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木の葉燃朗の週刊ほんトーク

およそ週刊ペースで、気になる本の小ネタ、最近読んだ・読んでいる本を紹介していきます。
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週刊ほんトーク(2008.01.01)

■今週の本の小ネタ

東京都写真美術館 > 文学の触覚
 2007年12月15日(土)→2008年2月17日(日)。文学作品とメディアアートのコラボレーション。

■今週読んだ本

田口 善弘『砂時計の七不思議 粉粒体の動力学』(1995年、中公新書)
オンライン書店bk1楽天ブックスAmazon.co.jp

病とフットボール―エコノミークラス症候群との闘い (角川SSC新書 (016))高原 直泰著『病とフットボール エコノミークラス症候群との闘い』(2007.12、角川SSC新書) 楽天ブックスオンライン書店bk1Amazon.co.jp
 高原選手が自らの肺動脈血栓塞栓症(いわゆる「エコノミークラス症候群」)という病気の話と、サッカー選手としての考え方について語った本。  「エコノミークラス症候群」という不安を抱えながらヨーロッパでプレーするリスクも改めて知ったし、それでもなおサッカー選手としてどう生きていくかという強い意志を感じた。

滝田ゆう『滝田ゆう傑作選「もう一度、昭和」』(祥伝社新書)
オンライン書店bk1楽天ブックスAmazon.co.jp
 滝田ゆう氏の新書版の作品集。絵は柔らかいのだが、描かれる世界は懐かしさだけでなく、ある種の寂しさや怖さなども感じさせる。

落語家論 (ちくま文庫 や 35-1)柳家小三治『落語家論』 (2007.12、ちくま文庫) オンライン書店bk1楽天ブックスAmazon.co.jp
 20年くらい前に雑誌に連載されたもの。若手噺家を対象に書かれているが、噺家でない私が読んでも充分面白い。  小三治師匠は、芸だけでなく何事につけても厳しい人なのだな、ということを感じる。

■今読んでいる本

 言葉・狂気・エロス―無意識の深みにうごめくもの (講談社現代新書) 丸山 圭三郎『言葉・狂気・エロス―無意識の深みにうごめくもの』 (講談社現代新書) Amazon.co.jp
  決して簡単な内容ではないですが、「イカ天」とか「ドラクエ」とか『薔薇の名前』とか、私にも身近な固有名詞から始まる話が多いので、面白い。
 私が読んでいるのは古本で買った講談社現代新書版ですが、今は講談社学術文庫にも入っています。
言葉・狂気・エロス 無意識の深みにうごめくもの (講談社学術文庫 1841)Amazon.co.jpオンライン書店bk1楽天ブックス

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週刊ほんトーク(2008.01.06)

■今週の本の小ネタ

■今週読んだ本

東京命日島田 虎之介『東京命日』(2005年1月、青林工芸舎) Amazon.co.jp楽天ブックスオンライン書店bk1

 小津安二郎の命日に、鎌倉の円覚寺に人々が集うシーンから始まる。そこから、その場にいた人々にまつわる様々な場面、時間が次々と現れてくる。
 慣れないと、結構複雑に感じるかもしれない。でも、ちょっとずつ読み返しながら読んでいくと、ばらばらに思えた場面が徐々に関連してくるのが面白い。
 さらに、登場人物の何人かは他の作品にも登場する(思わず、前に読んだ『トロイメライ』を読み返した)。次はデビュー作の『ラスト・ワルツ』を読みたいと思う。

家族のたからもの―夫・カンニング中島が遺した最期の日記中島 真奈美『家族のたからもの―夫・カンニング中島が遺した最期の日記』(2007年12月、日本テレビ放送網) Amazon.co.jpオンライン書店bk1楽天ブックス

 元お笑い芸人カンニングの、故中島忠幸さんが闘病中に記していた日記の抜粋と、中島さんの奥様による中島さんの子どもの頃からカンニング結成まで、闘病中の様子を綴った記録からなる本。
 中島さんがいかに家族を大切にしていたか、中島さんが多くの人に慕われていたこと、中島さんとコンビを組んでいた竹山さんの間の絆など、色々なことを感じた。
 生きることのできる人間は、精一杯生きないといけないと感じた。

■今読んでいる本

 言葉・狂気・エロス―無意識の深みにうごめくもの (講談社現代新書) 丸山 圭三郎『言葉・狂気・エロス―無意識の深みにうごめくもの』 (講談社現代新書) Amazon.co.jp

 結構難しいですが、サルトルとフロイトの比較とか、言語のイメージとか、興味深い。

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週刊ほんトーク(2008.01.13)

■今週の本の小ネタ

・「声に出して読みたい日本語」の草思社が民事再生法の適用申請 - ニュース - nikkei BPnet
 雑誌を発行していなかったのが売上が安定しない要因だった、とも。

関係者の皆様へ:新風舎 | 表現する人のための出版社
自費出版大手の新風舎、民事再生法の適用を申請 - ニュース - nikkei BPnet

 「顧客による損害賠償訴訟などの影響で経営環境が悪化し、債務の支払いに支障を来していた」(nikkei BPnet記事より)とのこと。

・マンガのクチコミサイト[リコミック] http://recomic.jp/
・Japan.internet.com Webマーケティング - マンガ専門のクチコミサイト「ReCOMiC」がリニューアル
http://japan.internet.com/wmnews/20080109/10.html

・iPodで本を聞く!? 意外なヒット作も生まれた「オーディオブック」とは何か? - 日経トレンディネット http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20080107/1005881/

・クオリティの高い映像で楽しむ百科事典 事典TV http://www.jiten.tv/
・Japan.internet.com Webビジネス - 百科事典を映像で見ることのできる「事典 TV〜映像百科事典」
http://japan.internet.com/busnews/20080107/5.html

「専門家による有料のブリタニカ型や、ボランティアによるウィキペディア型ではなく、成功報酬型(視聴無料)を採用」(Japan.internet.com記事)。

・Japan.internet.com Webマーケティング - 「楽天ブックス」、商品がサークルKサンクスの店頭で受け取り可能に
http://japan.internet.com/wmnews/20080107/5.html

■今週読んだ本

おっさん糖尿になる!―コンビニ・ダイエットでいかに痩せたかをチラホラ語ってみる。 (おっさん問答 2)下関 マグロ 北尾 トロ『おっさん糖尿になる!―コンビニ・ダイエットでいかに痩せたかをチラホラ語ってみる。 (おっさん問答 2)』 (2007/12、ジュリアン)
Amazon.co.jpオンライン書店bk1楽天ブックス

 ダイエット(期間を決めてある体重まで落とそうという考え方)だとリバウンドをするので、食生活・運動の習慣から変えた方がいいとか、和食は米を食べ過ぎてしまうとか、参考になる話が多かった。
 私も、体重を適正な数値まで落とすため、もう一回がんばります。

■今読んでいる本

最相 葉月:監修『星新一空想工房へようこそ とんぼの本』(新潮社)
オンライン書店bk1楽天ブックスAmazon.co.jp

 星新一氏にまつわる写真・所蔵品・星氏の文章などから、在りし日の氏を偲ぶ、という内容。  星氏の作家として(人間として)の喜怒哀楽も感じられて、改めて魅力を感じる。

岸田 麗子『父 岸田劉生』(1987年、中公文庫)
Amazon.co.jpオンライン書店bk1楽天ブックス

 「麗子像」のモデルとしても知られた、娘の麗子氏が書いた、岸田劉生のエピソード。  身内のことを隠しすぎることもなく、偏りもなく、比較的冷静で淡々と書かれている。

言葉・狂気・エロス―無意識の深みにうごめくもの (講談社現代新書) 丸山 圭三郎『言葉・狂気・エロス―無意識の深みにうごめくもの』 (講談社現代新書) Amazon.co.jp

 もうすぐ読み終わります。シュールレアリズムとか、世阿弥とか、色々な話題が出てきて、難しいけれど刺激を受ける。

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週刊ほんトーク(2008.01.20)

■今週の本の小ネタ

・ブックファースト秋葉原店がオープンします! '08/01/18
http://www.book1st.net/blog/topics/index.php#a004770

 4月17日、「AKIBA TOLIM(アキバ トリム)」(つくばエクスプレス秋葉原駅直結の商業施設)内に「ブックファースト」と「サウンドファースト」の複合店がオープン。
 ヨドバシカメラ内のタワーレコード&有隣堂と対抗することになるのかな。書店という意味では、昭和通り口の書泉ブックタワーとも競合することになるでしょう。
 しかし、秋葉原の中央口周辺ばかりで、電気街には普通の書店がぜんぜんできる気配がないなあ。

・自費出版大手「新風舎」が破産、印刷会社など支援断念 社会 YOMIURI ONLINE(読売新聞) http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080118i316.htm

 東京地裁は18日、自費出版大手の新風舎(本社・東京都)が申請していた民事再生手続きを廃止する決定をした。

 予定していた支援企業から17日、新風舎側に支援を見合わせる方針が伝えられ、同社側が民事再生の断念を同地裁に伝えた。これにより、今後は破産手続きに移行する見通し。

 新風舎の再建支援には、印刷会社の帆風(本社・東京都)などが名乗りを上げていたが、帆風は18日、ウェブサイト上に「新風舎の経営サイドとの姿勢に食い違いがあり、どうしても相いれない部分を埋めることができなかった」として、支援断念の方針を表明した。新風舎側も再生は困難と判断したとみられる。

(上記読売新聞記事より引用)

 民事再生が上手くいかなかったとのこと。「破産手続きに移行」ということは、会社更生法の手続きも難しいのでしょう。

・ロゴヴィスタ、DVD-ROM版「広辞苑 第六版」発売 - 日経トレンディネット http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/news/20080116/1006172/
 辞書はパソコンの方が便利なのかも。 広辞苑 第六版 DVD-ROM版(Amazon.co.jp)

・文藝春秋|各賞紹介|芥川賞 http://www.bunshun.co.jp/award/akutagawa/index.htm

第138回芥川賞は川上未映子さんに決定! (平成19年度下半期) 第138回芥川龍之介賞の選考委員会が、平成20年1月16日(水)午後5時より、築地・新喜楽で開かれ、下記候補作品の中から川上未映子さんの「乳と卵」が受賞作に決まりました。なお、贈呈式はきたる2月22日に東京・丸の内の東京会館で行われます。

・文藝春秋|各賞紹介|直木賞 http://www.bunshun.co.jp/award/naoki/index.htm

第138回直木賞は桜庭一樹さんに決定! (平成19年度下半期) 第138回直木三十五賞選考委員会が平成20年1月16日(水)午後5時より築地・新喜楽で開催され、下記候補作品の中から桜庭一樹さんの「私の男」が受賞作に決まりました。なお、贈呈式はきたる2月22日に東京・丸の内の東京会館で行われます。

■今週読んだ本

下関マグロ『たった10秒で人と差がつくメモ人間の成功術』 (幻冬舎文庫) オンライン書店bk1楽天ブックスAmazon.co.jp
 完璧を目指して途中であきらめるよりは、とにかくメモをつける習慣を持とう、という話。
 メモを取る人間は信頼されるとか、用途に応じて複数のメモを持つとか、面白い話が多い。よくある「見やすいけれど実は内容がスカスカ」のビジネス書と違って、情報量も多いです。

アイデアを生むデジアナ道具術舘神 龍彦『アイデアを生むデジアナ道具術』(2007/12、エイ出版社) Amazon.co.jp で詳細を見るオンライン書店bk1楽天ブックス
 仕事をするときに、デジタル機器を使うべき場面、アナログ(手書き)のツールを使うべき場面を、道具の紹介とともに考察する本。
 ドキュメントスキャナーが欲しくなってきた。

最相 葉月:監修『星新一空想工房へようこそ とんぼの本』(新潮社)
オンライン書店bk1楽天ブックスAmazon.co.jp
 「星流ショートショートのレシピ」という、作品を作るにあたって書いたメモの写真がある。書き損じの原稿用紙の裏とか、包装紙の裏とか、小さな紙片などに、びっしりという感じでメモや下書きがされている。これは迫力があります。

言葉・狂気・エロス―無意識の深みにうごめくもの (講談社現代新書) 丸山 圭三郎『言葉・狂気・エロス―無意識の深みにうごめくもの』 (講談社現代新書) Amazon.co.jp

■読んでいる本

岸田 麗子『父 岸田劉生』(1987年、中公文庫)
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 岸田劉生のきょうだいには早くして亡くなる方が多かったこと、劉生自身も癇癪持ちで苦労していたこと、それでも友人に恵まれ、家庭や友人のために絵を描くことで生活したことなど、色々なことが分かる。
 若くして絵で生活したことを志したのだなあと思うと、今の自分の生活と比べて自分が情けなく感じてします。

(広告)セブンアンドワイ文芸

週刊ほんトーク(2008.01.27)

■本の小ネタ

web Newtype 公式サイト ホットニュース:ギネス認定!漫画の王様「石ノ森章太郎 萬画大全集」発売中! http://pc.webnt.jp/hotnews/news660.htm
asahi_com:仮面ライダーの故石ノ森さん、最多コミックでギネスに - 文化・芸能 http://www.asahi.com/culture/update/0124/TKY200801240324.html

 講談社から手塚治虫の全集があったと思ったけれど、あちらは400冊で、今回の分は500冊とのことです。
・石ノ森章太郎 萬画大全集:Amazon.co.jpオンライン書店bk1楽天ブックス

bpspecial ITマネジメント:コラム「「ドラゴンボール」はハリウッドで戦えるか? 」 http://premium.nikkeibp.co.jp/itm/col/suzuki/113/
 「近い将来、日本の出版社はグローバルに成長できる企業と、日本の中でとどまる企業に二分される可能性がある。前者に近いところにいるのが集英社で、後者のリスクがあるのが講談社と小学館ではないかと、僕は見ている」とのこと。

■読んだ本

岸田 麗子『父 岸田劉生』(1987年、中公文庫)
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 贔屓はしていないが、父への愛情を持ち、世間に流布していた岸田劉生への誤解を解こうという思いを強く感じる。

■読んでいる本

不在の鳥は霧の彼方へ飛ぶ (ハヤカワ文庫SF)
パトリック オリアリー Patrick O’Leary 中原 尚哉
早川書房 (2003/05)
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 マイケルとダニエルという、40〜50歳くらいの兄弟が、奇妙な組織の対立に巻き込まれていく。そして分かる自分たちの秘密。
 まだ途中なので、なにを書くとネタバレになるか分からず、ちょっとあいまいな書き方になってしまいます。ともかく、このストーリーは面白い。
 ふたりの登場する場面が交互に登場する点や、全体的な雰囲気に、村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』と似たものを感じる(ストーリーや文体は特に似ていないのだけれど)。

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