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木の葉燃朗の週刊ほんトーク

タイトルどおり、およそ週刊ペースで 本に関するあれこれの情報を紹介しようと思います。基本的には、自分のブログ(木の葉燃朗の「本と音楽の日々」)に 掲載したものの再録ですが、 ブログに載せきれなかった小ネタなども あわせて紹介していきます。
本に張っているリンクは、特に断り書きがなければ、オンライン書店bk1へのリンクです。

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2006年11月

【200611.20-2006.11.26号】2006.11.27掲載 このページの先頭に戻る
■ネコ・パブリッシング、雑誌を紙とwebの両方で販売 (ブログ未掲載)
■本を開いたまま固定できる「ブックストッパー」 (ブログ未掲載)
■訃報:灰谷健次郎氏(作家) (ブログ未掲載)
■訃報:斎藤茂太氏(精神科医・エッセイスト) (ブログ未掲載)
■読書録に載らない本の感想:雑誌『TV Bros.(テレビブロス)』。通巻500号記念号。
■NHK教育『ピタゴラスイッチ』のいちコーナー、「ピタゴラそうち」のDVDブックが出ます。
■吉祥寺の古本と古着の店「IGGY(イギー)」で棚を借りて出品しています
■ 「講談社BOX」、どうなんだろうか?

■ネコ・パブリッシング、雑誌を紙とwebの両方で販売 (ブログ未掲載)

 自動車雑誌を多く出版するネコ・パブリッシングが、紙の雑誌の販売とともに雑誌のデータを有料でダウンロードできる「デジマグ」というサービスを開始しています。

・ネコ・パブリッシング:http://www.neko.co.jp/
・デジマグ
http://dgmag.hobidas.com/

 webの方が、二割引きの価格で販売しているとのこと(無料の会員登録が必要なようです)。データはブラウザ上でFLASHを使用して読むようです。
 辞書とか、ビジュアル中心の雑誌とか、電子書籍化可能なところから徐々に進んでいるようです。

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■本を開いたまま固定できる「ブックストッパー」 (ブログ未掲載)

 私は、例えばパソコンで本の感想を書くときなど、机の引き出しを少し出して、そこに本を挟んでいるのです。

 
 こんな風に(数々の読書感想文はこんな風にして生まれているのだ! 大げさだけれど)。

 でも、本によってはページが見えにくいし、本が傷むし、「いいのかなあ」と思っていました。書見台は安いものを持っているのですが、安定した置き場所がないのと、値段が値段なので上手くページが固定できないので、ほとんど使っていません。
 で、下の「ブックストッパー」を知って、「これはいいかも」と思っています。

ブックストッパー
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 二個購入して、両サイドからページを固定するのがいいらしい。買おうかなあ。

(参考記事) ITmedia Biz_ID:本のページを開いたまま固定するhttp://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0610/19/news087.html

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■訃報:灰谷健次郎氏(作家) (ブログ未掲載)

 作家の灰谷健次郎氏が、11月23日に亡くなられました。享年72歳。
 私は大学時代教育学部にいたので、『兎の眼』は講義の課題図書として読みました。弱い者、子どもの味方、という姿勢を強く感じた。私などは、その姿勢の強さに抵抗を覚えてしまうこともあったのだが、とにかく一貫していた方だったと思う。1997年に、新潮社の『FOCUS(フォーカス)』が神戸の連続児童殺傷事件で逮捕された少年(当時)の顔写真を掲載したことに抗議して、当時新潮社から刊行していたすべての著作の契約を解除したことは強く記憶に残っている(その後、別の出版社から再刊されている)。
 ご冥福をお祈りします。

【参考】

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■訃報:斎藤茂太氏(精神科医・エッセイスト) (ブログ未掲載)

 精神科医でエッセイストの斎藤茂太氏が、11月20日に亡くなられました。享年90歳。ちなみに、斎藤茂吉(歌人・精神科医)の長男で、作家北杜夫氏の実の兄でもあります。
 今年に入ってからも、毎月のように多数の著作が出ていたので(口述筆記など、お話された内容をまとめていたのかもしれませんが)、突然という感じで驚きました。
 以前下記の本を読んだことがありますが、気分の良くなるコミュニケーション(というより、人付き合いかな)の方法が色々と紹介されていて、「ああ、こんな風に生きないとなあ」と思った記憶がある。
 
オンライン書店ビーケーワン:「いい人」が損をしない人生術・斎藤 茂太『「いい人」が損をしない人生術』(2005.6,PHP新書)

 ご冥福をお祈りします。

【参考】

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■読書録に載らない本の感想:雑誌『TV Bros.(テレビブロス)』。通巻500号記念号。

・雑誌『TV Bros.(テレビブロス)』(東京ニュース通信社)

 通巻500号記念号。特集は下記のとおり。
■特訓バカ一代 〜考えるな、信じろ!!〜:格闘家美濃輪育久インタビューや、スポーツ選手の特訓エピソード、漫画や映画の特訓の紹介など。
■テレビ検定ドリル:テレビに関する様々な問題(クイズ)を出題する新コーナー。実際に検定試験を実施する計画もあるそう。問題のレベルは高いです。
■こんな私でよかったらSP :プレゼント
■テレビブロス大復活祭!:過去の連載が今回限り復活。しかもすべて書き下ろし。執筆者は下記のとおり。豪華だわあ。

  • 堀井憲一郎「かぞえりゃほこりのでるTV」
  • 高橋洋二「10点差し上げる」(懐かしいなあ)
  • 泉麻人「コンビニエンス物語」(連載当時はいとうせいこう氏と交互に掲載)
  • えのきどいちろう「テレビあかさたな」
  • 高城剛「でじあな万歳!」
  • とり・みき「遠くへ行きたい」
  • 小田島隆「タコ耳ジャーナル」
  • いであつし「目くそ耳くそを笑う'06」
  • 仲谷暢之「naniwa TV 倶楽部」
  • ペリー荻野「辻斬りテレビ」
  • スチャダラパー「ゴキ足のダンナ」(今回はシンコさん)
  • 岡田斗司夫「オタクの迷い道」
  • 真心ブラザーズ「P.D.C.ノート」(今回は桜井さん。イラストも)
  • 飴屋法水「動物堂日記」
  • PUFFY「パフィーのかきげん」(今回は吉村さん)
  • ピエール瀧の「屁で空中ウクライナ」(ヌーン)
  • ハチミツ二郎「社長日記」
  • 星野スミオ(現:川野将一)「ラヂオブロス」(この方のコラムは、アイドルにファンレターを送るコラムとか、他にもテレビ番組の考察とか、好きだったなあ)
  • 宮脇修一「専務の異常な愛情」(海洋堂の宮脇「専務」。実は今は社長)
  • KEN「KENちゃんのだめんずうぉ〜カマ〜」(元「おかまのKEN with スーパーホモンキーズ」、現「Pink・フラミンゴ」のKENさんのコラム。タイトルはあの漫画のパロディー。本家がドラマ化したんだからこっちもドラマ化、は無理か)
  • 浅草キッド「お笑い男の星座 第三部妄想編」

 半分くらいはリアルタイムで読んでいたなあ。なんだかんだで1990年くらいから中断ありつつ15年以上読んでいます。きっかけは、電気GROOVEが連載していたこと。当時はものすごく電気に影響を受けていたからねえ。
 その後も買い続けたのは、値段の安さとコラムの面白さ。結局今でもぶつぶつ文句を言いつつ、毎号買って読んでいるわけです。
 そしてこの号は、久々に丸ごと保存しておきたい号。

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■NHK教育『ピタゴラスイッチ』のいちコーナー、「ピタゴラそうち」のDVDブックが出ます。

 NHK教育『ピタゴラスイッチ』のいちコーナー、「ピタゴラそうち」のDVDブックが出ます。

ピタゴラ装置DVDブック1
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ポニーキャニオン (2006/12/01)
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 『ピタゴラスイッチ』は、幼稚園・保育園に通う子どもたち向けの番組。CMプランナーを経て、現在は様々なメディアでクリエーターとして活動する佐藤雅彦氏が中心となって手がけている。番組のコンセプトは、NHKのサイトによると下記の通り。

http://www.nhk.or.jp/youho/pitagora.htmlより引用)
 私たちがふだん何気なく暮らしている中には、さまざまな不思議や構造や面白い考え方、法則が隠れています。たとえば、タイヤキ。なぜタイヤキはいつも同じ形にできあがるのか、不思議に思ったことはありませんか?タイヤキがいつも同じ形にできあがる裏には、「型がある」という法則が隠れています。はんこや版画、たくさんの印刷物、さまざまな工業製品…、これらはみんな「型」という法則で成り立っており「型」という考え方を知れば、これらを理解することができます。
 番組では、こうした子どもにとっての「なるほど!」を取り上げていきます。番組を見ることで頭のスイッチが入り、考え方についての考えが育つことをねらいとしています。
(引用終わり)

 私も時々、偶然見る機会があるのですが、結構面白いです。特に「ピタゴラそうち」は、色々な日用品が配置された中をビー球が転がり、ビー球がぶつかることで様々な仕掛けが動く。派手な動きはないけれど、細かな仕掛けが面白い。ドミノ倒しの面白さにも通じるものがある。
 そのピタゴラそうちの画像入りDVDと、解説書がセットになったのが上のDVD。これは、ちょっと欲しい。
 NHKエンタープライズのサイトから、紹介文を引用しておきましょう。

http://www.nhk-ep.com/view/11630.htmlより引用)
「ピタゴラスイッチ」でビー玉やミニカーを使ってさまざまな仕掛けを次々に展開するコーナー「ピタゴラ装置」がDVDブックになりました!
その複雑&意外なしくみと爽快感に、子供だけでなく大人までも魅了されます。あのメカニズムはいかにして作られたのか? 映像DVDと解説本で初めて明らかになります。

<映像特典>
テレビ未放送の「研究室での試作装置の映像」を収録。
ピタゴラ装置は、テレビで収録される前に佐藤研究室で試作されています。今までテレビで放送されたことのない研究室での「試作装置」の映像を公開しています。

<本の内容>
A5判ハードカバー、本文カラー80ページ。
1つの装置につきカラー2ページで、要所要所のメカニズムやそこに秘められたロジックを、制作者自らが解説しています。一瞬の映像ではわからなかったメカニズムも、DVDを繰り返し観て、本と照らしあわせながら「解読」していくと、少しずつその構造が分かってきます。

監修:佐藤雅彦、内野真澄
DVD収録映像:19分
(引用終わり)

【参考URL】

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■吉祥寺の古本と古着の店「IGGY(イギー)」で棚を借りて出品しています

■2006年10月より、吉祥寺の古本と古着の店「IGGY(イギー)」で、棚を借りて出品(物販)を行っています。古本と中古CDがメインです。

(2006.11.21現在:画像をクリックすると拡大表示します)


(2006.11.21現在:画像をクリックすると拡大表示します)

お店の地図は下記のいずれかでご確認ください。

1.古本すうさい堂 > 店舗案内・地図:http://suicidou.fc2web.com//Info/menu.htm

(IGGYは、古本すうさい堂がリニューアルしたお店。古本担当は元すうさい堂のご主人です)
2.Googleマップ > 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-28-3(ジャルダン吉祥寺103号室。1階の路面店です)

主な出品は下記のとおり(2006.11.21現在。店内入ってすぐ右の棚です。月一回くらい商品の入れ替えを行う予定です)。

  • CD:.『レッスル・ディスコ・フィーバー・デラックス』(杉作J太郎・岡元あつこ・春一番他)
  • CD:ゲルニカ『新世紀への運河』
  • CD:細野晴臣『メイキング・オブ・ノンスタンダードミュージック』
  • CD:東京パノラママンボボーイズ『マンボ天国』
  • CD:東京パノラママンボボーイズ『マンボスパイ2』
  • CD:戸川純『昭和享年』(カバー曲集)
  • ちくま文庫解説傑作選(非売品)
  • 雑誌『STUDIO VOICE 1996年4月号』(1996,インファス)
    • 特集:「幻想の80年代」サブカルチャーファイル
  • 雑誌『STUDIO VOICE 1993年6月号』(1993,インファス)
    • 特集:ニュー・テキスト スタジオボイス副読本300冊
  • 雑誌『幻影城 1977年9月号』(1977,幻影城):
    • 山本禾太郎「小笛事件」(長編小説)・泡坂妻夫「藁の猫」(短編小説)・竹本健治「匣の中の失楽」(連載小説・第六回)・横溝正史「続・書かでもの記・11」(連載・自伝)
  • とり・みき『遠くへいきたい1』(1999,河出書房新社)
  • ぼくらはカルチャー探偵団:編『知的新人類のための現代用語集<1>』(1987,角川文庫)
  • ぼくらはカルチャー探偵団:編『知的新人類のための現代用語集<2>』(1987,角川文庫)
  • 串間努・久須美雅士『ザ・飲みモノ大百科』(1998,扶桑社)

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■ 「講談社BOX」、どうなんだろうか?

 講談社から、「講談社BOX」というシリーズが刊行されています。
・講談社BOOKクラブ > 講談社BOX: http://shop.kodansha.jp/bc/kodansha-box/
 上記ページ内の「創刊宣言文」から引用します。

http://shop.kodansha.jp/bc/kodansha-box/sengen.htmlより引用)

 輝く“銀の箱”という、かつてない斬新なパッケージ。そこに入っているのは、日本のポップカルチャーのインデックスともいうべき、小説・まんが・ノンフィクションが渾然一体となった「ハイブリッド・レーベル」。それが“講談社BOX”です。講談社BOXは、世界市場で同時展開する“世界最強の出版レーベル”を目指してスタートします。
(引用終わり)

 この宣言文はまだ続くのですが、とりあえずこれを読んで、まあそれはそれはすごい叢書が始まるのだろうなと思った。
 で、書店で現物を見てみました。
 まず、「輝く“銀の箱”」というのは、銀色の紙の箱です。背表紙の部分から中の本が抜き出せる一般的な書籍用の箱。私は、アルミ製のケースかと想像していましたので、「あれ? そういうことなのね」と思った。言葉は悪いですが、正直な印象を書くとちょっと肩透かしでした。そして、中はソフトカバーの単行本です。
 作品の傾向を示す「ハイブリッド・レーベル」というのは、創刊ラインナップに安達哲『さくらの唄』というマンガ作品が入っていることからも、これまでのジャンル分けとは違う枠での叢書ということのようですね。現時点では、「最近の講談社ノベルスとその周辺ジャンル」という印象です。
 既存の価値観をいったん取っ払って、独自の価値観のもと収録作品を選ぶ、というのは、面白い試みだと思う。ただ残念なことに、個人的には現時点で刊行が決まっている作品には魅力を感じない。また、編集サイドになんとなく力が入りすぎている感じがする。例えば、「創刊宣言文」からもう少し引用します。

http://shop.kodansha.jp/bc/kodansha-box/sengen.htmlより引用)
日本の出版界の“作り手”、そして“送り手”が対峙すべき“受け手”は、もはや日本人のみに限定されることはないのです。しかし、日本の出版界は未だに日本という重力に囚われてしまっている。その思い込みこそが、日本の出版界を衰退させている悪であると言いきりたい。
(引用終わり)

 「創刊宣言文」だからこのくらいの表現はあってもいいのかもしれないが、それなら既存作品を英訳して海外に送り出すことから始めたらいいのではなかろうかと思ってしまう。せっかく講談社インターナショナルという関連会社もあることだし。
 それとも、魅力的な作品であれば、それを読むために日本語を勉強する外国人が増えて、海外でも日本語の本が販売できる、という考えなのだろうか。上で引用した部分の次に、「一年後、講談社BOXのラインナップが50点、100点と重なっていったとき、世界の出版界と手を組んで、そのラインナップを世界の“受け手”に同時に届けていきます」と書いてあるところを見ると、そういう考えなのだろう。
 とりあえず、試みそのものは興味深いので、毎月のラインナップはチェックしたいと思っています。読むかどうかは作品次第ですが、現時点では「んー」という感じ。

オンライン書店ビーケーワン:さくらの唄 上・安達 哲著『さくらの唄 上』(2006.11,講談社)
「市ノ瀬利彦は学校のマドンナ・真理と親しくなる。未来に淡い希望を抱く利彦。1990年代青春漫画の金字塔、装いも新たに復活」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:SPEEDBOY!・舞城 王太郎著『SPEEDBOY!』(2006.11,講談社)
「「孤独だからいいんだ。孤独だからこそ速くなれる」 友人、家族、世界、愛−。すべてを置き去りにして、鬣(たてがみ)の生えた少年スプリンター・成雄はスピードの果てを追う! 『群像』掲載に修筆・訂正を加えて単行本化」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:化物語 上・西尾 維新著『化物語 上』(2006.11,講談社)
「阿良々木暦を目がけて空から降ってきた女の子・戦場ケ原ひたぎには、およそ体重と呼べるようなものが、全くと言っていいほど、なかった−!? 『小説現代増刊メフィスト』掲載の3作に加筆訂正・改題のうえ単行本化」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:成功学キャラ教授・清涼院 流水著『成功学キャラ教授』(2006.11,講談社)
「全10講から成るキャラ教授の“絶対成功法”を実践すれば、人生は必ずうまくいく! 世界一カンタンかつ実用的な成功学を伝授する。『ファウスト』連載に加筆修正し、新たに書き下ろしを加えて単行本化」(オンライン書店bk1の紹介文)

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【2006.11.1-2006.11.5号】・【2006.11.6-2006.11.12号】・【2006-11.13-2006.11.19号】
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■チョコレートと漫画のセット(ブログ未掲載)
■またひとつ、電子書籍と本の組み合わせ(ブログ未掲載)
■コクヨから、「ヒラメキ・ノート」発売(ブログ未掲載)
■来年の手帳を決めていない人へ、『適当手帳』を適当にお勧め
■漫画家滝田ゆう氏をめぐる本
■「ビックリマン」の関連本・DVD
■『イミダス』・『知恵蔵』・『現代用語の基礎知識』の時期です
■メガネ・スーツと来て、今度はヒゲ
■第一回ポプラ社小説大賞受賞作がかわいそうなのは、賞金のアピールが逆効果に出たことではないか

■チョコレートと漫画のセット(ブログ未掲載)

 グリコが発売している「メンタルバランスチョコレートGABA」、私も時々食べているのですが、この度小学館の『ビッグコミック四誌(ビッグコミック、ビッグコミックオリジナル、ビッグコミックスペリオール、ビッグコミックスピリッツ)とのコラボレーション作品が発売されました。その名も『メンタルバランスチョコレートGABA<コミック付き>』(そのまんまだけれど)。

・江崎グリコ > ニュースリリース:http://www.ezaki-glico.com/release/20061101/index.html
・メンタルバランスチョコレートGABA:http://www.ezaki-glico.net/gaba/index.html

 開けるまで漫画の中身が分からないとか、実はシークレットがあるとか、そういうことはなく、過去に『ビッグコミック四誌』に掲載された作品からセレクトして収録した冊子がついてくる。『元気が湧き出るコミック(ミルク味チョコとセット)』と、『勇気が湧き出るコミック(ビター味チョコ)』の二種類。
 ちなみに、下記十作品からそれぞれ一話ずつが、各冊子に収録されているようです。

オンライン書店ビーケーワン:ゴルゴ13(SPコミックス)・さいとうたかを著『ゴルゴ13(SPコミックス)』(リイド社)

オンライン書店ビーケーワン:総務部総務課山口六平太(ビッグコミックス)・林律雄作『総務部総務課山口六平太(ビッグコミックス)』(小学館)

オンライン書店ビーケーワン:C級さらりーまん講座(ビッグコミックススペシャル)・山科けいすけ著『C級さらりーまん講座(ビッグコミックススペシャル)』(小学館)

オンライン書店ビーケーワン:釣りバカ日誌(ビッグコミックス)・やまさき十三 作『釣りバカ日誌(ビッグコミックス)』(小学館)

オンライン書店ビーケーワン:特選三丁目の夕日・12か月  1-3月・西岸良平著『特選三丁目の夕日・12か月 1-3月』(小学館)
オンライン書店ビーケーワン:特選三丁目の夕日・12か月  4-6月・西岸良平著『特選三丁目の夕日・12か月 4-6月』(小学館)
オンライン書店ビーケーワン:特選三丁目の夕日・12か月  7-9月・西岸良平著『特選三丁目の夕日・12か月 7-9月』(小学館)
オンライン書店ビーケーワン:特選三丁目の夕日12か月  10-12月・西岸良 著『特選三丁目の夕日12か月 10-12月』(小学館)

オンライン書店ビーケーワン:あじさいの唄(ビックコミックススペシャル)・森 栗丸『あじさいの唄(ビックコミックススペシャル)』(小学館)

オンライン書店ビーケーワン:県庁の星(ビッグコミックス)・桂望実・今谷鉄柱『県庁の星(ビッグコミックス)』(小学館)

オンライン書店ビーケーワン:団地ともお(ビッグコミックス)・小田扉『団地ともお(ビッグコミックス)』(小学館)

オンライン書店ビーケーワン:バンビ-ノ!(ビッグコミックス)・せきやてつじ『バンビ-ノ!(ビッグコミックス)』(小学館)

オンライン書店ビーケーワン:気まぐれコンセプト・ホイチョイ・プロダクション著『気まぐれコンセプト』(小学館)

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■またひとつ、電子書籍と本の組み合わせ(ブログ未掲載)

 スターティア株式会社が、「ウェブ書籍サービスシステム」というサービスを開始しています。これは、webに対応した書籍を購入すると、ネット上で同じ本の電子書籍を見ることができる、というもの。
 現在は、中経出版の『合格クラブ’07』が発売されています。これは、書店で入会費用を払うと、『センター試験面白いほど』シリーズの電子書籍が読み放題になるサービス。だから、今回は書籍と電子書籍が直接連動しているわけではありません。ただ、全部本で買うと、一冊1,050円〜1,155円で全18冊ですから、電子書籍の方がお買い得。
 それに、学習参考書や辞書は、電子書籍との相性もよさそうですよね。

・オンライン書店bk1 > 中経出版『センター試験面白いほど』シリーズ
・スターティア株式会社 > 『ウェブ書籍サービスシステム』:http://ebook.digitalink.ne.jp/new/061004/
・Japan_internet_com記事:http://japan.internet.com/busnews/20061004/3.html

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■コクヨから、「ヒラメキ・ノート」発売(ブログ未掲載)

 コクヨから、「ヒラメキ・ノート」という”本”が発売されています。
 本にはテーマごとの知識を掲載しており、QRコードに対応した携帯電話があると、本に載っているQRコードからテーマに関連するゲームやクイズに挑戦することができる。
 以前書店でサンプル版をもらっているのですが(それは「花火」がテーマの小冊子)、まずテーマについての説明のページがあり、その後その知識を確認するクイズがある、という構成でした。
 多分製品版は、知識の確認部分が携帯電話でのゲームやクイズになっているのだと思う。
 私のPHSはQRコードには対応していないのですが、このシリーズ自体はちょっと気になります。

オンライン書店ビーケーワン:ヒラメキ◆ノート 01・『ヒラメキ◆ノート 01』(2006.10,コクヨ株式会社RDIセンターThink Engine事業開発部)
オンライン書店ビーケーワン:ヒラメキ◆ノート 02・『ヒラメキ◆ノート 02』(2006.11,コクヨ株式会社RDIセンターThink Engine事業開発部)

・コクヨ > ニュースリリース:http://www.kokuyo.co.jp/press/news/20060925-612.html
・ITmedia Biz_ID 記事:http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0609/25/news082.html

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■来年の手帳を決めていない人へ、『適当手帳』を適当にお勧め

 来年の手帳を決めていない人へ、これ買っときゃいいよこれ買っときゃ(適当)。
 帯についているコメントは、「使わなくてもいいよ。買ってさえくれれば」
 て、適当だー。
 ただ、一応新書サイズで、週間スケジュールもついた普通の手帳なので、使い勝手は悪くなさそう。

適当手帳
適当手帳
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高田純次
ソフトバンククリエイティブ
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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797337648/garakuta07-22/ref=nosim/より引用)

出版社 / 著者からの内容紹介
この1年で愛されるテキトーさが身につく!
あの高田純次監修による手帳が誕生! スケジュールには365日すべてに彼の格言つき。早口言葉や語学講座など多彩な「純次的脳トレーニング」も50以上収録。アドレス帳や路線図といった手帳必須のコンテンツもすべて純次的。これで確実にテキトーになれる!

出版社からのコメント
カレンダー、スケジュール、アドレス帳、換算表、路線図などなどスタンダードな内容の手帳です。が、しかし、そこはもちろん高田純次。スケジュール部分には365日すべてに彼の格言つき、その他の項目にも「脱力の味つけ」がきめ細やかに施されます。また、「純次的脳トレーニング」として、早口言葉や語学講座、グラフィック問題なども50以上収録。ここにも「至極のくだらなさ」が満載です。読み物としても十分楽しめるこの一冊。来年の手帳はこれで決まり!

(引用終わり)

 高田純次さんの、あのぐるぐる回るダンスの仕方は載っていないようです。
 あと、一緒に下の本も買っときゃいいよ買っときゃ(またも適当)。

オンライン書店ビーケーワン:適当論・高田 純次著『適当論』(2006.3,ソフトバンククリエイティブ)
「発言の「適当さ」「無責任さ」が魅力となり、ファンの多い高田純次。どうすれば「適当」でも愛されるのか? 彼の発言や半生から、その思考をトレースし、適当かつ楽しく生きる方法を学ぶ。精神科医・和田秀樹氏の分析も収録」(オンライン書店bk1の紹介文)

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■漫画家滝田ゆう氏をめぐる本

 偶然、という感じで(17回忌、ということもあるようですが)、滝田ゆう氏をテーマにした本が、別々の出版社から刊行されています。
 私は滝田氏の漫画は、ちくま文庫版の『寺島町奇譚』他数冊を読んだ程度なのですが、やはり印象深い。
 未読の作品も含めて、読んでみようかなあ。

オンライン書店ビーケーワン:ぬけられますか・校条 剛著『ぬけられますか』(2006.10,河出書房新社)
「酒と歌謡曲をこよなく愛し、下町情緒や路地裏人情を描いて天下一品と評されつつ、その真の本質はセンチメンタルを拒絶するところにあった−。「線と影の漫画家」滝田ゆうと、編集者として交流してきた著者が描く評伝」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:滝田ゆう奇譚・深谷 考著『滝田ゆう奇譚』(2006.10,青弓社)
「戦前から戦中の東京・下町の人々や情景を描いた「寺島町奇譚」。戦争の影におおわれながらも「遊び」に生きる少年キヨシの目に、大人たちは、世界はどう映ったのか。「親と子」「家族」という滝田ゆう固有のテーマを解読する」(オンライン書店bk1の紹介文)

 出版社のサイトから目次を引用します。

http://www.seikyusha.co.jp/books/ISBN4-7872-9180-7.html より引用)

定本『寺島町奇譚』目次と「ガロ」他雑誌掲載順
T 黄金時代
 1 顔
 2 土地・風景
 3 大楠
 4 「蛍の光」
 5 黄金時代
U おふくろの死
 6 おふくろの死1
 7 おふくろの死2
 8 「ガロ」
 9 ブラックユーモアとしての「死」
V 母と子
 10 母と子1――殴る・殴られる
 11 母と子2――“ゴケさん”
 12 母と子3――ある屈託
 13 母と子4――「零れ灯の町」
 14 文学作品のなかの「母と子」・「父と子」
 15 向田邦子と滝田ゆう
W ベーゴマ
 16 旧「寺島町」を歩く
 17 げんまいパン
 18 ベーゴマ
 19 銭湯
 20 物干し台とエジソンバンド
 21 下駄とネコ
 22 オノマトペ
X 夕焼け
 23 時代1
 24 時代2
 25 時代3
 26 映画
 27 流行歌
 28 赤いノスタルジー
一九九〇年の四人の死――あとがきにかえて
参考図書

(引用終わり)

 入手可能な滝田氏の主な作品も紹介しておきますね。

オンライン書店ビーケーワン:昭和ながれ唄・滝田 ゆう著『昭和ながれ唄』(2002.12,学研)
「「玉の井」で育った著者の原風景をもとに、今は薄れゆく昭和の戦前・戦後の下町風俗、人間模様を独特な視点で綴る。昭和58年旺文社刊「昭和ながれ唄」と昭和53年PHP研究所刊「昭和ベエゴマ奇譚」をまとめる」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:滝田ゆう落語劇場・滝田 ゆう著『滝田ゆう落語劇場』(1988,ちくま文庫)

オンライン書店ビーケーワン:寺島町奇譚・滝田 ゆう著『寺島町奇譚』(1988.3,ちくま文庫) 

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■「ビックリマン」の関連本・DVD

 「ビックリマン」って、実は背景のストーリーが結構壮大なようです。私も、小学生の頃にシールは集めていたし、アニメも見ていた。でも、それも初期であって、後はいわゆる「ビックリマンは卒業した」状態になっていた。
 だから、シリーズが連綿と続いているというのは、意外でした。下のガイドブック、ちょっと気になる。

オンライン書店ビーケーワン:ビックリマン大教典・ビックリマン博士総監修『ビックリマン大教典』(2006.11,小学館)
「「悪魔vs天使」とは何だったのか? 1985年の第1弾〜第31弾の全シール、21年の時を経て発売された「ひかり伝」シリーズの世界をつなぐ、謎の一大叙事詩を読み解く公式ガイド。DVD付属」(オンライン書店bk1の紹介文)

 なお、シールを紹介する本も、下記の通り出ています。

オンライン書店ビーケーワン:ビックリマンシール完全大百科・ビックリマンプロジェクト監修『ビックリマンシール完全大百科』(2002.11,小学館)
「「ビックリマン」「スーパービックリマン」「ビックリマン2000」、ビックリマンの全シール2000枚以上を完全収録した大百科。幻のロッテオリオンズシールも収録。2000年刊の増補版」(オンライン書店bk1の紹介文)

 それから、外伝的作品として『コロコロコミック』に連載されていた『スーパービックリマン』も、復刊されています。

オンライン書店ビーケーワン:スーパービックリマン 上・おち よしひこ漫画 / 窪内 裕脚本『スーパービックリマン 上』(2006.1,ブッキング)
オンライン書店ビーケーワン:スーパービックリマン 下・おち よしひこ漫画 / 窪内 裕脚本『スーパービックリマン 下』(2006.1,ブッキング)

 DVDも発売されています。でも、私は一番最初の『ビックリマン』しか見た記憶がないなあ。むう、奥が深い。

ビックリマン「ヘッドロココの章」compact
東映 (2005/12/09)
売り上げランキング: 2,426

ビックリマン コンプリートDVD VOL.2 「ヤマト爆神の章」
東映 (2005/08/05)
売り上げランキング: 4,762

新ビックリマン コンプリートDVD VOL.1 「ピア・マルコの章」
東映 (2005/12/09)
売り上げランキング: 1,647

スーパービックリマン
スーパービックリマン
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東映 (2006/08/04)


・ビックリマンオフィシャルホームページ:http://bikkuri-man.mediagalaxy.ne.jp/

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■『イミダス』・『知恵蔵』・『現代用語の基礎知識』の時期です

 この時期になると、『imidas(イミダス)』、『知恵蔵』、『現代用語の基礎知識』という、事典が発売されますね。

 最近はインターネットで調べればなんでも分かるという考えが広まっていますが、これはある点では正しいけれどある点では錯覚だと思います。少なくとも、「誰が、どういう責任で書いたものか」がはっきりしないと、どの程度信用していいのか分からない。
 そういう意味では、やはりこの三冊は、それなりの信頼をおけると思います(絶対に記述に誤りがない、とは断言できないけれど)。
 高校や大学の頃に、レポートの下調べのために、よく図書館で読んだなあ。特に、語句の意味だけではなくて、テーマごとに解説したページなどは、参考になりました。

 あと、『現代用語の基礎知識』だけ、版形がひと回り小さいのね。『現代用語の基礎知識』がA5版で、残り二冊はB5版。全部同じサイズだったという記憶があったので、書店で現物を見たら意外だった。
 そうなると、「『現代用語の基礎知識』、コンパクトでいいかも」と思ってしまう。内容の違いが、ぱっと見では明確には分からないだけに(調べればそれぞれ特色があることが分かるのですが)、こういう点が売り上げなどに影響することもあるのかもしれない。

オンライン書店ビーケーワン:イミダス 2007・『imidas(イミダス) 2007』(2007.1,集英社)
「あらゆる分野の最先端を総合的に展望し、引く、読む、見るの3大機能で知の現在をとらえる。事項は経済・産業、各国情勢・国際関係・日本政治、社会生活・健康、テクノロジー・サイエンスなどのジャンル別に収録」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:知恵蔵 2007・『知恵蔵 2007』(2007.1,朝日新聞社)
「国際関係、政治、社会、経済・産業、サイエンス・テクノロジー、文化・芸術、生活、スポーツの8ジャンルの現状を解説。巻頭に総索引を付したほか、ネット株のミニ事典ほかを特集」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:現代用語の基礎知識 2007・『現代用語の基礎知識 2007』(2007.1,自由国民社)
「国際情勢、各国事情、政治と法律、経済、経営、産業、情報とメディア、技術、科学、医療と健康、社会問題、くらし、趣味とホビー、文化、流行とことば、スポーツのジャンルについて用語を解説する。カタカナ・略語辞典も収載」(オンライン書店bk1の紹介文) 

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■メガネ・スーツと来て、今度はヒゲ

オンライン書店ビーケーワン:メガネ男子・ハイブライト編『メガネ男子』(2005.9,アスペクト)
「「メガネがあれば男前3割増」「メガネがなきゃダメなの」 そんな全国のメガネ男子好き女性に贈るビジュアル満載、初のメガネ男子本。総勢120名掲載のメガネ男子名鑑、ナイスメガネ男子インタビューなどを収録」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:スーツ男子・タイムマシンラボ編『スーツ男子』(2006.6,アスペクト)
「映画・ドラマ・音楽・お笑い・マンガ・スポーツの世界にあふれるスーツ男子総勢126名を掲載! 要潤、保阪尚希、藤村俊二など、ナイススーツ男子インタビューも収録。「メガネ男子」に続くシリーズ第2弾」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:ヒゲMEN・ケイ・ライターズクラブ編『ヒゲMEN We love"Hige"』(2006.10,双葉社)
「映画・ドラマ・音楽・スポーツ・お笑い・マンガの世界からヒゲメン大集合。ヒゲメン名鑑、渋ヒゲの世界、ヒゲ萌え女子たちの座談会など、「ヒゲネタ」盛りだくさん」(オンライン書店bk1の紹介文)

 今度はなんだろう。ちょっと考えてみました。

・ボウズ頭・腕まくり・足組み・車の運転・居眠り・電話に出るポーズ・コーヒーを飲むポーズ

 ……しょうもないのばっかりだ。女性から見た、男性のぐっとくる部分って、難しいね。
 あ、それが分からないからアピールもできなくて、モテないんだ、俺。あっはっは。

 ……か、かなしい。

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第一回ポプラ社小説大賞受賞作がかわいそうなのは、賞金のアピールが逆効果に出たことではないか

 少し前の話ですが、「第一回ポプラ社小説大賞」の受賞作が決まっていますね。
 大賞に方波見大志『削除ボーイズ0326』、優秀賞に真田コジマ『アンクレット・タワー』、長谷川安宅『ミツメテイタイ』が選ばれています。
 ただ、例えば『削除ボーイズ0326』のAmazon.co.jpのレビューや、読んだ方の個人ブログなどを読む限りでは、作品の評判は賛否相半ばという感じのようです。私は未読なんですけれどね。

 ここでは、今回の受賞作の宣伝方法について考えたいと思います。というのも、私がこれらの小説を知ったのは、新聞広告に「賞金2000万円」(大賞)、「賞金500万円」(優秀賞)という文字とともに掲載されたことでした。
 その後、ブックファースト渋谷店の店外向けディスプレイにも、やはり同じように賞金は掲載されていました。
 これは、宣伝方法としては諸刃の剣じゃないかと思う。
 たしかに、「2000万円の賞金に値する作品です!」という意味が込められていれば、読む方も、「おっ、じゃあ読んでみようか」と思うだろう。それに、単純に「賞金2000万円」という表現にはインパクトがあり、目を引きます。
 ただ、逆に作品への期待が過剰に大きくなる可能性もあり、標準的な出来であっても、「2000万円を獲得したわりには」と思われかねない。また、やっかみも受けるのではないかと思います。「2000万円もらったんだから、本を買って印税まであげる必要はない」とかね。

 個人的には、お金の話はあまり派手に宣伝に使わない方がよかったのではと思う。例えば、野球でルーキーが試合に出場する時、アナウンスや電光掲示板で繰り返し「推定契約金1億円」などとは紹介されないし(「7番、レフト、ほにゃ山、推定契約金1億円」なんて言わないですよね)、芸能人がテレビに出演した時に、字幕で「ほにゃ山はにゃ男(32歳・年収1800万円)」などとも出ない。それと同じです。時々スポーツで移籍金が高額なのが話題になるけれど、あれも比較的ネガティブな要素として捉えられると思う。

 『削除ボーイズ0326』は、3分26秒だけ時間を削除できる話のようですが、この小説の宣伝に「賞金2000万円」というのを大々的に使うことを出版社が決めた3分26秒を削除していたら、この小説の評判もまた違ったものになっていたのかもしれませんね(全然うまくまとまっていない)。

オンライン書店ビーケーワン:削除ボーイズ0326・方波見 大志著『削除ボーイズ0326』(2006.10,ポプラ社)
「直都が手に入れたのは、出来事を「削除」できる装置だった。削除したいのは深爪の傷、息苦しい現実、それとも忘れられない過ち? 生命力に満ちた人物造形と疾走感あふれる筆致が織りなすリアル・エンターテインメント」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:ミツメテイタイ・長谷川 安宅著『ミツメテイタイ』(2006.10,ポプラ社)
「幼い頃の悲しい記憶と向き合い、その過去を受け容れたとき、トキワの目の前にタイの青い空が広がった。みっともない自分を引き受けて生きていこう−。深い喪失の果てに辿りついた確かな再生を描いた物語」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:アンクレット・タワー・真田 コジマ著『アンクレット・タワー』(2006.10,ポプラ社)
「何の接点もない3組の男女が、孤独を抱えたひとりの少女の突飛な行動に心動かされ、それぞれの相手との関係を見つめなおしていく2日間を描くアンサンブルストーリー」(オンライン書店bk1の紹介文)

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