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木の葉燃朗の週刊ほんトーク

いきなり始まったこのコーナー。 タイトルどおり、およそ週刊ペースで 本に関するあれこれの情報を紹介しようと思います。基本的には、自分のブログ(木の葉燃朗の「本とデジタルと俺の日常と」)に 掲載したものの再録ですが、 ブログに載せきれなかった小ネタなども あわせて紹介していきます。
本に張っているリンクは、特に断り書きがなければ、オンライン書店bk1へのリンクです。

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2006年4月

【4月24日〜4月30日号】 2006.05.01掲載
■女性向けオンライン書店「@Bookport」 (ブログ未掲載)
■アナウンサーが小説を朗読する「フジポッド文庫」  (ブログ未掲載)
■青山ブックセンター六本木店 改装中 (ブログ未掲載)
■'60s STYLE STREET青春の街角(4/27-5/9、渋谷東急本店)

■女性向けオンライン書店「@Bookport」
 通信販売を行うフェリッシモが運営するオンライン書店、「@Bookport」がオープンしています。
 『ブックポート』って、1985年からフェリシモが発行している本の情報誌で、「@Bookport」は、そのwebサイトという位置付けらしい。女性向けに、本のソムリエがオススメを紹介する、という点が特色。
 これからのオンライン書店の特徴って、いかにして一冊の本だけでなく、何冊かの本のつながりを見せるかってことになるのかもしれないね。検索して欲しい本が見つかるのは当たり前になっているわけで、あとはいかに思いもよらない本に出会ってもらうかが重要になってくるのでしょう。そういう意味では面白いかなと思う。
・@Bookport http://www.felissimo.co.jp/bp/

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■アナウンサーが小説を朗読する「フジポッド文庫」
 
フジテレビのポッドキャスティング『フジポッド』 の中に、アナウンサーが小説を朗読する「フジポッド文庫」があります。
 青空文庫で公開されているテキストを、フジテレビのアナウンサーが朗読した音声データを公開しています。現在は宮沢賢治の短編作品の朗読が公開されています。毎週水曜日に更新されているようです。
 ラジオや市販のCD・カセットテープでも、文学作品の朗読があるけれど、ポッドキャスティングで公開されるというのも面白いね。

・フジポッド文庫 http://fujitv.cocolog-nifty.com/bunko/
・青空文庫 http://www.aozora.gr.jp/

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■青山ブックセンター六本木店 改装中
  青山ブックセンター六本木店が、4月25日から改装に入りました。リニューアルオープンは6月8日(木)午前10時。
 「広告制作会社「サン・アド」と「青山ブックセンター」が、六本木店の新装開店を期にコラボレーション企画としてオープニング・イベントを実施」(青山ブックセンターサイトより)する他、リニューアルオープン時にはイベントも開催予定のようです。
 俺は今までの六本木店も充分好きだったのですが、リニューアルしてどんな風になるのかも楽しみです。
・青山ブックセンターhttp://www.aoyamabc.co.jp/
・上記サイト内新六本木店コンセプトhttp://www.aoyamabc.co.jp/eventsxwin/sp20060408_1x.html

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■'60s STYLE STREET青春の街角(4/27-5/9、渋谷東急本店)

 お、これはちょっと惹かれるかも。

「'60s STYLE STREET青春の街角」 http://www.60s-tokyo.com/street/street.html
●4月27日(木)〜5月9日(火)/渋谷・東急本店 7階特設会場 入場無料


 1960年代にまつわる古本の販売や、'60年代の映画(スティーブ・マックイーン、オードリー・ヘプバーンのゆかりの品)・音楽(ギターやレコード)・ライフスタイル(「VANコレクション」など)の展示があるそうです。
 渋谷の東急本店・東横店を中心に行われる「'60s 東京グラフィティ」(4/27-5/10)という催しの一環のようです。東急本店屋上での映画上映もあるようです。

「'60s 東京グラフィティ」http://www.60s-tokyo.com/
「屋上映画館スターライト」http://www.60s-tokyo.com/starlight/starlight.html
●渋谷・東急本店 屋上 入場無料 (雨天荒天中止)
上映時間:毎晩19:00〜21:00予定
【上映作品予定】
4月27日(木) スティーブ・マックイーン主演「ブリット」
4月28日(金) オードリー・ヘプバーン主演「暗くなるまで待って」
4月29日(土) ウォーレン・ビーティ主演「俺たちに明日はない」
4月30日(日) 植木等主演「ニッポン無責任時代」
5月1日(月) ジェームズ・ディーン主演「エデンの東」
5月2日(火) マリリン・モンロー主演「お熱いのがお好き」

 ゴールデンウィーク向けの催しでしょうから、人出は多いかもしれませんが、興味のある方はどうぞ。

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【4月17日〜4月23日号】 2006.04.24掲載
■本がついたキットカット(KitKat)
■「池袋西口公園古本まつり」、開催中です。
■ 樽見博『古本通』(平凡社新書)より、資料や文献の検索に参考になりそうなサイト
■HARCOが朗読する梶井基次郎の「檸檬」。
■カタログや会社案内が本として出版できる企業としてのブランド力  最近、下の二冊の本を見かけました。
■ケータイを埋め込む本「MISSING PIECE」

■本がついたキットカット(KitKat)
 お菓子のキットカット、ちょっと前にCDとのセットが発売されましたが、今度は本とのセットです。
・BLEAKTOWN LABEL http://www.breaktown.com/label/index.htm(キットカットとCDのセットなどの情報)

 それが「クリスピー物語」。鈴木光司・大石圭・牧野修・森山東・小林泰三・北野勇作の六氏の短編小説を収録した文庫本とお菓子のセットとのことです。
・クリスピー物語 http://www.breaktown.com/e-crispy/top.htm

 試みとしては面白いと思う。あとは、CDでも本でも、一緒についてくるものを誰が作るかだよね。
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■「池袋西口公園古本まつり」、開催中です。

「第3回池袋西口公園古本まつり」
・4月19日(水)〜25日(火) 10:00〜19:00(最終日は〜17:00)・雨天中止
・池袋西口公園(東京芸術劇場前)

 行きたい気持ちはあるのだが、時間をどうやって作るかが目下の悩み。
 ちなみに去年の5月に開催された時に訪ねた模様のレポートは下記でどうぞ。

2005.4.23(土) 春の休日、やっぱり古本買いに行く−池袋・神保町編−(2005.07.03掲載)http://www.h5.dion.ne.jp/~garakuta/booksalon/huruhon/0504ikebukuro_jinbocho.html
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■ 樽見博『古本通』(平凡社新書)より、資料や文献の検索に参考になりそうなサイト

 下の本を読みました。
オンライン書店ビーケーワン:古本通・樽見博『古本通』(2006.4,平凡社新書)
「古本の面白さを知っていますか? マスコミも伝えない古書業界の仕組み、古本探索の奥義と秘策、古今のユニークな蔵書家たちとアッと驚く蔵書のエピソード、果ては蔵書処分の方法まで、古本とつきあう法が満載」(オンライン書店bk1の紹介文)
(目次)
第一章 古書業界の仕組み /  第二章 古書価決定のシステム /  第三章 古本探しのツ−ル /  第四章 古本探索の楽しさ /  第五章 蔵書百態 /  第六章 有利な蔵書処分法 /  第七章 古本のこれから

 「第三章 古本探しのツ−ル」(pp.55-90)で紹介されている、資料や文献を検索する際に参考になるサイトが役に立ちそうなので、実際にサイトを検索してみました。いくつか掲載しておきます。
神奈川近代文学館 http://www.kanabun.or.jp/
日本近代文学館 http://www.bungakukan.or.jp/
国文学研究資料館 http://www.nijl.ac.jp/
東京大学附属図書館 http://www.lib.u-tokyo.ac.jp/
東京都現代美術館 http://www.mot-art-museum.jp/
東京芸術大学附属図書館 http://www.lib.geidai.ac.jp/

 後日リンク集にも追加しよう。本の詳しい感想文も、後日読書録に掲載したいと思います。
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■HARCOが朗読する梶井基次郎の「檸檬」。

 ミュージシャンのHARCOさんによる梶井基次郎の「檸檬」の朗読を、iTunes Music Storeで購入することができます。価格は500円。
 俺は「檸檬」は読んだことがあるので、買おうかどうしようかは考え中ですが、HARCOさんの朗読というのはちょっと惹かれる。
オンライン書店ビーケーワン:檸檬・冬の日・梶井 基次郎『檸檬・冬の日 他九篇』(1985.6,岩波文庫)
オンライン書店ビーケーワン:檸檬・梶井 基次郎著『檸檬』(1985,新潮文庫)

 ちなみに4/26発売予定のHARCOさんのCDは、買います。HARCOさんが手がけたCMソングを集めたCD。
Portable Tunes-HARCO CM WORKS ・HARCO『Portable Tunes-HARCO CM WORKS』
1 「世界でいちばん頑張ってる君に」 スズキ アルトCMソング 2005年
2 「Welcome to my home」NTTコミュニケーションズ "OCN" CMソング 2004年
3 カゴメ野菜スープ CMソング オリジナルversion 2002年
4 「LOVE ANZ PEACE」永昌源 杏露酒CMソング 2005年
5 CHINTAI CMソング オリジナルversion_1 2006年
6 「私のマウススプレー」サンスター オーラメントマウススプレーCMソング 2003年
7 ユニ・チャーム ペットケア「愛犬元気11歳以上用」 CMソング オリジナルversion 2005年
8 「スイッピ*ラグ」JR東日本View+SuicaカードCMソング 2003年
9 「息をしろ」JR東日本エキナカCFソング 2005年
10 ANA'S G・E・T CMソング オリジナルversion 2001年
11 「野ばら -ピラミッド型Remix-」LiptonイエローラベルCMソング 2004年
12 グリコPOsCAM CMソング オリジナルversion 2005年
13 CHINTAI CMソング オリジナルversion_2 2006年
14 自動車工業会サウンドロゴ(四輪) 2004年
15 自動車工業会サウンドロゴ(二輪) 2005年
16 「ソングバード -新宿上空Remix- 」 チョコラBBローヤルCMソング 2005年
17 スズキ アルトCMソング オリジナルversion 2005年
18 「LOVE ANZ PEACE」永昌源 杏露酒CMソング(without vocal) 2005年

(曲情報は公式サイトhttp://www.harcolate.com/より引用)
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■カタログや会社案内が本として出版できる企業としてのブランド力
 最近、下の二冊の本を見かけました。
オンライン書店ビーケーワン:無印良品のふしぎ・鵜久森 徹『無印良品のふしぎ』(2006.3,ピエ・ブックス)
「シンプルにモノの本質を追求する「無印良品」。普段何気なく見逃してしまう気になる商品の、使用目的、ネーミングの由来、サイズ表記の理由など、お気楽な質問とその答えをビジュアルとともに紹介。」(オンライン書店bk1の紹介文)
オンライン書店ビーケーワン:100%ソニーミュージック・ソニーミュージックオフィシャル編集チーム:編著『100%ソニーミュージック』(2006.3,ナナ・コーポレート・コミュニケーション)
「ソニーミュージックグループを代表する6レーベルのアーティスト担当者6人に約半年間、密着取材を敢行。その多岐に渡る仕事内容を紹介する、音楽業界を目指す人のための本。これを読んでレコード会社に就職しよう! 」(オンライン書店bk1の紹介文)

 ちょっと立ち読みして思ったのは、「これってカタログや会社案内を有料で販売しているような感じだよなあ」ということ。誤解しないでいただきたいのは、これは悪い意味ではないです。
 つまり、カタログや会社案内のような内容の本が販売されても、欲しい人が確実にいるということ。それが無印良品やソニーミュージックのブランド力だろうということ。これって凄いことだと思う。
 もちろん、経営者による自伝や、経営ノウハウをつづったビジネス書は多いし、企業のブランドを研究した本もある。でも、個人的にはあまり魅力を感じないんだよねえ。
 その中でこの二冊は、気になりますね。
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■ケータイを埋め込む本「MISSING PIECE」

 先日青山ブックセンター六本木店で「MISSING PIECE」という本を見つけました。
 これは、真ん中に穴が開いた本。穴のまわりは、写真・CGなどの作品が印刷されていて、穴には携帯電話(NTTドコモ用、ソニーエリクソンの「SO902i」)が入るようになっている。ケータイが入って初めてひとつの作品になる、というわけですね。
 びっくりするほど新しいアイデアではないが、そのように使われる携帯電話のデザインの方が興味深い。

・ソニーエリクソンの紹介ページ http://www.sonyericsson.co.jp/semcfun/campaign_event/so902i_exhibition/index.html

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【4月10日〜4月16日号】 2006.04.17掲載

■江東区の森下文化センターで、連続講義「編集者が語るマンガの世界」開講
 夏目房之介氏のブログで知ったのですが、江東区の森下文化センターで、「編集者が語るマンガの世界」という講座が5月から開講します。

・ 夏目房之介の「で?」>April 13, 2006 http://www.ringolab.com/note/natsume2/archives/004424.html
・財団法人 江東区地域振興会 http://www.kcf.or.jp/
・講座案内 http://homepage3.nifty.com/l-koto/kouza/05morisita/hensyu-manga.html

 講師陣は下記の通り。
5月28日 マンガ編集者、その役割 講師:マンガコラムニスト 夏目 房之介
6月25日 トキワ荘の時代 講師:元・講談社「少女クラブ」編集長 丸山 昭
7月23日 花開く少女マンガの時代 講師:元・集英社編集者 二上 洋一(倉持 功)
9月28日 赤塚不二夫とモーレツギャグ時代 講師:元・小学館編集者 武居 俊樹
10月22日 少年誌の時代(1)少年マガジン 講師:元・講談社編集者 宮原 照夫
11月23日 少年誌の時代(2)少年ジャンプ 講師:元・集英社編集者 西村 繁男
12月17日 ガロ編集者時代 講師:元・青林堂 南伸坊

 各界とも14:00〜16:00の2時間。これで7回分受講料7500円、教材費500円。
 講師陣を見ていただけると、分かる人にはめちゃめちゃすごい顔ぶれで、この受講料はとてもお得なことが分かると思う。早速申し込みましたが、現時点でキャンセル待ちとのこと。おおぅ! 幸運の女神は前髪をつかまねばならない(「チャンスにはいち早く反応しろ」ということわざ)のだった。遅かったか、間に合ったか、それは連絡待ちの状態です。

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■樽見博『古本通』(平凡社新書)を買ってくる
 岡崎武志氏のweb日記で知った樽見博『古本通』(平凡社新書)を買ってきました。

・okatakeの日記>2006年4月14日  http://d.hatena.ne.jp/okatake/20060414
オンライン書店ビーケーワン:古本通・樽見 博『古本通』(2006.4,平凡社) 「古本の面白さを知っていますか? マスコミも伝えない古書業界の仕組み、古本探索の奥義と秘策、古今のユニークな蔵書家たちとアッと驚く蔵書のエピソード、果ては蔵書処分の方法まで、古本とつきあう法が満載」(オンライン書店bk1の紹介文)

 日本古書通信社に勤務する編集者である著者による本。目次は下記の通り。
 第一章 古書業界の仕組み/第二章 古書価決定のシステム/第三章 古本探しのツ−ル/第四章 古本探索の楽しさ/第五章 蔵書百態/第六章 有利な蔵書処分法/第七章 古本のこれから
 これは面白そう。

 なお、日本古書通信社は、月刊の古書情報誌『日本古書通信』や、『全国古本屋地図』など、古書(古本)に関する本を中心に刊行する出版社です。
 また代表取締役で、『日本古書通信』編集長の八木福次郎氏は、90歳を越えた今も現役の編集長であり、神保町の(ということは日本の古本界の)生き字引的な存在です。俺は2004年10月、2005年4月と、八木氏のトークショーを聴きに行ったことがありますが、非常に面白く、かつ貴重な話(例えば江戸川乱歩が古本屋を営業していた頃の話を本人から聞いたことがある、など)を聴くことができました。

・日本古書通信 http://www.kosho.co.jp/kotsu/
オンライン書店ビーケーワン:書痴斎藤昌三と書物展望社・八木 福次郎『書痴斎藤昌三と書物展望社』(2006.1,平凡社)「日本近代出版史の中でも質の高い書物と書物文化興隆の時代に、その中心を担った斎藤昌三。波乱に富んだ生涯と雑誌や限定本などの作品、そして書痴たちとの交遊を描き出す。書物展望社本と斎藤昌三の著作も収録」(オンライン書店bk1の紹介文)
オンライン書店ビーケーワン:書国彷徨・八木 福次郎『書国彷徨』(2003.5,日本古書通信社)「総ルビ付のなつかしい本のこと、鏡花逸文「蛍」の思い出、幻の本「社会主義詩集」についてなど、長年にわたり本一筋に働いてきた著者が、明治本を中心に、本の思い出等を綴る」(オンライン書店bk1の紹介文)

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■ぶはは! 2億円近いペーパーバック!
 impressのやじうまWatchで見つけたネタです。
・impress>やじうまWatch>2006/04/14 http://internet.watch.impress.co.jp/static/yajiuma/

 Amazon.co.jpで、¥195,702,692 (税込)の洋書ペーパーバッグが売られています。D.B.Rao『Student Shyness』。
 多分、ただの間違いだと思うけれど。一応Amazon.co.jpの紹介ページへのリンクも紹介しておきましょう。ただ、間違って買ってしまっても責任は負いかねますよ。あと、多分ネットのあちこちで話題になっているはずなので、修正される可能性も大です。
・Amazon.co.jp>D.B.Rao『Student Shyness』http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/8176485454/garakuta07-22/ref=nosim/

 でも、ひょっとしたら本当にこの値段で売る現代美術の一種だったりして。
 ちなみに、4月16日時点では「在庫切れ」になっていますね。そして値段は¥177,911,538 (税込)に。約1,780万円のプライスダウン。

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■『プラモ狂四郎』。んー、欲しい。
 マンガの『プラモ狂四郎』をもう一回読み返してみたいなあ。今、「コミックボンボンデラックス」として、復刻版が出ているようなんです。
 この漫画は、プラモデル好きの少年京田四郎が、自分の作ったプラモデルを「プラモシュミレーター」という機械を使って戦うというストーリー。この「プラモシュミレーター」のアイデアが秀逸で、作ったプラモのデータを取り込んで、仮想空間上で戦わせるというもの。たしか、作り方の工夫や難点も、仮想空間に反映される設定だったはず。
 「プラモシュミレーター」とともに、登場するプラモデルに実在のものが多く(特に「ガンプラ」ですよ)、かっこいいと思ったプラモデルを買ってきて作れたのも楽しかったなあ。「パーフェクトガンダム」のプラモデルは、この漫画から生まれたんだよなあ。
 ああ、どんどん漫画が欲しくなってきた。古本屋を丹念に回るという方法もあるが、最近あまりそういう時間がなくて。思い切ってAmazon.co.jpで一気買いするかなあ(オンライン書店bk1ではなぜか見つからないので、リンク先はAmazon.co.jpの紹介ページです)。
プラモ狂四郎 1 (1)・やまと虹一・クラフト団『プラモ狂四郎 1』
プラモ狂四郎 2 (2)・やまと虹一・クラフト団『プラモ狂四郎 2』
プラモ狂四郎 3 (3)・やまと虹一・クラフト団『プラモ狂四郎 3』
プラモ狂四郎 4 (4)・やまと虹一・クラフト団『プラモ狂四郎 4』
・やまと虹一・クラフト団『プラモ狂四郎 5』
プラモ狂四郎 6 (6)・やまと虹一・クラフト団『プラモ狂四郎 6』

 続編の『新プラモ狂四郎』も復刊されています。こちらは途中までしか読んでいないんだよなあ。同じく気になる。
新プラモ狂四郎・やまと虹一・クラフト団『新プラモ狂四郎』

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■30日でOSを作る解説書と、それを元に本当にOSをつくった人の話
 最近、下のような本が出ました。俺は実は知らなかったのですが、それでも第一印象は「えー、本当?」だった。OS(Operating System)って、パソコンを動かすための一番元になるソフトです。Windowsも、MacOSも、OSです。
 たしかに、ハードウェアやソフトウェアやインターフェースが動かせれば、OSだけれど、でも30日でできるのかなあと思った。
オンライン書店ビーケーワン:OS自作入門・川合秀実『30日でできる! OS自作入門』(2006.2,毎日コミュニケーションズ)「C言語やアセンブラを勉強しながら、30日後にはすてきなOSができあがるように指導するテキスト。「簡単なプログラムなら書いたことがあるよ」くらいのセンスがあれば、それで十分!」(オンライン書店bk1の紹介文)

 しかし、世の中には色々な人がいるもので、上の本を参考書に実際にOSづくりに挑戦した人がいるのね。
・本当に30日でOSが出来上がるのかを試してみるBlog http://d.hatena.ne.jp/hariboteOS/

 まだ全部の記事は読んでいないのだが、本当にOSをつくることができたようです。プロフィールを拝見すると、プログラマの方のようなのだが、一日3〜4時間をかけて、約40日で完成に到ったようです。
 純粋にすごいと思いますね。チャレンジして成し遂げる情熱もすごいし、やろうと思えば本当にできるという本の内容もすごい。
 俺はプログラムはからきし駄目ですが(中学生から高校生の頃、本当に基本的なBASICのプログラムを勉強したことはある)、本の内容にはちょっと興味があります。
(参考記事) impress>やじうまWatch>2006/04/12 http://internet.watch.impress.co.jp/static/yajiuma/

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■文房具の本
 最近、下の本を読んだこともあって、文房具の本が気になります。そうなると、やはり書店でも目に付くようになってきます。
オンライン書店ビーケーワン:文房具56話・串田 孫一『文房具56話』(2001.1,ちくま文庫)

 例えば下のような本ね。俺は「いいお値段で、やっぱりものもいい」文房具よりは、「リーズナブルでなかなか使える」文房具から好みのものを探すのが好きなのですが、でも本で見る分には、色々な文房具を見てみたい。
オンライン書店ビーケーワン:机上空間・エイムック『机上空間 特集:センスのよい「机・椅子・文房具」が欲しい!』(2005.1,えい出版社)「文房具とデスクトップ小物及びその使いこなしの提案を満載。特集は「センスのよい「机・椅子・文房具」が欲しい!」 ドイツの筆記具ブランド、ラミーのすべて、2005年手帳&ノート構築ガイダンスほかも収録」(オンライン書店bk1の紹介文)
オンライン書店ビーケーワン:デザインステーショナリー・エイムック『デザインステーショナリー やっぱり文具が好き! 』(2004.9,えい出版社)「ボールペンや鉛筆、カラーペンやハサミ、バインダー、クリップまで、欲しくなるステーショナリーを厳選して紹介する。そのほか、ロディア&メモ用カバーカタログ、ロングセラーの定番文具、職人が作り出すハサミの美など」(オンライン書店bk1の紹介文)

 最近文房具屋や書店でよく見かけるMOLESKINE(モールスキン)のノートや手帳も、俺は「ちょっと高い」と思ってしまうのですが(すいません、その程度の値段の感覚なんです)、眺めるのは好き。
 それから、ちょっと実用的ではないかもしれないが、面白い文房具を紹介しているのが下の本。俺は正直それほど興味を惹かれるわけではないのですが、好きな人は好きではなかろうかと思います。
オンライン書店ビーケーワン:イロブン・きだて たく『イロブン』(2005.12,ロコモーションパブリッシング)「鼻鉛筆削り、パンクス兄貴ペン立て、不思議な顔面クリップ…。見て爆笑、持って脱力? ヘンな文具がてんこ盛り。超人気「文具ツッコミ系」サイト『イロブン』を書籍化」(オンライン書店bk1の紹介文)

(参考)・MOLESKINE http://www.moleskine.jp/

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■『ガンプラ開発真話』&プラモデル・模型に関する本
 ガンプラ……。ガンプラ世代ですよ俺は。だからこの本は気になるよなあ。
オンライン書店ビーケーワン:ガンプラ開発真話・猪俣 謙次 / 加藤 智『ガンプラ開発真話』(2006.4,メディアワークス)「ガンプラはいかにして誕生したのか? これまで語られることの少なかったガンプラ黎明期の真実を、当時の関係者の証言を元に解き明かす。また、ガンプラブームに立ち会ったホビー誌編集者たちの特別寄稿も収録する」(オンライン書店bk1の紹介文)

 あとは、模型やプラモデルに関する本も好きなんだよなあ。例えば下に挙げたような本です。下の三冊はどれも読んだのだが、いずれも仕事に携わる姿勢のかっこよさに感動した記憶があるなあ。
オンライン書店ビーケーワン:田宮模型の仕事・田宮 俊作『田宮模型の仕事』(2000.5,文芸春秋)
オンライン書店ビーケーワン:創るモノは夜空にきらめく星の数ほど無限にある・宮脇 修『創るモノは夜空にきらめく星の数ほど無限にある 海洋堂物語』(2003.5,講談社)「情熱と行動力で守りつづけるモノ創りの原点! ハリウッドのSFX作家も認める海洋堂フィギュア。1坪半の店から出発した海洋堂の波乱万丈の歴史と、ヒット企画誕生の舞台裏を創業者自ら書き切った待望の書」(オンライン書店bk1の紹介文)
オンライン書店ビーケーワン:日本プラモデル興亡史・井田 博『日本プラモデル興亡史 わたしの模型人生』(2003.10,文春ネスコ)「サンダーバード、零戦、鉄人、ガメラ…。僕らが胸躍らせたプラモたちは、どうやって生まれたのか。日本初のプラモデル専門誌『モデルアート』を創刊した著者が自分の半生に託して語る業界史」(オンライン書店bk1の紹介文)

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■小谷野敦氏の本の題名のインパクト
  小谷野氏の本のタイトルは、好き嫌いはあるだろうが、人の気を惹かずには入られないようなタイトルが多いよなあ。最近出た『なぜ悪人を殺してはいけないのか』もそう。
オンライン書店ビーケーワン:なぜ悪人を殺してはいけないのか・小谷野 敦『なぜ悪人を殺してはいけないのか』(2006.3,新曜社)「死刑存置論から天皇制批判、オリエンタリズム概念批判まで、いかなる権威にも大勢にもなびかない思考が冴えわたる! 「なぜ人を殺してはいけないのか」「共和制への意思」「反時代的考察」の3部構成」(オンライン書店bk1の紹介文)

 他にも、小谷野氏の名が広く知られるようになった『もてない男』だってインパクトがあるし、『バカのための読書術』や『すばらしき愚民社会』というのも、なかなかすごい。
オンライン書店ビーケーワン:もてない男・小谷野 敦『もてない男』(1999.1,ちくま新書)
オンライン書店ビーケーワン:バカのための読書術・小谷野 敦『バカのための読書術』(2001.1,ちくま新書)
オンライン書店ビーケーワン:すばらしき愚民社会・小谷野 敦『すばらしき愚民社会』(2004.8,新潮社)「「意見を言うバカ」がはびこる現代、日本の大衆社会は新たな段階に入った! 三流大学、エセ知識人、禁煙ファシズム…。日本をダメにする愚民どもをメッタ斬り。02〜04年『考える人』連載「大衆社会を裏返す」の改題加筆」(オンライン書店bk1の紹介文)

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【4月3日〜4月9日号】 2006.04.10掲載

■気になるイベント:『工事中景』刊行記念トークセッション

 以前気になる本として取り上げた『工事中景』の刊行を記念して、青山ブックセンター本店でトークセッションが行われます。
=== 青山ブックセンターサイト内http://www.aoyamabc.co.jp/events.html#ao20060416_1より引用 ===
『工事中景』(鹿島出版会) 刊行記念トークセッション
ステュディオ ハン デザイン × タイクーングラフィックス
つぎの工事現場のデザイン会議、生中継します。
■2006年4月16日(日)14:00〜16:00(13:30開場)
■会場:青山ブックセンター本店内・カルチャーサロン青山
■定員:120名様
■入場料:¥700(税込)電話予約の上、当日精算
■電話予約&お問い合わせ電話:03−5485−5511
■受付開始:2006年3月25日(土)10:00〜
ゲスト:
韓 亜由美(ステュディオ ハン デザイン)
鈴木 直之(タイクーングラフィックス)
木村 和史(KIMGYM)
黒田 潔(イラストレーター)

=== 引用終わり ===
 まだ予約に空きがあるかは不明ですが、気になる方は青山ブックセンターへお問い合わせしてみてください。
 ちなみにステュディオ・ハン・デザインは、JR新宿駅南口の「新宿サザンビートプロジェクト」などを手がけています。工事現場の壁に、これまでの新宿や東京の様子を描いた文章と写真を掲載している。これは以前から何度となく見ているのですが、やはり興味深い。

・韓 亜由美・ステュディオ・ハン・デザイン ほか:編著『工事中景』(2006.2,鹿島出版会)
オンライン書店ビーケーワン:工事中景
「デザインの空白地帯であった「工事現場」に、トップクリエイターたちが注目。そのボーダレスな発想力とプロジェクトをドキュメントする、工事現場のデザイン集。狭い日本の眠れる資源は工事現場だ!」(オンライン書店bk1の紹介文)

・ステュディオ・ハン・デザイン http://www.studio-han-design.com/
・新宿サザンビートプロジェクト http://www.ktr.mlit.go.jp/toukoku/ssb/ssb_top_j.htm

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■出版社「ビブロス」倒産

 いわゆる「ボーイズ・ラブもの」(女性向の男性同性愛の小説や漫画)を数多く出版していたビブロスに、「平成18年4月5日 東京地方裁判所より破産手続き開始決定がなされ」(下記URLより)たとのこと。

・旧ビブロスサイトトップページ(現在は上記引用した案内等のみ) http://www.biblos.co.jp/

 民事再生や会社更生ではなく破産手続なので、再建の目途が立たなかったということなのだろう。
 下の雑誌『オタクエリート』も、第一号で終刊かあ。

・『オタクエリート No.01(’05Winter)』(2005.12,ビブロス)
オンライン書店ビーケーワン:オタクエリート No.01(’05Winter)
「第2回「オタク検定」誌上開催(出願セット付)、野村総研・浜銀総研「オタクレポート」の舞台裏、他。表紙・巻頭インタビューは鳩山由紀夫氏」(オンライン書店bk1の紹介文)

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■何度も書いて恐縮ですが

 オンライン書店bk1に投稿した下の本の書評が、「今週のオススメ書評」に選ばれました。
オンライン書店ビーケーワン:ライフハックプレス・田口元、他『Life Hacks PRESS(ライフハックプレス) デジタル世代の「カイゼン」術 』(2006.4,技術評論社) 「lifehacksとは、仕事をシンプルかつ楽しくするような習慣を生み出そうという考え方。シンプル&ストレスフリーの仕事術GTDや、Google全サービス活用、プレゼンが簡単にうまくなる方法を特集する」(オンライン書店bk1の紹介文)

 4/13くらいまで、下のURLで紹介されています。もちろん、以降も上の本の紹介ページには書評として掲載されています。よかったら読んでやってください。
●オンライン書店bk1 > 書評ポータル http://www.bk1.co.jp/contents/shohyou/

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■読書録には載らないかもしれない本の感想

・雑誌『ぐるり 2006年4月号』(ビレッジプレス)
 中央線を中心としたB6サイズの情報誌。今回の特集が岡崎武志氏で、田川律氏との対談が掲載されています。二人の関西弁での掛け合いも面白いし、岡崎さんによる本の話が色々と出てきて、これも面白い。

 特に、本を集めている人は「普通の人は、ミステリーならミステリー、明治時代の初版本なら、とか割と決まっているんですけれど」(p.4、岡崎)、岡崎氏にとっては「その時自分が一番面白いと思うもの」(p.4、岡崎)を集める、という部分が、興味深い。
 というのも、俺が本、特に古本を買う直接的な影響を受けた人々は、ほとんどが「その時自分が一番面白いと思うもの」を集めている人、言い換えれば自分で古本に価値観をつけている人、だから。
 それは例えば岡崎氏であり、北尾トロ氏であり、唐沢俊一氏や横田順彌氏(横田氏の場合は明治関係の本が既にひとつの価値体系になっていると思う)なわけです。

 だから俺なんかは、もうあるジャンルに限定して本を集めるという考えが最初からない。大学生くらいまでは推理小説を中心に読んでいたけれど、いまや推理小説は(そもそも小説)はほとんど読まず、色々な分野のノンフィクションやコラムが読書の中心になっている。これは俺の性格も関係あると思うけれどね。

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■本屋大賞が決定

 全国の書店員がその年一番の小説を選ぶ「本屋大賞」。2006年度の最終順位が発表されました。

大賞:・リリー・フランキー『東京タワー』(2005.6,扶桑社)
オンライン書店ビーケーワン:東京タワー
「それはまるで、独楽の芯のようにきっちりと、ど真ん中に突き刺さっている。東京の中心に。日本の中心に。ボクらの憧れの中心に。この話は、かつて、それを目指すために上京したオトンと、ボクと、オカンのちいさな話です」(オンライン書店bk1の紹介文)

2位:奥田 英朗『サウスバウンド』(2005.6,角川書店)
オンライン書店ビーケーワン:サウスバウンド
「型破りな父に翻弄される家族を、少年の視点から描いた長編。21世紀を代表する新たなるビルドゥングスロマン。『KADOKAWAミステリ』連載に加筆・修正、書き下ろしを加えて単行本化。直木賞受賞第一作」(オンライン書店bk1の紹介文)

3位:伊坂 幸太郎『死神の精度』(2005.6,文芸春秋)
オンライン書店ビーケーワン:死神の精度
「「俺が仕事をするといつも降るんだ」 クールでちょっとズレてる死神が出会った6つの物語。音楽を愛する死神の前で繰り広げられる人間模様。『オール読物』等掲載を単行本化」(オンライン書店bk1の紹介文)

4位:東野 圭吾『容疑者Xの献身』(2005.8,文藝春秋)
オンライン書店ビーケーワン:容疑者Xの献身
「天才数学者でありながらさえない高校教師に甘んじる石神は、愛した女を守るため完全犯罪を目論む…。数学だけが生きがいだった男の純愛ミステリー。『オール読物』連載を単行本化」(オンライン書店bk1の紹介文)

5位:重松 清『その日のまえに』(2005.8,文芸春秋)
オンライン書店ビーケーワン:その日のまえに
「神さまは意地悪だから、大切なひとを遠くへ連れ去ってしまう。昨日までの暮らしが、明日からも続くはずだった。それを不意に断ち切る、愛するひとの死−。生と死と、幸せの意味を見つめる連作短編集。『別冊文芸春秋』掲載」(オンライン書店bk1の紹介文)

6位:島本 理生『ナラタージュ』(2005.2,角川書店)
オンライン書店ビーケーワン:ナラタージュ
「大学2年の春、高校の演劇部の葉山先生から泉に電話がかかってきた。高校時代片思いをしていた先生からの電話に、泉は思わずときめく。だが、先生の過去には大きな秘密があった−。一生に一度の究極の恋を瑞々しい感性で描く。」(オンライン書店bk1の紹介文)

7位:町田 康『告白』(2005.3,中央公論新社)
オンライン書店ビーケーワン:告白
「人はなぜ人を殺すのか…? 河内音頭のスタンダードナンバーとして唄われ、実在の大量殺人事件である「河内十人斬り」をモチーフに、永遠のテーマに迫る渾身の長編小説。『読売新聞』夕刊連載に書き下ろしを加え、単行本化」(オンライン書店bk1の紹介文)

8位:古川 日出男『ベルカ、吠えないのか?』(2005.4,文芸春秋)
オンライン書店ビーケーワン:ベルカ、吠えないのか?
「1943年、日本軍が撤収したキスカ島。無人の島には4頭の軍用犬が残された。捨てられた事実を理解するイヌたち。やがて彼らが島を離れる日がきて−。それは大いなる「イヌによる現代史」の始まりだった!
(オンライン書店bk1の紹介文)

9位:桂 望実『県庁の星』(2005.9,小学館)
オンライン書店ビーケーワン:県庁の星
「小学校の時からずっと成績優秀、品行方正。役人根性全開の県庁のエリートが、田舎のスーパーにやって来た。手に汗握る、役人エンターテインメント! サラリーマンも身につまされる役人意識構造改革ストーリー」(オンライン書店bk1の紹介文)

10位:西 加奈子『さくら』(2005.3,小学館)
オンライン書店ビーケーワン:さくら
「飼い犬サクラと大学生の僕、父さん、母さん、妹のミキ。あるちっぽけな家族に起こったひとつの奇蹟が、ある美しいひとつの曲を、強く、やさしく立ち上げる」(オンライン書店bk1の紹介文)

11位:伊坂 幸太郎『魔王』(2005.10,講談社)
オンライン書店ビーケーワン:魔王
「人々の心をわし掴みにする若き政治家が、日本に選択を迫る時、長い考察の果てに、兄は答えを導き出し、弟の直観と呼応する…。未来にあるのは青空なのか、荒野なのか。世の中の流れに立ち向かおうとした、兄弟の物語」(オンライン書店bk1の紹介文)

 実は、結果にはさほど興味はありません。ノミネート作自体にも、読みたいと思う小説はほとんどないので。東野圭吾氏の『容疑者Xの献身』にはちょっと興味がありますが、それも未だ読んでいないという俺のていたらくぶり。
 そのていたらくぶりを承知で書きます。本屋大賞の「設立の経緯」は、下記の通り明記されています。

「商品である本と、顧客である読者を最も知る立場にいる書店員が、売れる本を作っていく、出版業界に新しい流れをつくる、しいては出版業界を現場から盛り上げていけないかと考え、同賞を発案しました」

(本屋大賞webサイト http://www.hontai.jp/about.html より引用)

 で、既に100万部を売り上げている『東京タワー』を大賞に選ぶと。まあ、「売れていようがなんだろうがいいものはいい」ということなのだろう。あるいは、「今のうちに売っておこう」という景気づけか。
 なんにしても、こういう賞の結果を見て思うことは、「自分で読む本は自分で決めねばならない」という、きわめて当たり前のことだね。今回ノミネートされた11作の小説を、どれも面白いと感じられない人は当然いるし、誰も知らないような本が面白いと思うことも当然ある。
 誰かの作った価値基準に乗るのではなく、自分の価値基準と照らし合わせるために利用する必要があるだろう。
 売る側にとっては、こういうことを考えずに、「本屋大賞およびノミネート作!」というフェアで売られた本を、読もうが読むまいが、ばかすか買うお客さんの方がありがたいんだろうけれどね。

・本屋大賞 公式サイト http://www.hontai.jp/index.html

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【3月27日〜4月2日号】 2006.04.03掲載

■(訃報)作家スタニスワフ・レム氏死去

 SF作家、スタニスワフ・レム氏が、3月27日に心不全のため亡くなったとのこと。享年84歳。ポーランド語で作品を発表していたので、ポーランド人だとずっと思っていたのだが、正確には出身地は今のウクライナにあたるらしい。
 実は、俺が初めて読んだSF小説が、レムの『ソラリスの陽のもとに』なんだよ。俺が小説を(というか本を)意識的に読み始めたのは高校生の頃で、当時は推理小説ばかり読んでいた。大学生になって、本を読む時間が増えて、それまで読んだことのなかったSF小説を読もうと思ったんだ。それで、石川喬司氏のSF小説の評論の本を読んで、当時のSF小説ベストワンとして紹介されていたのが、『ソラリスの陽のもとに』だった。

・スタニスワフ・レム:著 / 飯田規和:訳『ソラリスの陽のもとに』(1979,ハヤカワ文庫 SF)
オンライン書店ビーケーワン:ソラリスの陽のもとに
「観察ステーション駐在員として惑星ソラリスに到着した心理学者ケルビンは、先任駐在員たちが一人残らず発狂状態に陥っているのを発見した。一件何の変哲もなくものうげにたゆたう海が、様々な驚くべき能力を持つ生きている<海>だったのだ! 大宇宙における超知性の問題に肉薄する傑作! 完訳決定版!」(オンライン書店bk1の紹介文)

 当時の感想がノートに残っているのだが、見ず知らずの生物との接触(いわゆるファースト・コンタクト)というテーマに注目しつつも、小説に登場するある種の「恋愛」についてあれこれと書いている(以下ネタバレに相当するかもしれないので、あらかじめご了承ください。一応色を薄くしておきます)。
=== === ===
 主人公ケルビンが、宇宙でかつて自殺してしまった恋人(の幻)に出会う。ケルビンは最後はその幻と決別するのだが、途中はその恋人に惹かれていく。その様子について「端から見ればケルビンが狂人になりつつあると取られても仕方ない。/だが彼にしたら、まわりが狂っているのだ」なんて感想を書いている。あと、この二人の関係を「人間同士の恋愛にも置き換えられる(特に若い頃の)かもしれない」とも思っている。
=== === ===
 まあ、当時19歳の俺も、分からないなりに一生懸命読んだんだなあ。

 レム氏は、1989年以降はSF小説の執筆を止め、近未来予想のレポートを主に書いていたとのこと。実は俺は、『ソラリスの陽のもとに』の作品は読んでいないのです。下の『虚数』なんかは刊行当時話題になって、興味を惹かれたのだが、結局未読のまま。これを機に、というのは失礼かもしれないけれど、追悼の意味で読んでみようかなあ。

・スタニスワフ・レム:著 / 長谷見 一雄 他:訳『虚数』(1998.2,国書刊行会)
オンライン書店ビーケーワン:虚数
「「バクテリア未来予知学」や「未来言語による百科事典」など〈実在しない書物〉の序文と、人智を超えたコンピュータ、GOLEMによる人類への講義を収録。知的仕掛けと諧謔に満ちた奇妙キテレツな作品集」(オンライン書店bk1の紹介文)

 ご冥福をお祈りします。

(参考)
・YOMIURI ONLINE 記事 http://www.yomiuri.co.jp/ national/culture/news/20060328i4z1.htm
・ITmedia NEWS記事 http://www.itmedia.co.jp/news/ articles/0603/28/news028.html
・公式サイト(英語) http://www.lem.pl/cyberiadinfo/english/main.htm
・『ソラリスの陽のもとに』は、下記のとおり新訳もあります。また、1972年と2002年に映画化されています。

・スタニスワフ・レム:著 / 沼野 充義:訳『ソラリス』(2004.9,国書刊行会)
オンライン書店ビーケーワン:ソラリス
「地球外の知性体との遭遇について描いた哲学的かつ科学的な小説。広大無辺な宇宙空間において、理解不能な事象と愛の記憶に直面し、人は何をなすべきか。77年刊「ソラリスの陽のもとに」を、ポーランド語原典から新たに訳出」(オンライン書店bk1の紹介文)
惑星ソラリス・DVD『惑星ソラリス』(1972年,アンドレイ・タルコフスキー監督) (Amazon.co.jpの紹介ページ)
ソラリス・DVD『ソラリス』(2002年,スティーブン・ソダーバーグ監督) (Amazon.co.jpの紹介ページ)

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■小川町にできた「歴史時代書房 時代屋」に行ってきました

 小川町にできた、「歴史時代書房 時代屋」(以下「時代屋」)に行ってきました。
 「時代屋」は時代小説、歴史に関する本・DVD・グッズを扱う店。茶屋(カフェ)も併設されている。

 webサイトを見ると、「店長」ではなく「女将」、他にも「奉公人」や「丁稚」という呼び方が使われています。みな和服が制服など、かなり一貫したコンセプトを持っている。
 2月10日にオープンした当初から気になっていたのですが、先日(3/26)行ってきました。

 印象をひとことで言うと、「本を中心にした時代物のセレクトショップ」という感じ。あまり歴史に興味がない(どちらかと言えば苦手な)俺でも、見ていて面白い店になっています。
 入口まわりには一般の雑誌や単行本、文房具なども置いてある。しかし奥には、時代小説専門の文庫・単行本コーナーがあったり、歴史物中心のDVD・ゲーム、フィギュアや雑貨なども置いている。  二階には一般の映画DVDが少しと、雑貨やグッズ。また歴史に関する本も、ずいぶん棚を使って並べられています。そして奥には茶屋。

 都営地下鉄新宿線の小川町駅・東京メトロ丸の内線の淡路町駅から、5分もかからずに着きます。駿河台交差点からも歩けるので、神保町の古本街を歩いてからもう一軒、という感じでも行けると思います。
 店の試みとして面白いので、これから更にお店がどんな風に進化して行くのか気になる。夜11:00まで営業しているので、会社帰りに時々行こうかと思います。

・「時代屋」公式サイト:http://www.jidai-ya.com/

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■高橋幸宏さんの本棚

 青山ブックセンター六本木店で、『高橋幸宏の本棚』として、ユキヒロさんのセレクトによる本の棚がありました。

 下のCDの発表に伴う期間限定だと思いますが、興味のある方は見に行ってみてもよろしいのでは。釣り関連の本はもちろん、ビートニック、犬、ジャン・コクトー、椎名誠や岸田秀に宮沢章夫、さらにはモンティ・パイソンやしりあがり寿、谷口ジローまで、幅の広いセレクトで、見ていると面白いですよ。
BLUE MOON BLUE・高橋幸宏『BLUE MOON BLUE』 (Amazon.co.jpの紹介ページ)
・青山ブックセンターサイト内の紹介ページ(写真あり) http://www.aoyamabc.co.jp/#takashi

 ちなみにそこで一冊購入。

・『ローリー・アンダーソン時間の記録』(2005.7,NTT出版)
オンライン書店ビーケーワン:ローリー・アンダーソン時間の記録
「リヨン現代美術館によって企画された「ローリー・アンダーソン時間の記録」展の日本での開催に際し出版されたもの。パフォーマンス・アートのスーパースターであるローリー・アンダーソンの全貌がわかる! 」(オンライン書店bk1の紹介文)

 昨年夏に行われたローリー・アンダーソン展の図録です。会場で買いそびれて、なかなか見つからなかったのだが、ユキヒロさんの本棚でで見つけて購入。
 ちなみに展覧会のレポートは下記の通り書いています。

■ローリー・アンダーソン「時間の記録」展レポート 2005.09.28 初台NTTインターコミュニケーション・センター http://www.h5.dion.ne.jp/~garakuta/booksalon/ r_0509LAURIE_ANDERSON.html

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■(訃報)漫画家徳田ザウルス氏死去

 先日新聞の記事を読んでびっくりしたのですが、漫画家の徳田ザウルス先生が亡くなられました。23日、急性心不全で死去。享年47歳とのこと。この年齢は、あまりに早いよなあ。
 俺は小学生の頃、『コロコロコミック』に連載された「ダッシュ!四駆郎」、好きでした。というか、当時(連載は1987年12月号〜1992年3月号)のいわゆる「第一次ミニ四駆ブーム」の頃に小学生だった人の多くは、この作品に影響されてミニ四駆を組み立てたはず。
 ご冥福をお祈りします。

(参考記事)
・gooニュース-読売新聞 http://news.goo.ne.jp/news/yomiuri/ shakai/20060323/20060323zz22-yol.html
・Yahoo! ニュース-毎日新聞 http://headlines.yahoo.co.jp/ hl?a=20060323-00000069-mai-peo
・Wikipedia>「ダッシュ!四駆郎」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5!%E5%9B%9B%E9%A7%86%E9%83%8E
・Wikipedia>「徳田ザウルス」http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%B3%E7%94%B0%E3%82%B6%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%82%B9

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