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木の葉燃朗の週刊ほんトーク

いきなり始まったこのコーナー。 タイトルどおり、およそ週刊ペースで 本に関するあれこれの情報を紹介しようと思います。基本的には、自分のブログ(木の葉燃朗の「本とデジタルと俺の日常と」)に 掲載したものの再録ですが、 ブログに載せきれなかった小ネタなども あわせて紹介していきます。
本に張っているリンクは、特に断り書きがなければ、オンライン書店bk1へのリンクです。

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2006年5月

【2006.05.22-2006.05.28号】 2006.05.29掲載
■大修館書店の「みんなで作ろう国語辞典!『もっと明鏡』キャンペーン」
■みんなは、『ハリー・ポッター』の最新刊、買ったかな!?
■今月の岩波新書はちょっと目を引く本が多い
■東京では、車を運転しているかどうかは、通りの名前をどれだけ知っているかで分かるかもしれない:『東京通り名マップ』
■日本のサラリーマンは大変だあ(命令口調の題名のビジネス書の数々)

■大修館書店の「みんなで作ろう国語辞典!『もっと明鏡』キャンペーン」

 『明鏡国語辞典』で知られ、最近では「問題な日本語」シリーズも出している大修館書店が、「みんなで作ろう国語辞典!『もっと明鏡』キャンペーン」を行いました。
 これは、 今まで辞書に載っていない言葉、また辞書に載っている言葉の新しい意味を公募する、というもの。
 最優秀作品賞5点は、「異装(及び『いそけん』)」、「粗辞」、「ツボ」、「バクバク」、「弾ける」とのこと。それぞれどういう意味なのかは下記のURLでどうぞ。

・大修館書店>「みんなで作ろう国語辞典!『もっと明鏡』キャンペーン」
http://www.taishukan.co.jp/meikyo_campaign/happyo/index.html

 まあ、言葉は時代とともに変わっていきますからね(月並みな言い方だ)。数十年後の辞書に「木の葉燃朗」が載るように、俺もがんばろ。

オンライン書店ビーケーワン:明鏡国語辞典・北原 保雄編『明鏡国語辞典』(2003.12,大修館書店)
「「夜が明ける/朝が明ける」の違いが初めてわかる国語辞典。具体的な使い方に踏み込んだ表記情報は、類書を圧巻。新語やカタカナ語を豊富に収録。本物の国語力が身につく。2002年刊の携帯版」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:問題な日本語 続弾!・北原 保雄編著『問題な日本語 続弾!』(2005.11,大修館書店)
「2004年刊「問題な日本語」、待望の第2弾! 「千円からお預かりします」「ありえない」「微妙」など、今どきの気になる日本語に「明鏡国語辞典」の編者・編集委員がせまる。大好評のいのうえさきこのマンガも収録」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:問題な日本語・北原 保雄編『問題な日本語』(2004.12,大修館書店)
「「私って…じゃないですか」「コーヒーのほうをお持ちしました」など、様々な「気になる日本語」について、「明鏡国語辞典」の編者が総力を挙げて正しい用法を解説。間違いの指摘だけでなく「誤用の論理」についても究明する」(オンライン書店bk1の紹介文)

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■みんなは、『ハリー・ポッター』の最新刊、買ったかな!?

 俺は買っていないのですが。そもそも一冊も読んだことがないのですが。

オンライン書店ビーケーワン:ハリー・ポッターと謎のプリンス・J.K.ローリング 作『ハリー・ポッターと謎のプリンス(上・下)』(2006.5,静山社)
「17年前の予言は、ハリーとヴォルデモートとの対決を避けられないものにした。過酷な運命に立ち向かうハリーに、ダンブルドアの個人教授が始まる。予言は実現するのか? ヴォルデモートの過去に迫るシリーズ第6弾」(オンライン書店bk1の紹介文・上)
「新しい「闇の魔術に対する防衛術」の先生は、思いもかけない人物だった。突然「魔法薬」の才能を発揮するハリーには新しい恋人が現れ、ロンとハーマイオニーは仲たがいする…。ヴォルデモートの過去に迫るシリーズ第6弾」(オンライン書店bk1の紹介文・下)

 俺は、 『ハリー・ポッター』シリーズについて特に悪口をいうつもりはありません。本が売れて、本が読まれることは悪いことではないからね。
 それから、訳者で出版元の社長である松岡佑子氏が、夫であった前社長から会社を引き継いだときのエピソードや、『ハリー・ポッター』の日本での刊行について直接著者と話し、某大手出版社ではなく静山社から出版が決まったエピソードも新聞で読んでいる。
 だから、純粋にすごいと思うわけです。

 結局今回なにが言いたいかというと、下の記事で魔女の格好で本をPRする松岡佑子氏を見て、「こういうPRにも効果があるんだなあ」と思うと同時に、ちょっと「ぷぷっ」と笑ってしまったということ。
 あと、Amazon.co.jpで本を梱包している人たちが、みな取材用に魔女の帽子をかぶっているというのにも、ちょっと「ぷぷっ」と笑ってしまいました。

・ITmedia  http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0605/11/news098.html

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■今月の岩波新書はちょっと目を引く本が多い

今月の岩波新書、文学・歴史関連の本が多くて、ちょっと気になります。

オンライン書店ビーケーワン:フランス史10講・柴田 三千雄著『フランス史10講』(2006.5,岩波書店)
「フランク王国から絶対王政、フランス革命、ふたつの世界大戦を経て「五月革命」まで2千余の激動の歩みを一冊でたどる。「ヨーロッパ地域世界の中のフランス」という視点からフランス史の独自性を描き出す、斬新な通史」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:笑う大英帝国・富山 太佳夫著『笑う大英帝国』(2006.5,岩波書店)
「王様も神様もおかまいなしのイギリス・ユーモア! 痛烈なからかい、バカバカしいギャグ、ほろりとさせる優しい笑い。〈笑い〉と〈英国〉をこよなく愛する著者が、豊富な「笑いの文化遺産」の中に英国文化の本質を読み解く」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:日本語の歴史・山口 仲美著『日本語の歴史』(2006.5,岩波書店)
「現代の日本語はどのようにして出来上がってきたのだろうか。やまとことばと漢字との出会い、日本語文の誕生、係り結びはなぜ消えたか、江戸言葉の登場…。「話し言葉」と「書き言葉」のせめぎあいからとらえた日本語の歴史」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:ことば遊びの楽しみ・阿刀田 高著『ことば遊びの楽しみ』(2006.5,岩波書店)
「駄じゃれ、掛けことば、回文、アナグラム…。日本語ほど盛んにことば遊びが楽しまれてきた言語はあるまい。幼い頃から多彩な遊びを愛してきた作家が、古今の傑作や自らの創作をまじえて、その豊かな世界へと案内する」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:魔法ファンタジーの世界・脇 明子著『魔法ファンタジーの世界』(2006.5,岩波書店)
「「指輪物語」「ゲド戦記」「ナルニア国ものがたり」。子どもたちを、そして今や大人たちをも惹きつけてやまない、魔法ファンタジーの不思議な魅力の秘密、さらにそこにひそむ危険な罠をも解き明かす、本格的な案内の書」(オンライン書店bk1の紹介文)

 岩波新書そのものをテーマにした下記の本も出ています。

オンライン書店ビーケーワン:岩波新書の歴史・鹿野 政直著『岩波新書の歴史』(2006.5,岩波書店)
「学術・古典を中心とした岩波書店の出版活動に、現代への視点という新たな方向を打ちだした岩波新書は、1938年創刊以来、2500冊余を刊行してきた。話題作をはじめ、定評ある教養書等を生みだしたそのあゆみを概観する」(オンライン書店bk1の紹介文)

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■東京では、車を運転しているかどうかは、通りの名前をどれだけ知っているかで分かるかもしれない:『東京通り名マップ』

 昭文社より、『東京通り名マップ』という地図が発売されました。

・『東京通り名マップ―道の名前が一目瞭然』(2006年,昭文社)(Amazon.co.jpの紹介ページ)
・昭文社 ニュースリリース http://www.mapple.co.jp/ir/ir_060417.html
 表面が「『東京23区全域図』(縮尺1:65,000)」、裏面が「皇居を中心とした『都心詳細図』(縮尺1:25,000)」になっています(斜線部は上記ニュースリリースより引用)。

 この地図を見て思ったのは、東京では車を運転している人かどうかは、通りの名前をどれだけ知っているかで分かるかもしれない、ということ。
 俺は完全にペーパードライバーで、免許とってから一度も運転してないので、分かる通りの名前といえば教習所の道路教習で通った道くらい。あとは、靖国通りとか中央通りとか、そういう大きい通りはかろうじて分かる。
 でも、それも「新宿駅のそばの靖国通り」とか、「神保町を通っている靖国通り」とか、「秋葉原電気街の真ん中の中央通り」とか、そういう認識なんです。つまり、電車の駅を基準にしないと分からない。だから例えば、神保町から新宿まで、靖国通りがどこをどう通っているかが分からない。

 車を運転する人と、建物の場所などを話していて、一番戸惑うのは通りの名前を出された時です。「環七をまっすぐ行けば」などと言われると、まず「その、環七ってのは、どこからどこをどう通って、行くんでござんすか?」となってしまう(なぜ落語のセリフみたいなのかは自分でもよく分からない)。環七でそんな感じだから、「早稲田通り」と言われても、「早稲田のそばなんだろうなあ」くらいのことしか分からない。

 逆に、電車の駅を言っても伝わらないことも多い。通りの名前を言われて、「あ、それって○○駅の近く?」と質問すると、今度は相手にきょとんとされてしまう。
 なかなか難しいですな。これからしばらくバスと都電だけを利用して、通りの名前を覚えるか(我ながら変だと思いながら書いていますが)。

 あ、そのために『東京通り名マップ』を買えばいいのか。おそらく、普段車に乗らない人が通りの名前を知るための地図、という役割もあるのだろう。

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日本のサラリーマンは大変だあ(命令口調の題名のビジネス書の数々)
 

俺はへっぽこサラリーマンですが、それでも色々大変なんです。しかし、命令口調の題名の本の数々が書店のビジネス書コーナーに並んでいるのを見ると、つくづく日本のサラリーマンは大変だと思うよ。

 本のタイトルで作文が作れますね。例えば、
 『会社に入ったら新人時代はこれだけはやれ!』と言われて頑張るものの、上司に話をすれば『そのバイト語はやめなさい』『3分以内に話はまとめなさい』と注意され、更には『そのマナー、ヘンですよ!』と言われる始末。

 それじゃあ、ってんでアドバイスをもらえば、『自分を磨け!』『直感を磨けば人生はうまくいく!』という、なんとも漠然としたお答え。途方に暮れてしょげていたら、『プロは反省するな!』と追い討ち。

 くたくたに疲れた帰りも、『通勤電車で寝てはいけない!』という教えを守り、家に帰る途中でお金が落ちているのを見つけても、『千円札は拾うな』ということなので、素通りしてとぼとぼと家路につく。

 リンクされている本が全部実在するというのが恐ろしいね。
 しかし、『諸君!この人生、大変なんだ』。だが、精一杯やってみようじゃありませんか。

 俺は、会社に入ったばかり(あるいは入る前)なら、ビジネス書よりも、まず山口瞳氏の本を読むのがいいんじゃないかと思うなあ。

・山口 瞳:著 / 常盤 新平:編『諸君!この人生、大変なんだ』(2003.9,講談社文庫)
オンライン書店ビーケーワン:諸君!この人生、大変なんだ

・久恒 啓一『通勤電車で寝てはいけない!』(2006.6,三笠書房)
オンライン書店ビーケーワン:通勤電車で寝てはいけない!

「通勤こそ、ビジネスマンの「継続は力なり!」が発揮できる時間。この時間に何をするかが人生の分かれ目である! ビジネスマン教授として活躍する著者が、あなたを劇的に変える通勤時間の使い方を徹底紹介する」(オンライン書店bk1の紹介文)

・安田 佳生『千円札は拾うな。』(2006.1,サンマーク出版)
オンライン書店ビーケーワン:千円札は拾うな。

「残業をやめれば、給料は増える。常識に「右にならえ」では、仕事も人生もうまくいかない。見えてる人には見えている、常識の「半歩先」の考え方を紹介。安田式・人生を劇的に変えるビジネスバイブル」(オンライン書店bk1の紹介文)

・高井 伸夫『3分以内に話はまとめなさい できる人と思われるために』(2003.9,かんき出版)
オンライン書店ビーケーワン:3分以内に話はまとめなさい

「自分の言いたいことを伝え、納得・感動・行動してもらうためには、「3分以内に話すこと」が効果的な手段。どうしたら3分以内に話をまとめられるか、例をあげながらわかりやすく解説する」(オンライン書店bk1の紹介文)

・森井 三郎『会社に入ったら新人時代はこれだけはやれ! はじめの努力が企業人生を決める』(2006.2,日経BP企画)
オンライン書店ビーケーワン:会社に入ったら新人時代はこれだけはやれ!

「会社に入ったら新人社員として何をしなければならないかを、具体的に提示。新卒、中途入社にかかわらず、社会人としての基本的な知識から、実際の仕事で役立つノウハウまで満載」(オンライン書店bk1の紹介文)

・小林 作都子『そのバイト語はやめなさい プロが教える社会人の正しい話し方』(2004.7,日本経済新聞社)
オンライン書店ビーケーワン:そのバイト語はやめなさい

「バイト語は、ビジネス語を知らない若者が、丁寧な言葉を使おうとして苦し紛れに使っている言葉だ。長年、言葉遣いを教えてきたプロが教える社会人の正しい話し方。なぜそれが適切なのかを、分かりやすく解説する」(オンライン書店bk1の紹介文)

・タック川本『プロは反省するな! メジャー流「人づくりの言葉」』(2006.5,東洋経済新報社)
オンライン書店ビーケーワン:プロは反省するな!

「成功したければ「人間力」を磨け! 超競争社会のメジャーリーグ。その3球団にフロントとして在籍し、ワールドチャンピオンも経験。メジャー経営の内実をつぶさに知る著者が、初めて公開する「世界の一流」の育て方」(オンライン書店bk1の紹介文)

・土田 万里子:監修『そのマナー、ヘンですよ! 2時間でわかるビジネス常識』(2006.4,アーク出版)
オンライン書店ビーケーワン:そのマナー、ヘンですよ!

「「知りませんでした」ではすまされない、ビジネスマナーの基本ルールを紹介。新社会人たちが犯しやすい例を取り上げながら、なぜそれがマナー違反なのか、どうすればよいのかをわかりやすく解説」(オンライン書店bk1の紹介文)

・宮崎 伸治『自分を磨け!』(2006.5,海竜社)
オンライン書店ビーケーワン:自分を磨け!

「人生に役立ち、ビジネスマンとして欠かせない自己啓発の名著50冊を厳選。自己開発・自己管理・発想の転換・幸福な人間関係などのテーマ別に、どのような場面で役立つのか、何を学んだかを著者の体験をもとに紹介」(オンライン書店bk1の紹介文

・アンジェラ・マーティン著 / 森村 あこ訳『直感を磨けば人生はうまくいく!』(2006.4,実業之日本社)
オンライン書店ビーケーワン:直感を磨けば人生はうまくいく!

「じっと耳をすませて、内なる「声」をキャッチしよう。「進むべき?」「やめるべき?」 ひらめいたら、それが答え。日常生活の中で誰でも簡単にできる「つかえる直感」パワーアップ術を満載」(オンライン書店bk1の紹介文)

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【2006.05.15-2006.05.21号】 2006.05.22掲載

■第59回日本推理作家協会賞も発表 (ブログ未掲載)
■『容疑者Xの献身』、またまた賞を受賞(第6回本格ミステリ大賞) (ブログ未掲載)
■どうせなら、合わせて読もう、この2冊:梅田望夫『ウェブ進化論』と佐々木 俊尚『グーグルGoogle』
■森鴎外の『舞姫』が、そろって復刊されています
■『団塊パンチ』、気になります。
■読書録には載らないかもしれない本の感想:やまと虹一・クラフト団『プラモ狂四郎』
■「モンティ・パイソン」関連本とDVD
■アメリカ、メリーランド大学の「プランゲ文庫」で、手塚治虫氏の「幻の作品」が見つかったそうです

■第59回日本推理作家協会賞も発表
 
5月16日、第59回日本推理作家協会賞が発表されました。受賞作は下記のとおりです。この賞は、過去に受賞した作家は再受賞できないので、『容疑者Xの献身』は対象外となっています(東野圭吾氏は1999年に『秘密』で受賞済み)。

長編および連作短編集部門
オンライン書店ビーケーワン:ユージニア・恩田 陸著『ユージニア』(2005.2,角川書店)
「ある男の遺書によって解決をみたはずの事件。町の記憶の底に埋もれた大量殺人事件が、年月を経て様々な証言によって暴かれてゆく。真実を話しているのは誰なのか−。『KADOKAWAミステリ』『本の旅人』連載の単行本化」(オンライン書店bk1の紹介文)

短編部門:平山夢明「独白するユニバーサル横メルカトル」(アンソロジー「魔地図」収録)

オンライン書店ビーケーワン:魔地図・朝松 健〔ほか著〕『魔地図』(2005.4,光文社)

評論その他の部門
オンライン書店ビーケーワン:松本清張事典決定版・郷原 宏著『松本清張事典決定版』(2005.4,角川学芸出版)
「松本清張の全作品を、10余年の歳月をかけて調べ尽くした画期的集大成。作品・人名・地名・書誌・年譜など、あらゆる角度から清張の全仕事を検索。作品理解と鑑賞を容易にした調べやすい構成で、読物としても楽しめる」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:下山事件・柴田 哲孝著『下山事件』(2005.7,祥伝社)
「私の祖父は実行犯なのか? 昭和24年7月6日未明、初代国鉄総裁の下山定則が五反野の常磐線上で轢死体となって発見された「下山事件」。親族、組織の総帥へのインタビューを通し、初めて明らかになる事件の真相!」(オンライン書店bk1の紹介文)

日本推理作家協会 http://www.mystery.or.jp/

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■『容疑者Xの献身』、またまた賞を受賞(第6回本格ミステリ大賞)
 5月12日、第6回本格ミステリ大賞(本格ミステリ作家クラブ:主催)が発表されました。受賞作は下記のとおり。
 小説部門:東野圭吾『容疑者Xの献身』
 評論・研究部門:北村薫『ニッポン硬貨の謎』

 『容疑者Xの献身』はすごいなあ。第134回直木賞も受賞したし、「このミステリーがすごい!」、「本格ミステリ・ベスト10」、「週刊文春ミステリーベスト10」でも第一位だからねえ。

オンライン書店ビーケーワン:容疑者Xの献身・東野 圭吾著『容疑者Xの献身』(2005.8,文芸春秋)
「天才数学者でありながらさえない高校教師に甘んじる石神は、愛した女を守るため完全犯罪を目論む…。数学だけが生きがいだった男の純愛ミステリー。『オール読物』連載を単行本化」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:ニッポン硬貨の謎・北村 薫著『ニッポン硬貨の謎』(2005.6,東京創元社)
「幼児連続殺害事件に挑む、来日中の名探偵エラリー・クイーン…。敬愛する本格ミステリの巨匠に捧げる、北村薫の華麗なるパスティーシュ。エラリー・クイーン生誕100年記念出版。『ミステリーズ!』連載を単行本化」(オンライン書店bk1の紹介文)

(その他得票作品:小説部門)
オンライン書店ビーケーワン:摩天楼の怪人・島田 荘司著『摩天楼の怪人』(2005.10,東京創元社)
「50年近く前の嵐の晩にマンハッタンの摩天楼で起きた殺人事件の犯人は私よ…。死の間際に往年の大女優が告白した。不可能犯罪の壮大な謎に御手洗潔が挑む。『ミステリーズ!』連載を大幅に加筆訂正して単行本化」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:扉は閉ざされたまま・石持 浅海著『扉は閉ざされたまま』(2005.5,祥伝社)
「大学の同窓会。成城の高級ペンションに7人の旧友が集まった。当日、伏見亮輔は客室で事故を装って後輩の新山を殺害し、完璧な密室をつくった。犯行は計画通りに成功したかにみえたが、参加者の碓氷優佳だけは疑問を抱き…。 」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:向日葵の咲かない夏・道尾 秀介著『向日葵の咲かない夏』(2005.11,新潮社)
「終業式の日、小学校を休んだS君の家に寄ると、彼は首を吊っていた! だけど先生や警察を呼んで再び戻ると、なぜか死体は消えていた。混乱する僕。そこへS君が現れ「僕は殺された」と訴えて…。僕は妹と真相を探ることに」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:ゴーレムの檻・柄刀 一著『ゴーレムの檻』(2005.3,光文社)
「サンフランシスコ近郊の研究所に勤める博物学者・宇佐見護博士は、紅茶を飲みながら思索をめぐらし、幻想の旅に出る。絵画が現実化した街へ、未だ書かれ得ぬ空白の物語の中へなど…。呪わしくも美しい、浪漫派推理の短編集」(オンライン書店bk1の紹介文)

(その他得票作品:評論・研究部門)
オンライン書店ビーケーワン:探偵小説と二〇世紀精神・笠井 潔著『探偵小説と二〇世紀精神』(2005.11,東京創元社)
「ダイイングメッセージ、クローズドサークル、犯人特定の論理−。第I部では探偵小説を語る上での不可避の論点に挑み、第II部では「第三の波」とポストモダニズムの照合によって浮上する、探偵小説の歴史的位相を解明する」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:ヒッチコック『裏窓』ミステリの映画学・加藤 幹郎著『ヒッチコック『裏窓』ミステリの映画学』(2005.6,みすず書房)
「事件は無事解決、大団円へ…。いや、男は本当に妻を殺害したのか? ヒッチコックの代表作「裏窓」を中心に、彼の映画のスタイルと哲学の特異性を検討。同時に彼の映画がもたらした画期的変革を、映画史全体の中で再検討する」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:ミステリー映画を観よう・山口 雅也著『ミステリー映画を観よう』(2005.11,光文社)

本格ミステリ作家クラブ>第6回本格ミステリ大賞 http://honkaku.com/award/award.html

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■どうせなら、合わせて読もう、この2冊:梅田望夫『ウェブ進化論』と佐々木 俊尚『グーグルGoogle』

 『ウェブ進化論』、話題になっているようですね。ただ最近、googleにせよその他のインターネット関連のサービスにせよ、いいところばかりでもないよな、ということを感じてきています(「いまさらそんなことを言ってんの?」と思われてしまうかもしれませんが)。
 「google八分」などの問題もそうなのですが、結局インターネットもひとつの手段でしかなくて、そこでは現実での友達付き合いとか好き嫌いと同じような心理が働くよなあと思うわけです。

 ……ちょっと漠然とした話ですね。これも漠然とした例かもしれませんが、「毎日○万人が見ている!」というwebサイトでも、自分が見ないサイトは見ない。情報に近づくのが簡単になっても、情報に近づかないことは当然にあるわけです。
 またネット上のコミュニケーションは、距離が非常に近い錯覚を抱く(そしてある意味では距離は本当に近い)のですが、やはり知らない人は知らない人だし、親しい人は親しい人なのだろうと思います。コミュニケーションの敷居は低くなっても(これまでなら言葉も交わせなかった人と言葉を交わせるようになるチャンスがある)、敷居がないわけではない(知らない人に無遠慮に話し掛けて、いいわけはない)のだろうと思います。

 これはまたちょっと違う話ですけれど、「インターネットで調べたけれど出てこなかった」というのを自分の判断の基準にするのは、「新聞やテレビで放送されたことがない」というのを判断の基準にするのと同じくらい危険だとも思います。
 「インターネットで調べたけれど出てこなかった」=「そのものが存在しない」という錯覚が広まりつつあるのは(自分も時々錯覚しかけることがある)、ちょっと不安。

 なんだか自分でも頭がごちゃごちゃしてしまうのですが、とにかく色々な立場で書かれた本を読んでみたいと思うのです。だから、下の二冊を一緒に読んでみたいなあと思っています。

オンライン書店ビーケーワン:ウェブ進化論・梅田 望夫『ウェブ進化論』(2006.2,筑摩書房)
「グーグルが象徴する技術革新とネット人口の急増により、知の再編と経済の劇的な転換が始まった。ブログ、ロングテール、Web2.0などの新現象を読み解きながら、変化に創造的・積極的に対処する知恵を説く」(オンライン書店bk1の紹介文)

オンライン書店ビーケーワン:グーグルGoogle・佐々木 俊尚『グーグルGoogle』(2006.4,文芸春秋)
「既存のビジネスとそれを支えた価値観が次々と破壊されている。その担い手は、検索エンジンの怪物・グーグル。なぜグーグルはそれほどのパワーを持ち、そしてどのような影響を社会に与えようとしているのか、そんな疑問に迫る」(オンライン書店bk1の紹介文)

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■森鴎外の『舞姫』が、そろって復刊されています

森鴎外(1862〜1922)の『舞姫』が、ちくま・角川・新潮の三文庫で、復刊、あるいは改版で刊行されています。特に生誕何年とか没後何年ではないんだけれどねえ。「舞姫」も1990年発表の作品ですし。
オンライン書店ビーケーワン:舞姫・森 鴎外:著 / 井上 靖:訳『舞姫』(2006.3,ちくま文庫)

オンライン書店ビーケーワン:鴎外の「舞姫」・角川書店:編『鴎外の「舞姫」』(2006.4,角川ソフィア文庫 ビギナーズ・クラシックス)

オンライン書店ビーケーワン:阿部一族・舞姫・森 鴎外『阿部一族・舞姫 改版』(2006.4,新潮文庫)
 それから、書店で見かけて思ったのが、「そうか、『舞姫』には現代語訳が必要なんだ」ということ。たしかに、高校の現代国語の授業で読んだ記憶があるが、難解といえば難解な文章だったかもしれない。

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■『団塊パンチ』、気になります。

『団塊パンチ』という雑誌が創刊されています。

オンライン書店ビーケーワン:団塊パンチ 1・『団塊パンチ 1 特集・未来は後方にあり』(2006.4,飛鳥新社)
(オンライン書店bk1の紹介ページ)
 タイトルどおり、団塊世代向けのかつての『平凡パンチ』のような雑誌、ということなのかな。でも編集長は『QUICK Japan』を創刊した赤田祐一氏なんですね。どんな感じの雑誌なのだろうか。
 実は創刊されるというニュースは結構前に知っていながら、まだ現物を書店で見ていないのです。下の出版社の紹介を読むと、特集は1960年代とのこと。

・出版社(飛鳥新社)の紹介ページ
http://www.asukashinsha.co.jp/topsozaitemp/dankai/dankai.html


 ちょっと俺には縁遠いような気もするのだが、下記の竹熊健太郎氏のブログによれば、「『あらゆる世代の青年に向けて』作られた」、「実は団塊世代のオジサン以上に、20代の若者が読んでもおかしくない造りになっている」(http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2006/05/post_3101.htmlより引用)とのこと。
 むう、ちょっと気になります。

・たけくまメモ > 2006/05/03
(1)http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2006/05/post_a184.html
(2)http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2006/05/post_3101.html

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■読書録には載らないかもしれない本の感想:やまと虹一・クラフト団『プラモ狂四郎』
 

いやあ、懐かしかった。よく覚えている部分もあれば、すっかり忘れていた部分もあり。でも俺は、『プラモ狂四郎』に影響されて随分プラモデルを作ったなあ、ということを思い出した。
 そして、十数年たって読み返してみても、やっぱりプラモデルが作りたくなった。プラモデルを買いに行きたくなっています。

(リンク先はAmazon.co.jpの紹介ページ)
プラモ狂四郎 1 (1)・やまと虹一・クラフト団『プラモ狂四郎 1』
プラモ狂四郎 2 (2)・やまと虹一・クラフト団『プラモ狂四郎 2』
プラモ狂四郎 3 (3)・やまと虹一・クラフト団『プラモ狂四郎 3』
プラモ狂四郎 4 (4)・やまと虹一・クラフト団『プラモ狂四郎 4』
・やまと虹一・クラフト団『プラモ狂四郎 5』
プラモ狂四郎 6 (6)・やまと虹一・クラフト団『プラモ狂四郎 6』

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■「モンティ・パイソン」関連本とDVD

 新しいモンティ・パイソンの研究本が出ています。気になるのですが、実はモンティ・パイソン関連の本で、買ったはいいけれど読んでいないものがあるんです。まずはこっちを読まなきゃなあ。

オンライン書店ビーケーワン:モンティ・パイソン研究入門マーシア・ランディ:著 / 奥山 晶子:訳 / 須田 泰成:監修『モンティ・パイソン研究入門』(2006.4,白夜書房)
「「モンティ・パイソンズ・フライング・サーカス」の「笑い」を読み解く研究書。高尚と低俗の融合を達成し、既存の枠にとらわれない新たなコメディを作り上げたパイソンズの、笑いの発想と技術を徹底解明する」(オンライン書店bk1の紹介文)

 ちなみに持っているのは下記の2冊。

オンライン書店ビーケーワン:モンティ・パイソン・スピークス!・デヴィッド・モーガン:著 / 須田 泰成:訳『モンティ・パイソン・スピークス!』(2003.8,イースト・プレス)
「モンティ・パイソンは、TVを舞台に繰り広げられた革命だった…。コメディ界のビートルズと言われる伝説のグループの軌跡を、メンバーと関係者に丹念に取材を繰り返して完成された証言集の決定版」(オンライン書店bk1の紹介文)
オンライン書店ビーケーワン:モンティ・パイソン大全・須田 泰成『モンティ・パイソン大全』(1999.2,洋泉社)
「革新的な手法を次々と使い、世界中を爆笑の渦に巻き込んだコメディ番組の金字塔、「モンティ・パイソンズ・フライング・サーカス」。多彩なキャラクターやシリーズのエピソード解説など話題満載の大百科」(オンライン書店bk1の紹介文)

 他に、下のような本も出ています。これはメンバーによる証言を集めたものですね。

オンライン書店ビーケーワン:モンティ・パイソン正伝・グレアム・チャップマン / ジョン・クリーズ / テリー・ギリアム / エリック・アイドル / テリー・ジョーンズ / マイケル・ペイリン / ボブ・マッケイブ / 奥山 晶子:訳 / 須田 泰成:監修『モンティ・パイソン正伝』(2005.10,白夜書房)
「モンティ・パイソンを作った男たちの幼年時代と大学での出会い、世界を変えたテレビ番組、決別、そしてこれまで隠されていた事情が、本人たちの告白と初公開の日記により明らかになる」(オンライン書店bk1の紹介文)

 なお、モンティ・パイソン関連のDVDが6月2日に発売されるます。
モンティ・パイソン・レアリティーズ コレクターズBOX (初回限定生産)DVD-BOX『モンティ・パイソン・レアリティーズ コレクターズBOX (初回限定生産)』
 下の発売元のサイトで調べてみたところ、『アット・ラスト・ザ・1948・ショウ(AT LAST THE 1948 SHOW)』(1967年〜1968年,全5話収録)、『ドゥ・ノット・アジャスト・ユア・セット(DO NOT ADJUST YOUR SET) 』(1968年,全9話収録)という、モンティ・パイソン結成以前にメンバーが出演していたテレビ番組を収録したDVDらしい。
 『アット・ラスト・ザ・1948・ショウ』にジョン・クリース、グレアム・チャップマンが、『ドゥ・ノット・アジャスト・ユア・セット』にエリック・アイドル、テリー・ジョーンズ、マイケル・ペイリンがそれぞれ出演し、テリー・ギリアムは『ドゥ・ノット・アジャスト・ユア・セット』のアニメーションを担当していたらしい。だから、モンティ・パイソンそのものではないわけですね。
 でも、これはたしかに珍しいよなあ。それぞれ単品でも発売されるようです。

・デックスエンタテインメント>作品紹介ページ http://www.dex-et.jp/Ncontents/dvd/dex_dvd0049.htm

 ちなみにモンティ・パイソンになってからのスケッチ(コント)が見たい方は下のDVDでどうぞ。俺もテレビで放送された(何年か前にNHKの総合とBSで放送されたんです)ものを録画したビデオと、購入したビデオはいくつかあるのだが、DVDは持っていないだあよなあ。ちょっとずつそろえようかなあ。

(参考)  下のVOL.1〜VOL.7が、テレビシリーズです(すべてDVD。リンク先はAmazon.co.jpの紹介ページ)。
『空飛ぶモンティ・パイソン VOL.1』 空飛ぶモンティ・パイソン VOL.1
『空飛ぶモンティ・パイソン VOL.2』 空飛ぶモンティ・パイソン VOL.2
『空飛ぶモンティ・パイソン VOL.3』 空飛ぶモンティ・パイソン VOL.3
『空飛ぶモンティ・パイソン VOL.4』 空飛ぶモンティ・パイソン VOL.4
『空飛ぶモンティ・パイソン VOL.5』
『空飛ぶモンティ・パイソン VOL.6』 空飛ぶモンティ・パイソン VOL.6
『空飛ぶモンティ・パイソン VOL.7』

『モンティ・パイソン・アンド・ナウ』 モンティ・パイソン・アンド・ナウ
 これは、テレビ版のコントをリメイクし、再構築した劇場公開用の映画。

『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』 モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル
 これも映画版。「アーサー王と円卓の騎士」をモチーフにしている。馬に乗る演技とか、馬鹿馬鹿しくて大好きだなあ。

『ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル』
 これはライブ版。その名のとおり、1980年にハリウッド・ボウルで行なったライブの様子をまとめたもの。

『モンティ・パイソン 人生狂騒曲』 モンティ・パイソン 人生狂騒曲

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■アメリカ、メリーランド大学の「プランゲ文庫」で、手塚治虫氏の「幻の作品」が見つかったそうです
 

手塚治虫氏の、これまで存在が確認されていなかった初期の短編作品が見つかったそうです。

・asahi.com記事 http://book.asahi.com/news/TKY200605090498.html

 1947年、48年に雑誌に掲載された下記の作品(上記asahi.comより)。
・「タメシ斬(ぎ)り」(「少年・少女 漫画と読物」48年5月号、6コマ)
・「やりきれません」(「新世界」48年3月号、4コマ)
・「ハンスと金のかみのけ」(「漫画と読物」49年1月号、16ページ)
 その他3〜12コマの短編。

 見つかったのはアメリカ、メリーランド大学の「プランゲ文庫」とのこと。「プランゲ」とは、日本が連合国占領下の時代、G.H.Q.の民間検閲局歴史部長だったW.プランゲ博士(W.Prange,1910-1980,メリーランド大学歴史学教授)のこと。検閲のために収集された出版物を、プランゲ博士が、大学に寄贈したのが、「プランゲ文庫」です。1945年から1949年の間に発行されたすべての出版物(図書・雑誌・パンフレット・新聞)や、検閲文書・公的通信文書・ポスターなどが保存されているとのこと。

・プランゲ文庫(一部日本語で表示されますが、多くの部分は英語です)
http://www.lib.umd.edu/prange/index.jsp


(参考)
・東京学芸大学付属図書館 > プランゲ文庫雑誌コレクション
http://library.u-gakugei.ac.jp/lbhome/prange/prange.html

・国際日本文化研究センター > 図書館 > プランゲ文庫(マイクロ資料)
http://www.nichibun.ac.jp/lib/prange.html

 今回、この「プランゲ文庫」の中から、早稲田大学の谷川建司助教授(映画史)が発見したとのこと。
 俺はマンガ史については詳しくないのですが、これは当然貴重な資料になるだろうと思う。それは俺でも分かる。
 それとともに、「どんなものでも捨てるもんじゃない」と思う。非常にしょうもない感想かもしれませんが。でも、こういうニュースを読むと、そう思う。

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【5月8日〜5月14日号】 2006.05.15掲載
■国土社の『創作子どもSF全集』復刊。うおー、俺が小学生の頃学校で読んだのはこれだ!
■「第10回手塚治虫文化賞」決定。マンガ大賞は……、
■はじめてリブロ青山店へ行く
■『よつばと!』のポスター
■「過負荷指数」だと物理とか化学っぽいけれど、「カフカ指数」です

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■国土社の『創作子どもSF全集』復刊。うおー、俺が小学生の頃学校で読んだのはこれだ!

 国土社から、『創作子どもSF全集』全20冊が復刊されます!
 俺がなぜ興奮しているかというと、これが自分にとって一番初めの読書の記憶のひとつだから。小学生の頃、このシリーズを図書館で読んだ記憶がある。
 でも、内容はうっすら覚えていても、題名も著者名も全部忘れていた。だから、探しようも調べようもなかった。それらの作品がこの『創作子どもSF全集』のラインナップだったことが、今回の復刊で分かったのである。1980年代に一度復刊されているようなので、俺が読んだのはそちらの方だろうと思う。
 中でもよく覚えているのは下の三冊。

・矢野徹:文・梶鮎太:絵『孤島ひとりぼっち』
 これは覚えている。無人島で一人ぼっちになった主人公が、○○を××するんだよ(ネタバレかもしれないので伏せておきます)。その試行錯誤の様子が、読んでいて緊張したのを覚えている。
 しかし、まさか矢野徹氏の作品だったとは思わなかったよ。
・北川幸比古:文・田島征三:絵『日本子ども遊撃隊』
 「日本子ども遊撃隊」っていうタイトルは、強烈に覚えている。訓練の様子も、読んだ記憶がある(他の作品と記憶が混ざっているかもしれないが)。
・佐野美津男:文・中村宏:絵『だけどぼくは海を見た』
 下の紹介文にもあるように、ある朝起きたら家が海の目の前にあったという発端は、イラストとともに覚えています。

 豊田有恒・福島正実・光瀬竜・今日泊亜蘭などなど、俺でも知っているくらいの日本SF作家の諸氏が執筆されていたんだねえ。
 20冊セットで\42,000ということなのだが、分売はされないのかなあ。あるいは図書館で借りて読むか。いずれにしても気になる本です。
オンライン書店ビーケーワン:創作子どもSF全集・『創作子どもSF全集』(2006.5,国土社)
=== 以下、オンライン書店bk1の紹介ページより引用 ===
1.『孤島ひとりぼっち』文/矢野徹・絵/梶鮎太
夏休みに海外旅行に出かけた順は、大嵐にあって、無人島にとりのこされてしまった。島には人っ子ひとりいない。順は必死で脱出を考えた。そして順は・・・・
***
2.『砂のあした』文/小沢正・絵/井上洋介
ネコの便所に使う砂がほしくて、ススムとお母さんは公園の砂場へいった。砂をちょっととっていると、だれかがこちらをじっと見ている。そして、砂をとってはいけないと・・・・
***
3.『宇宙バス』文/香山美子・絵/小林与志
タツオくんの家のとなりはミズタニさんだ。そのミズタニさんが突然引越した。どこへいったのかだれにもわからない。もっとふしぎなことに、そのあとだれも引越してこない。
***
4.『犬の学校』文/佐野美津男・絵/中村宏
宏幸は犬がだいすきだ。ある日宏幸が広場で犬のジャピロを訓練しているとふしぎな男が近づきその犬を専門的に訓練してやるというそしてその男は、犬の学校の先生だという。
***
5.『日本子ども遊撃隊』文/北川幸比古・絵/田島征三
日本の危機を救うために宙太は、日本子ども遊撃隊に入隊した。そして、まもなく、地底と海底から前世紀の生きのこりのばけものがせめてくるという。宙太はきんちょうした。
***
6.『消えた五人の小学生』文/大石真・絵/山藤章二
光太のなかまではジェット自転車がはやっている。光太もほしいが買ってもらえない。ところが、ジェット自転車でサイクリングに出かけた五人の友だちが行くえ不明になった。
***
7.『少年エスパー戦隊』文/豊田有恒・絵/藤沢友一
次郎は広場でタコをあげていた。そばで女の子も羽つきをしていた。そこへ突然タクシーがつっこんできた。一瞬、次郎たちはねらわれた、と思ったらそうではない・・・・・
***
8.『宇宙にかける橋』文/福島正実・絵/石田武雄
英雄の兄さんは新聞記者だ。たまたまふたりが家にいると、突然電話がかかり友だちのまことくんが行くえ不明だという。英雄は兄さんと八方手をつくしたが、依然まことは・・・・
***
9.『あの炎をくぐれ!』文/光瀬竜・絵/石田武雄
動物たちにもことばがある。ある日、ボス犬クロの仲間たちが防波堤にたむろしていた。そこへどろぼうネコがきた。クロは、犬ことばで、ただちに命令を下した。
***
10.『おかしの男』文/杉山径一・絵/小林与志
玄関のポストにサングラスの男が何かを入れていった。なんだろうとしらべてみると、家出人をさがしているという。その家出人が、なんとおかしでできている男だという。
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11.『フィルムは生きていた』文/谷真介・絵/赤坂三好
老サナダ博士は世紀の大発見といわれる不思議なカメラを発明した。そのカメラは写したものは、なんでも持ちはこべるという。おかしがほしければ、おかしを写せばよいのだ。
***
12.『宇宙ヨット旅行』文/瀬川昌男・絵/伊藤展安
洋二がベットで目をさますと。外の様子がおかしい。宇宙都市にきていたのだ。地球が月のように見える。宇宙ステーションがたくさんあつまってできたふしぎな都市だ。
***
13.『遠くまでゆく日』文/三田村信行・絵/菊池薫
授業がおわったら、お別れ会だという。どこへいくのだろう。ヤマダさんは土星のアルファ市へ、と先生がいう。そんなとこへどうやっていくのだろう。みんなはしんぱいで・・・・
***
14.『ハチュウ類人間』文/立花広紀・絵/木村正志
化学生物者の坂本博士は、リカや幸一たちと南極にきている。と、突然地震がきた。みんなあわてた。地震がおさまって引きかえそうとすると、リカはふしぎなものをふんだ。
***
15.『プラスチックの木』文/香山美子・絵/杉浦範茂
フジオとユウジがキャッチボールをしていた。すると向いの二階の窓からへんな兄さんがのぞいている。そのうちは、フジオの家の一階下で、そんな兄さんいないはずだ。
***
16.『ぼくのまっかな丸木舟』文/久保村恵・絵/中村宏
コースケがプールでおよいでいると、プールはこれでおしまいというアナウンスがあった。まだ時間もはやいのにと思い、またコースケがプールにとびこもうとすると・・・・
***
17.『だけどぼくは海を見た』文/佐野美津男・絵/中村宏
宏幸は今日も7時半に起きた。朝起きると窓をあけるのが宏幸のクセだ。いつもだと、びっしり家が見えるのに、今日は海が見え、さかなまでいる。宏幸はあわてて窓をしめた。
***
18.『コンピューター人間』文/桜井信夫・絵/斎藤博之
テルオは、ある日突然特殊学校に入れられた。その学校は人間の心をいっさいゆるさない、きびしい学校だ。テルオはいやでしかたがない。みんなは団結した。・・・・
***
19.『帰ってきたゼロ戦』文/砂田弘・絵/田代三善
ゼロ戦は戦中の日本で大活躍した戦闘機だ。それが突然現れ、大人たちをみんなつれていってしまった。残された子どもたちは心配した。おとうさんやおかあさんはどこへ・・・・
***
20.『シュリー号の宇宙漂流記』文/今日泊亜蘭・絵/斎藤博之
宇宙船「シュリー号」に乗ってアルファ・ケンタウルス星行きを計画した火星の小学生トコロー、ルミ江、トキオらは、操縦器の故障で、宇宙のまっただ中で漂流してしまった。

=== 引用終わり ===

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■「第10回手塚治虫文化賞」決定。マンガ大賞は……、

 第10回手塚治虫文化賞が決定しました。この賞は、「日本のマンガ文化の発展、向上に大きな役割を果たした手塚治虫氏の業績を記念し、手塚氏の志を継いでマンガ文化の健全な発展に寄与することを目的」(http://www.asahi.com/tezuka/tezuka_sho.htmlより引用)としてつくられたもの。2005年発売のマンガ単行本の中から、各賞が選ばれています。

・asahi.com>第10回手塚治虫文化賞 http://www.asahi.com/tezuka/

 受賞作は下記のとおり。

・「マンガ大賞」(年間を通じて最も優れた作品に贈られる)
オンライン書店ビーケーワン:失踪日記・吾妻ひでお『失踪日記』(2005.3,イースト・プレス)
「突然の失踪から自殺未遂・路上生活・肉体労働、アルコール中毒・強制入院まで。波乱万丈の日々を綴った、今だから笑える赤裸々なノンフィクション!」(オンライン書店bk1の紹介文)

・「新生賞」 (斬新な表現、画期的なテーマなど清新な才能の作者に贈られる)
ひぐちアサ氏(「『おおきく振りかぶって』(講談社)で、野球マンガに新たな表現の可能性を示したことに対して」 )
オンライン書店ビーケーワン:おおきく振りかぶって(アフタヌーンKC)・ひぐち アサ『おおきく振りかぶって 既刊6巻』(講談社アフタヌーンKC)

・「短編賞」(短編、4コマ、1コマなどを対象に作品・作者に贈られる)
伊藤理佐氏(「『女いっぴき猫ふたり』(双葉社)『おいピータン!!』(講談社)『おんなの窓』(週刊文春連載)など一連の作品に対して」)
オンライン書店ビーケーワン:女いっぴき猫ふたり・伊藤理佐『女いっぴき猫ふたり』(2006.1,双葉社)
オンライン書店ビーケーワン:おいピータン!!(KCKISS)・伊藤 理佐『おいピータン!! 既刊8巻』(講談社KCKISS)

・「特別賞」(マンガ文化の発展に寄与した個人・団体に贈られる)
小野耕世氏(「長年の海外コミックの日本への紹介と評論活動に対して」)
オンライン書店ビーケーワン:アメリカン・コミックス大全・小野 耕世『アメリカン・コミックス大全』(2005.11,晶文社)
「「ピーナッツ」など新聞連載マンガから、スーパーヒーロー・コミックスはもちろん、「マウス」や「ボーン」など、新しい領域を切りひらいたオルタナティヴ・コミックスまで、アメリカのマンガ文化の全体像を描きだす」(オンライン書店bk1の紹介文)

 マンガ大賞のノミネート作には、矢沢あい『NANA』・二ノ宮知子『のだめカンタービレ』・安野モヨコ『働きマン』などもありましたが、それらを抑えて『失踪日記』が受賞。
 『失踪日記』は作品としては完結しているので、評価を与えても揺るがないというのもポイントだったのかもしれませんね。現在連載中の作品は、完結までに作品としての質が落ちてしまう可能性が、万が一でもありえますからねえ。

 あ、こう書くと、俺は『失踪日記』を評価していないように思われてしまうかもしれませんね。そんなことは決してなくて、『失踪日記』、好きです。

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■はじめてリブロ青山店へ行く

 青山へ行く用事があり、地下鉄外苑前のそばにある「リブロ(LIBRO)青山店」に寄る。こうして時々本屋に行くのは、大事だと思う。どんな本、どんなテーマの本に力を入れて並べているかは、やはり実際に書店に行くと分かる。ネットやブログで取り上げられる本というのもたくさんあるけれど、それはリアル書店の品揃えとは、またちょっと違うんだよね。それはつまり、本の並び方であったり、平積みの高さであったり、POPであったりするのである。
 ちなみにリブロ青山店は、やはりデザイン関連の本が充実していました。ただ、気になる本はありつつも、購入本はなしでした。

・LIBRO
http://www.libro.jp/

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■『よつばと!』のポスター

akiba_yotsubato01.jpg

 

 秋葉原の駅に掲示されていた、『よつばと!』のポスターです。描かれているのは、主人公よつばのお隣さん三姉妹の次女、風香。
 風香って、マンガの中のキャラクターとしては、やや天然ボケだけれど、絵として書かれると、美少女って感じですよね。
 もう少しはっきりした画像が見たい方は、下のよつばスタジオのページでどうぞ。

・よつばスタジオ http://yotuba.com/

オンライン書店ビーケーワン:よつばと! 5・あずまきよひこ『よつばと! 5』(2006.4,メディアワークス)
オンライン書店ビーケーワン:よつばと!(電撃コミックス)・あずま きよひこ『よつばと! 既刊5巻』(メディアワークス)

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■「過負荷指数」だと物理とか化学っぽいけれど、「カフカ指数」です

「過負荷指数」だと物理とか化学っぽいけれど、「カフカ指数」です。
 あのフランツ・カフカ(Franz Kafka, 1883-1924)のことです。
 下のasahi.comの記事によるとフランス政府が自国の役所の「非能率さを示す指標」(asahi.com記事)をそのように名付けるとのこと。

・asahi.com記事 http://www.asahi.com/international/update/0503/017.html

 「カフカが描いた官僚組織の無駄や責任不在は東西を問わない」(asahi.com記事)ということなのだが、俺は実はカフカは『変身』しか読んだことがない。ということで上の意見にはピンとこない(なんだか我ながら非常に恥ずかしいことを書いている気がするが)。
 ただ、カフカの小説みたいな「わけの分からない感じ」がお役所仕事の一部にあると言われると、なんとなく分かる。これは役所だけでなく、ある程度の規模を持った組織には、なんとなく「わけの分からない感じ」を持ちます。
オンライン書店ビーケーワン:変身・カフカ:著 / 池内 紀:訳『変身』(2006.3,白水社・白水Uブックス)
「ある朝、グレーゴル・ザムザが不安な夢から目を覚ましたところ、ベッドのなかで、自分が途方もない虫に変わっているのに気がついた…。「カフカ小説全集」を、訳文に手直しをほどこして再編集したシリーズ」(オンライン書店bk1の紹介文)
オンライン書店ビーケーワン:城・カフカ:著 / 前田 敬作:訳『城』(2005.1,新潮文庫)
オンライン書店ビーケーワン:審判・カフカ『審判』(1979,岩波文庫)
オンライン書店ビーケーワン:失踪者・カフカ:著 / 池内 紀:訳『失踪者』(2006.4,白水社・白水Uブックス)
「17歳のカール・ロスマン青年がアメリカ社会を遍歴したあげく、大陸の一点で失踪する…。従来「アメリカ」という表題で知られていた作品を、本来の姿に構成・内容を改め、カフカ自身の命名によるタイトルに戻して収録。」(オンライン書店bk1の紹介文)
オンライン書店ビーケーワン:カフカ短篇集・カフカ:著 / 池内 紀:編訳『カフカ短篇集』(1987.1,岩波文庫)
オンライン書店ビーケーワン:カフカ寓話集・カフカ:著 / 池内 紀:編訳『カフカ寓話集』(1998.1,岩波文庫)

【5月1日〜5月7日号】 2006.05.08掲載
■北海道のくすみ書房、気になる(ブログ未掲載)

■「読書速度測定」ですってよ(お遊び程度に考えた方がいいです)
■読書録には載らないかもしれない本の感想:『新プラモ狂四郎』・『よつばと!』

■北海道のくすみ書房、気になる

 北海道札幌市西区にあるという「くすみ書房」が気になる。
 元々、「本屋のオヤジのおせっかい 中学生はこれを読め!」というキャンペーンを行い、北海道内、更に全国に広まりつつあるという記事が気になった。
・asahi.com記事 http://news.goo.ne.jp/news/asahi/shakai/20060506/K2006050600740.html

 それで、webサイトを見てみたら、他にも色々と面白そうなキャンペーンをされています。
 まず「なぜだ!?売れない文庫フェア」。その名のとおり、「いい本なのに売れていない文庫」を並べたフェアのようです。 ラインナップは、新潮文庫(の売れ行き順位が下位の700点)に、ちくま文庫・ちくま学芸文庫(全1300点)・中公文庫(800点)・岩波文庫(全点1500点)・講談社学芸文庫(200点)・河出文庫(500点)。本が好きな人なら、これはうれしいよね。
 他にも、 「おとなの絵本フェア」を行っていたりとか、ほぼ毎日、夕方に20分くらい店内で本の朗読をしていたりとか、面白そう。
 チェーン系ではない、いわゆる町の本屋さんのようなのですが、それでも色々とアイデアを実行できるんだなあ。札幌に行く機会がそもそもないのだが、もしも機会があれば、行ってみたい店です。
 さらに店の入っているビルの地下には、古本と珈琲の店「ソクラテスのカフェ」もあるようです。

 こういう独特な魅力のある書店が、自分の住む家の近くに(さらには日本各地に)できてくればいいのに、と思う今日この頃。

・くすみ書房 http://www.kusumishobou.jp/

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■「読書速度測定」ですってよ(お遊び程度に考えた方がいいです)
 

ブログ検索サイトNAMAAN(http://www.namaan.net/)を見ていたら、よく検索されているキーワードに「読書速度測定」の文字が。これは気になると思い、早速見に行ってみました。要するに、速読の講座を行う会社の宣伝用のページなのね。

・読書速度測定 http://www.zynas.co.jp/genius/sokudoku/sokutei.html

 で、なにをするかというと、画面に文章が出てきて、それを読む。読んで意味が理解できたら、画面をクリックする。そうすると、一分間に換算して何文字読めるかを表示する。
 一応三回やってみましたが、順に「1306文字/分」、「1311文字/分」、「1060文字/分」とのこと。
 「日本人の平均の読書速度400〜600文字」、「大学入試センター試験や、東大や早稲田などの難易度の高い大学に現役合格される方の読書速度は1500文字前後」、「司法書士試験などの資格試験に必要とされる読書速度は2000文字」らしいです。

 でもさあ、まずこの測定そのものに問題がある。なぜなら、内容が理解できたかどうかが自己申告だから。「意味が理解できた」とクリックしても、その文章の内容を問う問題が出るわけじゃない。また「意味が理解できる」の意味も、人によって違うのよ。
 それから、「試験問題を読む」ことと、「本や文章を読む」ことは、そもそも「読む」意味が違うだろう。「試験問題を読む」場合は、回答を探すために読むのであって、いわば「検索するような読み方」をするわけです。例えば回答が五者択一だったら、それぞれの回答と同じことが問題文にないかを検索する、とかさ。
 でも一般的な読書では、読む人にとっての目的にあわせて読むわけですよ。泣きたいとか笑いたいとかびっくりしたいとか。そういう場合には、速読って意味をなさないんじゃないかと思うのだが。そう考えたときに、「速読って意味あるかあ?」と考えてしまう。

 あと、「大学入試センター試験(中略)に現役合格される」って、文章として間違っていますよね。「大学入試センター試験」自体に、合格とか不合格はないのですよ。速読しちゃうとそれも見過ごしてしまうかもしれないけれど。

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■読書録には載らないかもしれない本の感想:『新プラモ狂四郎』・『よつばと!』

新プラモ狂四郎・やまと虹一・クラフト団『新プラモ狂四郎』(Amazon.co.jpの紹介ページ)
 この間一気買いした漫画「プラモ狂四郎」シリーズ。とりあえず全一巻の『新プラモ狂四郎』を先に読む。
 いやあ、懐かしかったなあ。小学生の頃、リアルタイムで半分くらいまで読んでいた。
 『新プラモ狂四郎』では、主人公新京四郎が「造型教育に重点をおく日本でもただひとつの学園」(p.11)大日本造型学園に転校してくるところから話が始まる。プラモ部をつぶそうとする生徒会に対し、部の仲間たちと立ち向かい、その中でアーマード=バトルというゲーム(前作のプラモ・シミュレーションに相当する)の存在を知り、その秘密を突き止めていく。
 前作『プラモ狂四郎』に比べ、話としては短いのだが、面白かった。特に後半のどんでん返しはなかなか。前作の登場人物も一部出てきたりして、懐かしかったなあ。
 『プラモ狂四郎』も買ってあるので、時間を見つけて読もうと思います。
プラモ狂四郎 1 (1)・やまと虹一・クラフト団『プラモ狂四郎 1』
プラモ狂四郎 2 (2)・やまと虹一・クラフト団『プラモ狂四郎 2』
プラモ狂四郎 3 (3)・やまと虹一・クラフト団『プラモ狂四郎 3』
プラモ狂四郎 4 (4)・やまと虹一・クラフト団『プラモ狂四郎 4』
・やまと虹一・クラフト団『プラモ狂四郎 5』
プラモ狂四郎 6 (6)・やまと虹一・クラフト団『プラモ狂四郎 6』
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オンライン書店ビーケーワン:よつばと! 5・あずまきよひこ『よつばと! 5』(2006.4,メディアワークス)
 マンガです。相変わらず面白いなあ。
 この面白さはなんて言ったらいいのだろうか。「間」の面白さなのかな。
 おもな登場人物は、主人公の女の子よつばと、とーちゃん。それからお隣さん(あさぎ、風香、恵那の三姉妹と両親)、とーちゃんの友人のジャンボと恵那の友達みうら。よつばが色々な人や物に出会う様子(今回の5巻なら天体観測や海水浴、あるいはお手伝いや「たいやき」)を、独特の「間」で描く。
 よつばにとってはあらゆるものが新鮮なので、よつばの反応は意外だったり納得できたり、改めて物事に気づくことも多い。それから、よつばはいわゆる「天然(というか純粋)」なので、まわりの人物が突っ込んだり、あるいはまわりの人物に意外な(そして鋭い)質問をしたりする。それが笑いにつながることもあれば、考えさせてくれることもある。
 あとは、絵が丁寧なのも個人的には好き。
オンライン書店ビーケーワン:よつばと!(電撃コミックス)・あずまきよひこ『よつばと! 既刊5巻』(メディアワークス)

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