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木の葉燃朗の週刊ほんトーク

いきなり始まったこのコーナー。 タイトルどおり、およそ週刊ペースで 本に関するあれこれの情報を紹介しようと思います。基本的には、自分のブログ(木の葉燃朗の「本とデジタルと俺の日常と」)に 掲載したものの再録ですが、 ブログに載せきれなかった小ネタなども あわせて紹介していきます。
本に張っているリンクは、特に断り書きがなければ、オンライン書店bk1へのリンクです。

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2006年8月

【2006.08.21-2006.08.27号】 2006.08.28掲載

■映画「笑う大天使(ミカエル)」の予告編動画(原作との比較)(ブログ未掲載)
■都立多摩図書館を雑誌専門図書館に変更する計画(ブログ未掲載)
■本の付録が電子書籍(ブログ未掲載)
■第二回「Yahoo! JAPAN文学賞」、作品募集中 (ブログ未掲載)
■本をスキャナに取り込んで読んでみると(ブログ未掲載)
■神保町のロシア語専門書店「ナウカ書店」が破産(ブログ未掲載)
■恵比寿の戸川書店について


■映画「笑う大天使(ミカエル)」の予告編動画(原作との比較)

 映画、「笑う大天使」の予告編動画が公開されています。

・BIGLOBEストリーム>アニメ>映画「笑う大天使(ミカエル)」大研究!
http://broadband.biglobe.ne.jp/program/index_michael.html

 原作との比較(川原先生の絵にBGMをつけています)や、出演者インタビューなど。
 映画は、関東地方での公開は終わりつつありますが、これから全国で順次公開となりますので、興味のある方は映画を見る前にどうぞ。

・映画「笑う大天使」公式サイト http://www.michael-movie.com/
映画『笑う大天使』


 なお、インターネットでの感想は賛否両論で、否が多いようです。個人的にはいい映画だと思うけれど、人によって捉え方が違うかもしれない。私なんかは主演の三人の始めとした女優さんの魅力で、半分くらいは肯定してしまえるのですが、川原先生のファンの方の中には、思い入れが強くて、映画に対して「それは違う!」と思う人もいるかもしれません。でも、個人的にはもう一回見たいと思うくらいの映画ではあります。

・原作
オンライン書店ビーケーワン:笑う大天使(ミカエル) 第1巻・川原 泉著『笑う大天使(ミカエル) 第1巻』(1996.9,白泉社文庫)
オンライン書店ビーケーワン:笑う大天使(ミカエル) 第2巻・川原 泉著『笑う大天使(ミカエル) 第2巻』(1996.9,白泉社文庫)

・フォトブック
オンライン書店ビーケーワン:映画笑う大天使(ミカエル)オフィシャルフォトブック・『映画笑う大天使(ミカエル)オフィシャルフォトブック』(2006.7,白泉社)
「聖ミカエル学園で繰り広げられる映画「笑う大天使(ミカエル)」のフォトブック。撮影中の秘蔵フォト、インタビュー、フィルムストーリー、制作レポートなど、映画の魅力が満載」(オンライン書店bk1の紹介文)

・サントラ

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METALCHICKS
インディペンデントレーベル (2006/07/21)

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■都立多摩図書館を雑誌専門図書館に変更する計画

 都立多摩図書館を雑誌専門図書館「東京マガジンバンク(仮称)」に変更する計画が進んでいるとのこと。

・東京都教育委員会>都立図書館改革の具体的方策について
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/pr060824a.htm
・東京都立図書館>都立多摩図書館 
http://www.library.metro.tokyo.jp/14/index.html

・asahi.com 記事 
http://www.asahi.com/life/update/0824/018.html


 一般雑誌から学術雑誌まで、廃刊したものを含め約16,000誌を収集し、「大宅壮一文庫」を上回ることを目指すとのこと。周囲の市町村立図書館の充実により、利用者が減っており、特色を打ち出そう、ということらしい。

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■本の付録が電子書籍

 電子書籍作成ソフトを販売するスターティアが、書籍の販売促進に、電子書籍を利用するシステム「ウェブ書籍サービスシステム(仮称)」を開発すると発表した、とのこと。12月から出版社へ販売予定。

・nikkeibp記事 http://www.nikkeibp.co.jp/news/it06q3/507872/
・スターティア>プレスリリース(pdfファイル)
http://www.c-direct.ne.jp/japanese/uj/pdf/10103393/00048688.pdf

 本を購入すると、付録として、Webサイト上で同じ内容の電子書籍にアクセスできるらしい。本の中身の検索や、音声・動画なども可能になるとのこと(上記nikkeibp記事引用)。
 これは、今音楽CDなどでもされているサービスなので(CDを買うと、webサイトから特別な曲がダウンロードできる、など)、本でも普及する可能性はあると思います。

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■第二回「Yahoo! JAPAN文学賞」、作品募集中

 第二回「Yahoo! JAPAN文学賞」が、作品を募集中です(http://bungakushou.yahoo.co.jp/)。Yahoo! JAPAN ID(無料)を取得し、上記のリンク先のページからのみ応募が可能とのこと。テーマは 「メール」で、規定文字数は6,000字程度〜8,000字まで。締め切りは2006年10月3日(火) 24:00。Yahoo! JAPAN賞は、選考委員会が一次選考を行い、一般投票による最終選考で決定とのこと。また選考委員特別賞は、作家阿部和重氏により選出さえるとのこと。
 アイデアのある方は応募してみては?

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■本をスキャナに取り込んで読んでみると

 電子ブックについて、「今書店に並んでいる新刊を電子化する」ことを試みたコラムがあります。

・impress PC WATCH>山田祥平のRe:config.sys「グーテンベルクの願い、アルダスの夢」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0714/config114.htm

 本を裁断サービスを利用して1ページごとに切り取り、それをスキャナで取り込み、pdfやjpgにして読んでみた結果を書いている。携帯電話や小型のPDAだと読みづらいようですが、パソコンのモニタは(ノートもデスクトップも)快適なようです。
 それから、このコラムでも登場しているが、富士通のスキャナScanSnap(スキャンスナップ)が紙をPDF化するのに便利らしい。これも気になる。


 百式の田口元氏や、アリエル・ネットワーク(株)の徳力基彦氏なども、このスキャナについて書かれています(下記参照)。
・idea*idea(田口氏個人ブログ)>July 27,2005
http://www.ideaxidea.com/archives/2005/07/post_27.html
・IT media Biz ID(徳力氏記事)
http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0608/08/news063.html

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■神保町のロシア語専門書店「ナウカ書店」が破産

 神保町のロシア語専門書店「ナウカ書店」が、7月6日に破産手続開始決定を受けたとのこと。現在、店は営業継続の許可を受け、7月15日に営業再開。8月いっぱい、在庫品に限り販売を行うとのこと。

・ナウカ書店 (画面下から、書籍の通信販売、店舗案内のページへリンクされています)
http://www.nauka.co.jp/
・Yahoo! ニュース(毎日新聞)記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060822-00000016-maip-soci

 こういった、特殊だけれど必要な存在である書店(ニュースでも、「本は手にとって見て買わなければだめだ」、「研究者にとって一種のサロンだった」という客の声が書かれている)をどうやって続けていくかというのは、すごく難しい問題だけれど、考えないといけないだろう。

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■恵比寿の戸川書店について
 この間恵比寿に行った際、駅前にあった戸川書店の写真を撮ってきました。PHSのカメラで遠目から撮ったので、かなりぼやけてしまいましたが。

恵比寿に行った際、駅前にあった戸川書店の写真を撮ってきました

 私はこのお店、恵比寿に行くと立ち寄る古本屋さんだったのですが、実は店の外壁に下げられた「メッセージ」で有名だったんですね。
 上の写真も、分かりにくいのですが、

「ありがとうございました
この場所から移ります
古本屋はずっと続けます」


 と書かれています。
 このメッセージで分かるように、今年に入ってから目録とインターネット専門店になるため、同じ恵比寿に事務所を構え、お店は閉店しています。
 メッセージについて、またお店については、下の読売新聞の記事に書かれています。
・読売新聞 記事 http://job.yomiuri.co.jp/news/jo_ne_06071015.cfm

 また、お店のホームページは下記の通り開始しています。メッセージもトップページで続けられるようです。
・戸川書店 http://www.ebisunofuruhonya.ecnet.jp/index.html

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【2006.08.14-2006.08.20号】 2006.08.24掲載

■西荻窪のブックカフェ「ハートランド」にて、北尾トロ氏が期間限定で古本カフェ「ランブリン・ブックス2006」をオープン
■nikkeibpのサイトにて「コンサルタント、ITアナリストがお薦めする夏休み読書特集」(ブログ未掲載)
■ブックフェア「四六判宣言」
■上野の鈴本演芸場の隣に、TSUTAYAがオープン
■ヴィレッジヴァンガードのPOP用紙型のメモ帳
■正しい日本語も一緒に学べるタイピングソフト「たたいて気づく『問題な日本語』」
■『のだめカンタービレ』TVドラマ&アニメ化決定
■お、『ドラえもん』の「くうき砲」のおもちゃが発売中
■豆腐業界のふたりの風雲児の本
■気になるゲーム:ニンテンドーDS「こどものための読み聞かせ えほんであそぼう」
■「大人のぬり絵」用の色鉛筆セット、なるほど。次のアイデアは本と色鉛筆のセットだな、きっと。


■西荻窪のブックカフェ「ハートランド」にて、北尾トロ氏が期間限定で古本カフェ「ランブリン・ブックス2006」をオープン

 西荻窪のブックカフェ「ハートランド」にて、北尾トロ氏が期間限定でオープンする古本カフェ「ランブリン・ブックス2006」が営業中です。8月29日(火)まで。詳しい案内は下記をどうぞ。

・北尾トロ氏ブログ「オンライン古本屋の日常」>営業案内-ランブリンブックス- http://kitaodo.exblog.jp/4350598/
=== 上記より一部引用 ===
期間 8月19日(土)〜29日(火)
営業時間 土日 12:00-22:00
     平日 15:00-22:00
場所 ブック&カフェ「ハートランド」を借り切って行います。
   杉並区西荻北3-12-10 1F
   03-5310-2520
   地図あり http://www.heartland-books.com/

メニュー ソフトドリンク各種、ケーキ、ビール、ワイン
    週末のみ食事あり

=== 引用終わり ===

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■nikkeibpのサイトにて「コンサルタント、ITアナリストがお薦めする夏休み読書特集」

 経営コンサルタント鈴木貴博氏・高橋透氏、ITアナリスト内山悟志氏の推薦による本の紹介特集が掲載されています。

・nikkeibp>コンサルタント、ITアナリストがお薦めする夏休み読書特集 http://premium.nikkeibp.co.jp/itm/spe/14/

 ビジネス関係の本が中心なので、人によっては「関係ない」と思うかもしれないが、興味深い本も多く紹介されています。下記の本などは、ちょっと読んでみたい。

オンライン書店ビーケーワン:アホでマヌケなプログラミング・Lepton著『アホでマヌケなプログラミング』(2003.10,翔泳社)
「プログラマという人種、これがプログラミング、会社とお客様、私の「コンピュータ」履歴書など、Webサイト「闘わないプログラマ」に掲載したプログラマに関する文章を大幅に加筆・修正して書籍化」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:ポール・スローンのウミガメのスープ・ポール・スローン著 / デス・マクヘール著 / クリストファー・ルイス訳『ポール・スローンのウミガメのスープ』(2004.10,エクスナレッジ)
「ウミガメのスープを食べた男は、なぜ自殺した? 4万ドルもの価値ある本を彼が破って捨てたのはなぜ? 水平思考を鍛える知的ゲーム、ヒラメキと驚きの81問を紹介する」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:オマケつき!マーケティング・セス・ゴーディン著 / 沢崎 冬日訳『オマケつき!マーケティング』(2005.7,ダイヤモンド社)
「誰だって、自分の製品・サービスを「常識破り」なものにするアイデアを生み出せる! 「注目」はおカネでは買えない。大きなリターンを与えてくれる低コストなイノベーション(=オマケ)を生み出し、売り込む方法を伝授する」(オンライン書店bk1の紹介文)

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■ブックフェア「四六判宣言」

 そろそろ終了かもしれませんが、各地の書店にて、「四六判宣言」というフェアが行なわれています。
 「文庫では読めない」をキーワードに、下記の出版社の、文庫化されていない本を集めたフェア。ノンフィクションが中心のようです。

・四六判宣言 http://www.yoshikawa-k.co.jp/46ban/
・参加出版社 大月書店 /紀伊國屋書店 /春秋社 /晶文社 /人文書院 /青土社 /創元社 /白水社 /平凡社 /みすず書房 /吉川弘文館

 下記の本など、気になりま。

オンライン書店ビーケーワン:サッカーの詩学と政治学・有元 健編 / 小笠原 博毅編『サッカーの詩学と政治学』(2005.10,人文書院)
「ファン文化やチームのパフォーマンスといったサッカーの諸実践・経験を通じて「私たち」の感覚が練り上げられるプロセスに着目し、その中で両義性を孕みながら節合される美学と政治学をスリリングに読み解く」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:アヤックスの戦争・サイモン・クーパー〔著〕 / 柳下 毅一郎訳『アヤックスの戦争』(2005.2,白水社)
「すべての悪が生み出された時代はフットボールの黄金時代でもあった…。オランダ名門クラブ・アヤックスは、ナチスにどう抵抗したのか? ガス室に消えた選手の足跡等、欧州の「サッカーと戦争」の暗部を暴くもうひとつの戦史」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:ビル・ゲイツの面接試験・ウィリアム・パウンドストーン著 / 松浦 俊輔訳『ビル・ゲイツの面接試験』(2003.7,青土社)
「世界一スマートな会社、マイクロソフト社の人事採用基準とは? 世界中の秀才をうならせる、驚異の難問・奇問のパズルとクイズの数々。ベールに包まれた逸材発掘の秘術を解明し、難関突破のための傾向と対策の全てを公開」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:自分の仕事をつくる・西村 佳哲著『自分の仕事をつくる』(2003.9,晶文社)
「「働き方が変われば社会も変わる」という確信のもと、魅力的なモノづくりの現場を訪ね歩き、その働き方の秘密を伝えるノンフィクション・エッセイ。ライフスタイルとワークスタイルの探検報告」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:笑いの治癒力・アレン・クライン著 / 片山 陽子訳『笑いの治癒力』(1997.7,創元社)
「笑いは神経系、循環系、内分泌系、免疫系をはじめとする人体の様々な器官に深い作用をおよぼす。心と体を癒す笑い、ユーモア、遊びの方法を豊富な実例を交えながら、楽しく紹介」(オンライン書店bk1の紹介文)

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■上野の鈴本演芸場の隣に、TSUTAYAがオープン

上野の鈴本演芸場の隣に、TSUTAYAがオープンしています

 上野の鈴本演芸場の隣に、TSUTAYAがオープンしています。今日は時間がなかったので写真だけ。
 今度行ってみよう。レンタルだけでなく販売もあり、本の取り扱いもしているようです。営業時間が朝10:00〜朝5:00というのもすごいな。会社帰りに相当遅くなっても寄れます。なんなら終電後ここと近くのマクドナルド(ここは平日土曜は深夜2:00まで営業)で時間をつぶすこともできなくはないかもしれません。

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■ヴィレッジヴァンガードのPOP用紙型のメモ帳

ヴィレッジヴァンガードのPOP用紙型のメモ帳

 この間ヴィレッジヴァンガードで見つけて買ってきました。写真のとおり、まさしくヴィレッジヴァンガードで商品に貼られているPOP型のメモ帳です。なにに使うかを考える前に、とりあえず買ってきました。
 中の紙は、少し黄色を薄くしてあって、格子の柄が入っています。POP用紙らしさよりも、メモ帳としての実用性を重視しているようですね。個人的には使い勝手がよさそうで便利だと思います。
 とりあえず、ヴィレッジヴァンガードのPOP風に自分のサイトの紹介文を書いてみました。クリックするとトップページにジャンプします。

ヴィレッジヴァンガードのPOP風に自分のサイトの紹介文

 これから、サイトやブログで本やCDの紹介をするときにこの用紙に手書きしてPOP風の紹介文をつくろうかなあ。

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■正しい日本語も一緒に学べるタイピングソフト「たたいて気づく『問題な日本語』」

 ジャストシステムから、正しい日本語とタイピングを一緒に練習できるソフト「たたいて気づく『問題な日本語』」が発売されています。こう考えると、タイピングソフトって色々なものと組み合わせられるよなあ。

・ジャストシステム>「たたいて気づく『問題な日本語』」 http://www.atok.com/mondai/

たたいて気づく『問題な日本語』
ジャストシステム (2006/09/08)


オンライン書店ビーケーワン:問題な日本語・北原 保雄編『問題な日本語』(2004.12,大修館書店)
「「私って…じゃないですか」「コーヒーのほうをお持ちしました」など、様々な「気になる日本語」について、「明鏡国語辞典」の編者が総力を挙げて正しい用法を解説。間違いの指摘だけでなく「誤用の論理」についても究明する」(オンライン書店bk1の紹介文)

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■『のだめカンタービレ』TVドラマ&アニメ化決定

・講談社サイト内紹介ページ http://shop.kodansha.jp/bc/comics/eizou/
 ドラマは2006年10月よりフジテレビのいわゆる月9枠。のだめ役は上野樹里。千秋役は玉木宏。アニメは2007年1月よりフジテレビの深夜枠。
 見たいような、見たくないような。

オンライン書店ビーケーワン:のだめカンタービレ(講談社コミックスキス)・二ノ宮 知子『のだめカンタービレ(講談社コミックスキス)既刊15巻』(講談社)

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■お、『ドラえもん』の「くうき砲」のおもちゃが発売中

 『ドラえもん』のひみつ道具に出てくる「くうき砲」が、エポック社から発売されています。

ドラえもん ひみつ道具 くうき砲
エポック社 (2006/08/12)


 マンガだと手にはめるようになっていますが、これは「本体の後ろにあるレバーを握って持つタイプ」(MYCOMジャーナル記事より)とのこと。ただ、実際に空気を出すようになっているようです。「本体サイズは直径140mm×長さ300mmで、1.5Lのペットボトル程度の大きさ」(同記事より)ということです。
 どういう仕組みなのか、気になります。多分、空気鉄砲みたいに一旦空気を圧縮して出すのだろうとは思うのだけれど。
 MYCOMジャーナルの記事では、その他のドラえもん関連商品の情報も紹介されています。

・エポック社>商品紹介  http://www.epoch.gr.jp/doraemon/doratoy/itemup/kuukihou.html
・MYCOMジャーナル記事  http://journal.mycom.co.jp/news/2006/08/10/320.html

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■お! またもやメガネ本

 またまたメガネ本です。今回は、メガネそのもののカタログです。まだまだ色々な展開がありそうですね。

オンライン書店ビーケーワン:彼のメガネ・ハイブライト編『彼のメガネ』(2006.8,アスペクト)
「文系の彼、理系の彼、クリエイティブな彼、スーツ姿の彼、近未来の彼…など、タイプ別のメガネカタログ88。メガネの選び方から、メガネにまつわる美しい作法まで、メガネのすべてがつまった実用書」(オンライン書店bk1の紹介文)

 ちなみに、これまで出ている主なメガネ本は下記のとおり。

・ハイブライト編『メガネ男子』(2005.9,アスペクト)オンライン書店ビーケーワン:メガネ男子
「「メガネがあれば男前3割増」「メガネがなきゃダメなの」 そんな全国のメガネ男子好き女性に贈るビジュアル満載、初のメガネ男子本。総勢120名掲載のメガネ男子名鑑、ナイスメガネ男子インタビューなどを収録」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:ビジョメガネ 2・『ビジョメガネ 2』(2006.6,ソニー・マガジンズ)
 登場している方は下記のとおり。
小野真弓/夏帆/香里奈/工藤里紗/小向美奈子/浜田翔子/堀北真希/森下千里/安めぐみ/吉岡美穂/若槻千夏

・『ビジョメガネ』(2005.11,ソニー・マガジンズ)
オンライン書店ビーケーワン:ビジョメガネ

「雑誌『デジモノステーション』創刊号から連載されているグラビア企画をまとめたオムニバス写真集。旬なタレントの貴重な写真が満載」(オンライン書店bk1の紹介文)
 登場している方は下記のとおり。
ほしのあき/加藤ローサ/小倉優子/片瀬那奈/小西真奈美/若槻千夏/綾瀬はるか/上野樹里/杏さゆり/蒼井優/浅見れいな/麻生久美子
/新垣結衣/石田未来/和希沙也/小林恵美


・西村 智晴:撮影『ガールズメガネ』(2006.3,太田出版)
オンライン書店ビーケーワン:ガールズメガネ
「街のおしゃれなメガネ女子のスナップを、個々のプロフィールなどと併せて収録。作家・桜坂洋氏による、書き下ろしメガネ女子小説も特別寄稿。メガネ女子を総ざらいする一冊」(オンライン書店bk1の紹介文)

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■豆腐業界のふたりの風雲児の本

 「男前豆腐」、独特なwebサイトも含め、気になっていました。しかし、この間初の著作が出るということで色々調べていたら、気になることが。

オンライン書店ビーケーワン:風に吹かれて豆腐屋ジョニー・伊藤 信吾著『風に吹かれて豆腐屋ジョニー 実録男前豆腐店ストーリー』(2006.7,講談社)
「「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」や「男前豆腐」は、通常の3倍は手間をかけて作ってます、押忍! 斜陽の豆腐業界に突如、起こった大異変。大ヒット商品の舞台裏を綴る。巻末に「ここでしか読めない」極秘資料を満載」(オンライン書店bk1の紹介文)

・講談社の書籍紹介ページ http://shop.kodansha.jp/bc/books/topics/otokomae/

 というのは、男前豆腐などのブランドは、元々三和豆友食品株式会社で販売されていたはず。この会社、伊藤信吾氏の御尊父の経営する会社です。しかし現在、伊藤信吾氏は、男前豆腐店株式会社代表取締役社長となっている。伊藤信吾氏が、2004年から同社の常務取締役に就任し、一方で2005年3月に男前豆腐店有限会社を設立し代表取締役社長に就任、更に同年9月に男前豆腐店を株式会社化したことは、下記サイトで紹介されている。

・日本LCA「イノベーティブワン」>伊藤信吾氏インタビュー http://www.innovative.jp/2005/1102.html

 しかし8月14日現在、男前豆腐店のwebサイトを読むと、三和豆友食品とは現在資本関係も交流もないと書かれている。また元々の三和豆友食品のwebサイトを開くと、男前豆腐店のサイトに転送されるようになっている。

・男前豆腐店 http://otokomae.jp/ ※音が出ます
・三和豆友食品 http://www.sanwatouyu.co.jp/

 更に検索をしていたら、どうも三和豆友食品株式会社が株式会社篠崎屋と資本提携をしたらしい(下記のブログの記事に詳しく書かれています)。

・実践ビジネス発想法>2006年07月05日「篠崎屋傘下に入った三和豆友食品と絶縁した男前豆腐店の今後の展開」 http://www.planbiz.info/blog/archives/20060705_021939.php
・株式会社篠崎屋 http://www.shinozakiya.com/

 なんだか、結構複雑な話のようです。
 なお、篠崎屋の代表取締役である樽見茂氏も、ビジネス界で注目されている方で、著作も何冊か出されています。

オンライン書店ビーケーワン:“豆富一丁”をどう売る?・樽見 茂著『“豆富一丁”をどう売る?』(2006.7,かんき出版)
「「豆富」業界のトップを走り続ける著者が、その軌跡を大公開。家業の豆富屋の手伝いから始まり、数億円規模の事業へと拡大、業界初の上場、M&Aに至るまでを支えた「豆富を1丁でも多く売るための事業の組み立て方」を紹介」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:豆富バカが上場した!・樽見 茂著『豆富バカが上場した!』(2004.12,中経出版)
「売上げの80%をあえて捨てる、新技術でも特許は取らない、50歳以上を限定採用…。「豆富一丁」で奇跡の上場を果たした篠崎屋。マスコミ・投資家・主婦が大注目するそのワケは? 篠崎屋社長による成功の哲学」(オンライン書店bk1の紹介文)

 最後に、男前豆腐店の従業員が、本来産業廃棄物である大豆がらを焼却してしまった(廃棄物処理法違反)という事件も紹介しておきます。

・日刊スポーツ記事 http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20060706-56487.html

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■気になるゲーム:ニンテンドーDS「こどものための読み聞かせ えほんであそぼう」

 ニンテンドーDSは、これまでにないタイプのゲームが色々出ていて興味深いのですが、また新しいシリーズが出ました。

・ニンテンドーDS用ソフト「こどものための読み聞かせ えほんであそぼう」  http://www.ehon-asobo.com/

 タイトルのとおり、ニンテンドーDSで読むことのできる絵本です。平田昭吾氏の作品を収録し、由紀さおり・安田祥子のお二人によるナレーションを聴きながら読めます。
 その他にも、画面にタッチしたり声をかけることで、絵が動く仕掛けがあったり、英語のナレーションも収録されているなど、紙の絵本にはない特徴があるようです。
 また、お絵かきや演奏などのミニゲームも収録されているとのこと。
  こうした知育ソフトというのは、昔から色々なゲーム機で出ていますが、携帯用ゲーム機との相性が最もいいように思う。例えば、据え置き型のゲーム機やパソコンだと、テレビやモニタの前に座って見たり読んだり遊んだりしないといけない。でも、携帯用ゲーム機なら、どこででもできるからね。
 なかでもニンテンドーDSの場合、タッチペンやセンサーがついているので、操作性を考えると一番色々なことが試せるハードだと思う。
 現在、下記の3巻までが発売中。10月に4〜6巻が出て、全6巻のシリーズになるようです。





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■「大人のぬり絵」用の色鉛筆セット、なるほど。次のアイデアは本と色鉛筆のセットだな、きっと。

 大人向けのぬり絵の本、気がつけばどんどん出版されていて、書店でいちコーナーができるまでになっています(この間ブログに記事を書きました)。

060624-02 なんという数の「塗り絵本」。そこまでブームなの? http://blogs.dion.ne.jp/konohamoero/archives/3624328.html

 三菱鉛筆が、このぬり絵用の色鉛筆のセット「ぬり絵をはじめようセット」を発売しています。

・三菱鉛筆>ニュースリリース  http://www.mpuni.co.jp/newsrelease/2006/1152183674.html
・NIKKEI DESIGN 記事  http://blog.nikkeibp.co.jp/nd/news/2006/07/96771.shtml

 「水彩色鉛筆」と「消せる色鉛筆」が3種類ずつで、価格は各1,050円(税込)。 とりあえずぬり絵を始めたい人向けのコンパクトで低価格なセットということです。
 これは思いつかなかったなあ。でもたしかに「色鉛筆」は「ぬり絵」に対して補完財だものなあ。ちなみに「補完財」経済学の用語で、「Aの価格が上がる(下がる)とき、Bの需要が減る(増える)」時、「Aに対してBは補完財である」と言います。例えばコーヒーに対し、砂糖は補完財です。コーヒーの値段が上がると(、通常はコーヒーの売れ行きは下がるので)、砂糖の売れ行きも下がる、ということです。
 こうなると、次に考えるべきは大人のぬり絵と色鉛筆・クレヨン・絵の具などのセット販売だよなあ。例えばぬり絵の本と色鉛筆を同じパッケージに入れて、本(雑誌)として流通させれば、通常は色鉛筆を販売しない書店でも販売ができてしまうという。
 梱包のコストとか返品のリスクとかは考える必要がありますが、「このぬり絵本にはこのセットがあればとりあえずOK」というセットがあれば、買う方もより気軽なんじゃないだろうか。
 たぶん、既に話を進めている出版社と文具メーカーもあるだろうと思いますけれどね。そのうち発売されるでしょう(あるいはもう出ているのかな)。または書店のアイデアで同じ棚に並べるのも面白いでしょうね。本と文具を一緒に販売している書店もあるわけだから(丸善とか有隣堂とか)。
 で、この間秋葉原の有隣堂ヨドバシAKIBA店を見ていたら、やっぱりちゃんと色鉛筆コーナーがありましたね。

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【2006.08.07-2006.08.13号】
【2006.07.31-2006.08.06号】 2006.08.14掲載

■一条ゆかり氏と「摂理」問題(本人による公式な否定のコメント)(ブログ未掲載)
■ヴィレッジヴァンガード菊地社長のインタビュー(動画もあります)
■夏といえば文庫フェア
■(訃報)元講談社編集者、宇山日出臣氏
■いわゆる、書店の「ロングテール現象」について解説した記事(asahi.com)と、これからのリアル書店をちょっと考える
■『テレビCM崩壊』(2006.7,翔泳社)の話と、パレートの法則でもロングテールでもない部分で勝負する戦略の話


■一条ゆかり氏と「摂理」問題(本人による公式な否定のコメント)

 週刊誌(『週刊新潮』(2006年08月10日号:08月03日発売号)などで、宗教団体「摂理」の信者であると報じられた漫画家の一条ゆかり氏が、雑誌『コーラス』のサイト内でコメントを発表しています。

・集英社>『コーラス』>一条ゆかり先生から読者の皆様へ http://chorus.shueisha.co.jp/special/
・excite Books記事 http://www.excite.co.jp/book/news/00101154876444.html

 上のコメントによると、牧師の娘の大学生を主人公にした作品『天使のツラノカワ』を描くために、知り合いの牧師(気功教室で知り合ったらしい)の開催していた勉強会を取材したとのこと。その勉強会を運営していたのが「摂理」だった、ということのようです。

  上のコメントから引用しますと、「私は、『摂理』の信者ではありませんし、過去においても信者であったことはありません」「当時、私はその勉強会を普通のプロテスタント系のキリスト教の聖書勉強会としか思いませんでした」「入会の手続や儀式をしたことは勿論ありません」、「『摂理』の教祖なる人物が、昨今報道されているような問題を起こしているなどということを全く知りませんでした。また、私は、『摂理』が入会者を勧誘するに際して、協力をしたことも一切ありません。私自身が誰かを勧誘したこともありません」、とのこと。

  おそらく、広告塔として利用された、ということなのでしょう。
オンライン書店ビーケーワン:天使のツラノカワ(YOUNG YOUコミックス)・一条 ゆかり『天使のツラノカワ(YOUNG YOUコミックス・全5巻)』(集英社)
オンライン書店ビーケーワン:天使のツラノカワ(集英社文庫)・一条 ゆかり 著『天使のツラノカワ(集英社文庫版・全3巻)』(集英社)

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■ヴィレッジヴァンガード菊地社長のインタビュー(動画もあります)
 朝日新聞のエンタテインメントサイト「どらく」に、ヴィレッジヴァンガードの菊地社長のインタビューが載っています。動画もありますよ。

・どらく>追跡! フロントランナー>ヴィレッジヴァンガードコーポレーション社長 菊地 敬一さん
http://doraku.asahi.com/hito/runner/060721_02.html

・インタビュー動画
http://doraku.asahi.com/hito/runner/060721.html

 動画で実際に話しているのを聴くと、文章で読むのとはまた違った感じで興味深いです。

 ちなみに、インタビューで話している内容を、もっとじっくり知りたい方には、菊地社長の著書もおすすめ。
オンライン書店ビーケーワン:ヴィレッジ・ヴァンガードで休日を・菊地 敬一著『ヴィレッジ・ヴァンガードで休日を』(2005.12,新風舎文庫)

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■夏といえば文庫フェア

(↑書店でもらえるガイドブック)

 夏といえば各出版社の文庫フェア。学生の夏休みや、社会人もお盆休みには本を読みましょう、しかも行楽地にも持ち運べて値段も手軽な文庫をね、ということでやっているんだろうなあ。
 現在大々的にフェアを行なっているのは、新潮文庫・集英社文庫・角川文庫の三社。
 年によっては、幻冬舎文庫とか、講談社文庫のミステリー作品のフェアなんかが行なわれますが、毎年というわけではないようです。個人的には1990年代後半のハヤカワ文庫のフェアが結構好きだったのだが、これも今は不定期のようです。

 三社のサイトを紹介しましょう。

・新潮文庫の100冊 http://100satsu.com/

・集英社文庫 ナツイチ http://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/

・角川文庫 夏の100冊 http://www.kadokawa.co.jp/dis/100/


 新潮文庫のサイトは、結構力が入っています。1976年からの歴代の100冊の紹介、更に各年のポスターの画像を見ることもできる。
 また、web上に自分自身の本棚を作って、読んだ本・読みたい本を管理することもできます。
 集英社文庫は、蒼井優さんがイメージキャラクターで、オリジナルムービーや、石田衣良氏との対談が掲載されています。
 角川文庫は、全作品を掲載して、読者のコメントが読めるというシンプルなつくり。宮崎あおいさんがイメージキャラクターで、宮崎さんのコメントがついている本もあります。

 しかし、各社のラインナップとも、あまり心躍らないなあ。ちょっと前は、普段読まないような古典などが多く入っていて、それなりに「なるほど、こういう本も読もうか」と思ったのだが、最近は超定番とでも言うべき夏目漱石・芥川龍之介・太宰治・カフカ・カミュ、などなどと、失礼ながら10年もすれば作品も作家も忘れられていそうな現代作家の作品という、なんだか面白みのないラインナップ。
 まあでも、普段本を読まない人向けの企画と考えれば妥当なのかな。

 こういうのを見ていると、俺も「オレ文庫! 夏の100冊」などと考えてみたくもなるが(出版社の垣根を考えなければラインナップの幅は広がるからね)、大変そうなのでやめておきます。
 気になる文庫本があれば、bk1やAmazon.co.jp(↓)で探してみてください。



(参考) 日経BP社のサイトでも、夏休み向けの本の紹介がされています。参考までにどうぞ。
・夏休み 大人の読書計画2006 http://www.nikkeibp.co.jp/style/life/topic/trend/060808_dokusyo/

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■(訃報)元講談社編集者、宇山日出臣氏  

元講談社の編集者、宇山日出臣(本名:宇山秀雄)氏が、8月3日、肝硬変のためなくなられました。享年62歳。

・エキサイトブックス 記事 http://www.excite.co.jp/book/news/00101154786024.html
・読売新聞 記事 http://www.yomiuri.co.jp/national/obit/news/20060805zz21.htm
・山陰中央新報 記事 http://www.sanin-chuo.co.jp/newspack/modules/news/article.php?storyid=812402017

 1990年第以降の、講談社の「新本格」と呼ばれる作家・小説を次々と世に出した仕掛け人と言える編集者でした。
 俺が意識的に読書を始めたのは、高校に入学した1993年頃からで、その頃一番夢中で読んだのが、この講談社の新本格系のミステリーだった。あとがきには、「担当の宇山日出臣氏には」という言葉が必ずといっていいほど登場し、その珍しい苗字もあって覚えていた。
 講談社の「ミステリーランド」シリーズも、氏の企画によるものです。
 ご冥福をお祈りします。

 ・オンライン書店bk1で「ミステリーランド」を見る

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■いわゆる、書店の「ロングテール現象」について解説した記事(asahi.com)と、これからのリアル書店をちょっと考える

 asahi.comの中に、実店舗の書店とネット書店の本の売れ方の違いを解説した記事がありましたので紹介します。いわゆる「ロングテール現象」についても書かれています。

・asahi.com記事 http://book.asahi.com/clip/TKY200607090179.html

 読んで感じるのは、Amazon.co.jpなどは、物流コスト(膨大な倉庫を確保し、そこから迅速に商品を出荷する仕組みを作るための費用)を確保するために、その他のコストをものすごく抑えているんだろうなあということ。例えば、Amazon.co.jpは広告費はほとんど使っていないだろう。テレビや雑誌に広告を出さないのは当然として、インターネットのバナー広告すら出していないはず。
 出しているのは、せいぜいGoogle アドワーズ広告(Googleで検索した時に出てくる「スポンサー」ですね)と、後はユーザーがリンクをするアフィリエイト(「Amazonアソシエイト」と呼んでいる)くらいじゃなかろうか。
 人件費も、少なくとも倉庫で物流業務に従事する人のコスト管理についてはかなりシビアであることが、『アマゾン・ドット・コムの光と影』でも書かれているようだ(俺は未読なので、断定はできないのですが)。

オンライン書店ビーケーワン:アマゾン・ドット・コムの光と影・横田 増生著『アマゾン・ドット・コムの光と影』(2005.4,情報センター出版局)
「出版業界のタブーをものともせず、急成長した要因は何か。徹底した秘密主義の裏側では何が行われているのか。元・物流業界紙編集長が覗いたネットビジネス、その裏側に広がる底辺。月刊『文芸春秋』掲載を大幅に加筆修正する」(オンライン書店bk1の紹介文)

 そうしてコスト削減した分を流通システムにつぎ込んで、これまでの販売店では不可能だった、1ヶ月に1冊しか売れないような商品も揃えて、きっちり販売し利益を上げることを実現するロングテール現象を可能にしたのだろうと思う。

 じゃあ中小の書店がどう対抗するかを考えると、俺は「組み合わせ」がキーワードになると思う。商品データ(著者が同じ、ジャンルが共通など)だけでは分からない、「雰囲気・設定が似ている」とか、「ある作品に影響を受けて書かれている」とか、現物及びその周辺情報に触れないと分からないような観点から、複数の本を組み合わせて紹介する。
 Amazon.co.jpなどでも、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」というのが表示されているが、ああいう統計的なデータではなく、もうちょっと感性に働きかけるようなね。
 ある種のセレクトショップのような、もう少し具体的にいえばヴィレッジヴァンガード(※)的な特徴を出していければいいのではと思うのだけれど。少なくとも俺は、そういう店が近所にあれば足繁く通いたいし、気持ちの上で、本はなるべくそういう店で買いたくなる。
 でも、取次(本の問屋)を通す今の書店の流通制度だと、難しい部分もあるのかなあ。欲しい本がすぐに書店に入ってこない(特に中小の店は)などの問題点はずっと言われているからねえ。
 自分が好きな小売店について、もう少し考えてみようかなあ。「どうしてネットではなく、この店で買うのか」ってことを。

ヴィレッジヴァンガード http://www.village-v.co.jp/
オンライン書店ビーケーワン:ヴィレッジ・ヴァンガードで休日を・菊地 敬一著『ヴィレッジ・ヴァンガードで休日を』(2005.12,新風舎文庫)
 創業者であり現社長の菊池氏によるエッセイ集。

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■『テレビCM崩壊』(2006.7,翔泳社)の話と、パレートの法則でもロングテールでもない部分で勝負する戦略の話

 下の『テレビCM崩壊』、ビジネス系を中心に、サイトやブログで話題になっている本です。インターネットによって世の中、特に商売の仕組みは変わりつつありますが、その中でも広告・マーケティングに注目した内容のようです。
 監訳者の織田氏のブログから、「第一部 問題」の部分のpdfファイルを読むこともできます。気になる本なので、まずpdfファイルを読んでみたい。

オンライン書店ビーケーワン:テレビCM崩壊・Joseph Jaffe著 / 織田 浩一監修 / 西脇 千賀子訳 / 水野 さより訳『テレビCM崩壊』(2006.7,翔泳社)
「マーケティングのフレームワークを再検討し、テレビCM、マス広告に代わる新時代のマーケティング手法としての10のアプローチを、解決策として実践的に紹介。新時代のマーケティング戦略のための実務書」(オンライン書店bk1の紹介文)

・Ad Innovator(織田浩一氏ブログ)>2006.07.27  http://adinnovator.typepad.com/ad_innovator/2006/07/cmcm.html
・pdfファイル直リンク  http://www.digitalmediastrategies.com/lifeafter30/TVCM.pdf

 関連しそうな話をもうひとつ。
 今マーケティングの分野で話題なのが、「ロングテール」という考え方で、『ウェブ進化論』や『Google』を始め、いろいろな本でも紹介されている。『テレビCM崩壊』でも、この考え方に基づいているのではないかと思う(未読なので断言はできませんが)。
 この考え方は面白いのだが、もう少し視点を広げていて面白いのが、下のコラムで紹介されている話。

・nikkeibp NBonline>御立尚資の「経営レンズ箱」>7月28日「ロングテール礼賛を超えて」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20060726/106857/

 ここでは、「頭(パレートの法則で言う、8割の利益を生む2割の商品群)」と「尻尾(ロングテール)」の間の「背中」の部分に注目している。以下、俺も100%理解できていないかもしれませんが、ちょっとまとめてみます。
 「頭」というのは、大衆に支持される商品。誰が買っているのか分からないが、100万個売れるもの、など。これらを買う人は自発性が低く、宣伝されているとか、テレビや雑誌で話題とか、そういうことを理由に買うとされている。
 「尻尾」というのは、少数の個人に支持される商品。例えば10人くらいしか買わないようなもの。でもこうした商品を10万種類集めて、それぞれ10人ずつに確実に売れれば、100万個売れるのと同じ利益が得られる可能性がある。これらを買う人は自発性が高い。自分でネットで検索して、アマゾンなどで探し出して買い、なおかつブログなどでも紹介をしたりする。
 これらに対し、「背中」というのは、いわばそこそこの数売れるもの。買う人の数の多さも、自発性もそこそこ。

 御立氏のコラムでは、こうした背中の部分の商品を買う顧客は、「企業側からの働きかけを受けて、初めて価値を生む行動をしてくれることも多い」ので、「この『働きかけ』に必要なコストよりも、その結果得られる価値の方が、大きくなるように仕掛け・仕組みを構築するのが、『背中』部分で成功するビジネスモデルの共通点」と定義している(引用はhttp://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20060726/106857/より)。

 このような「背中」の顧客に働きかける企業をバックアップする具体的な企業として、楽天やリクルートが上げられている。楽天の例などは、分かりやすいですね。そこそこの数売れる商品をもった中小の企業に、ネットでの販売の場やノウハウを提供して、企業の利益が上がるようにバックアップする。その対価として報酬(手数料)を得る、と。

 なんというか、ビジネスって色々な可能性があって面白い。

オンライン書店ビーケーワン:ウェブ進化論・梅田 望夫著『ウェブ進化論』(2006.2,筑摩書房)
「グーグルが象徴する技術革新とネット人口の急増により、知の再編と経済の劇的な転換が始まった。ブログ、ロングテール、Web2.0などの新現象を読み解きながら、変化に創造的・積極的に対処する知恵を説く」(オンライン書店bk1の紹介文)
オンライン書店ビーケーワン:グーグルGoogle・佐々木 俊尚著『グーグルGoogle』(2006.4,文芸春秋)
「既存のビジネスとそれを支えた価値観が次々と破壊されている。その担い手は、検索エンジンの怪物・グーグル。なぜグーグルはそれほどのパワーを持ち、そしてどのような影響を社会に与えようとしているのか、そんな疑問に迫る」(オンライン書店bk1の紹介文)

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