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木の葉燃朗の週刊ほんトーク

およそ週刊ペースで、気になる本の小ネタ、最近読んだ・読んでいる本を紹介していきます。メールマガジンでも配信。

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2008年8月

2008.08.02号

■本の小ネタ

●完成しました! 「燃えろ!夏の俺文庫2008」のページ

 自分が勝手にすすめる文庫本を紹介する企画。ようやくページができました。「本を開いて旅に出よう」・「『絵』から思いを馳せる」・「学問の情熱」・「歴史に学ぶ」・「文学で白昼無」・「大人に出会う」の6テーマ、各5冊で計30冊を紹介。夏休みの読書のきっかけにどうぞ。
 それから、「夏の俺文庫2008」の小冊子(フリーペーパー)をつくりました(お、我ながら夏の文庫フェアっぽい)。

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 サイトに載せた内容と同じものを印字しています(表紙の画像はなし)。A4両面に印刷し、四つ折してA6サイズの冊子にしています。紹介した本を本屋や古本屋に探しに行く時にも持参しやすいサイズ。
 このサイトをご覧の方に差し上げます。先着10名様は全員、以降は応募数を見て全員または抽選で、と考えています。
 宛先はkonohamoero+bunko2008@gmail.comまで。書いて欲しいことは、「今回の夏文庫への感想」のみ。名前などは不要です(当選の方に私から折り返しメールをお送りし、改めて送付先を伺います)。締め切りもメールの状況で考えます。
 あ、本屋さんや古本屋さんで、万が一この冊子を配るとかPOP代わりに展示するとか、使いたい方がいらっしゃれば、pdfファイルを差し上げますので同じくkonohamoero+bunko2008@gmail.comまでご連絡ください。

●ムシバム2008 http://moon.ap.teacup.com/mushi/
 作家長嶋有さんの夏季限定、虫の写真がいっぱいのブログ。今年も始まりました。

●集英社文庫の『広瀬正・小説全集』復刊
 ブログにも書いたのだけれど、もう一回書いてしまおう。
 長いこと(10年くらい?)品切れ状態だった、集英社文庫の『広瀬正・小説全集』全6冊が復刊する模様です。
 第一弾として、『マイナス・ゼロ』が2008年7月分の集英社文庫で復刊されている。8月に『ツィス』が復刊されるそうなので、このまま『エロス』、『鏡の国のアリス』、『T型フォード殺人事件』、『タイムマシンのつくり方』と復刊していくのでしょう。
 「本屋大賞」の企画がきっかけのようです。

●初めまして,電脳書売り場です:ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080725/311522/

 「書店担当者が教える今月の売れ筋」。八重洲ブックセンター本店のコンピュータ書担当の方による記事。

●購入前の本が読めるラウンジ、おひとり様カプリチョーザ…JR田端駅に「アトレヴィ田端」オープン - 日経トレンディネット
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20080729/1017070/?P=1

 「購入前の本が読めるラウンジ」というのは、スターバックスコーヒーと一緒になっているツタヤの書店。TSUTAYA TOKYO ROPPONGIや、有楽町イトシアと同じ形式ですね。

■読んだ本

綱本 将也原作・ツジトモ絵『GIANT KILLING 6』(2008年7月・講談社モーニングKC・ISBN :978-4-06-372716-6)

 単行本が出るたびに買っているサッカーマンガ。新刊が出ました。
 今回はタイプの違うフォワード3人が、どこでどう起用されるか、という話がメイン。ピッチの内外での心理や考え方が描かれている。

■読んでいる本

尾崎翠『ちくま日本文学 尾崎翠』(2007年11月・筑摩書房・ISBN:978-4-480-42504-1 )

 「第七官界彷徨」も読んだし、戯曲「アップルパイの午後」も読みました。今は「無風帯から」を読んでいる。
 前回、「これはいい意味でですが、少女漫画の文体に影響を与えているのではないかと感じた」と書いたけれど、その感想は読みつづけてますます強くなっている。そう思うと、もう少し若い頃に読んでいたら、もっと夢中で面白がれたかもしれないと思う。31歳の男である私が読んでいると、あまり覗き込んではいけない世界を覗き込んでいるかのような、そんな気持ちになるのです。


2008.08.09号

■本の小ネタ

●バーコードリーダー--読書用品/快読ショップYomupara
http://www.yomupara.com/barcode_reader.php

 ソフトと組み合わせると、(ISBNコードの情報を読み取って?)本の情報を取り込めるらしい。これはひょっとして便利じゃないか?

●下落合タイムス アーカイブページ
http://www.koredeiinoda.net/so-times/2008/08/post_90.html

 赤塚不二夫先生逝去。私はそれほど赤塚先生のファンではなかったが、作品に影響を受けた部分があるのはたしか(間接的なものも含め)。そう考えたときに、影響力の大きさを感じる。
 ご冥福をお祈りします。

●(日本洋書販売株式会社、7/31付)大型倒産速報 | 帝国データバンク[TDB]
http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/2715.html

 日本洋書販売株式会社(洋販)が自己破産を申請。負債は65億円とのこと。

●青山ブックセンター:お知らせ
http://www.aoyamabc.co.jp/20/20_200808/post_371.html

 洋販の自己破産を受けて、「青山ブックセンターおよび流水書房を運営しております洋販ブックサービス株式会社は、平成20年7月31日、東京地方裁判所へ民事再生の申立を行いました」とのこと。ただし、店舗は通常通り営業しています。
 下記の取引先向けリリース(とはいえ誰でも読めます)によると、ブックオフが青山ブックセンターの支援を検討中とのこと。
http://www.aoyamabc.co.jp/File/pdf/080801info.pdf(PDFファイル)

●米Amazon、古本マーケットプレイスのAbeBooksを買収
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/08/04/20468.html

■読んだ本

友沢 ミミヨ『まめおやじ 原始式教育入門』(2005年6月・パロル舎・ISBN:4-89419-036-2)

 雑誌『TV Bros.』連載の四コママンガ。友沢さんと娘さん(でも、パジャマを着たおやじとして描かれている)の日々。
 続編の『まめおやこ』が面白かったので、前編のこの本も買ってみる。そして、やはりこの本も面白かった。

尾崎翠『ちくま日本文学 尾崎翠』(2007年11月・筑摩書房・ISBN:978-4-480-42504-1)

■読んでいる本

野口 晴巳『能率手帳の流儀 みずからの成長と人生の豊かさを求めて』(2007年10月、日本能率協会マネジメントセンター・ISBN : 978-4-8207-1709-6)

 能率手帳でおなじみの、日本能率協会マネジメントセンターの会長による本。
 手帳には過去を振り返る役割がある、という話が、最近流行している手帳術(未来の予定を管理する)ではあまり書かれないことで、興味深い。

●加藤 秀俊『整理学 忙しさからの解放』(1963年、中公新書・ISBN : 4-12-100013-7)
 情報の記録・分類・整理についてのポイントを解説した本。著者は社会心理学者。
 道具は変化しているが、考え方は今も共通している。

大人の科学マガジン別冊 シンセサイザー・クロニクル (Gakken Mook 別冊大人の科学マガジン)『大人の科学マガジン別冊 シンセサイザー・クロニクル 』(2008年、Gakken Mook 別冊大人の科学マガジン)

 シンセサイザーの歴史を解説した本(ムック)と、付録として「アナログ・シンセサイザー SX-150」のセット。
 付録のシンセサイザーも面白いのだが、本も読み応えがあります。シンセサイザーだけでなく、電子楽器・電子音楽・電子音の歴史がまとめられている。


2008.08.16号

■本の小ネタ

・青山ブックセンター:川勝正幸『21世紀のポップ中毒者』刊行記念 川勝正幸+下井草秀×大根仁トークショー (本店:2008年9月6日)
http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_200810/212008911.html

 川勝さんの新しいコラムの刊行を記念して。

■読んだ本

加藤俊秀_整理学加藤秀俊『整理学 忙しさからの解放』 (1963年・中公新書)

 情報を整理することは、自分の一生で完結することではない、という話が最後に出てくる。歴史の一部をつくっているようなものだと。
 一般的な知的生産術の本では、こうした話はあまり出てこないし、それが普通だと思う。自分の仕事での現世利益が優先されることがほとんど。
 それゆえに、この視点は新鮮だし、納得できた。

野口 晴巳『能率手帳の流儀 みずからの成長と人生の豊かさを求めて』(2007年10月、日本能率協会マネジメントセンター・ISBN : 978-4-8207-1709-6)

 手帳の重要性のひとつに、手帳を読み直すことで自分のやる気を高めるということがある。人からほめて、はげましてもらうことを期待せずに、自分が記録したものを読んで、自分の励みにする。

大人の科学マガジン別冊 シンセサイザー・クロニクル (Gakken Mook 別冊大人の科学マガジン)『大人の科学マガジン別冊 シンセサイザー・クロニクル 』(2008年、Gakken Mook 別冊大人の科学マガジン)

■読んでいる本

一病息災 (中公文庫)内田百間『一病息災』(2003年、中公文庫)

 病気に関する随筆を集めた本。

雑誌『GAME LEVEL (ゲーム・レベル) 1 2008年 09月号』(マイクロマガジン社) Amazon.co.jp

 『GAME SIDE』編集部による新創刊誌。レトロゲームを含む全時代のゲームを取り扱う『GAME SIDE』に対し、新作ゲームをメインにした内容。ビジュアル、インタビューに紙面を多く割いている。

 最初は、最近のゲームを遊んでいないことがあり、馴染めないのではないかと思った。しかし、この雑誌は面白い。
 好き嫌いは分かれるかもしれないが、編集者がどんなページにしたくて、ライターがどんな記事を書きたいかが明確に伝わる。


2008.08.23号

■本の小ネタ

●渋谷BunkamuraのNADiff modernで、文庫・新書ブックフェア開催中
 芸術関係の本を中心に。
NADiff modern http://www.nadiff.com/shopinfo/shoplist/modern.html

江戸川乱歩が岩波文庫に収録
 例えるなら、音楽の教科書にビートルズが収録されたような、そんな出来事だと思う。

●ゴマブックスが、漱石・太宰・芥川の作品を横書きで刊行
 読まないよりは読んだ方がいいけれど、「あえて活字の小さい本やルビの少ない本を読む」かっこよさを知らずに、自分にとって楽な読み方を選ぶというのは、かわいそうだねええ。

『ケータイ名作文学・こころ 上 (ケータイ名作文学)』 ゴマブックス
GOMA BOOKS:ゴマブックス>>ケータイ名作文学
http://www.goma-books.com/prd_list.php?keyword=%83P%81%5B%83%5E%83C%96%BC%8D%EC%95%B6%8Aw


●鈴木貴博:本の端はどんどん折ろう! bpspecial ITマネジメント
http://premium.nikkeibp.co.jp/itm/col/suzuki/141/

 本を読み慣れている人には、あまりに当たり前の話でびっくりするかもしれませんが。「その本の中で重要な部分」を記録しておくのに、付箋やアンダーラインよりも本の端を折っておいた方がいい、という話。

●ハドソンとマガジンハウス、iPhone向けに女性誌の情報ブログを配信 - 日経トレンディネット
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/news/20080818/1017700/

 『Hanako』の編集者やライターによるサイトらしいです。iPhoneとiPod touchでしか読めないらしい。
 しかし、そもそもiPhoneやiPodTouchを使っている女性がどれほどいるのか。普通の携帯電話向けの方がいいんじゃないか。

【広告】オンライン書店ビーケーワン 新書が生まれて70周年《新書100冊フェア》
http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=15UWGJ+B1459U+10UY+HUD03&a8ejpredirect=http%3A%2F%2Fwww.bk1.jp%2Fcontents%2Fbooklist%2F0808_shinsho%3Fpartnerid%3D02a801


■読んだ本

『東京トイボックス 1 新装版 (1) (バーズコミックス)』 うめ 幻冬舎コミックス  Amazon.co.jpオンライン書店bk1楽天ブックス
『東京トイボックス 2 新装版 (2) (バーズコミックス)』 うめ 幻冬舎コミックス  Amazon.co.jpオンライン書店bk1楽天ブックス
 秋葉原にある小さなゲームメーカーを舞台にしたマンガ。
 キャラクターの設定や物語の展開は、それほど斬新ではないが、この物語をゲーム業界という舞台で描いたのが面白かった。それから、秋葉原の丁寧な描写(モデルとなる建物が分かる)が秀逸だと思う。

雑誌『GAME LEVEL (ゲーム・レベル) 1 2008年 09月号』(マイクロマガジン社) Amazon.co.jp
 記事の感じが、なんとなく『音楽誌が書かないJポップ批評』を思わせる。ジャンルは違えど。

一病息災 (中公文庫)内田百間『一病息災』(2003年、中公文庫)
 病気に関する随筆を集めた本。テーマがテーマだからか、なんとなくペーソスを感じる。

■読んでいる本

北欧 (あたらしい教科書 12) あたらしい教科書編集部:編『あたらしい教科書12 北欧』(2007年、プチグラパブリッシング)

 「あたらしい教科書」シリーズの一冊。ものすごく詳しいわけではないが、デザインから社会制度から、ひととおりのテーマについてまとめられている。写真も多数。

河盛好蔵_人とつき合う法河盛好蔵『人とつき合う法』(1967年、新潮文庫)
 人付き合いのテクニックの話ではなく、もう少し広い、人としての生き方も考えさせられる。

雑誌『STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2008年 09月号』(INFASパブリケーションズ) Amazon.co.jp

 細野晴臣さんの特集。御本人インタビュー、横尾忠則氏と対談、坂本龍一・高橋幸宏の両氏へのインタビュー、ディスクガイド・ブックガイドなど、一通りの内容は収録されていて、充実している。
 ただし、記事によって質の差が激しい。特に、細野さんを好きな執筆者が思い入れを書くことで、細野さんの魅力を伝えようという文章には、私はあまり意味を感じなかった。


2008.08.30号

[本の小ネタ]

●今月の編集長フェア | 角川文庫創刊60周年記念企画
http://www.kadokawa.co.jp/dis/chiefeditor/05/01.php

 2008年8月は恩田陸さん。恩田さんセレクトの復刊作品は、都筑道夫、小林信彦、吾妻ひでお+新井素子など、さすがのラインナップ。

●Amazon.com,愛書家向けSNSサイトのShelfariを買収へ:ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080827/313496/

●アップル「App Store」、暴力的なコミックの販売を禁止:ニュース - CNET Japan
http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20379439,00.htm

 オンラインショップやデジタルコンテンツって、寡占化、というか、「どこでも買える物はこのサイトでしか買わない」人が多いのではないか(私はそうです)。もしそうなら、ある場所での販路を絶たれると売上への影響が大きいように思う。

[読んだ本]

河盛好蔵_人とつき合う法河盛好蔵『人とつき合う法』(1967年、新潮文庫)
 昭和32年〜33年に『週刊朝日』に連載されたもの。だから、もう50年近く前に書かれた文章なわけです。
 しかし、今でも通用する話がいくつもある。それだけ、人との付き合い方のポイントは不変だということなのでしょう。
 他人を貶めるウィットと自分を貶めることで他人に恥を自覚させるユーモアの違いとか、喧嘩は親しい人間とこそしなければならない、嫌な人間は相手にしなければいいとか、なるほどと思う。
 日本に来た外国人には親切にすべきだが、必要以上にうまく外国語を話そうと意識しなくていいという話も。日本人が外国に行ったときに、あまりに日本語がうまい外国人に会うと警戒してしまうのと同じようなものだという。

よつばと! 8 (8) (電撃コミックス)あずま きよひこ『よつばと! 8』(アスキー・メディアワークス:電撃コミックス) オンライン書店bk1Amazon.co.jp楽天ブックス
 単行本が出るたびに読んでいるマンガの最新刊。外国生まれで、色々なことに素直に反応する女の子よつばと、翻訳家のとーちゃん、町の人の生活を、一話一日で描くマンガ。この号では、高校の文化祭とか町のお祭りとか、初秋の色々な出来事が描かれる。
 初めてだったらこう反応するだろうなあという細かな描写が面白い。お祭りでふんどし姿のおじさんを見たときのよつばの様子とか。

[読んでいる本]

北欧 (あたらしい教科書 12) あたらしい教科書編集部:編『あたらしい教科書12 北欧』(2007年、プチグラパブリッシング)

喜味 こいし著・戸田 学聞き手『いとしこいし想い出がたり』(2008年6月・岩波書店・ISBN : 978-4-00-022164-1) オンライン書店bk1
 喜味 こいし先生が自ら語る半世紀。なにしろ、生まれたときから両親の旅一座で舞台に立ち、10歳から兄の故夢路いとし氏と漫才をはじめているので、こいし先生の思い出がそのまま関西の芸能(笑芸)の歴史になっている。有名な名前を挙げただけでも、ミヤコ蝶々、芦屋雁之介、美空ひばりや江利チエミなどの名前が登場する。そして、こいし先生が昭和2年の生まれなので、戦争の話も含めて、昭和の歴史とも重なる。

飯島 洋一『キーワードで読む現代建築ガイド』 (2003年、平凡社新書)  Amazon.co.jp
 主に1990年代の日本の建築を、建築の専門用語だけでなく各分野のキーワードとともに紹介する。
 '90年代日本全体のキーワードを「崩壊」と「再生」と定義し、そのテーマに沿った建築物を取り上げている。


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