【3月20日〜3月26日号】 2006.03.27掲載
■読書録には載らない読書録−最近読んだ雑誌から
最近読んだ雑誌の話でもしましょうか。
・フリーペーパー『metro min.(メトロミニッツ) No.41』(スターツ出版)
公式サイト:http://www.metromin.net/
都内の一部の地下鉄(東京メトロ)の駅でもらえる無料誌。無料とはいえ、内容は充実しています。少なくとも、俺は『R25』は無料でもいらないけれど、『metro
min.』なら100円くらい出して買ってもいいと思う(現時点での内容ならね)。
内容も、地下鉄の沿線情報に限らず、まあ色々。中には広告記事なんだろうな(という表現が悪ければ、「タイアップした記事なんだろうな」)と思うものもあるが、それも読ませる内容になっています。新しい豆乳「soymilk」なんて、ちょっと飲みたくなったし。
今号の特集は「お花見をRedesign」、表紙は木村カエラです。
個人的に興味深かった記事は、おおはた雄一さんと永作博美さんの対談かな。
・雑誌『Number 649』(文藝春秋)
特集は「日本代表最後の戦い 奪取」。サッカー日本代表特集です。表紙はアントラーズの小笠原選手。
その他、荒川静香選手や下柳剛選手(阪神タイガース)へのインタビューもあり。
もうすぐサッカーのワールドカップだなあ。俺は、日本代表はグループリーグを突破して、ベスト8くらいまで行くか、グループリーグで惨敗(全敗)するかのふたつにひとつだと思う。もちろん、ベスト8くらいを期待しているのだけれど。なんだかんだで、ジーコジャパンは本番に強いので、期待しています(というかここまできたら色々考えずに期待するしかない)。
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■サッカーの伝説的選手の紹介本
サッカーのドイツワールドカップを前に、伝説的な名選手を紹介する本「football days」シリーズが刊行されています。現在までに四冊。
今後登場する可能性がある選手を予想すると、ペレ、ジーコ、プラティニ、バレージあたりは堅いのではないでしょうか。サッカーをあまり知らない人でも名前は知っている選手であることが条件になりそうなので。
もう少し渋めのラインナップでもよければ、マンチーニ、ガスコイン、ゲルト・ミュラー、ゲオルゲ・ハジ、ルート・フリット、ホルヘ・カンポス、バルデラマあたりも、何人かまとめてでもいいので見てみたいねえ。
・football
days 1『ディエゴ・マラドーナ(DIEGO MARADONA)』(2005.10,ぴあ)
「日本初公開、秘蔵写真の数々。「伝説の10番」マラドーナの歴史を紐解く代表編、クラブ編。マラドーナを知る男が語る、素顔のマラドーナ。詳細マラドーナバイオグラフィー」(オンライン書店bk1の紹介文)
・football
days 2『ロベルト・バッジョ(ROBERTO BAGGIO)』(2005.10,ぴあ)
「泣き言なんて何の役にも立たない。力になるのは強い意志だけなんだ…。ファンタジスタバッジョの歴史を紐解き、感涙の写真の数々を収録した、バッジョデータブック永久保存版」(オンライン書店bk1の紹介文)
・football
days 3『フランツ・ベッケンバウアー(FRANZ BECKENBAUER)』(2006.3,ぴあ)
「「強いものが勝つのではない。勝ったものが強いのだ!」 プレミア写真の数々、栄光の軌跡、盟友ゲルト・ミュラー独占インタビュー、「元祖リベロ」伝説、バイオグラフィーなど、「皇帝」のすべてがここに」(オンライン書店bk1の紹介文)
・football
days 4『ヨハン・クライフ(JOHAN CRUYFF)』(2006.3,ぴあ)
「「美しく敗れることを恥と思うな。無様に勝つことを恥と思え!」 秘蔵写真の数々、「伝説の14番」の歴史、詳細バイオグラフィーなどで、オランダが誇る名フットボールプレイヤー、ヨハン・クライフの栄光の軌跡をたどる」(オンライン書店bk1の紹介文)
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■ソフトバンク新書創刊
最近ソフトバンクの話題といえばボーダフォンの日本法人買収ですが、その陰で(「陰で」っつうのは失礼だな)ソフトバンククリエイティブ(旧ソフトバンクパブリッシング)から、3月16日に「ソフトバンク新書」が創刊されました。
第一弾のラインナップは下記6点。好き嫌いは別として、なかなか豪華な顔ぶれ。
気になるのは高田純次『適当論』だな、やっぱり。
・畑
正憲『人という動物と分かりあう』(2006.3,ソフトバンク新書)
「言葉の通じない動物とわかりあえる「ムツゴロウ」さんに、言葉が通じるのに心を通わせられない現代の人間関係はどう映っているのか。成長とコミュニケーションの関係から「人間という動物」をよりよく知るための一冊」(オンライン書店bk1の紹介文)
・島田
裕巳『宗教としてのバブル』(2006.3,ソフトバンク新書)
「崩壊から15年。いま、バブルを知らない世代が社会に出始めている。バブルを知る世代と知らない世代の価値観はどのように異なるのか? 経済現象ではなく精神現象としてとらえたバブルの正体を、鮮やかに読み解く」(オンライン書店bk1の紹介文)
・杉江
弘『機長が語るヒューマン・エラーの真実』(2006.3,ソフトバンク新書)
「人は失敗を避けられないのか? 「運が悪かった」では済まされない失敗を防ぐために、のべ100万人の命を預かってきた現役機長が、37年間の航空人生から得た知識と経験をもって、真に実践的な「安全」対策について語る」(オンライン書店bk1の紹介文)
・岡留
安則『編集長を出せ! 『噂の真相』クレーム対応の舞台裏』(2006.3,ソフトバンク新書)
「トラブルや抗議の事例に事欠かなかった、伝説のスキャンダル・ジャーナリズム雑誌『噂の真相』。当時の舞台裏エピソードを織り交ぜながら、クレーム対応の心得とテクニックを伝授する。『噂の真相』25年のトラブル裏面史」(オンライン書店bk1の紹介文)
・児玉
光雄『なぜモチベーションが上がらないのか』(2006.3,ソフトバンク新書)
「やる気を増減させる「才能・特技」「環境設定」など6つの要素について解説し、いかにしてモチベーションを高めるかに言及。スポーツ選手のエピソ−ドも多数収録、自己診断チェックも盛り込んだセルフトレーニングブック」(オンライン書店bk1の紹介文)
・高田
純次『適当論』(2006.3,ソフトバンク新書)
「発言の「適当さ」「無責任さ」が魅力となり、ファンの多い高田純次。どうすれば「適当」でも愛されるのか? 彼の発言や半生から、その思考をトレースし、適当かつ楽しく生きる方法を学ぶ。精神科医・和田秀樹氏の分析も収録」(オンライン書店bk1の紹介文)
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【3月13日〜3月19日号】 2006.03.20掲載
■文学新人賞と、賞を授ける側の責任、そして俺は野茂選手に賛成する、という話。
しばらく前から、文学新人賞を10代の若さで受賞する例が目立ちます。もちろん、例えば1981年度文藝賞を17歳で受賞した堀田あけみ氏(受賞作は『1980アイコ十六歳』)や、23歳で1998年の第120回芥川賞を受賞した平野啓一郎氏(受賞作『日蝕』)などの例もありました。
しかし、2003年に第130回芥川賞を、19歳の綿矢りさ氏(「蹴りたい背中」)、20歳の金原ひとみ氏(「蛇にピアス」)の二人が受賞したあたりから、更なる文学新人賞受賞者のの低年齢化が進んだという印象は強い。
・堀田 あけみ『1980アイコ十六歳』(2006.1,河出文庫)
・平野 啓一郎『日蝕』(2002.2,新潮文庫)
「【第120回芥川賞受賞】異端信仰の嵐が吹き荒れるルネッサンス前夜の南仏で、若き神学僧が体験した錬金術の驚異、荘厳な光の充溢、そして、めくるめく霊肉一致の瞬間…。現役大学生が聖文学を世紀末の虚空に解き放つ」(オンライン書店bk1の紹介文)
・綿矢りさ『蹴りたい背中』(2003.8,河出書房新社)
「【第130回芥川賞受賞】高校に入ったばかりの「にな川」と「ハツ」はクラスの余り者同士。やがてハツはあるアイドルに夢中のにな川の存在が気になってゆく。いびつな友情? 臆病な恋? 不器用さゆえに孤独な二人の関係を描く文芸賞受賞第一作」(オンライン書店bk1の紹介文)
・金原ひとみ『蛇にピアス』(2004.1,集英社)
「【第130回芥川賞受賞】ピアスの拡張にハマっていたギャル系コンパニオンのルイは、「スプリットタン」という2つに分かれた舌を持つ男、アマと出会う。やがてアマが行方不明となり、死体で発見される。第27回すばる文学賞受賞作」(オンライン書店bk1の紹介文)
今年に入っても、第1回野性時代青春文学大賞(角川書店)を17歳の高校生が携帯電話で書いた小説が受賞したり(木堂椎『りはめより100倍恐ろしい
』)、12歳が書いた水田 美意子『殺人ピエロの孤島同窓会』が第4回このミステリーがすごい!大賞の特別奨励賞を受け、出版されています。
更に、小学館は今年から、小学生限定の「12歳の文学賞」を創設するらしい。
・水田 美意子『殺人ピエロの孤島同窓会』(2006.3,宝島社)
「東硫黄島高校同窓生が4年ぶりに島に集まった。だが、突如現れた殺人ピエロにより、島は恐怖の孤島と化す。次々と同窓生たちを惨殺し始める殺人ピエロの正体は? 12歳が書いた連続殺人ミステリー」(オンライン書店bk1の紹介文)
・木堂 椎『りはめより100倍恐ろしい』(2006.2,角川書店)
「巧妙、かつ陰湿に仕掛けられる、学生生活のおとし穴。中学時代「いじられ」続けた羽柴典孝は、高校では、おな中の一城の協力もあって、いじる側にまわれたのだが−」(オンライン書店bk1の紹介文)
しかしまあ、これらの小説のことは今回の話ではどうでもいいのです。例えば刊行してから5年くらい経ってもその本がまだ流通していて、なおかつ書いた作家が現役で書き続けていれば読むかもしれませんが、今の時点で親戚でも知り合いでもない十代の人間が書いた小説を読んでいる暇は、残念ながら俺にはありません。
今なにげなく、「刊行してから5年くらい経ってもその本がまだ流通していて」、「書いた作家が現役で書き続けていれば」と書きましたが、実はこれこそが俺が一番言いたいことです。
今から書くことは、あくまで俺が考えることです。
受賞作が話題になって売れれば、その作家がその後どういう道を進むか、どんな作品を発表するかは二の次なんじゃないのだろうか。特に最近の、10代の書き手に賞を与えてデビューさせる流れには、その思いを強く持っている。
本当なら、賞を与え、デビューさせるからには、それなりの責任が生じる。受賞者が10代なら、なおさら責任は大きいだろう。でも、少なくとも俺には、賞を与える多くの出版社にその責任を感じることができない。
ここで野茂英雄選手が登場する。2005年度朝日スポーツ賞を受賞した際のスピーチ(2006年1月30日)で、「失礼な言い方になるかもしれませんけど」との前置きの後、次のような話をしたという。
「今まで賞をもらってきて、だいたいその場だけというか、賞をやって終わりみたいな賞ばかりだったので。それから毎回言っているんですけど…。この賞をもらった方は当然感謝していますが、あげる方も賞をあげた責任というか、今後、その選手をフォローしながら、今後のスポーツを、その競技を考えていただければいいなと思っています」
日刊スポーツ(gooニュース)http://news.goo.ne.jp/news/nikkan/sports/20060131/p-bb-tp2-060131-0006.htmlより引用
この話の、「選手」を「作家」に、「スポーツ」を「出版界」に、「競技」を「小説」に変えたら、俺が思っていることになる。
野茂選手は、毀誉褒貶が激しいのかもしれないけれど、俺は好きだなあ。黙々と仕事をして結果を出すところとか、それでも本当に必要なことははっきりと発言するところとか。
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■なんでもかんでも経済学
「○○の経済学」または「○○経済学」というタイトルの本を見つけました。
竹内 宏『とげぬき地蔵商店街の経済学 「シニア攻略」12の法則』(2005.12,日経ビジネス人文庫)
森永 卓郎『萌え経済学』(2005.10,講談社)
「なぜ若者は「萌え」に魅せられるのか。萌えとは何か。躍進する萌え産業、キャラクター・ビジネス、オタク化するネット市場などから見る、萌えの美学と経済効果。日本の独自産業としての「萌え」を説く」(オンライン書店bk1の紹介文)
どんなものでも「経済学」とつければつけられるんだなあという気がする。そこで色々考えてみました。
・スーパーマリオの経済学(意外とありそう)
・都営地下鉄の経済学
・陽気なイタリア人の経済学(これも意外とありそう)
・ウィリアム・バロウズ経済学(マルクス経済学っぽく)
・一富士二鷹で経済学
・伊香保温泉経済学
・酒と泪と男と女と経済学
・タイムマシン経済学
・メイドカフェの経済学
・メイドカフェで経済学
・殿様経済学
・経済学はなぜ潰れないのか?(二匹目のどじょう)
・そもそも経済学は潰れないのか?(意味不明)
・スーターバックスコーヒーの経済学(これはありそう)
・吉野家の経済学(これもありそう) ※
・松屋の経済学(これも)
・すき屋の経済学(腹が減っているのか、俺!)
・経済学といつまでも(退官した教授の書いた随筆みたい)
・正直者の経済学(現代へのアンチテーゼ)
・ニッチな市場の経済学(こういう本があったら読んで勉強したい)
・エッチな市場の経済学(ありそう。でも読んで勉強したくない)
・タバコ屋の経済学
・・・・・・もういいか。
※本当にありました。
・安部
修仁 / 伊藤 元重『吉野家の経済学』(2002.1,日経ビジネス人文庫)
「牛丼1杯から経済の真理が見える!並盛280円の牛丼は経営ノウハウを山のようにつぎ込んだ驚くべき成果なのです。話題の経営者と第一級の経済学者が牛丼の謎を解き明かす、楽しくて、ちょっと真面目な異色対談」(オンライン書店bk1の紹介文)
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■『プリズンガール』って、安倍なつみさん、ユンソナさん出演でドラマ化されるんですね
最近、半年前にブログで下の有村朋美『プリズン・ガール』を紹介した記事へのアクセスが多いと思ったら、ドラマ化されるんですね。
・有村朋美『プリズン・ガール』(2005.8,ポプラ社)
「「とにかく、生きて、ここから出よう…!」 マフィアの恋人のために逮捕され、連邦女子刑務所に入った。そこには、数々の想像を絶するドラマがあった。24歳の日本人女性の獄中ドキュメント」(bk1紹介文)
4月18日放送の日本テレビ系「ドラマコンプレックス『プリズンガール』」として放送され、安倍なつみさんが主演。ユンソナさんも出演されるとのこと。
・Yahoo!ニュース-サンケイスポーツ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060314-00000034-sanspo-ent
・Yahoo!ニュース-スポーツ報知
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060314-00000014-sph-ent
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■ちくま文庫の創刊20周年を記念してつくられた、「限定版ちくま文庫」をもらいました。
これは、キャンペーン期間中にちくま文庫を購入して、申し込んだ人がもらえるというもの。申込者全員プレゼントだったので、かなり太っ腹だよなあ。
届いた文庫本は、カバーこそないものの、その他のつくりはまさしくちくま文庫。
内容は、これまでのちくま文庫に掲載された解説文を集めたもの。「限定版ちくま文庫」の正式名称は、ちくま文庫編集部:編『ちくま文庫解説傑作集』となっています。
執筆者が、俺の気になる書き手だけを挙げてみても赤瀬川原平・大島弓子・岡崎武志・角田光代・川本三郎・北方謙三・種村季弘・筒井康隆・藤森照信・南伸坊、などなど、全部で37名による37冊の文庫の解説が掲載されています。
これ、多分市販しても欲しい人はたくさんいると思うわ。俺も500円前後だったら迷わず買う本だと思う。
そして、この本を読むとまた色々なちくま文庫を読みたくなるんだろうなあ。
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【3月8日〜3月12日号】 2006.03.13掲載
■読書録コーナーには載らないかもしれない読書感想文
最近読んだ本の話を。
・二ノ宮
知子『のだめカンタービレキャラクターBOOK』(2005.10,講談社)
漫画『のだめカンタービレ』(略して『のだめ』)の、単行本13巻までのキャラクターを紹介した本。その他キャラクター人気投票の結果とか、作品に登場したのだめの服(ワンピース)や部屋(あの汚い部屋)・「のだめ語」の考察、そしてクラシック音楽のおおまかな紹介など、結構バラエティに富んでいます。
今さら俺が書くことでもないのだが、『のだめ』、面白いよなあ。クラシックが分からなくてもそこそこ楽しめてしまう。音楽家の卵たち(舞台は音大からスタートする)の群像劇という感じの筋書きなのだが、出てくる人物がことごとくちょっと変なのが、とにかく面白い。
主人公ののだめ(野田恵)からして、ピアノの腕前は天才的なのだが、その他の部分はかなり変わっている。もう一人の主人公の千秋(千秋真一)も、抜群の指揮の才能を持ち、その他の部分も(音楽に限らず)ほぼ完璧な能力を持っているのだが、クールなようでどこか人がよくて、まわりのキャラクターとの調和が取れている。
とりあえず1巻を読んで、楽しめれば、以降ずっと楽しめるだろうと思う。
・二ノ宮
知子『のだめカンタービレ(既刊14巻)』(講談社)
・二ノ宮
知子『のだめカンタービレ Selection CD BOOK』(2005.8,講談社)
「のだめと千秋が出会った運命のピアノ・ソナタ、マングースとSオケ共演のラプソディ、千秋が指揮した最初のシンフォニー……、「のだめカンタービレ」に登場したクラシックの名作から10曲をセレクトしました。音で感じる「のだめ」の世界をどうぞ、お楽しみください!
」(オンライン書店bk1の紹介文)
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■村上春樹氏の自筆原稿流出
『文藝春秋』2006年4月号に、村上春樹氏による「ある編集者の生と死――安原顯氏のこと」という文章が掲載されている。
俺はまだ『文藝春秋』は未読で、下記の記事などを読んで知った限りなのだが、中央公論新社(当時は中央公論社)の『海』に掲載した作品の自筆原稿が、当時の雑誌の編集者により古書店に販売されたらしい。asahi.comでは編集者の実名には触れていないが、『文藝春秋』の文章のタイトルにあるとおり、後年書評などの著作も出している安原顯氏による流出のようだ。Mainichi
Interactiveの記事によれば「村上さんら担当した作家の原稿を多数、社に無断で自宅へ持ち帰っていた」という。
自筆原稿の所有権は、asahi.comの記事によれば「日本文芸家協会は『作家にある』という見解」ということだが、文芸家(書き手)側としてはそうだと思うが、実際のところは法律上はどうなっているのだろうか? ただ、少なくとも出版社の編集者個人が所有するのは、問題があるよなあ。
・文藝春秋>『文藝春秋』最新号紹介ページ
http://www.bunshun.co.jp/mag/bungeishunju/index.htm
・Mainichi Interactive 記事
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060310k0000m040171000c.html
・asahi.com 記事
http://www.asahi.com/national/update/0310/TKY200603090524.html
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■神保町の北沢書店の一階に、「ブックハウス神保町」がオープン
先日(3月2日)、神保町をぶらぶら歩いていたら、洋書・洋書古書店の北沢書店の一階になにやらたくさんの人が。
北沢書店の一階に、ブックハウス神保町という書店がオープンしていました。あとで調べたら、2005年10月12日のオープンとのこと。いやあ、最近神保町の靖国通り沿いの古本屋を歩いていなかったので、知らなかった。
扱っている本は、児童書が中心。バーゲンブック(自由価格本:定価が決まっていない本)やグッズも販売しているようです。
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・ブックハウス神保町 http://www.bh-jinbocho.jp/
・北沢書店 http://www.kitazawa.co.jp/
・BOOK TOWNじんぼう(神田神保町オフィシャルサイト) http://jimbou.info/index.html
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■じゃあ、山のように『ダーリンは○○』って本をつくればいいじゃないの、思い切って
『ダーリンは○○』というエッセイ、一番初めは下の本でした。
・小栗左多里『ダーリンは外国人』(2002.12,メディアファクトリー)
「国際結婚をした著者が、「現実」をマンガで描くエッセイ。ランチタイムに心頭滅却、家族への紹介母親当惑の第一声、おふくろの味…など全21レポート掲載。夫の出身国別にみる「暮らしのコツ」収録」(オンライン書店bk1の紹介文)
・小栗左多里『ダーリンは外国人 2』(2004.3,メディアファクトリー)
「国際結婚の現実、ふたたび! 国際結婚をした著者が、「現実」をマンガで描くエッセイ第2弾。巻末にダーリンが外国人な人に聞いた、爆笑アンケート結果も収録する」(オンライン書店bk1の紹介文)
で、いよいよ同じようなアイデアの本が出てきました。ずいぶん時間をおいてから出てきましたが。
・里中 ミナ『ダーリンはアキバ系』(2006.3,東邦出版)
「アキバ系夫との暮らしの中で巻き起こるカルチャーショック(習性、秋葉原の謎)を、愛とトリビア満載で綴ったコミックエッセイ」(オンライン書店bk1の紹介文)
書店では並べて売られるんだろうなあ、下の二冊みたいに。
・上大岡 トメ『キッパリ! たった5分間で自分を変える方法 』(2004.7,幻冬舎)
「今すぐできてかんたん、お気楽、たいした覚悟もいらない、大金もかからない、5分間で自分を変える60個の方法。Shes net連載コラム「5分で自己改革」から厳選しました」(オンライン書店bk1の紹介文)
・下久住 マサ『ドップリ! たった4分間で自分を変える方術 』(2005.3,東京漫画社)
「限界まで片付けない、思い切って時計を捨てる、物忘れ・イズ・ビューティフル、ウケ狙いはやめる、ダイエットは明日からやればいいなど、いろいろやめてしまうことで、ユルユルと自分が変わる方術を紹介する」(オンライン書店bk1の紹介文)
ちなみに、実は結構早い時期に、『ダーリンは○○』というタイトルのエッセイは出ていました。三修社って、語学系の本を比較的多く出しています。ただ、こちらは漫画ではないようですが。
・タンタラ京子『ダーリンは、タイ人』(2004.5,三修社)
「タイ人と結婚した日本人女性が、バンコクで生活した2年間に感じたことを思いのままに綴る。五感に刻まれたちょっと気ままなバンコクライフ」(オンライン書店bk1の紹介文)
・ギールケ英恵『ダーリンは、ドイツ人』(2004.6,三修社)
「学生時代にドイツ語を学ぶためのサマープログラムに参加し、数年後、ドイツ人と結婚。ベルリンとミュンヘンというドイツでもっとも刺激に満ちた、全く違う2つの街での生活を語る」(オンライン書店bk1の紹介文)
・セガラン郷子『ダーリンは、シンガポール人』(2004.7,三修社)
「「スパイスの壺」のような多彩な文化が見られるシンガポールに来て17年。エネルギッシュなシンガポーリアンや多国籍のエキスパットたちとの触れ合いを通して経験した多様な価値観、多彩な暮らしを語る」(オンライン書店bk1の紹介文)
もうここまで来たらさ、山のように『ダーリンは○○』って本をつくればいいじゃないの、思い切って。いきなりフランクな話し方になってしまいましたが、『ダーリンは○○』のタイトル案を考えてみました。
・ダーリンは宮大工(これはあってもおかしくないかも)
・ダーリンはレッスンプロ(これもあってもおかしくなさそう)
・ダーリンはヒルズ族(ありそうだが読みたくないね)
・ダーリンは第一種免許取得者(なんのかは不明)
・ダーリンは日本代表(なんのかは不明)
・ダーリンは中の人(なんの着ぐるみかは不明。そもそも着ぐるみなのかも不明)
・ダーリンはかつて将来を嘱望されながら……(変な小説のタイトルみたい)
・ダーリンはスターリン(単なる語呂合わせ)
・ダーリンはハニー(これはお笑い芸人ダーリンハニーの本のタイトルにしたらいいと思う。勝手な提言ですが)
他に面白そうなタイトルが思い浮かんだら教えてください。
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■またもやメガネ本が!
『ガールズメガネ』という写真集が出ました。
・西村 智晴:撮影『ガールズメガネ』(2006.3,太田出版)
「街のおしゃれなメガネ女子のスナップを、個々のプロフィールなどと併せて収録。作家・桜坂洋氏による、書き下ろしメガネ女子小説も特別寄稿。メガネ女子を総ざらいする一冊」(オンライン書店bk1の紹介文)
これは、別の出版社から出た『ビジョメガネ』とは違い、素人のメガネ女性の写真集。ということになっている。本当はモデルさんかもしれないけれど、それは見た限りでは分かりません。
立ち読みした限りでは、メガネの雰囲気がみんな似ているのがちょっと気になる。フレームが細くて、はっきりした色がついている感じのメガネが多い。そうじゃないメガネの似合う人もどこかにいるはずなので、その辺でバラエティに富んだ内容にしてもらいたいものですね。
なにを提言しているのか自分でもよく分かりませんが。
・デジモノステーションPRESENTS『ビジョメガネ』(2005.11,ソニー・マガジンズ)
「雑誌『デジモノステーション』創刊号から連載されているグラビア企画をまとめたオムニバス写真集。旬なタレントの貴重な写真が満載」(オンライン書店bk1の紹介文)
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