)『輝くもの天より墜ち (ハヤカワ文庫 SF テ 3-6)』早川書房  Amazon.co.jpオンライン書店bk1楽天ブックス

 人間とは異なる美しい生物が暮らし、降ってくる美しい星を眺めることができる惑星。その星を管理する三人の人間と、そこを訪れた観光客を描く。

 ティプトリーといえば、難解さがひとつの魅力だと私は思っているのですが、この小説は(おそらく敢えて)難解さが抑えられ、ミステリー小説のようなスリル・サスペンス、そしてキャラクター造詣が書かれている。

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