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木の葉燃朗の週刊ほんトーク

いきなり始まったこのコーナー。 タイトルどおり、およそ週刊ペースで 本に関するあれこれの情報を紹介しようと思います。基本的には、自分のブログ(木の葉燃朗の「本とデジタルと俺の日常と」)に 掲載したものの再録ですが、 ブログに載せきれなかった小ネタなども あわせて紹介していきます。
本に張っているリンクは、特に断り書きがなければ、オンライン書店bk1へのリンクです。

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■2005年12月

【 2005年12月12日〜12月25日号 】 2005.12.25掲載
 予想通り更新が遅れてしまったこの「週刊ほんトーク(仮)」。今回は12月12日〜25日までの間の本の話を紹介します。
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■エッセイスト三善里沙子さん、火事で軽症
 下の記事によると、三善里沙子さんの父で音楽評論家の三善清達さん宅で12月22日に火災があったとのこと。
 里沙子さん、母で女優の幸田弘子さん、妹の夫がそれぞれ怪我を負ったようです。
 三善里沙子さんは中央線に関する著作などで知られています。
・asahi.com記事 http://www.asahi.com/national/update/1223/TKY200512230271.html
・三善 里沙子著『中央線なヒト』(2003.6,小学館)
オンライン書店ビーケーワン:中央線なヒト

「何かにつけてウンチクを垂れ、ビンボーそうに見えてヨガやマイブームものには大枚をはたき、上昇志向を持つことを恥とし、夜は馴染みの飲み屋で一杯やる…。そんな中央線人のディープな生態を明らかに!」(オンライン書店bk1の紹介文)
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■久々に古本買いをする
 12月23日(金)、24日(土)と、久々にまとまった数の古本を買いました。とはいえそれぞれ5冊〜6冊程度です。
 最近、自分の部屋に本を置くスペースが少なくなってきて、それが心理的な足かせになっている今日この頃。「どうしても読みたい本」とか「場所を取らない文庫本や薄めのパンフレット」を選んでしまうのが、我ながら情けない。
 ちょっと前みたいに、またぶわーっと10kgくらい本を買えるようになりたい。

 23日は、高円寺の「古本酒場コクテイル」で行われる、ライター岡崎武志さんのトークイベントに行きました。
●岡崎武志の今年買った古本ベスト30
・12/23(金・祝) 19時半〜
・高円寺「古本酒場コクテイル」にて
・古本酒場コクテイルhttp://koenji-cocktail.com/

 コクテイルはお酒を飲んだりおつまみを食べたりしながら古本も買える店。ブックカフェは最近増えているようだけれど、古本酒場はほとんど例がないと思う。
 店内の本も数冊買ったし、岡崎さんのイベント内で行われた古本オークションでも2冊買いました。

 12月24日は、銀座松坂屋で開催中の「松坂屋古本フェスタ 銀座ブックバザール」へ行ってきました。
・「松坂屋古本フェスタ 銀座ブックバザール」
 12/22(木)〜28(水)
 銀座松坂屋7階催事場にて

 デパートの催事場で行われる古本市は、久々だ。会場の広さも、広すぎず、狭すぎず、並んでいる本も自分の好みに合っているものが多く、面白かった。
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■色々な『○○る技術』の本
・斎藤 広達『パクる技術』(2005.11,ゴマブックス)
オンライン書店ビーケーワン:パクる技術

「とにかく、謙虚に、すぐパクれ! パクることは、りっぱな戦略だ! 誰でも、すぐに結果を出せる「パクる技術」12の実践法を解説。ビ ジネス成功への最短コース、正しいパクり方を教える」(オンライン書店bk1の紹介文)

 まあ、完全にオリジナルなものというのは、今の世の中ではまず生まれる可能性はないでしょう。以前にあったなんらかのものの影響を受けるの は当然だと思う。
 でも、それを「パクる」と表現すると、別の意味になってくると思う。後から真似した方が得をするような印象があり、あまり好きな言葉ではな い。
 ちなみに、この本のタイトルと表紙のデザインは、下の本を「パクって」いるわけですね。

・小林昌平・山本周嗣・水野敬也『ウケる技術』(2003.7,オーエス出版)
オンライン書店ビーケーワン:ウケる技術

「ビジネス・恋愛の最終兵器、それは「笑い」。16のケーススタディ形式で、相手の心を開かせ打ちとけるための6つの戦略と38のウケる 技術を紹介。戦略とウケる技術の2本立てで、コミュニケーション・スキルの向上をねらう」(オンライン書店bk1の紹介文)

 更に言えば、「ウケる技術」は、おそらく下の本のタイトルから思いついたのだろう。

・デイビッド・コープランド、ロン・ルイス:著・大沢章子:訳『モテる技術』(2002.4,小学館プロダクション)
オンライン書店ビーケーワン:モテる技術

「「なぜ、あんなヤローがモテるんだ」と思ったら、コレ読んでがんばれ! 「カリスマ」・デーティング・コーチが贈る、究極のハウツー・ ラブ&サクセス。必要なのはちょっとした行動力と技術なのだ!」(オンライン書店bk1の紹介文)

 ここまできたら、いっそいろいろな人が「○○る技術」(○○はカタカナ2文字)というタイトルで似たような装丁の本を出したら面白いと思 う。いずれの本も、俺はきっと買わないだろうけれど。

・ゴネる技術 ・スネる技術 ・コケる技術 ・シャベる技術 ・ゴマスる技術 ・モメる技術 ・ハシる技術
・アバレる技術 ・シメる技術 ・カエる技術

 ……あ、もういいですね。
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■植草甚一さんはどうして「JJ」なのか?
 植草甚一氏といえば通称「JJ」。これまで、特に考えたこともないくらい自然にそう呼んでいました。
 でも、改めて考えると、どうして「JJ」なんだろうと不思議に思ってしまった。

 初めて植草氏を知ったころ、勝手に想像したのはこんな説。
 「Jinichi Uekusa」でイニシャルが「J.U.」。でも、イニシャルを書くとき「J.J.」に読めるように書いた。それで、「J.J.」と呼ばれるように なった。
 これは俺の勝手な想像です。

 そこで、「植草甚一 JJ 由来」などのキーワードで色々と検索してみました。
 俺と同じような疑問を持っている方は多いようですが、「JJ」の由来を書いてある文章は見つけられませんでした。
 ファンの人にとっては当たり前すぎて、わざわざ書くようなことでもないのかもしれないなあ。
 そんなことを思いつつ、先日下記の本を買いました。

・コロナ・ブックス編集部:編『植草甚一スタイル』(2005.5,平凡社)
オンライン書店ビーケーワン:植草甚一スタイル

「40歳で東宝を退社し、71歳で亡くなるまで、散歩とジャズと読書に明け暮れ、軽妙なエッセイを執筆。70年代の若者に圧倒的支持を得 た植草甚一のコレクション、ファッション、スクラップ・ブック等を紹介」(オンライン書店bk1の紹介文)

 植草氏自身の写真や、コレクションの写真が多く掲載されていて面白そうなので購入。植草氏といえばやせているイメージがあるが、実は昔は結構太めだったことも分かる。
 川本三郎、田中小実昌、片岡義男などの諸氏による、植草氏についての文章も掲載されている。
 そして、この本の中に植草氏のニックネーム「JJ」の由来が書かれていました。引用しましょう。

「もともとは一九四〇年代末、映画中毒者を意味する『シネマディクト』と甚一の『J』を組み合わせ、自らの分身『シネマディクトJ』が登場す る三人称スタイルの評論を『映画芸術』に発表した。単行本収録の際、語呂がいいとしてJ・Jと改められ、次第に本人を指す呼び方としてJ・J が使われるようになった」(p.12)

 なるほどねえ、「シネマディクトJ」が由来だったのかあ。
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■世田谷文学館の常設展示がリニューアル
 世田谷文学館の常設展示が、2005年11月8日にリニューアルオープンしたとのこと。
 テーマは「文学に描かれた世田谷 100年の物語」。展示内容は下記URLでご確認ください(2006年3月末までは同じ展示内容のようで す)。
http://www.setabun.or.jp/jousetsu_new.htm
 気になる展示を一部紹介すると、下記のようなものがあります。

・からくり劇場へようこそ!「ムットーニのからくり劇場〜箱の中の文学世界」:中島敦「山月記」・海野十三「月世界探険記」・萩原朔 太郎「猫町」
・SETAGAYA ミステリーの現場から:横溝正史「女が見ていた」・仁木悦子「猫は知っていた」・大藪春彦「蘇える金狼」
・越境する散歩人 植草甚一
・ゴジラを撮ろう!:『ゴジラ200ミレニアム』(1999年/東宝・東宝映画)の撮影で使われたゴジラ着ぐるみ、井上泰幸氏による『ゴジラ 対ヘドラ』絵コンテ・デザイン画の展示
・特別展示:石塚公昭写真展「SETAGAYA 作家のいる風景」:寺山修司、中井英夫、永井荷風、江戸川乱歩らのリアルな人形が今の世田谷 に立つ写真の展示。人形の実物も展示されるとのこと。

 面白そうだなあ。我が家からはちょっと遠いけれど、時間を見つけて行こうかなあ
・世田谷文学館 http://www.setabun.or.jp/
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■カズの初のエッセイ集、タイトルは『おはぎ』
・三浦 知良『おはぎ』(2005.12,講談社)
オンライン書店ビーケーワン:おはぎ

「日本中が熱狂した2002年日韓ワールドカップ。その時カズはひとり何を思っていたのか。神戸から横浜、そしてシドニーへ。プロ生活20周年、サッカー職人が終わりなき旅を綴る」 (オンライン書店bk1の紹介文)
 あの「カズ」こと、三浦知良選手のエッセイです。2001年から2005年までの出来事をつづっている。
 そしてこの不思議な書名は、カズの大好物の「おはぎ」に由来する。実際におはぎ職人に会いに行った様子もこの本の中に掲載されている。
 この表紙の写真、いいなあ。これがかっこいいところがカズのすごいところだと思う。
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■新橋のサラリーマン用フリーペーパー『さらてん』
 「新橋のサラリーマン」をターゲットにしたフリーペーパー(無料雑誌)『さらてん』が創刊されました。「さらてん」は「サラリーマン天国」の略とのこと。新橋周辺限定で配布されるそうです。
 表紙の画像を見ると、たしかになんとなく新橋っぽい雰囲気は感じる。
・ドゥ・ハウス > さらてん http://www.dohouse.co.jp/salaten/

 しかし、「新橋のサラリーマン」って、そんなにターゲットとして絞り込めるものなのかなあ。
 テレビでインタビューをされている「新橋のサラリーマン」には、なんとなく決まったイメージがある。
 でも、汐留だって新橋から徒歩圏内だし、日比谷に通勤する人も、場所によっては新橋駅を利用するんじゃないのだろうか。そう考えると「新橋のサラリーマン」の輪郭がぼやけてくる気がする。
 逆に、新橋という街の魅力をアピールする時に、やはり「サラリーマンの街」というイメージ一番分かりやすいし、周辺のお店にもサラリーマン向けの場所が多い、ということなのかな。
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■手帳の使い方の本、ずいぶん出ているなあ
 来年の手帳をどうしようかと、11月半ばくらいから思案していました。結局、今年使っているバイブルサイズのシステム手帳を継続して使うことにして、先日買ってきました。
 その参考にと思い、手帳に関する本をちょっと立ち読みしてみました。昨年くらいから、手帳の使い方とか、手帳術の本がずいぶんと出版されています。
 去年出たこの二冊あたりが、そのスタートではないかと思う。

・日本能率協会マネジメントセンター:編『手帳200%活用ブック』(2004.11,日本能率協会マネジメントセンター)
オンライン書店ビーケーワン:手帳200%活用ブック

「手帳は時間管理だけでなく、夢をかなえ目標を達成するビジネスの武器、人生の宝物でもある。未来を鮮明にし、現在をもっと大切にする手帳術を、記入例を交え紹介。斎藤孝ら7人の手帳活用法、糸井重里と和田裕美の対談も収録」(オンライン書店bk1の紹介文)

・熊谷 正寿:監修 / ベクトル・ネットワーク:編著『図解一冊の手帳で夢は必ずかなう』(2004.11,かんき出版)
オンライン書店ビーケーワン:図解一冊の手帳で夢は必ずかなう

「自分の夢を手帳に書いて常に持ち歩く、夢を写真や絵でビジュアル化し、手帳に貼りつける…。手帳で夢をかなえる毎日の習慣を紹介。2004年3月刊「一冊の手帳で夢は必ずかなう」が図解でさらに詳しくなった」(オンライン書店bk1の紹介文)

 今年は更にすごくて、書店で目立つ本をピックアップしただけでもかなりの数になります。

・手帳愛好家委員会:編『みんなの手帳』(2005.11,大和書房)
オンライン書店ビーケーワン:みんなの手帳

「ミリオネーゼや作家等、気になるあの人の手帳拝見とインタビュー、開発者に訊く最新手帳の使い方、とっておきの手帳術、オシゴト別手帳図鑑など、手帳に関するすべてが詰まった一冊。巻末に「nendoの手帳」のオマケ付き」(オンライン書店bk1の紹介文)

・季刊Think!編集部:編『夢をかなえるプロフェッショナル手帳術 達人30人に学ぶ黄金の時間管理』(2005.12,東洋経済新報社)
オンライン書店ビーケーワン:夢をかなえるプロフェッショナル手帳術

「30人の達人たちの手帳術を一挙公開。ビジネスに効くタイムマネジメント、話題の手帳・ノート紹介、三日坊主にしない手帳術、このテクニックを盗め、発想を高めるノート・メモ術などを収録した、役立つ情報満載の一冊」(オンライン書店bk1の紹介文)

・日本能率協会マネジメントセンター:編『時間200%活用術』(2005.12,日本能率協会マネジメントセンター)
オンライン書店ビーケーワン:時間200%活用術

「養老孟司、野口悠紀雄、弘兼憲史、中谷彰宏ら各界の著名人39人が、手帳術、仕事術、時間管理術など「私のやり方」を大公開。時間活用の秘策をやさしい語り口で余すところなく披露する」(オンライン書店bk1の紹介文)

・アーク・コミュニケーションズ:編『手帳、ステーショナリー、デジタル機器「超」活用ノート』(2005.12,PHP研究所)
オンライン書店ビーケーワン:手帳、ステーショナリー、デジタル機器「超」活用ノート

「パソコン、PDA、手帳、携帯電話…。どれだけの人がこうしたビジネスツールを確実に使いこなしているだろうか? 現在、各界で活躍する著名人たちの仕事観やワーク・スタイルを通して、ツールの上手な使い方を紹介する」(オンライン書店bk1の紹介文)

・熊谷 正寿『情報整理術クマガイ式』(2005.7,かんき出版)
オンライン書店ビーケーワン:情報整理術クマガイ式

「10年間で3社を上場させ、グループ22社、従業員2000人を率い、年商300億円を誇るITベンチャー企業家の雄が明かす、夢を「より早く」「より確実に」かなえるノウハウ。「一冊の手帳で夢は必ずかなう」続編」(オンライン書店bk1の紹介文)

ほぼ日刊イトイ新聞/山田浩子:編著『ほぼ日手帳の秘密』(2005.11,幻冬舎)
オンライン書店ビーケーワン:ほぼ日手帳の秘密

「ありそうでなかった「なんでもない日を大切にする」というコンセプトで誕生した、サイト『ほぼ日刊イトイ新聞』発の手帳「ほぼ日手帳」のオフィシャルガイドブック。使う楽しみが広がる一冊」(オンライン書店bk1の紹介文)

・渡邉 美樹『渡邉美樹の夢に日付を!』(2005.10,あさ出版)
オンライン書店ビーケーワン:渡邉美樹の夢に日付を!

「夢に日付を入れて、夢と現実の差を明確にしてその差を日数で割り、日々やるべき事をやり抜く。この方法で夢を実現してきた自らのノウハウを、手帳というツールを使い実践的に伝授する」(オンライン書店bk1の紹介文)

 ちょっと読んでみると面白そうな本もありますが、あまり色々読みすぎると混乱しそうなので買うのは控えました。
 これは俺個人の考えですが、手帳の使い方などの情報技術や知的生産(そんなおおげさなもんじゃないかもしれないが)って、人それぞれで、誰かを100%真似してもうまくいかないと思う。また大げさな表現を使うが、その人の人生とも関わってくるのではないかと思う。だから、色々な本をざっと読んで、参考になりそうなところを拾って、自分の方法をつくるしかないんだろうなあ。
 それから、あまり凝りすぎると本来の目的がおろそかになりそうなのも恐い。例えば手帳はすごくきれいに書くけれど、約束や納期を忘れてしまう、とかね。これは本末転倒だが、手帳ってうまくつくると達成感があって、そこで満足してしまう危険性がある。
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■文庫サイズの手帳や日記の話
 上の手帳の使い方の本に関連して、「手帳になっている文庫本」の話を。
 最近各社の文庫から日記が発売されている。文庫をつくっていない出版社も、文庫サイズの手帳を販売している。
 元祖といえるのは、ちくま文庫の『文庫手帳』で、ブームに火を点けたのは新潮文庫の『マイブック』だったと記憶しています。『マイブック』が出た時は、あくまでも「本」として販売したのを面白いなあと思ったのを覚えている。

・『文庫手帳 2006』(2005.10,ちくま文庫)
オンライン書店ビーケーワン:文庫手帳 2006


・『マイブック』(2005.11,新潮文庫)
オンライン書店ビーケーワン:マイブック


 今は、様々な出版社から相当数出ています(この記事の一番下をご参照ください)。ただ見てみると、「万人向け」というよりは特定の層に絞った内容になっています。売り上げの住み分けはうまくできているのかもしれないね。
 そういえば、『ほぼ日手帳』も手帳本体は文庫本サイズですね。

 もうひとつ『マイブック』で思い出したことが。俺、「古本の『マイブック』」を二冊持っています。なんとどちらも日記が書いてある! はじめの数ヶ月に飛び飛びにだけれど。
 このうちの一冊については、それこそ小説でも書けそうなのですが、さすがに気が引ける。
 しかし、自分の日記を書いた『マイブック』を売っちゃったのは、なぜなんだろう。色々な想像が思い浮かぶ。
 書いたのを忘れて売った、誰かに日記を読ませたくて、古本屋の棚にこっそり差した、書いた人が亡くなって、まとめて古本屋が引き取った、……などなど。これを想像するだけでも、色々なエピソードが浮かびます。
 そして俺は、今でも古本屋の棚を見て歩くと、文庫サイズの手帳がないかを探してしまうのであった(しゅ、趣味が悪い)。

・『memo2006 マイメモリー文庫』(2005.9,角川文庫)
オンライン書店ビーケーワン:Memo 2006


・『ハリー・ポッター魔法の手帳 ハーマイオニー篇』(2001.11,角川文庫)
オンライン書店ビーケーワン:ハリー・ポッター魔法の手帳 ハーマイオ ニー篇


・『ハリー・ポッター魔法の手帳 ハリー篇』(2001.11,角川文庫)
オンライン書店ビーケーワン:ハリー・ポッター魔法の手帳 ハリー篇


・日野原 重明『生きかた上手手帳 2006』(2005.10,ユーリーグ)
オンライン書店ビーケーワン:生きかた上手手帳 2006


・読書日記制作委員会:編『私の読書日記』(2005.12,総合法令出版)
オンライン書店ビーケーワン:私の読書日記

「1日1ページのフリースペースと、1冊の書籍を紹介。日記として、読書メモとして使える。神田昌典氏、七田真氏の読書日記も収録」 (オンライン書店bk1の紹介文)

・『受験生手帳』(2001.6,アルス工房)
オンライン書店ビーケーワン:受験生手帳


 そして実はもう一冊、書き込みのある『マイブック』を手に入れてしまいました。  

2005.12.23(金) 購入本 【古本】 高円寺 古本酒場コクテイルにて

・『マイブック 2001年の記録』(2000.11,新潮文庫)
 岡崎武志さんのトークイベントでの古本オークション(セリ)で購入。

 これを集めていくと、なにかが見えてくるかもしれない。現在手元にある三冊だけでも、全部女性が書いたものだったり、格言みたいなことを書いていることがあったり、三ヶ月で挫折することが多かったり、というような共通点がある。
 書き込みのある『マイブック』コレクター、目指そう。これは古本屋の均一棚を丹念に見ていかないとなかなか見つからないし、見つかってもなにも書いていないことの方が多いから、そうとう長い時間をかけて集めて行くことになりそうだ。ライフワークですね。
 うひゃー。


【 2005年12月5日〜12月11日号 】 2005.12.13掲載
■今年の各種ランキングが続々発表
 まずはミステリーから。
 『このミステリーがすごい! 2006年版』と『本格ミステリ・ベスト10 2006』が発売となりました。
・『このミステリーがすごい! 2006年版』(2005.12,宝島社)
オンライン書店ビーケーワン:このミステリーがすごい! 2006年版
「2005年のミステリー界を総括する一冊。2005年ベストテン、横山秀夫と米沢穂信のインタビュー、人気作家53人の特別書き下ろし「私の隠し玉」、第4回「このミステリーがすごい!」大賞発表、バカミスの世界等を収録」(オンライン書店bk1の紹介ページ)

・探偵小説研究会:編著『本格ミステリ・ベスト10 2006』(2005.12,原書房)
オンライン書店ビーケーワン:本格ミステリ・ベスト10 2006

「2005年のミステリ情報を一冊に凝縮。国内・海外本格ミステリ・ランキングをはじめ、作家へのインタビューや座談会など、小説に映画、ライトノベル、コミック、同人誌、ゲームにいたるまで、あらゆる分野のミステリを網羅」(オンライン書店bk1の紹介ページ)

 両方で国内編一位を獲得したのは、東野 圭吾著『容疑者Xの献身』。

・東野 圭吾『容疑者Xの献身』(2005.8,文芸春秋)
オンライン書店ビーケーワン:容疑者Xの献身

「天才数学者でありながらさえない高校教師に甘んじる石神は、愛した女を守るため完全犯罪を目論む…。数学だけが生きがいだった男の純愛ミステリー。『オール読物』連載を単行本化」(オンライン書店bk1の紹介ページ)

 また第26回日本SF大賞も発表になりました。飛 浩隆氏の『象(かたど)られた力』です。

・飛 浩隆『象られた力』(2004.9,ハヤカワ文庫JA)
オンライン書店ビーケーワン:象られた力


 上記短編集の中の「象られた力」は、2005年の星雲賞日本短篇部門も受賞しました。

・日本SF作家クラブ>日本SF大賞について
http://www.sfwj.or.jp/list.html
・日本 SFファングループ 連合会議>星雲賞について>星雲賞リスト
http://www.sf-fan.gr.jp/awards/list.html
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■鉄人28号「原作完全版」として復刊
 横山光輝氏の『鉄人28号』が、原作完全版として復刊されます。

・横山 光輝『鉄人28号 1』(2005.11,潮出版社)
オンライン書店ビーケーワン:鉄人28号 1


・横山 光輝『鉄人28号 2』(2005.11,潮出版社)
オンライン書店ビーケーワン:鉄人28号 2

(オンライン書店bk1の紹介ページ)

 「原作完全版」について調べてみたら、原画が紛失している部分については、元アシスタントの方が過去の単行本の絵をトレースして復元しているようだ。
 当時各種雑誌に掲載された作品を、鮮明な印刷状態ですべて収録するとのこと。
・参考:東京新聞記事
http://ad.jp.doubleclick.net/jump/tokyo-np.cwp.jp/tokyo-news/thatu/top.htm;sz=468x60;ord=101894?
 月一回のペースで、約二年間刊行されるようです。
 『鉄人28号』はきちんと読んだことがないので、この機会に読んでみようかなあ。
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■昭和30年代の本が目立つ今日この頃
 おそらく、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」の上映にあわせてだと思いますが、書店で昭和30年代に関する本を目にします。

・『ALWAYS三丁目の夕日オフィシャル・フォト・ブック』(2005.11,日本テレビ放送網)
オンライン書店ビーケーワン:ALWAYS三丁目の夕日オフィシャル・フォト・ブック

「日本映画史上類を見ない空前のスケールで昭和30年代の街並みが再現された映画「ALWAYS三丁目の夕日」の舞台裏。各スタッフが制作過程の秘密を明かすオフィシャル・フォト・ブック」(オンライン書店bk1の紹介文)

・西岸 良平『三丁目の夕日映画化特別編』(2005.10,小学館)
オンライン書店ビーケーワン:三丁目の夕日映画化特別編


 立ち読みして印象に残った本は、例えば下記のような本。

・吉田正幸『「思い出力」クイズ 昭和30年代編』(2005.10,小学館)
オンライン書店ビーケーワン:「思い出力」クイズ 昭和30年代編

「あの遊び、あのテレビ、あの笑い、あのヒーロー! 昭和30年代の思い出を、さまざまな形式の「クイズ」を解くことで、再び思い出し、記憶に定着させる「思い出力」。これで脳を活性化! 書き込み式「自分史年表」付き」(オンライン書店bk1の紹介文)

・奥成達:文・ながたはるみ:絵『なつかしの昭和30年代図鑑』(2005.11,いそっぷ社)
オンライン書店ビーケーワン:なつかしの昭和30年代図鑑

「広辞苑もチキンラーメンもクレージーキャッツもソノシートも少年マガジンも、みんなみんな昭和30年代生まれだった。活気があってエキサイティングだったあの時代を思い出す、学校生活や遊び、流行についてのエッセイ」(オンライン書店bk1の紹介文)

・町田忍『貧しくても元気だった懐かしの昭和30年代』(2002.12,扶桑社)
オンライン書店ビーケーワン:貧しくても元気だった懐かしの昭和30年代

「喫茶店や映画館に人気が集まった。街中に活気が満ちていた。家にテレビがやってきた。お菓子についてたおまけに一喜一憂した。今もあの時代の薫りが色濃く残る建物、場所、モノたち…。あなたの昭和へタイムスリップ!」(オンライン書店bk1の紹介文)

 俺はさすがに生まれる前なので、1980年代などに比べたらそれほど思い入れはない。
 でも、当時の商品(電化製品とかお菓子とか)や、建物には興味がある。多分、これから更に年を取ったら、昭和30年代が面白く感じるんだろうなあ。
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■早川書房の「異色作家短篇集」の新装版が刊行されています。
 早川書房の「異色作家短篇集」が、新装版で刊行されています。
 俺も叢書の名前くらいしか知らなかったのですが、早川書房の紹介ページを読むと、元々1960年に、ミステリー・SF・ホラーなどの作品から選ば れ、全18巻で刊行されたそうだ。1974年からは、改訂版として全12巻が再刊されたとのこと。  そして今回の復刊では、全20巻で刊行される。
・早川書房 > 「異色作家短篇集」紹介ページ
http://www.hayakawa-online.co.jp/newsbody.asp?newsid=000929

 現在までに四冊が刊行されている。
・ロアルド・ダール著 / 開高 健訳『キス・キス』(2005.10,早川書房)
オンライン書店ビーケーワン:キス・キス

「予期せぬ出来事が日常の扉を開き、あなたをさりげなく訪れる…。全篇に漂う黒いユーモア、微妙な残酷さ、構成の巧みさ、豊かな文章力を 特徴とするダールの短篇集。「天国への登り道」ほか全11編を収録」(オンライン書店bk1の紹介文)

・フレドリック・ブラウン著 / 星 新一訳『さあ、気ちがいになりなさい』(2005.10,早川書房)
オンライン書店ビーケーワン:さあ、気ちがいになりなさい

「稀代のストーリーテラー、ブラウンの短篇集。表題作のほか、「ぶっそうなやつら」「おそるべき坊や」など、読者の予想を裏切るひねりの テクニックと鋭いオチの切れ味を味わえる、愉快、痛快、奇々怪々の12話を収録」(オンライン書店bk1の紹介文)

・シオドア・スタージョン著 / 小笠原 豊樹訳『一角獣・多角獣』(2005.11,早川書房)
オンライン書店ビーケーワン:一角獣・多角獣
/I>(オンライン書店bk1の紹介文)
「幻獣が微笑み、人外が嗤う。ページを開けば異形博物館の開館時間…。伝説の珍獣をめぐる皮肉な物語「一角獣の泉」や、代表作「めぐりあ い」など、一癖もふた癖もある異色中の異色作家、スタージョンの傑作10篇を収録」(オンライン書店bk1の紹介文)

・リチャード・マシスン著 / 吉田 誠一訳『13のショック』(2005.11,早川書房)
オンライン書店ビーケーワン:13のショック

「些細なスピード違反が、引っ越してきた平凡な男が、突如として日常を切り裂き恐怖に染める! 「激突!」「地球最後の男」など、ホ ラー、SFの名手である著者が、魅力を存分に発揮した13の物語」(オンライン書店bk1の紹介文)

 ロアルド・ダールにフレドリック・ブラウンなど、ううむ、気になるラインアップだ。
 リチャード・マシスンの「激突!」は、スティーブン・スピルバーグがはじめて監督したテレビ用映画の原作です。

DVD:『スティーブン ・スピルバーグ「激突」セット』
スティーブン・スピルバーグ「激突」セット
(Amazon.co.jpの紹介ページ)

 次回は2006年1月にジョルジュ・ランジュラン/稲葉明雄訳『蝿』とシャーリイ・ジャクスン/深町眞理子訳『くじ』が出る予定。
 その後の刊行予定は下記の通り。ジャック・フィニイの『レベル3』は、読んだことがないので読んでみたい。

ジャック・フィニイ/福島正実:訳『レベル3』
レイ・ブラッドベリ/吉田誠一:訳『メランコリイの妙薬』
スタンリイ・エリン/田中融二:訳『特別料理』
ジェイムズ・サーバー/鳴海四郎:訳『虹をつかむ男』
ロバート・ブロック/小笠原豊樹:訳『血は冷たく流れる』
ジョン・コリア/村上啓夫:訳『炎のなかの絵』
ロバート・シェクリイ/宇野利泰:訳『限がいっぱい』
チャールズ・ボーモント/小笠原豊樹:訳『夜の旅その他の旅』
マルセル・エイメ/中村真一郎:訳『壁抜け男』
ダフネ・デュ・モーリア/吉田誠一:訳『破局』
レイ・ラッセル/永井淳:訳『嘲笑う男』
若島正・編『アンソロジイ:アメリカ篇』
若島正・編『アンソロジイ:イギリス篇』
若島正・編『アンソロジイ:世界篇』
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■12/23、高円寺コクテイルにて岡崎武志さんのトークイベント開催
 12月23日(金・祝)、高円寺の「古本酒場コクテイル」にて、岡崎武志さんのトークイベントが開催されます。

「岡崎武志の今年買った古本ベスト30」
・日時:12月23日(金・祝) 19時開場・19時半開始
・場所:高円寺「古本酒場コクテイル」
    http://koenji-cocktail.com/
・料金:チャージ1500円+1ドリンクオーダー


 コクテイルは、古本屋と酒場が合体したお店、お酒を飲み、おつまみを食べながら、古本を買うことが出来る。
 予約受付は電話またはメールにてとのこと。電話番号・メールはコクテイルのサイトからご確認ください。
 俺は早速電話で予約しました。
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【 2005年11月28日〜12月4日号 】 2005.12.7掲載
■「TSUTAYA TOKYO ROPPONGI」でファッションショー開催
 六本木ヒルズにある書店「TSUTAYA TOKYO ROPPONGI」で、「THEATRE PRODUCTS 2006 S/S catwalk with Sony Walkman@TTR」というファッションショーが開催された。
 営業時間中に、モデルが店内を練り歩いたらしい。特別なBGMは流れず、来場者には11月発売の携帯音楽プレーヤー「ウォークマンA」が貸し出される。この「ウォークマンA」を聞くと、ファッションショーのBGMが流れている、というもの。
 ちょっと現代芸術のパフォーマンスみたいで、面白い。この会場に選ばれるというのは、「TSUTAYA TOKYO ROPPONGI」らしい。

・参考記事:RBB TODAY:http://www.rbbtoday.com/news/20051202/27503.html
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■ またもトイレットペーパーに書かれた本が!
・『トイレ川柳大賞〜おしりもうなった傑作選〜』(2005年,TOTO出版)
http://www.toto.co.jp/News/senryu/buy.htm(TOTO出版の紹介ページ)


 トイレについての川柳が印刷されたトイレットペーパーです。
 TOTO出版のサイト(上記URL)、または一部書店にて購入可能です。
 今年、下の「本」も同じようにトイレットペーパーに印刷されて発売されました。

・トイレットブック:荒川修作・マドリン・ギンズ:著、河本英夫:訳『建築する身体――「命」って、建築できるの?』
http://www.shunjusha.co.jp/news/2005/02/toile.html(春秋社の紹介ページ)

 これからも、トイレットペーパーになにかを印刷するというアイデアが出てくるかもしれない。
 ヌード写真とか官能小説の一場面を印刷するというのはどうかね。見た(読んだ)後に使用して、また見たく(読みたく)なったらまた買えば販売する方としても定期的な需要が見込めて……。
 失礼しました。
 あとは、本以外の形で文章を印刷して発売するということも、色々と想像できる。Tシャツなどは今でもあると思いますし、お茶の缶に俳句を印刷している例もある。あと、なにがあるかなあ。
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■室井佑月氏膵臓を半分と脾臓を全部摘出
 詳細はblogで綴られています。
・室井佑月blog:http://muroi-yuzuki.cocolog-nifty.com/
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■知らなかった、『ぼくらが大好きだった特撮ヒーローBESTマガジン』
 先日下の号を買ってきました。
・『ぼくらが大好きだった特撮ヒーローBESTマガジン Vol.5』 (2005.11,講談社)
オンライン書店ビーケーワン:ぼくら
が大好きだった特撮ヒーローBESTマガジン Vol.5

 この号の特集は「キャプテンウルトラ」。他に、人形劇ドラマ「Xボンバー」(これは見た記憶がある!)や、「スーパージャイアンツ」(宇津 井健の全身タイツ姿の写真もしっかり掲載)など、面白そうな内容です。
 これまでに下記の4冊が出ており、今後も月2回刊行で全11冊になるとのことです。知らなかった。

 今後は「悪魔くん」、「スペクトルマン」、「怪奇大作戦」などの特集が予定されているようだ。おお、血が騒ぐ。
・講談社BOOK倶楽部 > 特撮ヒーローBESTマガジン
http://shop.kodansha.jp/bc/magazines/tokusatsu/
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■12月3日、ジュンク堂池袋本店に、「萩尾望都ラララ書店」がオープン
 2006年5月31日までの期間限定。漫画家萩尾望都氏のセレクトによる本を販売します。
 原画展やトークライブなどのイベントも開催するようです。

・ジュンク堂書店 > 萩尾望都ラララ書店 http://www.junkudo.co.jp/hagiorarara.htm

 萩尾氏の漫画は、大学生の頃下の二冊は読んだ。『百億の昼と千億の夜』はやや難しかったけれど、「11人いる!」は面白かったなあ。

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■『火吹山の魔法使い』は新刊で入手可能なんだね
・スティーブ・ジャクソン、イアン・リビングストン:著・浅羽莢子:訳『火吹山の魔法使い』(2005.3,扶桑社)
オンライン書店ビーケーワン:火吹山の魔法使い

「「火吹山」のダンジョンの奥には、伝説の財宝が眠っているという。だが、それを手に入れるには…。主人公は、きみだ! ロールプレイン グ・ゲームを小説のように楽しめるゲームブックシリーズ。84年社会思想社刊を再編集」(オンライン書店bk1の紹介文)

 もともと社会思想社の現代教養文庫から刊行されていたのですが、版元倒産で絶版になっていたと思っていた。扶桑社文庫で復刊されていたんですね。

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【 2005年11月1日〜11月27日号 】 2005.11.28掲載
 今回は初回なので、増刊号ってことで11月中の情報をまとめて紹介。

■エッセイスト山崎えり子容疑者、公正証書原本不実記載・同行使の疑いで逮捕
 下の記事を読みますと、容疑は2001年に他人の戸籍を使って婚姻届を提出したこと。
 山崎容疑者は男性一人・女性一人と同居しており、この女性から戸籍を譲り受け、男性との婚姻届を提出したそうだ。
 山崎容疑者は前夫との離婚をせず、別居し、1994年頃から上記の男性と暮らしていたらしい。
 また、著書で紹介されていた、卒業した大学や、公務員としての勤務経験、海外生活なども詐称だったらしい。
 なんだか複雑な話で、まだ色々な話があるのではないかと想像される。

 ちなみに、山崎容疑者は、『節約生活のススメ』(1998年,飛鳥新社)が80万部を超えるベストセラーになった。この手の本に興味がない俺でも知っているくらい有名になった本です。
・asahi.com http://www.asahi.com/national/update/1125/TKY200511250216.html
・NIKKEI.NET http://www.nikkei.co.jp/news/main/20051125AT1G2500825112005.html
・SANSPO.COM http://www.sanspo.com/shakai/top/sha200511/sha2005112601.html

 それから、下のサイトは、どうやら本人が作っていたサイトのようです。
・山崎えり子の無知の知 http://homepage2.nifty.com/minitomato/

 ページの最初に、こんな言葉が載っています。
「私は本を書かせていただき、多くの方に読んでいただきました。 でも、いろいろなことを調べれば調べるほど、自分の無知さ加減がわかり、恥ずかしくなりました。 これからはこの『無知の知』を座右の銘としてこのページのタイトルにしました」
 色々と考えさせられてしまう。たしかに自分の無知を自覚して、色々と知恵をつけていったのかもしれないが、それが悪知恵だったということなのかね。

■クイズ:この本なんでしょう。
 下の写真、俺の部屋にある本です。
木の葉燃朗のがらくた放送局

木の葉燃朗のがらくた放送局
 さて、これはどういう本でしょう?

 「買ったはいいけど読んでいない本」と答えた方、おしいです。
 ちなみに「買ったはいいけど読んでいない本」はこの5倍くらいあります。

 正解は「読んだけれどまだ読書録をサイトにアップしていない本」です。これもなかなか問題だ。  少しずつ感想アップしていきます。

■ヴィレッジヴァンガード高田馬場店訪問記
 昨日11月23日、オープン当日のヴィレッジヴァンガード高田馬場店に行ってきました。簡単な感想を。
ヴィレッジヴァンガード高田馬場店
 店の大きさは、比較的こじんまりとしています。行ったことのある店と比較すると、お茶の水店の半分くらいかなあ。新宿ルミネ店と比べても少し小さい。でも、ラクーア(水道橋の東京ドームシティ内)に比べたら、大きいかな。

 オープン初日なので、「高田馬場店らしさ」は、これから出てくるのかな、という印象です。
 昨年、新宿ルミネ店のオープン当日に行ったときにもそれを感じました。ヴィレッジヴァンガードは、オープンしてから徐々に売場に手が加わって、味が出てくるのだと思います。

 例えば、まだまだPOPが少なかったり、商品の並び方も平均的な印象だったり。でも、紛れもなくヴィレッジヴァンガードらしさはあります。
ヴィレッジヴァンガード高田馬場店
 それから、一点「おっ」と思ったのは、漫画も含めてほとんどの本にビニールの覆いがないこと。

 ヴィレッジヴァンガードでは、活字の本には、もちろんビニールはありません。あらかじめパッケージされているものは別として。
 でも、漫画は立ち読み防止のため(だと思う)、ほとんどにビニールが横に巻かれています。一部、一冊だけ立ち読み用にしている本もあります。

 しかし、オープン当日の時点では、漫画もほとんどビニールがなく、立ち読みできました。
 もしかしたら、開店準備が忙しくてビニールまで手が回らなかったのかもしれない。でも、もしも今後も「漫画にもビニールはしない」という方針が続けば、画期的かもしれないと思いました。

 これは、お客さんのモラルも関係あると思うけれどね。
ヴィレッジヴァンガード高田馬場店
 これから、高田馬場に行く機会があれば、また立ち寄りたいと思う。
 営業時間は10:00〜24:00、年中無休とのことなので、高田馬場をご利用になる方は行かれるのもよろしいのでは。地図を紹介しておきます。
・Mapionの地図    ・Googleローカルの地図
・ヴィレッジヴァンガード公式サイト http://www.village-v.co.jp/

■大活字本のオンデマンド出版
 大活字本を中心とした、「講談社オンデマンドブックス」が、11月21日にオープンしています。
・講談社オンデマンドブックス http://www.bookpark.ne.jp/kodb/
・参考記事(nikkeibp) http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/biz/415039

 オンデマンド出版のメリットは、注文を受けて本をつくるので、買う側にとっては絶版がないこと。また売る側にとっては在庫リスクがないこと。
 例えば、年に100冊しか売れない(けれども100冊は確実に売れる)本でも、注文に応じて販売し続けることが可能なわけです。

 今までのつくりかただと、どうしても作成時のコストを下げるために、一度に数千、数万の単位でつくって、それが売り切れたら追加の作成は難しかった。もちろん、更に数千、数万の単位で販売が見込める場合は、増刷(重版)となるわけですが。
 そのため、オンデマンド出版では、学術書など、(比較的)販売数は少ないが確実に販売できる本が多くラインナップされています。小説やマンガの復刊なども、されている場合がありますね。
 大活字本というのも、(比較的)販売数は少ないが確実に販売できる本として、需要はあるよなあ。他にも色々な可能性が考えられると思う。

 ちなみに、強いてデメリットを挙げれば、まだ一般に書店で販売される本よりも値段が高いことはあると思う。
 でも、今後例えばpdfなどのデータだけを販売し、印刷や製本は買った人が行うことにして、更に値段を下げるようなことも可能かもしれない。オプションで製本までしてもらってもいいし、自分でプリンタで印刷してもいい。データをパソコンのモニタで読んでもいい。
 いわゆる電子ブック(専用の機械の画面上で読む活字やマンガ)よりも、こういう形のオンデマンド出版の方が普及しやすいように、俺は思う。

■『笑う大天使』が映画化されるんですよね。
 川原泉氏の漫画『笑う大天使』が、実写映画として来年公開予定です。原作は1987年から1998年までの連載だから、20年弱の時を経ての映画化です。

 監督は小田一生氏。出演は、上野樹里(司城史緒 役)・関めぐみ(斉木和音 役)・更科柚子(平愛梨 役)・伊勢谷友介(司城一臣 役)・ほか。
 原作の一部のエピソードを映画化するのだろう。期待半分、不安半分だが、楽しみ。

 『笑う大天使』、原作は面白かったなあ。連載されていたのは少女漫画雑誌(白泉社の『花とゆめ』)ですが、俺でも抵抗なく読めました。俺は、大学生の頃単行本で読みました。1996年とか1997年とか、そのくらいの時期です。
・川原 泉著『笑う大天使(ミカエル) 第1巻』(1996.9,白泉社文庫)
・川原 泉著『笑う大天使(ミカエル) 第2巻』(1996.9,白泉社文庫)
(オンライン書店bk1の紹介ページ)

(参考)
・アルバトロスフィルム > 劇場公開情報 > 「笑う大天使(ミカエル)」
http://www.albatros-film.com/movie/michael.html(配給会社の紹介ページ)
・長崎ハウステンボス > 「笑う大天使」撮影日誌
http://www.huistenbosch.co.jp/event/staff/michael/index.html
(ロケ地のハウステンボスでの撮影の様子。中には川原氏のインタビュー(写真つき)もあります)

■Amazon.comで、欲しいページだけ買える
 アメリカのAmazon.comでのお話。
 欲しいページだけ本が買える「Amazon Pages」がスタートしました。
 ただし、パソコン上(Amazon.comのサイト)でページの画像を見る権利を購入できる、ということです。一ページ分だけ印刷された紙を買えるわけではありません。
 また、Amazon.comで購入した書籍の中身について、追加料金を払うとAmazon.comのサイトで閲覧できる「Amazon Upgrade」もスタートしています。
 例えば、図書館に行って必要な資料をコピーする代わりに使えそうですね。
 こうした出版物のデジタル化は、他の企業でも行っているのですが、その話はまた明日にでも。

【参考記事】
・HOT WIRED JAPAN http://hotwired.goo.ne.jp/news/business/story/20051104105.html
・デジタルARENA  http://arena.nikkeibp.co.jp/news/20051104/114137/

■米Googleでは、著作権上問題のない書籍の全文検索が開始
 米Googleの「Google Print」で、著作権上問題のない書籍の全文を検索・閲覧可能になっています。既に著作権が消滅している書籍、または著作権が存続していても、公開を許可した書籍などが対象となるのだろう。

・nikkeibp記事  http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/news/411612
・Google Print(英語)  http://print.google.com/

 ためしにGoogle Printで”shakespeare”と入力してみると、”shakespeare”という単語を含む本のページを閲覧できます。俺は英語がほとんどできないので、詳しい使い方は把握できていないのですが。
 ただし、著作権の存続している書籍については、米国出版者協会(Association of American Publishers)が著作権侵害に当たるとして提訴している(下記記事を参照)。

・nikkeibp http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/news/404840

 個人的には、著作権の消滅しており、なおかつ容易に手に入りにくい本であれば、内容を検索できるのはありがたいと思う。読むというよりは調べ物が目的となると思いますが。
 ちなみに、日本にも著作権の消滅した文学作品を中心に、電子テキスト化を進めている「青空文庫」があります。有名なサイトですが、参考までご紹介。

・青空文庫  http://www.aozora.gr.jp/

■米Microsoftはイギリスの大英図書館の蔵書をデジタル化
 書籍のデジタル化の話。Microsoftもプランを発表しました。

 大英図書館(英国図書館)の蔵書をデジタル化し、閲覧・検索可能にするそうです。
 来年(2006年)開始予定の書籍検索サービス「MSN Book Search」内で可能になるとのこと。
 「MSN Book Search」は、著作権の消滅した、または著作権者が許可した書籍をデジタル化し、検索・閲覧可能にするサービスらしい。
 こういうサービスが、これから増えていくのだろう。
 紙の本はそう簡単に無くならないだろうが、保存の際にデジタル化されるという流れが標準になっていくのかもしれない。

【参考】
・HOT WIRED JAPAN http://hotwired.goo.ne.jp/news/business/story/20051107107.html
・デジタルARENA http://arena.nikkeibp.co.jp/news/20051107/114151/

■三島由紀夫の未発表原稿(短編小説)見つかる
 作家三島由紀夫(1925〜1970)の未発表の原稿が見つかったとのことです。
 内容は十代の頃に書いた短編小説(作文)や、ノート・書簡・メモなど、とのこと。
・読売新聞記事 http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20051104bk09.htm

 12月刊行予定の『決定版 三島由紀夫全集 補巻』(新潮社)に収録されるそうです。
 実は俺は、三島由紀夫の本は下の一冊しか読んだことがない。
・三島 由紀夫著『行動学入門』(1986,文芸春秋)

 学生時代、友人が貸してくれたエッセイ集で、それを読んだのだった。
 三島由紀夫というと、当時の俺のイメージは「文豪」で、漱石とか鴎外とかと同じくらいの距離感を感じていた。でも上の本を読んで、そう遠くない昔に人気作家(流行作家)だった三島由紀夫の姿を感じて、また違った印象を持った記憶がある。
 とはいえ、その後読んでいないのですが。
 改めて三島由紀夫を読むとしたら、なにがいいのかなあ。

■ちくま文庫復刊フェア
 読者アンケートをもとに、ちくま文庫の9点(14冊)が復刊されます。全国約200の書店で、復刊フェアが行われるとのこと。先日神保町に行った際、岩波ブックサービスセンターと、書泉グランデで復刊作品が並んでいるのを確認しました。

・ちくま文庫復刊フェア ラインナップ
http://www.chikumashobo.co.jp/top/fukkan/index.html

 ちなみにラインナップは下記のとおり。翻訳ものが多いです。とりあえず『東京百話』の天の巻・地の巻の二冊を買いましたが、『ギリシア喜劇』なんかも気になるなあ。

・アリストパネス・高津春繁 他:訳『ギリシア喜劇 I・II』
・ダンセイニ・荒俣宏:編訳『短篇集 妖精族のむすめ』
・W.デ・ラ・メア・荒俣宏:訳『妖精詩集』
・ルイス・キャロル・柳瀬尚紀:訳『もつれっ話』
・サキ・中西秀男:訳『ザ・ベスト・オブ・サキ I・II』
・C.ディケンズ・北川悌二:訳『骨董屋 上・下』
・レイ・ブラッドベリ・仁賀克雄:訳『火星の笛吹き』
・P.K.ディック・仁賀克雄:訳『ウォー・ゲーム』
・種村季弘:編『東京百話 天の巻・地の巻・人の巻』

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