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2006年、木の葉燃朗に影響を与えてくれた5冊の本

2006年は雑誌(と一部のマンガ)を除くと100冊くらいの本を読んだのですが、その中で自分が影響を受けたのではないかと思う本を5冊紹介します。順番は、読んだ日付順。特に順位などはありません。


オンライン書店ビーケーワン:僕の人生全て売ります・ジョン・フレイヤー著 / 古谷 直子訳『僕の人生全て売ります』(2005.8,ブルース・インターアクションズ,\1,680)
「ある日、ジョン・フレイヤーは自分の持ち物すべてをインターネットで売ることにした。彼の持ち物はあっという間に世界中に売れていく。そして彼はかつての持ち物の新しい住処を訪ねる旅に出る。奇想天外なプロジェクトの記録」(オンライン書店bk1の紹介文)
 自分の持ち物を手放すことについて、考えさせられた。私自身はどうしても物を溜め込んでしまう性格なのだが、所詮持てる物の量には限りがあるし、物がなくなっても記憶は残るのかもと思うようになった。
 読書録に掲載した感想を改めて掲載しておきます。

 本の内容を簡単に紹介してしまうと、「著者ジョン・フレイヤーが自分の持ち物をすべてネットオークションで売った試みの記録と、その後その持ち物を買った人を訪ねた記録」である。しかし、話はそれほど単純ではない。

 そもそも著者ジョン・フレイヤーが持ち物を売り始めた目的は、溜め込みすぎてしまった物の中から、いらない物を売るためだった。ニューヨーク出身で、アイオワ大学の研究員だったジョンは、アイオワを引き払ってニューヨークに帰るべく荷物減らしをはじめたのである。
 しかし、「allmylifeforsale.com」というドメインを獲得し、知人の協力により家の棚卸をしてから、本のタイトルどおり「僕の人生全て」を売り始めていく。持ち物を次々と売り物にするだけでなく、その物にまつわる思い出や記憶を思い返し、それも含めて手放すような気持ちになる。「自分の持ち物の歴史にどっぷり浸かっていると、手放してしまったらどうなるんだろうという思いが頭をよぎった」(p.ix)という。また「何かを売るということは、僕の生活を微妙に変えること」(p.x)でもあった。例えばトースターを売ってしまえばトーストを食べなくなるように。

 だが、物を売ることで、新しい思い出や記憶ができていく。中でも一番大きなものは、物を買ってくれた人からの写真や文章でのその後の紹介であった。そして「allmylifeforsale.com」のプロジェクトがほぼ終了してから(それでも残ったものはあり、捨てたり友人に預けたようだが)、物を買ってくれた人たちを訪ねてアメリカ中を旅する。そして、たくさんの人に会い、2001年9月11日の世界貿易センタービルの爆破事件の日にニューヨークに滞在するなどの経験も経て、最後はアイオワに戻ってもう一度生活を送ることに決める。

 とにかく、まずは自分の持ち物をすべて売ろうと思いついたことが面白い。ただこのアイデア自体は、それほど珍しくはないかもしれない。アイデアだけだったら。
 しかし、それを実行してしまう行動力、更には買ってくれた人に会いに行こうと考えて、これまた実行してしまうところが、著者のすごいところであり、またちょっと変わっているところでもある。
 販売した物の記録も、たしかに洋服から食べ物まで様々で面白い。著者がグラフィックデザイナーの経験を持っていることもあり、本のレイアウトもカタログのようなつくりで、眺めているだけで面白い。
 でもなによりも面白いのは、持ち物を売る際に、ひとつひとつにまつわる記憶を著者が思い出していて、その品物を買った人に、また新しい記憶がつくられていくという部分。物の価値って、物自体の有用性とか価値だけでなく、そうした記憶や思い出にもあるよなあと思わされた。
 自分の持ち物について、改めて考えてみたくなりました。


オンライン書店ビーケーワン:ライフハックプレス・田口 元〔ほか〕著『ライフハックプレス』田口 元、他『Life Hacks PRESS(ライフハックプレス) デジタル世代の「カイゼン」術 』(2006.4,技術評論社,\1,596)
「lifehacksとは、仕事をシンプルかつ楽しくするような習慣を生み出そうという考え方。シンプル&ストレスフリーの仕事術GTDや、Google全サービス活用、プレゼンが簡単にうまくなる方法を特集する」(オンライン書店bk1の紹介文)
 会社での仕事に関わらず、広い意味での仕事の仕方について、随分と参考になった(なっている)本。この本を読んで取り入れた道具やサービスも、結構あります(check*padとか、ペンポッドとか)
 読書録に掲載した感想を改めて掲載しておきます。

 内容、執筆者は下記のとおり。巻末には執筆者の紹介として、各自の使用している道具や一日のスケジュールなども紹介されている。

「lifehacksベストセレクション−lifehacksとは何かを探る」(田口元)
「GTD−シンプル&ストレスフリーの仕事術」(田口元)
「Google全サービス活用」(安藤幸央)
「プレゼンが簡単にうまくなる」(平林純)
「はじめてのマインドマップ」(角征典)
「いつでもどこでも文房具」(和田卓人)
「自分のための情報整理」(金子順)
「勉強会のススメ」(角谷信太郎)

 各項目とも分かりやすく、具体的に書かれていて、仕事やプライベートの際に参考になりそうなことが多い。「デジタル世代の」と副題にあるが、必ずしもパソコンを使う必要はない。例えば、田口元氏によるGTD(Getting Things Done、ストレスなく仕事を進めるための考え方)の解説で、GTDの実践の説明がある。ここで必要なものとして挙げられているのは、次の通り。
「・十分な枚数の紙/・ペン/・カレンダー(もしくは手帳)/・クリップかホチキス(紙をまとめるもの)/・ゴミ箱」(p.19)
 パソコンのパの字も出てこない。これで、自分がすべき仕事を挙げ、分類し、計画し、実行するための方法が紹介される。

 読んでいると、非常に面白い。ただ注意したいのは、「面白い」と読み終えただけではもったいないということ。紹介されている内容の中で、自分に真似できそう、真似すると快適そうなところを実行することが大切になる。そして実行してみると、実際に快適さや便利さが実感できる。
 全部を真似する必要はないし、それは難しいと思うが、自分にとってできそうなところをどんどん実行する、というのがこの本を十分に活用する方法になると思う。


オンライン書店ビーケーワン:グーグルGoogle・佐々木 俊尚著『グーグルGoogle 既存のビジネスを破壊する』(2006.4,文春新書,\798)
「既存のビジネスとそれを支えた価値観が次々と破壊されている。その担い手は、検索エンジンの怪物・グーグル。なぜグーグルはそれほどのパワーを持ち、そしてどのような影響を社会に与えようとしているのか、そんな疑問に迫る」(オンライン書店bk1の紹介文)
 Googleに限らず、インターネットの持つ可能性と危険性の両方を取り上げているという意味で、貴重な本だと思う。インターネットとの付き合い方を考える上で、参考になる。
 読書録に掲載した感想を改めて掲載しておきます。

 Googleに限らず、インターネット上のサービスの普及により、なにが起きているのかを簡単ではあるが分かりやすく紹介している本。目次は下記のとおり。

第一章 世界を震撼させた「破壊戦略」
第二章 小さな駐車場の「サーチエコノミー」
第三章 一本の針を探す「キーワード広告」
第四章 メッキ工場が見つけた「ロングテール」
第五章 最大の価値基準となる「アテンション」
第六章 ネット社会に出現した「巨大な権力」

 現在、インターネットによって、経済の仕組みも変わっていれば、情報の伝わり方も変わってきている。良いか悪いかは別として、まず、それは意識しないといけない。
 その上で、この変わりつつある世の中で、どう行動していくか、もっと言えばどう生きるかを考えさせられた。

 最初に思ったのは、あまり無邪気にGoogleを(というか、インターネットを)信じてもいられないなあということ。特に第六章の「ネット社会に出現した『巨大な権力』」を読むと、特にそれを感じる。「グーグル八分」(Googleにより、意図的に検索結果からはずされること)もそうだし、「二〇〇六年一月、グーグルは中国政府の要請に応じ、千語近くの用語やホームページへのアクセスを制限した特別な検索エンジンを提供し始めた」(p.223)とか、Googleの提供する地図サービスから「沖縄の嘉手納基地をはじめとする米軍の基地やホワイトハウスなどの精密航空写真は、なぜか見られないように処理されている」(p.225)という問題もある。
 この本ではあまり触れられていないが、他のインターネット上でサービスを提供する企業が知らないうちに情報操作をしているという話も読んだことがある(どこまで確実な話かは分からないのですが)。
 だから、インターネットを知識を得たり価値判断をするための唯一の基準にするのはやっぱり危険だよなあ。
 それから、インターネット上に自分のことを公開しすぎるのも控えようと思った。
 俺の場合は、基本的にネットで書くことと書かないことは区別しているつもりだが、それでもいつどこでどんな本を買ったか、なんてことは分かってしまうわけです。その情報に自分では大きな価値はあるとは思わないが、いつ何時どんなことに利用されるか分からない。
 ブログやホームページ上の日記では、もっと自分の生活をくわしく書いている人もいる。もちろん心配するようなことはほとんどないのだが、世界中の誰もが読める可能性のある状態になっているということは、改めて意識した方がいいよなあ。

 もちろん問題点だけではなく、インターネットの可能性も感じる。例えば、インターネットが従来と商売の方法を変えたことで、これまで勝ち目がなかった会社にもチャンスが巡ってきていることは、第二章「小さな駐車場の『サーチエコノミー』」や第四章「メッキ工場が見つけた『ロングテール』」で分かる。
 ちなみに「ロングテール」というのは、従来の「パレートの法則」の逆の考え方として注目されている。「パレートの法則」というのは、商品の種類としては二割程度の売れ筋商品が、八割の売り上げ金額を上げるということ。つまり、全部で100種類の商品があるとして、売り上げはそのうち上位20位で80%を占める、という法則。
 だから、「公開されてもほとんど顧みられないようなマイナーな映画を量産するのではなく、『スター・ウォーズ』シリーズのような大ヒット作を年に一本でもいいから頑張って作るべきだ」(p.129)という考え方が常識だったし、今でも一部の商品ではこの考え方が通用する。
 しかし、インターネットで自分の興味にあった商品を検索できるようになって、このパレートの法則が通用しなくなりつつある、というのが「ロングテール」の考え方。これまで「死に筋商品」と言われていた商品も売れるようになり、「チリ(些細な売り上げ)も積もれば山(大きな売り上げ)となる」ことが現実のものになりつつある。これを佐々木氏は、次のように表現している。
「要するにいままでは、/『みんなが聴いていて流行っているから浜崎あゆみを聞いておくか』/と思っていた人が、/『本当は八〇年代のテクノポップが好きだから、そっちを聴こう』/とアマゾンで古いCDを買って聴くようになったということなのだ」(p.133)
 この考え方には、俺なんかは勇気付けられる。俺のように、個人でサイトを運営している人間の書いたものも、多くの人に届く可能性があるわけだからね。今までなら、なんらかの媒体(新聞や雑誌や本や)に載らない文章は存在しないのに等しかったのが、そうではなくなっている。これはやはりすごいことなわけです。

 この本の内容にも、現在のインターネットを巡る状況にも、賛否両論あるとは思いますが、今なにが起こっているかを考える意味でも、読む価値がある本だと思う。


オンライン書店ビーケーワン:算法少女・遠藤 寛子著『算法少女』(2006.8,ちくま学芸文庫,\945)
 2006年後半は、いじめの問題や必修科目の未履修など、学校を巡る問題が色々と起こりました。この本を読んだのはそうした問題が報道される少し前でしたが、「勉強する」ということがどういう意味を持つかを、改めて考えさせてくれる本だった。
 ブログに掲載した感想を改めて掲載します。

 江戸時代に、父親と『算法少女』という本を出版した、千葉あきという算術に優れた実在の少女を主人公にした物語。当時の記録に基づきながら、創作の人物も登場させて、物語として書かれたとのこと。

 非常に面白かったです。江戸時代の算術(和算)がテーマと聞くと、難しいと感じるかもしれない。実際私も、本を知ったときにはそう思いました。しかし、心配はいりません。難しい数学や算数の問題はほとんど登場しません。いくつかは登場しますが、その問題は、難しいと感じたらひとまず置いておいて先に読み進めても、ちゃんと最後まで物語を楽しむことができます。

 それから、元々少年少女向けの歴史小説として書かれたものなので、文章は分かりやすく、かつ面白い。多分、中学生くらいであれば問題なく読めるのではないかと思います。漢字も、ちょっと難しいものにはルビが振ってあります。

 そして、読み終えると、学問を学ぶことに対して意欲や情熱が湧いてくる。また、学問を学ぶ際は、狭い世界で争っていないで、大きな視点でものを見て、考えなければいけないということも考えさせられる。話の進み方が非常にうまいし、登場人物にも魅力があるので、自然にそう思わせてくれる。
 著者によるまえがき「はじめに」で、「この本を読まれたみなさんが、将来どの方面に進まれるにせよ、ひらかれた、ひろい心こそ、学問や世の中の進歩につながることを忘れないでいてほしいとおもいます」(p.4)と書かれているのだが、まさにこのことを感じることができる。

 これが復刊されたことが、大きな意味があるという内容の文章を、いくつかのブログやサイトで読んだが、本を読み終えると、それがよく分かる。


オンライン書店ビーケーワン:会計士の父が娘に贈る32+1の手紙・山田 侑著『会計士の父が娘に贈る32+1の手紙』(2006.9,新風舎,\1,470 )
「お金という生き物は、尊くすばらしい面と醜く恐ろしい面という、ふたつの矛盾する顔を持っている。どちらの顔と付き合うかは、あなた次第。「お金とともに歩む、幸せな人生への道」を教えてくれる、お金の哲学書」(オンライン書店bk1の紹介文)
 私個人の意見ですが、今の日本は、金儲けをしている一部の会社に甘く、その一方で個人にはつらく当たっていると思う。2006年初めには堀江貴文・村上世彰が逮捕されたが、これは会社への甘さが利用され面があると私は思う。一方、大多数の個人の収入は安定せず、にもかかわらずかそれゆえにか、テレビや新聞では消費者金融の広告が氾濫する。
 そういう状況に絶望的な気分になっていましたが、会計士というお金に関するプロが、こういう本を書いてくれたことに、少し希望を感じさせてくれた。
 ブログに掲載した感想を改めて掲載します。

 タイトルどおり、会計士である父親が、高校生の自分の子どもに対し、お金についての様々な話を書いた手紙をまとめた、という形式の本。
 読みやすいので、3時間くらいで一気に読めてしまった。高校生、あるいは中学生くらいから、読める内容だと思う。
 ただし、決して内容が薄いわけではない。「『人生で一番大切なのはお金である』と堂々と言う若者が増えていますし、そう言う若者を怒る大人もいなくなって」(p.5)いて、「お金という生き物が間違った方向で暗躍し、世の中はますます危険な方向に進んでいる」(pp.5-6)今の日本への危機感が、著者がこの本を書いた理由とのこと。そして、「昔の日本人が必ず聞いたことがあることばかり」(p.6)ではあるが、それゆえ今の日本ではないがしろにされている点を、ひとつずつ紹介していく。
 印象に残った部分を紹介します。

・「モノやサービスを購入するという道具としてのお金は怖くはない。ものさしとしてのお金が顔を出してくると、今度は君がそのお金という生き物に支配されることになるのです」(p.36)
 これは言い方を変えると、お金を手段と考えるうちは問題がないが、お金を目的とすると、人間はおかしくなってしまう、ということ。なぜなら、目的としてのお金は、いくら手に入れても際限がなくなってしまうから。

・「お金は友人に貸してはいけない。もしどうしても貸さなければいけない場合には、返ってこないものと思いなさい」(p.43)。さらに、お金が返ってこないだけでなく、感謝の気持ちのようなあらゆる見返りを期待してはいけない、とも書かれている。
 これに関連してもうひとつ。
・「どんなに親しい人から頼まれても絶対に保証人になってはいけない。たとえ何らかの理由でどうしても保証人にならなければならない事情が生じた場合でも、保証人になってはいけない。その場合には、返ってこないつもりで自分の持っているお金を貸しなさい」(p.55)。
 なぜならば、「保証人になるということほど、わりに合わないものはない」(p.54)から。ある人の事業が成功した場合、その人は多額のお金を手に入れるが、保証人には一円も入らない。にもかかわらず、もしもその人が借金を返済できなければ、保証人が返済しなければならない。
 借金の保証人にはなりたくないし、親しい人とお金の貸し借りもしたくないが、もしもそうせざるを得なくなった時、自分はどうすればいいか。この部分を読んで、取るべき方法が分かり、少し気分が楽になった。

・「もし君がお金に困るような状況になったら、まずやるべきことは、生活のレベルを下げることです」(pp.68-69)。その具体的な例として、消費者金融からお金を借りる前に、質屋へ商品を預けて金を借りる、という話がある。
 なぜなら、年率29%で100万円を借りた場合、一日あたりの利息は795円(100万×29%÷365)だが、一ヶ月で23,836円。もしも一年間まったく返済をしないと、返済すべき金額は利息にも利息がついて1,326,670円になる。(以上、pp.65-66より)。金が返せない期間が長くなればなるほど、自分が払うべき金額が(借りた金額以上に)増えていくのである。
 これに対して、質屋では、借りた金が返せなければ、預けた質草が流れてしまう(自分の手元に帰ってこない)。しかし、逆に言えばそれで済む。自分が借りた金以上の金額を返済することには、ならない。また質屋では、質草で借りられる金を、顔をあわせて話あわなければならない。それが、自分の状況を反省することになる、と著者は言う。

 倹約とケチの違い。
・「倹約とは、不必要な出費をしないことであり、言い方を変えれば、必要なものにはお金を使うのです。反対にケチとは必要なものであれ不必要なものであれ。とにかくお金を使わないことを言います」(pp.88-89)。「倹約は、自分だけでなくまわりの人まで心を豊かにしますが、ケチはまわりの人まで不愉快にします」(p.89)。
 ここで大事なのが、最初に紹介した、道具としてお金を捉える考え方なのだろう。なんのためにお金を稼ぐのかを、忘れないようにしたい。

 リスクとリターンについて。まず、「『ローリスク・ハイリターン』はありえない」(p.128)。唯一考えられる例外は、特許権や著作権のような法律に基づく権利。その上で、ハイリスク・ハイリターン、またはローリスク・ローリターンの投資を考える時、重要なのはリスクが計算できるかどうか。例えば、「株式投資はハイリスク・ハイリターン」(p.130)の投資だが、「最悪のリスクが計算できる」(p.130)ので、投資としては有効であると、著者は考える。株式投資における最悪のリスクは、投資した金が全額回収できないこと。しかし逆に言えば、そこまでということが分かっている。それ以上自分が金を払うことはない。
 逆に言えば、「投資した金額が戻ってこないばかりでなく、無制限に追加の投資やその他の責務が君に振りかかってくる」(p.131)ような投資は、リスクが計算できないため、避けるべきである、という。

 他にも、税金の話や、年金の話、ビジネスにおける会計や契約の話などもあり、お金について全般的に知ることができる。
 「金を儲けてなにが悪い」という拝金主義に、納得のいかない思いを持っていても、それに対する反論の言葉がうまくでてこない人は、この本が自分の考えをはっきりさせるヒントになるのではないかと思う。


 という感じです。他にも面白かった本や参考になった本はありましたが、あえて5冊に限定して選んでみました。その他、私が読んだ本については、読書録のコーナーオンライン書店bk1に投稿した書評をごらんいただければと思います。

  2007年も、色々な本を読んでいきたいと思います。


木の葉燃朗のがらくた書斎>>2006年、木の葉燃朗に影響を与えてくれた5冊の本

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