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木の葉燃朗の週刊ほんトーク

タイトルどおり、およそ週刊ペースで 本に関するあれこれの情報を紹介しようと思います。基本的には、自分のブログ(木の葉燃朗の「本と音楽の日々」)に 掲載したものの再録ですが、 ブログに載せきれなかった小ネタなども あわせて紹介していきます。

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2007年2月

【2007.02.19-2007.02.25号】(2007.02.27掲載)このページの先頭に戻る

Fujisan.co.jpで雑誌の電子ブックを販売(ブログ未掲載)
2007年本屋大賞のノミネート作品が発表されました
岸辺四郎(岸辺シロー)氏の著作一覧から人生を感じてみる
幻冬舎新書のビジネス書はどうして読みたくならないタイトルばかりついているんだろう


・Fujisan.co.jpで雑誌の電子ブックを販売(ブログ未掲載)

 雑誌のオンライン書店「Fujisan.co.jp」で、雑誌の電子ブックの販売が始まりました。

 中には、「R25」のようなフリーマガジン(無料誌)もあります。無料の閲覧ソフトのインストールが必要ですが、雑誌の全文検索などにも対応しているとのこと。

・雑誌のFujisan_co_jpのデジタル雑誌

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・2007年本屋大賞のノミネート作品が発表されました

 2007年本屋大賞のノミネート作品が発表されました。2月末までに、ノミネート作をすべて読んだ新刊書店員により投票がされ、4月5日に大賞が発表されます。
 ノミネート作は下記10作品です。本屋大賞のサイトに倣い、作品名50音順で掲載します。

本屋大賞 公式サイト 

オンライン書店ビーケーワン:一瞬の風になれ 1・佐藤 多佳子著『一瞬の風になれ 1』(2006.8,講談社,\1,470)
「サッカーに限界を感じた新二と、やる気のない天才スプリンター連。とくに強豪でもない春野台高校陸上部に入部した幼なじみの2人。それがすべての、始まりだった−。思わず胸が熱くなる、とびきりの陸上青春小説」(オンライン書店bk1の紹介文)
オンライン書店ビーケーワン:一瞬の風になれ 2・佐藤 多佳子著『一瞬の風になれ 2』(2006.9,講談社,\1,470)
「少しずつ陸上経験値を上げる新二と連。才能の残酷さ、勝負の厳しさに出会いながらも強烈に感じる、走ることの楽しさ。意味なんかない。でも走ることが単純に尊いのだ。何かに夢中だったすべての人に贈る陸上青春小説」(オンライン書店bk1の紹介文)
オンライン書店ビーケーワン:一瞬の風になれ 3・佐藤 多佳子著『一瞬の風になれ 3』(2006.10,講談社,\1,575)
「部長になった新二とエースの連。春高陸上部の仲間たちとのハードな練習の向こうに見据えるのは、この部で、このメンバーで、インターハイに行く、ということ−。陸上青春小説、圧倒的迫力の完結編!」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:失われた町・三崎 亜記著『失われた町』(2006.11,集英社,\1,680)
「30年に一度起こる町の「消滅」。忽然と「失われる」住民たち。喪失を抱えて「日常」を生きる残された人々の悲しみ、そして願いとは。時を超えた人と人のつながりを描く長編小説。『小説すばる』掲載に加筆修正し、単行本化」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:陰日向に咲く・劇団ひとり著『陰日向に咲く』(2006.1,幻冬舎,\1,470)
「お笑い芸人・劇団ひとり、衝撃の小説デビュー! 「道草」「拝啓、僕のアイドル様」「ピンボケな私」ほか全5篇を収録。落ちこぼれたちの哀しいまでの純真を、愛と笑いで包み込んだ珠玉の連作小説集」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:風が強く吹いている・三浦 しをん著『風が強く吹いている』(2006.9,新潮社,\1,890)
「奇跡のような出会いから、清瀬灰二と蔵原走は無謀にも陸上とかけ離れていた者たちと箱根駅伝に挑む。それぞれの「頂上」めざして…。長距離を走る(=生きる)ために必要な真の「強さ」を謳いあげた、超ストレートな青春小説」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:鴨川ホルモー・万城目 学著『鴨川ホルモー』(2006.4,産業編集センター,\1,260)
「謎のサークル京大青竜会に入った安倍を待ち構えていた「ホルモー」とは? 恋に、戦に、チョンマゲに、若者たちは闊歩して、魑魅魍魎は跋扈する。京都の街に巻き起こる、疾風怒涛の狂乱絵巻。前代未聞の娯楽大作、ここにあり!」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:終末のフール・伊坂 幸太郎著『終末のフール』(2006.3,集英社,\1,470)
「「8年後に小惑星が落ちてきて地球が滅亡する」と発表されて5年後。秩序崩壊した混乱の中、仙台市北部の団地に住む人々は…。表題作のほか、「太陽のシール」「籠城のビール」など全8編を収めた連作短編集」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:図書館戦争・有川 浩著 / 徒花 スクモイラスト『図書館戦争』(2006.3,メディアワークス,\1,680)
「公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として「メディア良化法」が成立・施行された現代。超法規的検閲に対抗するため、立てよ図書館! 狩られる本を、明日を守れ! 正義の味方、図書館を駆ける! 」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:名もなき毒・宮部 みゆき著『名もなき毒』(2006.8,幻冬舎,\1,890)
「あらゆる場所に「毒」は潜む−。財閥企業で社内報を編集する杉村三郎が、私立探偵・北見を訪れて出会ったのは、連続無差別毒殺事件で祖父を亡くしたという女子高生だった。現代ミステリー」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:ミーナの行進・小川 洋子著『ミーナの行進』(2006.4,中央公論新社,\1,680)
「美しくて、か弱くて、本を愛するミーナ。あなたとの思い出は、損なわれることがない−。懐かしい時代に芦屋の屋敷で育まれた、ふたりの少女と家族の物語。『読売新聞』連載を単行本化」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:夜は短し歩けよ乙女・森見 登美彦著『夜は短し歩けよ乙女』(2006.11,角川書店,\1,575)
「「黒髪の乙女」に片想いしてしまった「先輩」。ふたりを待ち受けるのは、奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった…。キュートで奇抜な恋愛小説in京都。『野性時代』掲載を単行本化」(オンライン書店bk1の紹介文)

 まあ、相変わらず私は一冊も読んでいないのですが、それでも書名は聞き覚えがある本が並んだ感じ。
 ただそれって「売り場からベストセラーをつくる!」(「本屋大賞とは」から引用)という趣旨からするとどうなんだろうという気もする。そもそも、去年の大賞がリリー・フランキー『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』だったことについても、改めて賞を与える意義が分からなかった。ノミネート時点でベストセラーだったわけだし。

 まあ、そんなことを私がここで書いてもしょうがないので、ノミネート作を見ての個人的雑感を。

  • 芸人の書いた小説対決(そういう対決があったと勝手に想像)は、劇団ひとり『陰日向に咲く』が勝利! 品川ヒロシ(品川庄司の品川)『ドロップ』は敗れる!(いや、そういう対決があったかどうかは知らないよ)。
  • 三崎亜記・佐藤多佳子・伊坂幸太郎など、今年の直木賞落選者の各氏もノミネート。元々は、こういう感じの既存文芸賞へのアンチテーゼが本屋大賞の意義なのではないかと、個人的には感じる。
  • でも、宮部みゆき・三浦しをんなど、直木賞を受賞された方もノミネートしているのね。それから、2004年本屋大賞の受賞者である小川洋子氏も。これは、これまでの実績に関係なくいい本を選ぼうという本屋大賞の意思の表れでもあるのかな。
  • ふと思ったのだが、井上ひさし先生や渡辺淳一先生がノミネートされちゃったりして、大賞に選ばれちゃったりなんかしちゃったりしたら賞をもらいに行くのかなあ(これは杞憂か)。
  • 「有川浩さんって女性だったのか!」と下の記事を読んで思いました。すみませんそれだけです。でも桜庭一樹さんに続く驚き。

“危機”に出でよ、日和らない上司!〜有川浩『図書館戦争』シリーズ (著者に聞く):NBonline(日経ビジネス オンライン)

 ところで、どうして本屋大賞って小説のみを対象にしているのだろう(どこかに書いてあるのをご存知の方は、よかったらご教授願います)。ノンフィクションなどを含めてしまうと本の選定に際限がないからかなあ。
 個人的には、新書や文庫の大賞があってもいいと思うんだけれどね。

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・岸辺四郎(岸辺シロー)氏の著作一覧から人生を感じてみる

 下の記事で、岸部四郎氏の新しい著書が出ているのを知りました。

『後ろ向き』に前進せよ!無理をしない「上から3番手」の処世術 (超ビジネス書レビュー):NBonline(日経ビジネス オンライン)
オンライン書店ビーケーワン:後ろ向き・岸部 四郎著『後ろ向き』(2006.6,幻冬舎,\1,365)
「ポジティブシンキングは疲れませんか? 人に負けたらダメですか? できないものには手を出さない、とりあえず10年待ってみる…。ポジティブに生きなくてもいいじゃない! 辛い人生を何とか乗り切る目からウロコの人生論」(オンライン書店bk1の紹介文)

 で、ついでに岸辺四郎氏の著作一覧を見ていたら、なんとも人生を感じさせて興味深い。紹介します。

 岸部氏といえば、1969年〜1970年にかけてザ・タイガースのメンバーとして活躍。その後1978年〜1980年のドラマ「西遊記」シリーズに沙悟浄役で出演。1985年〜1998年まで「ルックルックこんにちは」の司会を務めた。
 その間の著書なのですが、1980年代前半に主婦の友社から「初期金融三部作」(勝手に命名)を刊行しています。

  • 岸部 シロー著『岸部シローの暗くならずにお金が貯まる 貯めだしたらとまらない』(1983.4,主婦の友社)
  • 岸部 シロー著『岸部シローのお金上手 誰よりもお金を愛す』(1984.12,主婦の友社)
  • 岸部 シロー著『OLのためのファッション金銭学(婦人生活FFブックス) 』(1985.2,婦人生活社)
 内容は分かりませんが、タイトルを見るだけでなんとなく想像がつきます。
 1985年には『ニュー30's(サーテイーズ)の憂鬱 けして悪くはないがもうひとつ』(1985.1,みき書房)も刊行(本の内容の詳細は不明)。
 その後、1990年にはザ・タイガース時代を振り返っている(のであろう)下記の本を刊行。
  • 岸部 シロー著 / 藤井剛彦事務所編『ザ・タイガースと呼ばれた男たち ある団塊の世代の肖像』(1990.5,あすか書房,\1,224)

 そして1996年には、悠悠自適な生活を感じさせる下記の本も出ています(下の本は今でも買えます)。

オンライン書店ビーケーワン:岸部のアルバム・岸部 四郎著『岸部のアルバム 「物」と四郎の半生記』(1996.4,夏目書房,\1,529)
「ケチと言われて十数年。ヘンな俳優・岸部四郎の「物」蒐集術。ビートルズ人形、ブリキの玩具、ミッキーコレクション、李朝物、イタリアガラス工芸などなど、数え切れないモノたちが登場。物好き人間のお話」(オンライン書店bk1の紹介文)

 ちなみに、題名は「岸辺のアルバム」のパロディです。
 しかし、1998年に自己破産を公表し、「ルックルックこんにちは」を降板。
 その後1990年代後半から2000年代にかけて、「後期金融三部作」(これまた勝手に命名)を刊行しています。初期三部作と、見事過ぎるまでの雰囲気の違い。

オンライン書店ビーケーワン:金融地獄・岸部 四郎著『金融地獄』(1998.10,いれぶん出版,\1,500)
「僕には自己破産しか道がなかった…。平成10年4月6日「ルックルックこんにちは」降板から半年。岸部四郎が沈黙を破り、テレビ業界の裏側まですべてを語る」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:銭で成功した奴失敗した奴・青木 雄二著 / 岸部 四郎著『銭で成功した奴失敗した奴 青木雄二VS.岸部四郎』(2001.6,ぶんか社,\1,680)
「世の中は非情のオキテが支配する。たとえ著名芸能人であろうと、借金に追われる身となってはタダの人。カネこそが唯一最大のオキテなのだ。岸部四郎の体験に青木雄二が鋭く迫る対談。カネで失敗しないためのバイブル」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:その手に乗るな!・岸部 四郎著『その手に乗るな! 年収一億八千万円男の自己破産反省記』(2001.11,ぶんか社,\1,365)
「1998年5億8000万円の負債を抱え自己破産―。人生のバブルを謳歌、そしてどん底へ。子供時代から自己破産に到るまでの経緯を、夫婦喧嘩、浮気、芸能界、夏目雅子の思い出などを交えて、振り返る」(オンライン書店bk1の紹介文)

 そして2006年、すべてを達観したような著作の題名が『後ろ向き』。
 なんというか、ここまで著作一覧と著者の人生が分かりやすく関係している人って、そういない気がする。

 まあ、いずれの本も、読もうとは思っていないのですが。

 ちなみに、下のブログも見つけて、ちょっと読んでみましたが、「湿っぽくないが愚痴っぽい」という不思議な面白さがありました。

岸部シローの四郎マンション

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・ 幻冬舎新書のビジネス書はどうして読みたくならないタイトルばかりついているんだろう

 植草甚一さんのコラムっぽいタイトルにしてみました。
 書店で幻冬舎新書の新刊を見ていたら、ひっかかるタイトルの本が二冊ありました。
 まずはこちら。

オンライン書店ビーケーワン:あなたが年収1000万円稼げない理由。・田中 和彦著『あなたが年収1000万円稼げない理由。 給料氷河期を勝ち残るキャリア・デザイン』(2007.1,幻冬舎新書,\756)
「あなたを1000万円から遠ざけている8つのポイントを紹介。「「キミにしか頼めない」と言われたことがない」「不満な人事異動にも抗議しない」など、当てはまったら年収負け組みに! 逆転と救済のキャリア術」(オンライン書店bk1の紹介文)

 こういう本を読んでいたら、たぶん年収1000万円は無理だと思う。
 例えば、もしも著者が働き始めてから今までの年収を正直に公開しているのなら、読もうという気にもなるけれど、それは書いていないだろうなあきっと。
 それから「年収1000万円稼げない理由」をいくら知って実行しても、それは年収1000万円稼げる理由にはならないからねえ。
 そしてもう一冊。

オンライン書店ビーケーワン:人生は負けたほうが勝っている・山崎 武也著『人生は負けたほうが勝っている 格差社会をスマートに生きる処世術』(2007.1,幻冬舎新書,\756)
「ビジネスコンサルタントとして長年活躍する著者が、豊富な事例をもとに導いた、品よく勝ち組になるための負け方とは? 上手に出世したい人、妬まれないでトクをしたい人、幸せを味方につけたい人必読!」(オンライン書店bk1の紹介文)

 これもまた、なんだか分かったような分かんないような。小さな負けを我慢する人間が勝つとか、そういう話なのでしょうかね。

 まあ、どちらも幻冬舎らしいといえばらしいタイトルの本だと思う。良くも悪くも気になるタイトルをつける、という意味ではうまい。
 次は『年収1000万円稼いだ人が勝っている』みたいなタイトルの本でも出されたらよいのではなかろうか。

(参考エントリ)2006年12月01日:「幻冬舎新書」、いかにも最近の新書らしいラインナップ

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【2007.02.12-2007.02.18号】(2007.02.20掲載)このページの先頭に戻る

■Fujisan.co.jpで、雑誌の目次情報をRSS配信するとのこと(ブログ未掲載)
■フリーペーパーだからといって、どんな雑誌も読みたくなるわけじゃない(ブログ未掲載)
■織田作之助『夫婦善哉』の続編の原稿が見つかる(ブログ未掲載)
■お、講談社が青春出版社と良く似たコンセプトの「地図帳」本を出してきたよ
■読書録に載らない本の感想:雑誌『TV Bros. 2007年2月17日号(2007年2月17日〜 2007年3月2日)』
■ひろさちや『「狂い」のすすめ』と、色々な「のすすめ」本
■ちくま文庫でカレル・チャペックの旅行記シリーズを刊行

■Fujisan.co.jpで、雑誌の目次情報をRSS配信するとのこと(ブログ未掲載)

 雑誌のオンライン書店、Fujisan.co.jpにて、雑誌の目次情報をRSS配信するとのことです。

Fujisan.co.jp>>プレスリリース>>/~\Fujisan.co.jp、日本初、雑誌の目次新着情報を「Fujisan RSS」で提供

 試みとしては面白いと思う。Fujisan.co.jpで買わない場合でも、目次の情報が自動的に取得できると、色々使いようがあると思う。
 一番考えられるのは、発売日のリマインダーだと思う。最新号の目次がRSSリーダーに届いたら、「あ、買おう」という感じで(私はそんなに雑誌を買わないので、すごく必要なわけではないですが)。
 他に、「特集やテーマによって買う雑誌のチェック」というのもあるかもしれない。例えば私は、『Number』は内容によって買うかどうかを決めていて、いつも新聞広告で内容をチェックするのですが、この目次をRSSリーダーに登録しておくのはいいかもしれない。
 できれば、今後キーワードの検索結果をRSSで配信してくれるとありがたい。例えば、「木の葉燃朗」という単語が目次に含まれる雑誌(そんな雑誌ないけれど)の一覧をRSSで取得できるようになっていれば、気になる話題やテーマの雑誌が入手しやすくなるのではないかと思う。
 とりあえず最初は、気になる雑誌のRSSをいくつか実験的に取り込んでみようと思います。

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■フリーペーパーだからといって、どんな雑誌も読みたくなるわけじゃない(ブログ未掲載)

 首都圏の駅で毎週配布される無料の漫画雑誌『コミック・ガンボ』、先日タイミングよくもらってきました。下の記事など、ビジネス系の記事でも話題になっています。

国内初、漫画のフリーペーパーに挑戦 - ビジネススタイル - nikkei BPnet
『コミック・ガンボ』公式サイト

 パラパラとめくる程度で読んでみたのですが、私は魅力を感じなかった。まあ、そもそも読んでみたい漫画があったわけではなく、単に「無料の漫画雑誌ってどんなんかな?」と思って貰ってきただけなので、予想していた感想だった。
 ただ、つくりは一般の漫画雑誌と同じだった。一般の漫画雑誌と一緒に売られていても違和感がない。他のフリーペーパーの場合、有料雑誌と比べて、例えば紙の質が違うなど、明らかに違いが分かる場合がある。でも漫画雑誌は、元々あのざらざらした感じの紙を使っているので、『コミック・ガンボ』と有料雑誌に見た目の違いを感じない。
 しかし、じゃあ『コミック・ガンボ』の影響で有料の漫画雑誌が読まれなくなるかといえば、そんなことはないと思う。内容を比較して、面白いと思えば有料でも買うし、つまらないと思えば無料でもいらないだろう。私の例を挙げれば、私は『R25』は最初の2ヶ月くらいはもらっていたけれど、以降は一切読んでいない。理由は私にとって魅力のある雑誌じゃないから(最初は珍しさも手伝って読んでいた)。一方で、有料の雑誌は買っているし、無料雑誌でも面白いものは定期的に入手している。
 だから、無料だから、有料だからどうかという段階は既に終わっていて、やはりその中の情報の価値が問われる段階に来ていると思う。

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■織田作之助『夫婦善哉』の続編の原稿が見つかる(ブログ未掲載)

 織田作之助『夫婦善哉』の続編の原稿が見つかったとのことです。

「夫婦善哉」続編発見、原稿用紙99枚…舞台は別府へ : 文化 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
[織田作之助の未発表作 夫婦善哉 別府で続編 薩摩川内市で発見] / 文化・芸能 / 西日本新聞
時事ドットコム:「夫婦善哉」の続編を発見=舞台を九州に−織田作之助の代表作

 織田作之助の出身地、鹿児島県川内市へ寄贈されていた原稿の中から、紅野敏郎・早稲田大学名誉教授らの研究グループによる調査の中で、日高昭二・神奈川大教授により発見されたとのこと。
 舞台は大阪から大分の別府に移っているそうです。

オンライン書店ビーケーワン:夫婦善哉・織田 作之助〔著〕『夫婦善哉』(1999.5,講談社文芸文庫,\1,029)(オンライン書店bk1)

 ここまで紹介しておいて恐縮ですが、『夫婦善哉』は読んだことがない。ただ、昔(私が小学生くらいだから1980年代後半だと思う)のセブンイレブンだったかのテレビCMで、『夫婦善哉』という単語を初めて聞いたのは覚えている。
 現在原稿を所蔵している川内市の川内まごころ文学館では、2007年9月に原稿を公開予定とのこと。また、原稿は雄松堂出版から出版予定とのこと。

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■お、講談社が青春出版社と良く似たコンセプトの「地図帳」本を出してきたよ

 青春出版社が、読み物として面白そうな地図の本を出して、ちょっとしたブームになりました。
 ちょっとシリーズも出過ぎている感じで、食傷気味なのでは、と思っていたところに、講談社が同じく500円でペーパーバック形式の「地図帳」本を出してきています。

オンライン書店ビーケーワン:世界で一番おもしろい地図帳・おもしろ地理学会編『世界で一番おもしろい地図帳』(2005.7,青春出版社,\500)
「なぜ日付変更線は太平洋の真ん中にあるのか? ギニアとニューギニアはどんな関係? 謎の宝庫「地図」の楽しい読み方教えます!「いまさら聞けない日本地図の大疑問」「世界で一番おもしろい世界地図」に新情報を加え再編集」(オンライン書店bk1の紹介文)
オンライン書店ビーケーワン:世界で一番気になる地図帳・おもしろ地理学会編『世界で一番気になる地図帳』(2006.6,青春出版社,\500)
「ヨーロッパとアジアの境界線はどこ? 東京の地下鉄に「3丁目」という駅が多いワケは? 「地図は」ウラから読むのが面白い。学校では習わない、気になる「謎」にズバリ回答。世界と日本がよくわかる地理教室」(オンライン書店bk1の紹介文)
オンライン書店ビーケーワン:世界で一番ふしぎな地図帳・おもしろ地理学会編『世界で一番ふしぎな地図帳』(2006.10,青春出版社,\500)
「「イランはアラブではないって本当?」「紅海が細く、深く切れ込んでいるのはどうして?」「なぜ、東京には坂道が多いのか?」など、知りたかった地図の疑問がまるごと解ける! 世界のカラクリがわかる地理雑学事典」(オンライン書店bk1の紹介文)
オンライン書店ビーケーワン:世界で一番おもしろい〈交通〉地図帳・おもしろ地理学会編『世界で一番おもしろい〈交通〉地図帳』(2006.12,青春出版社,\500)
「世界で一番高い場所を走る鉄道は? なぜ中国に上野駅とそっくりの駅があるの? 今でも貨物船でアメリカに渡れる? 世界中に張りめぐらされた交通網に関する面白ネタが満載。旅が、歴史がもっと好きになる大人の地理教室! 」(オンライン書店bk1の紹介文)

 著者名も似ているなあ。書店で一緒に並べられることを期待しているのだろうなあ。あざといといえばあざといが、うまいといえばうまい。

オンライン書店ビーケーワン:世界まるごと謎解き地図・みんなの地理学研究会編『世界まるごと謎解き地図 知らなかった!』(2006.12,講談社,\500)
「アルプス山脈は世界にいくつある? 十字軍の頃からイタリア半島に存続する国家とは? 世界遺産の「銭湯」が日本に存在する? 世界や日本に潜む興味深いエピソード、あるいは忘れ去られた面白い逸話を発掘して紹介。」(オンライン書店bk1の紹介文)

出版社の紹介ページより引用)

たったワンコインでうんちく大王!! 学校ではこんなこと教えてもらわなかった! ●アルプス山脈は世界にいくつある? ●十字軍の頃からイタリア半島に存続する国家とは? ●パナマ運河と戦艦大和を結ぶ意外な線とは? ●江戸時代の古地図に記された家紋の深い意味 ●世界遺産の「銭湯」が日本に存在する?

(引用終わり)

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■読書録に載らない本の感想:雑誌『TV Bros. 2007年2月17日号(2007年2月17日〜 2007年3月2日)』

・雑誌『TV Bros. 2007年2月17日号(2007年2月17日〜 2007年3月2日)』(東京ニュース通信社)(出版社のサイト)
 主な特集は下記のとおり。

  • ロングロンガーロン毛スト!  なぜかロンゲの特集。安斎肇さんのインタビューなど。
  • 世界に誇れる日本の文化 素晴らしき自動販売機の世界
  • 『14歳』千原ジュニアインタビュー

 いやあ、今号は読みでがなかったなあ。安斎肇さんのインタビューはちょっと面白かったけれどね。
 それから、秋山成勲選手のインタビュー連載は前回で終了です。まあ、六回で終了というのは、通常と同じなので、逃げたとか編集部で打ち切ったとか、そういうことは思わないけれどね。

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■ひろさちや『「狂い」のすすめ』と、色々な「のすすめ」本

 色々なことを薦める、指南する本はありますが、このタイトルはインパクトあるなあ。
オンライン書店ビーケーワン:「狂い」のすすめ・ひろ さちや『「狂い」のすすめ』(2007.1,集英社新書,\714)
「今の世の中は、社会のほうがちょっとおかしい。だからこそ狂者の自覚をもって生きることが、かえってまともになれる。当代きっての仏教思想家である著者が「狂い」と「遊び」、今を生きていくうえで必要な術を伝授する」
(オンライン書店bk1の紹介文)

 ちなみに、タイトルに「のすすめ(漢字やカタカナの表記も含む)」がついている本は、『学問ノススメ』を初めとして、下記のとおりたくさんあります。書名のリストを眺めていると、けっこう面白いですよ。

オンライン書店ビーケーワン:学問のすすめほか・福沢 諭吉著『学問のすすめほか』(2002.11,中央公論新社・中公クラシックス,\1,365)(オンライン書店bk1)

オンライン書店bk1>>検索結果「題名に『のすすめ』を含む」

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■ちくま文庫でカレル・チャペックの旅行記シリーズを刊行

 ちくま文庫でカレル・チャペックの旅行記が刊行されています。  今のところ出ているのは、イギリス編とチャペックの故郷であるチェコスロヴァキア編。  一応書いておくと、カレル・チャペックはチェコの作家。「ロボット」という言葉の生みの親でもある。  まあ、実は私も本を持ってはいるが未読の作家のひとりなのですが。
 でもこの本は気になる。
オンライン書店ビーケーワン:チェコスロヴァキアめぐり・カレル・チャペック著 / 飯島 周編訳『チェコスロヴァキアめぐり(ちくま文庫 カレル・チャペック旅行記コレクション) 』(2007.2,筑摩書房,\777)(オンライン書店bk1)
オンライン書店ビーケーワン:イギリスだより・カレル・チャペック著 / 飯島 周編訳『イギリスだより(ちくま文庫 カレル・チャペック旅行記コレクション)』(2007.1,筑摩書房,\777)(オンライン書店bk1)

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【2007.02.05-2007.02.11号】(2007.02.12掲載)このページの先頭に戻る

■ともさかりえさんはお母さんになって更に魅力的になった、ってことを感じさせてくれる本(ブログ未掲載)
■図書館の本のようにフィルムコーティングをしてくれるサービス(ブログ未掲載)
■うお、Amazon.co.jpに「OTAKU」ストア(ブログ未掲載)
■読書録に乗らない本の感想:雑誌『Number』(特集:日本サッカー 2007年の設計図。Tha Beginning of New Era)

■ともさかりえさんはお母さんになって更に魅力的になった、ってことを感じさせてくれる本(ブログ未掲載)

 書こうと思っていてすっかり忘れていたのですが、書いておきます。
 以前書店で下記の本を見つけて、「ああ、ともさかりえさんって、お母さんになって更に魅力的になったなあ」と思った。むしろ、正直に言って10代くらいの頃のともさかさんはあまり好きではなかったのだが、今は素敵。

オンライン書店ビーケーワン:Mammaともさか にんぷちゃん編・ともさか りえ著『Mammaともさか にんぷちゃん編』(2006.7,インデックス・コミュニケーションズ)
「ママになった女優・ともさかりえが、自宅出産までのすべてを綴った日記。にんぷ生活はビックリの連続! 胎児「楓すけ」との笑いあり涙ありの妊娠ライフを、赤裸々に紹介する」(オンライン書店bk1の紹介文)
オンライン書店ビーケーワン:Mammaともさか こそだてちゃん編・ともさか りえ著『Mammaともさか こそだてちゃん編』(2006.7,インデックス・コミュニケーションズ)
「全く心の準備もできないまま始まった、ともさかりえの子育て生活。戦争のような毎日だけど、子どもがいる生活はやっぱり楽しい! 息子と過ごすしあわせな日々を綴った心温まる日記」(オンライン書店bk1の紹介文)

 ともさかさんに限らず、女優さんでもミュージシャンでも、お母さんになるとまた違った魅力が表れる女性は多い。前にオードリー・ペップバーンの展覧会を見たときも、それは感じたなあ。
 「だからなんだ」という話ですが、一応書いておきます。

ともさかりえオフィシャルサイト tomosak.tv

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■図書館の本のようにフィルムコーティングをしてくれるサービス(ブログ未掲載)

 オンライン書店bk1で、図書館の本のようにフィルムコーティングをしてくれるサービスが開始されています。
・オンライン書店bk1>>その他サービス>>フィルムコートサービス

 一部サービス外の書籍もありますし、いくつか条件がありますが、それでも一冊120円。本によっては、これはありがたいかもしれない。
 中には、カバーをめくったところに文章や絵が書いてある本もあるので、注意は必要だけれど。

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■うお、Amazon.co.jpに「OTAKU」ストア(ブログ未掲載)

 Amazon.co.jpには、通常のカテゴリとは別に、テーマ別に商品を集めたストアが出来ることもあります。文具ストアとか、グッドデザイン賞ストアとかね。
 そして、 去年の末から「OTAKUストア」もオープン。

 むむ、なんだかえも言われぬパワーがある。

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■読書録に乗らない本の感想:雑誌『Number』(特集:日本サッカー 2007年の設計図。Tha Beginning of New Era)

 特集は「日本サッカー 2007年の設計図。Tha Beginning of New Era」。主な内容は次のとおり。
  • ロングインタビュー:イビチャ・オシム「あえて率直に言わせてもらう」
  • インタビュー「主力は目覚めたか」:巻誠一郎「順風と逆風と」・今野泰幸「静かなる激情家」・阿部勇樹「決断の重み」
  • インタビュー「未来を背負う者」:森本貴幸は野生児になる・梅崎司はひたむきに前へ・平山相太はどうなるのか
  • インサイドストーリー「オレなりの事情」:松田直樹「反骨心よ、再び」・三浦淳宏「涙のキャプテンシー」・城彰二「プライドを捨てた時」
  • オシムジャパン38選手「当落全予測」(戸塚啓&日本代表招集情報センター)
  • 日本“らしい”サッカーって何だ?(吉崎エイジーニョ) 

 桜庭和志選手へのインタビュー「僕がいちばん言いたかったこと」も掲載されています。秋山成勲戦についてのインタビュー。
 やっぱりオシム監督のインタビューが印象に残る。特に「もし説明が必要なら、私はいつでも話すつもりだ。私は正しくないと侮辱されても怒らない。もっと議論しよう」(p.26)という言葉が印象的。このインタビューでも、聞き手の杉山茂樹氏の意見を訪ねる場面もある。  オシム監督が日本代表の監督であることで、日本のサッカーに関わる人すべて(というのは選手もJリーグのクラブの関係者も日本サッカー協会もメディアもサポーターも)が、日本代表についての考えを持ち、場合によってそれを表明する準備をしておくことが常に必要になるのではないかと思う。これは個人的には、望ましいことだと思います。

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【2007.01.29-2007.02.04号】(2007.02.07掲載)このページの先頭に戻る

■明治時代の法令集がネット上で公開(ブログ未掲載)
■作家シドニー・シェルダン氏死去(ブログ未掲載)
■企業向けにデザイン書を無料で届けるサービス(ブログ未掲載)
■オンライン書店bk1の「書評の鉄人列伝」で取り上げていただきました
■読書録に載らない本の感想:雑誌『TV Bros.』
■おたくの女性とお付き合いする男性の本

■明治時代の法令集がネット上で公開(ブログ未掲載)
 国立国会図書館が、明治時代前半(1867・慶応三年〜1886・明治十九年)の国の法令を、ネット上の日本法令索引で公開しています。なお、明治十九年以降については、既に公開されています。

・国会図書館が明治前半の法令集をインターネットで公開:日経パソコンオンライン
・日本法令索引

 私は特に法律に関わる仕事とか、日本史に関する調査などをしているわけではないのですが、でもこういうサイトはちょっと興味を惹かれます。

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■作家シドニー・シェルダン氏死去(ブログ未掲載)
 アメリカの作家、シドニー・シェルダン(※)氏が、1月30日に亡くなられたとのこと。享年89歳。

・シドニー・シェルダン氏死去 代表作に「ゲームの達人」|米国|国際|Sankei WEB
・asahi_com:米ベストセラー作家のS・シェルダン氏が死去 - ロイター芸能ニュース - 文化芸能
・シドニー・シェルダンさん:米カリフォルニアの病院で死去−話題:MSN毎日インタラクティブ

 実は読んだことはないのですが、かつての『真夜中は別の顔』とか『ゲームの達人』などの「超訳」(「アカデミー出版」による、翻案に近い場合もあるらしい翻訳・意訳)シリーズの新聞広告は、記憶に残る。「イングリッシュ・アドベンチャー」という、やはりアカデミー出版による英語教材の広告も印象的。
 ご冥福をお祈りします。
・(参考)オンライン書店bk1>>著者インデックス>>Sheldon Sidney
※Sidney Sheldon。Sidneyは「シドニィ」や「シドニイ」、Sheldonは「シェルドン」と表記されることもあるようです。

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■企業向けにデザイン書を無料で届けるサービス(ブログ未掲載)

・デザイン関連書籍を届けてくれるサービス開始 | 日経デザイン
・ナーズコンシェルジュ

 青山ブックセンターと、ナーズコンシェルジュ(デザイン書の訪問販売や通信販売)によるサービスとのこと。テーマや情報に沿った本を揃えてもらって、本を見ることができる。一冊でも購入すれば、残りは着払いで返送できる(一冊も買わない場合は元払い)。
 企業が仕事で本を選びたい場合は、たしかに有効なサービスかもしれない。個人で色々インスピレーションを得たければ、好みの書店でぶらぶらする方がいいと思うけれどね。

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■オンライン書店bk1の「書評の鉄人列伝」で取り上げていただきました
 オンライン書店bk1の「書評の鉄人列伝」で、不肖木の葉燃朗、取り上げていただきました。

 ちょっと説明すると、オンライン書店bk1では、無料の会員登録をした人なら誰でも好きな本の書評を書くことができる。
 そして、その中でbk1に面白い書評を書く人と認定されると、まず「オススメ評者」、そして「書評の鉄人」に選定される。
 私も2005年の1月に書評の鉄人に選んでいただいたのですが、このたび、その書評の鉄人の中から毎週一名を紹介する「書評の鉄人列伝」で取り上げていただいた、ということです。

・オンライン書店bk1>>書評ポータル>>書評の鉄人列伝>>第57回 木の葉燃朗 オンライン書店bk1・書評ポータル・書評の鉄人列伝・第57回 木の葉燃朗

 これは嬉しいなあ。紹介ページ(上記)がずっと残るので、自己紹介の時にも紹介できそう。

 ちなみに、bk1からは「幅広いジャンルに書評を書かれています。本の選び方に独特のセンスが感じられます。ユーモアたっぷりの、サービス精神旺盛な文章です」(上記「書評の鉄人列伝」のページより)と紹介いただいています。
 なお、bk1でセレクトしていただいた、私の代表的な書評10本は下記のとおり。

1.周縁から見るYMOの面白さ
→・田山 三樹編著『NICE AGE』 http://www.bk1.co.jp/product/02742305/review/443734/p-garakuta57186

2.多くの人が敬遠する裁判の世界。でも一歩踏み入れると、色々なことが見えてくる。
→・北尾 トロ著 / 100%Orange装画・挿画『気分はもう、裁判長』 http://www.bk1.co.jp/product/02590976/review/432446/p-garakuta57186

3.「金を儲けてなにが悪い」という言葉に、うまく反論できず悔しく思っている人に
→・山田 侑著『会計士の父が娘に贈る32+1の手紙』 http://www.bk1.co.jp/product/02712661/review/443186/p-garakuta57186

4.ほのぼのできて、そして著者が好きになる本
→・たかぎ なおこ著『150cmライフ。』 http://www.bk1.co.jp/product/02291597/review/341686/p-garakuta57186

5.なんでもないような日々の積み重ねが、後から見ると大きな意味を持つ。
→・吾妻 ひでお〔画〕『うつうつひでお日記』 http://www.bk1.co.jp/product/02688118/review/439621/p-garakuta57186

6.ものの見方を広げてくれる本
→・祖父江 慎 / 角田 純一 / グルーヴィジョンズ / クラフト・エヴィング商會 著 『グラフィック・デザイナーの仕事』 http://www.bk1.co.jp/product/02337533/review/247824/p-garakuta57186

7.よくぞ出版してくださいました!
→・喜味 こいし編 / 戸田 学編『いとしこいし漫才の世界』 http://www.bk1.co.jp/product/02481142/review/392908/p-garakuta57186

8.「当たり前」で「記憶に残っているもの」こそ、記録する意義がある、と思わせてくれる本
→・町田 忍著『昭和レトロ商店街』 http://www.bk1.co.jp/product/02626678/review/436505/p-garakuta57186

9.作品の内容とともに、作品の抱える事情も興味深い
→・天野 ミチヒロ著『放送禁止映像大全』 http://www.bk1.co.jp/product/02572028/review/430705/p-garakuta57186

10.「本がある生活って幸せだよなあ」よと素直に思える本
→・北尾 トロ著『ヘンな本あります』 http://www.bk1.co.jp/product/02319610/review/214185/p-garakuta57186

 たしかに、センスの有無は分かりませんが、本の選び方が独特(というか節操がないというか)なのはたしかかもしれない。

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■読書録に載らない本の感想:雑誌『TV Bros.』

・雑誌『TV Bros. 2007年2月3日号(2007年2月3日〜2007年2月16日)』(東京ニュース通信社)
 特集は下記のとおり。

  • 乙女チックはとまらない!
     1970年代から2000年代までの「乙女チック」の分析と、執事喫茶のリポート。
  • Wみっちゃんinフィジーwithなぜか平井堅
     清水ミチコ・光浦靖子・平井堅によるフィジー旅行の様子。
  • 進路に迷っているそこのキミ! 目指せ! 芸人への道
     島田洋七師匠の「芸人のススメ」他。「記事に見せかけた芸人養成学校の広告なのかも」と思うような内容。
  • 新ドラここがヘンだよ!第一回

 連載で興味深かったのは、川崎和哉氏の「ネット探偵団」で百式管理人田口氏のインタビューが掲載されていたことと(下記のリンク先でロングバージョンが読めます)、ハギワラマサヒト氏が科学者へインタビューする新連載「わらしべマッドサイエンティスト」や、一瀬大志氏の「男子システム青春白書」での納豆ブーム(執筆時は捏造発覚前のとにかく納豆が売り切れている時期だったようです)への疑問など。
 今号は特集よりも連載の方が面白かった。
・100SHIKI.COM/田口元氏 | ネット探偵団 annex

 そして中でも「ロマンポルシェ。」のロマン優光氏のコラム「ド〜ンと生きてみよう」が熱いです(掟ポルシェ氏の「TVの国からギラギラ」と交互に掲載)。
 前回のみうらじゅん氏(と思われる)「童貞文化」の批判に続き、今回は現在『TV Bros.』の格闘技コーナーで連続インタビューを掲載している秋山成勲氏を批判。引用しますと、

どこの誰がそんな言い訳信用すると思ってんだよ。わざとじゃなかったなんて、そんなねぇ。そんなの通用するわけないから。今に始まったことじゃないだろ、あんたのそれ! (中略) なにが気に喰わないって、散々汚いまねしてのしあがってきといて、そのくせ品行方正面して人に好かれようとしているところがほんとに嫌だ。
(p.18)

 いやあ、来たね。そして、あわせてこれまでも批判していたボクシングの亀田一家批判も書かれている。

「あいつベルト返上しやがったぞ。本来のあの階級の選手と一試合もしないで。いつまで弱い奴探して試合してけば気が済むんだ(中略)」という非常に重要な話ができなくてストレスが溜まって溜まってしょうがない。
(p.18)

 さらに、普段コラムに関係した写真が掲載されるスペースには、かつての『キン肉マン』への読者投稿よろしく「ぼくの考えた超人です」、「残虐超人ヌルヤマン」(いずれもp.18)という文字とともに(おそらくロマン氏による)イラストが。

 いや、このコラムだけで今号の『TV Bros.』を買った甲斐がある。

 ちなみに、今号の秋山成勲氏のインタビュー記事「書く闘技通信」(インタビュー・構成:橋本達典氏)は、秋山氏へのFEG主催大会(「HERO'S」他)への無期限出場停止処分決定の記者会見が行われた1月17日の取材を元に書かれている。記者会見の2時間前に20分程度の取材をしたとのこと。
(参考)スポーツナビ 格闘技|K-1|秋山成勲戦に関する桜庭和志会見 秋山に無期限出場停止の追加処分が決定

 個人的な感想を言えば、なんとも歯切れの悪い記事。最後に「テレビ情報誌としては、テレビ中継偏重主義からくる視聴者放ったらかしの諸問題にも対処していただきたいと思うところだが……さて?」(p.29)という、よく分からない締めで終わっていたり(上の文章は、主語もないし、具体的にどんな問題があるのかの指摘もない)。
 東京ニュース通信社としては、秋山氏の写真集を出版している手前、あれこれ書かないのではと勘ぐりたくなる。

 もう一度ロマン優光氏のコラムに戻ると、「こうなったらハッキリさせてもらおうじゃないか! 俺をとるか奴をとるかを! (中略)と、とにかく俺か奴か二つに一つだ!」(p.18)という文章で終わっている。

 俺は一読者として、ロマン優光氏を取ります。今回の件に関しては。『TV Bros.』の読者の何割かは思っていただろうもやもやを、はっきり表明してくれたわけだし(ちなみに他の連載陣やコーナーで、この問題に触れた人は誰もいない)。そして、このコラムを載せた『TV Bros.』も、現時点では評価します。

 さて、次号以降、どういう方向に進むか興味がある。万が一いきなりロマンポルシェ。の連載が終わったりしたら、私は『TV Bros.』買うの止めますよ。
 でも、ロマン優光氏のコラムはスルーされて、何事もなかったかのように秋山氏のインタビュー連載が終わるのかなあ。なんだかそんな気がする。

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■おたくの女性とお付き合いする男性の本
 おたくの女性との恋愛をつづった本が、続けて出ています。
 まずは下の本。
オンライン書店ビーケーワン:となりの801ちゃん・小島 アジコ著『となりの801ちゃん』(2006.12,宙出版,\1,050)(オンライン書店bk1)

 「801ちゃん」というのは「はちまるいっちゃん」ではなく、まして「はちまるいっつあん」と江戸っ子風でもなく、「やおいちゃん」と読むらしいです。「矢追ちゃん」じゃないですよ(それだとUFO追っかけちゃいますから)。
 「やおい」というのは、男性の同性愛をテーマにしたマンガ(や小説)のこと。「やおいちゃん」というのは、そういうマンガや小説が好きな女性を意味しているようです。
 おたくの男性と、彼女であるやおい好きの女性(腐女子(=ふじょし)とも言われる)との日常を描いた四コママンガらしいです。
・宙出版>>となりの801ちゃん

 もう一冊はずばりなタイトル。

オンライン書店ビーケーワン:腐女子彼女。・ぺんたぶ著『腐女子彼女。』(2006.12,エンターブレイン,\1,050) 「2コ年上の彼女は、最近ブーム(?)の腐女子だ。しかもただの腐女子じゃない。オタク度も非常にハイレベルな腐だ…。ブログ界で話題騒然、オタク女子と非オタク男子の恋愛ノンフィクション」(オンライン書店bk1の紹介文)

 これはおたくでない男性と、おたくの女性の恋愛をつづったブログを書籍化したもの。

 なんというか、どちらも売れそうなキーワードを組み合わせて、それに合致するネタを探して本にしたような感じだなあ。
 たくさんの紙に、バラバラに「おたくの」「おたくでない」「年上」「年下」「男性」「女性」「妻」「夫」「mixi」「ブログ」「掲示板」「恋愛」「結婚生活」などのキーワードを書いておいて、適当に紙を抜き出して、
 「よし! 『おたくでない』『年下』『男性』と『おたくの』『女性』の『恋愛』『ブログ』を本にしよう!」
 みたいな。
 それで奇抜な組み合わせが出てくれば、それなりに面白いけれど。
 例えば「よし! 『やおい好きの』『夫』と『パソコン自作好き』『妻』の『のほほんとした日々』をつづった『2ちゃんねるのスレッド』を本にしよう!」(そんなのまずない)とかさ。

 しかし、なんだかこういう内容の本が出ることが無性に腹立たしいのは私だけだろうか。
 もし、こういう本が売れて、『となりの801ちゃん』の版元が下の『芸人バイブル』のような本をまた出してくれれば、それはそれでいいのだけれど。

オンライン書店ビーケーワン:芸人バイブル・『芸人バイブル』(2005.4,宙出版,\1,260)
「浅草キッド、キャイ〜ン、よゐこ、ヒロシ、ますだおかだ、カンニング、アンジャッシュ、バナナマン、エレキコミック、田上よしえのインタビューを収録。写真も多数掲載」(オンライン書店bk1の紹介文)

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