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木の葉燃朗の読房より愛を込めて

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2005年3月


2005年3月1日(火)
○○○で枕を濡らす夜もある。

 寝ている間、やけによだれが出ることが多いです。

 特にうつぶせになって寝ていると、枕が冷たくて、目が覚めることがあります。
 いつからかははっきり覚えていませんが、子どもの頃にこたつで寝ていて、よくよだれをたらしていた記憶はうっすらとあります。

 まあ、よだれをたらしながらうつぶせでウトウトするのは、なかなか幸せな感じではありますね。
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ということで、本日の、
※本に貼ってあるリンクは、断りがなければオンライン書店bk1へのリンクです。
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●読んでいる本 明日から、
・春風亭柳昇『与太郎戦記』(1983年,立風書房)
 を読みます。

 角田光代氏のエッセイから春風亭柳昇師匠の戦時中のエピソード集へと。
 大きいことを言うようですが、今やわが国で、こんな本の読み方をする木の葉燃朗と言えば……、私だけになってしまいまして(師匠に敬意を表して、ものまね)。

 『与太郎戦記』は今、ちくま文庫に入っています。
春風亭柳昇『与太郎戦記』(ちくま文庫)

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●読み終えた本
角田光代『愛してるなんていうわけないだろ』(2000年,中公文庫)

→著者は今年一月、第132回(平成16年度下半期)直木賞を受賞した作家。この本はもともと、1991年発行のエッセイ集。恋愛の話や、身の回りの出来事などが書かれている。
 昨日「明日以降、面白かったところをちょっとずつ紹介していきます」と書いたが、一気に読み終えてしまった。

 ということで、一番印象に残ったエッセイ「教師とパンチ」(pp.40-46)を紹介します。
 角田氏は、小学生の頃、他の生徒をひいきし、角田氏を嫌う教師が四年間担任だったせいで、「教師という人々に対してマリアナ海溝よりも底知れぬ深さの不信感を抱いていた」(p.41)。

 その後ミッション系の中学高校へ進学した角田氏は、高校生の頃に突如天然パーマになった。「思春期にはよくあること」(p.42)らしいが、毎月の服装検査ではいつも「人工だ天然です人工だ天然です人工だ天然ですと、シロヤギクロヤギのばかげた歌のように、地獄の果てまで続くと思われる非生産的な言い合い」(p.42)となった。

 そこで、高校一年の夏に、角田氏は思い切ってパーマをかけたのである。しかし、「お隣の『パーマやさん』」(p.43)でかけたそれは、「大仏かちんぴらかという」(p.44)パンチパーマであった。その髪の毛で終業式に行くことになった角田氏は、母親の「だーいじょうぶよう。パーマなんてぜえんぜんわかんない」(p.44)の言葉もむなしく、当然のごとく教師に呼び出され、しかも翌日校長先生に親とともに呼び出され、結局ストレートパーマをかけさせられ、許されたらしい。
 こうしてエッセイになったのを読むと笑っちゃうが、最後にある次のような文章を読むと、角田氏が教師不信になったのもよく分かる。
「厳しい校則ゆえに私はずうっと人工パーマだと疑われ、ひねこびてパーマをかけたらパンチになり、それは私の青春に傷を作ったばかりでなく、それ以来また私は教師に目の敵にされてしまったのである。
 ストレートパーマで許してもらえたんだから、どこかおかしいでしょ、教師も校則も」(p.46)

 昨日も書いたように、とんがっていて屈折している部分もあるが、一本筋は通っているなあ。
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●買った本
神津友好『笑伝 林家三平』(2005年,新潮文庫)

→昭和の爆笑王、故林家三平師匠の伝記です。
 表紙の南伸坊氏のイラストもいいなあ。

今柊二『ガンダム・モデル進化論』(2005年,祥伝社新書)

→立ち読みしたら、俺もやっぱりガンダムに夢中になった世代で、気になってきて、買ってきました。
 ガンダムのプラモデルに焦点を当てて紹介される、ガンダムの歴史。これが新書で出るっていうのは、すごいなあ。

齋藤一郎『本屋でコーヒーブレイク』(2005年,遊友出版)

→書店でのエピソード、個性派書店の紹介、テーマごとの面白本紹介、書店への本の営業の中でのエピソードなどをまとめた本。
 著者がどのような方かも存じ上げないし、出版社の名前も聞きなれないが、ちょっと立ち読みして面白そうな予感がしたので購入。

 約一週間、本屋に行っていなかったので、なんだか気持ちが落ち着かず、久々に寄り道する。
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●気になる本
 伊丹十三氏の本が新潮文庫で一挙三冊復刊されましたので、気になる方はどうぞ。

伊丹十三『ヨーロッパ退屈日記』(2005年,新潮文庫)



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2005年3月2日(水)
変わりゆく東京の風景その2

 先日の秋葉原に続き、今回はJR線・京成線の日暮里駅前でございます。

日暮里駅前

 この写真は、駅前から東側を望む。この右側をちょっと行くと、日暮里繊維問屋街に着きます。
 それから、駅を挟んで反対側は谷中です。

 写真で取り壊されているあたりは、かつて駄菓子問屋街で、先日まで数件の問屋(小売りもしていた)が残っていたのですが、すべて撤退してしまいました。

 ここも再開発で、でかいビルがたくさんできるようです。
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ということで、本日の、
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●読んでいる本
・春風亭柳昇『与太郎戦記』(1983年,立風書房)
 は、本日は『テレビブロス』を読んでいたので、まだ読み出せないでいます。
 どーおすいあせん、たいへんなんすからもお(それは柳昇師匠じゃない!)

 『与太郎戦記』は今、ちくま文庫に入っています。
春風亭柳昇『与太郎戦記』(ちくま文庫)

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●読み終えた本
・なし
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●買った本
・雑誌『テレビブロス』(東京ニュース通信社)
→特集は、
 ・氣志團インタビュー
 ・大南南朋インタビュー
 ・一人鍋の楽しみ方
 など。しかし、一番目立つのは、表紙・裏表紙および真ん中の広告の中の記事が掲載された、アニメ「ビックリマン」のDVDである。
 俺、広告のページっていつも読まないから、ここに記事があるなんて最初気づかなかったよ。
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●気になる本
糸井重里『合コン&宴会芸大全』(2005年,日本文芸社・パンドラ新書)

→日本文芸社まで新書を出しました。またまた新書ラッシュですな。
 しかしこの本、糸井氏の初の著作『スナック芸大全』(1979年,ゴマブックス→1984年,角川文庫)と似たような内容。まさか復刊ではないと思うが、色々気になる
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2005年3月3日(木)
どのくらいの年代までなら分かる話なんだろうか。

 今日、ラーメン屋で昼飯を食べていたら、店の有線放送から聞き慣れたメロディーが。

♪ちゃーん、ちゃちゃちゃちゃーんちゃ、ちゃーん、ちゃちゃちゃちゃーんちゃ

 あ、ドラマ「スクールウォーズ」の主題歌、麻倉未稀の「ヒーロー」だ。

 その途端、「スクールウォーズ」の話で盛り上がる客同士、そして店員同士。

「イソップがさあ、」、「俺、再放送で見た」、「映画にもなったよ」、「イソップって死んじゃうんだよ」、「映画は照英がさあ」、「梅宮辰夫の中華料理のオヤジも刺されるんだ」、「俺、見たことはないけど、イソップは知ってる」、などなど。

 すげえな「スクールウォーズ」。特にイソップ。

 しかし、客はいいとして、店員も盛り上がり過ぎ。そんなことをしゃべっていないで、「半ライス無料ですがお付けしますか」と聞きなさい(適当)。
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ということで、本日の、
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●読んでいる本
・春風亭柳昇『与太郎戦記』(1983年,立風書房)
→噺家の故・春風亭柳昇師匠が、太平洋戦争中に軍隊に入っていた頃の話をまとめたもの。

 ようやく読み始めましたが、いやあ、面白いですねえ。
 笑っていられる時代じゃなかったとは思うのだが、そんな中にも笑ってしまう出来事はあり、また思わず笑ってしまうような書き方をしている。

 話は徴兵検査から始まる。フンドシ一丁で検査場に並び、最初のレントゲン審査を受ける。
「私は、大あわてで、ただ一つ身に着けていたフンドシをはずすと、元気よく前へ進み出た。とたんに、またドヤされた。
『ばかッ、ヘンなものを出すな。そいつの検査は、もっとあとだ!』」
(p.12)

 ……まあ、このあともずっとこんな感じです。

 例えば、「トロンボーンを吹奏する趣味は、のちの落語家になってからも、ずいぶん役だった。落語家は器用な人が多いので、余技の種類も多いが、トロンボーンを吹くのは、私だけである。ホラを吹くのはいっぱいいる」(p.20)

 万が一この本を全編師匠がしゃべったCDでも出れば、俺は10,000円までなら迷わず買うなあ。

 『与太郎戦記』は今、ちくま文庫に入っています。
春風亭柳昇『与太郎戦記』(ちくま文庫)

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●読み終えた本
・なし
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●買った本
【古本】
・星新一『きまぐれ読書メモ』(1981年,実業之日本社)
・『現代デザイン事典 1991年』(平凡社)
・広末涼子『No Make』(1998年,集英社)

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●気になる本
・特になし
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2005年3月4日(金)
イームズの椅子はいいむず

 やべえ、我ながら末期的だ。
 それはさておき。

・「チャールズ&レイ・イームズ」展 創造の遺産
http://www.daimaru.co.jp/museum/schedule/tokyo/index.html
3月3日(木)→14日(月) 大丸ミュージアム東京店
3月24日(木)→4月4日(月) 大丸ミュージアム梅田店
4月14日(木)→25日(月) 大丸ミュージアム京都店

 イームズについてはあまりよく知らないが、なんとなく行ってみたい。
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ということで、本日の、
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●読んでいる本
今柊二『ガンダム・モデル進化論』(2005年,祥伝社新書)

→プラモデルに絞って、ガンダムの歴史を紹介する本。

 日本のプラモデル、特にキャラクターモデル史の概論のような内容で、面白い。
 キャラクターモデルというのは、特撮ドラマやアニメーションに登場する人物・乗り物を模型にしたものです。実在する乗り物や建物を模型化したスケールモデルと対比して使われます。
 また模型だけではなく、模型になったテレビ番組のキャラクターなどにも触れられていて、プラモデルを中心としたサブカルチャー小史にもなっている。

 目次は、次のとおりです。

 はじめに 一九八一年と二〇〇四年のボール
・序章 ガンプラ前史(一九七〇年代まで)
・第一章 ガンダム登場前夜
・第二章 ガンダム登場(一九七九年〜一九八〇年代前半)
・第三章 ガンダムの進化と深化(一九八〇年代後半〜一九八八年)
・第四章 ハイクオリティの時代へ(一九八九年〜一九九九年)
・第五章 二十一世紀を超えて(二〇〇〇年〜)
 終わりに 改造の楽しさ再び!
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●読み終えた本
・春風亭柳昇『与太郎戦記』(1983年,立風書房)
→噺家の故・春風亭柳昇師匠が、太平洋戦争中に軍隊に入っていた頃の話をまとめたもの。

 読み進むと、戦争の情けなさというか、虚しさを感じる。

 最初は国内で訓練をしているが、やがて中国へ出兵となり、分隊長として乗った船が敵機の攻撃で沈められたりと、様々な出来事に遭遇する。

 戦争末期の昭和二十年の三月には、貨物船に搭乗し、敵機の攻撃で、乗組員がの中に死傷者があり、柳昇師匠自身も両腕に怪我を負い生死の境をさまよった。この本の後半は、もちろん前半と同じような感じで飄々と書かれている部分もあるが、起こる出来事は壮絶である。

 この本を読んで感じたのは、やっぱり戦争の虚しさ。それから、そんな虚しい状況でも、実際に当時その場にいたら、その中で生きていかざるを得なかったんじゃないかという思い。戦後60年経った今、当時のことをあれこれ考えたり、発言したりすることはできる。でも、その時代の渦中にいたら果たしてどうだったのか、考えてしまうと分からない。

 ただ、ひとつ思うのは、少なくとも柳昇師匠が生きて戦争から帰ってきて、落語家として82歳まで活躍したことは、本当によかったなあということ。

 『与太郎戦記』は今、ちくま文庫に入っています。
春風亭柳昇『与太郎戦記』(ちくま文庫)

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●買った本
・なし
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●気になる本

吉川潮:著・山藤章二:絵『芸人お好み弁当』(2005年,講談社)

「本物の芸には魂をふるわせる何かがある。立川談志、ビートたけしからイチローまで、人を魅了する名人たちの技ありの芸の核心に迫る。極上の隠し味は、山藤画」(オンライン書店bk1の紹介文)

 紹介文だけだと漠然としているが、なんとなく気になる
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2005年3月5日(土)
画像・動画・音楽専用の検索ページ

 gooの中のgooラボに、「マルチメディア検索実験」のコーナーがあります。
・URL:http://mmm.nttrd.com/

 ここでは、画像・動画・音楽に特化して検索ができます。
 画像は、検索結果から似た画像を探す機能があったり、なかなか面白い。
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ということで、本日の、
※本に貼ってあるリンクは、断りがなければオンライン書店bk1へのリンクです。
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●読んでいる本
今柊二『ガンダム・モデル進化論』(2005年,祥伝社新書)

→プラモデルを中心として、ガンダムの歴史を紹介する本。

 誤植や文章が変な部分も目立って(「再びプラモデルの発売が再開されました」p.15など)、資料としてどこまで信用できるのかは分からない。
 ただ、読んでいるとプラモデル、特にガンダムのプラモデルが作りたくなる。今度の休みに買ってこようかなあ。

 目次は、次のとおりです。

 はじめに 一九八一年と二〇〇四年のボール
・序章 ガンプラ前史(一九七〇年代まで)
・第一章 ガンダム登場前夜
・第二章 ガンダム登場(一九七九年〜一九八〇年代前半)
・第三章 ガンダムの進化と深化(一九八〇年代後半〜一九八八年)
・第四章 ハイクオリティの時代へ(一九八九年〜一九九九年)
・第五章 二十一世紀を超えて(二〇〇〇年〜)
 終わりに 改造の楽しさ再び!
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●読み終えた本
・なし
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●買った本
・なし
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●気になる本
・雑誌『30-35』(ソニー・ミュージック)
→30歳〜35歳を対象とした、音楽CD付きの雑誌。
 今号は、「卒業」をテーマにしたコンピレーションCDと、当時の流行などをまとめた雑誌のセット。

 気になるけれど、世代限定にあまりにこだわる部分など、「なにか違う」という違和感がぬぐえない。
 公式サイトもあるので興味がある方はどうぞ(やけに動きが遅いけれど)。
・公式サイト:http://www.sonymusicshop.jp/30-35/top.html
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2005年3月6日(日)
新宿でぜんじろう単独ライブを見る

・「ぜん自動〜ぜんじろうピンチ〜」(新宿プーク人形劇場にて)

 これまで見たのはトークライブなので、ぜんじろうさんのネタは実は初めて見たのですが、トークとはまた違った面白さがあって、堪能しました。

 フリートーク以外のネタは下記の通り。
1.透明人間との漫才
2.一人コント「オレ会議」
3.外国人のしゃべりの効果音を聞いて一言(アドリブ)
4.ぜんぎり(歌が大喜利の答えに使われ、それに司会のぜんじろうさんがつっこむ)
5.過去の「3年B組金八先生」の普通にはない演出の素晴らしさを紹介。その後、もしハリウッド・韓国で金八がリメイクされたら、という予告編を上映。
6.フランシスコ・ザビエルとのビデオ漫才。

 合間に挟まれるぜんじろうさんが妄想するドラマをしゃべるトークも面白かった。特に、ライブドア堀江社長がサイトに掲載している動画についての妄想は、最高だった。
 BGMの選び方・使い方も、かっこよかった。

 くわしくは、また後日書きます。

・耳カキ内での連載「ぜんじろう 旅の途中」もどうぞ。
http://www.mimi33.biz/zenjiro.html
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ということで、本日の、
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●読んでいる本
神津友好『笑伝 林家三平』(2005年,新潮文庫)

→故林家三平師匠の伝記です。

 まだ読み初めですが、巻末の著者による「あとがき」と、三平師匠の妻・海老名香葉子氏の巻末に付されたエッセイを読むだけでちょっと感動する。

「『毎朝、帰りになにかしら買ってきましたよ、ジョギングのついでに。あの人は町の中を走っていて、声をかけられると素通りできない人だったんですよ』
 と香葉子夫人が言う」
(p.291・あとがき)

 こういう部分なんか、いいなあ。
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●読み終えた本
今柊二『ガンダム・モデル進化論』(2005年,祥伝社新書)

→プラモデルを中心として、ガンダムの歴史を紹介する本。

 ガンダムのプラモデルが、20年以上にわたって人気を保つ理由を、著者は「らせん的進化」にあると仮説を立てている。 この「らせん的進化」とは、「同じ機種を各時代の技術革新に応じてリファインする」(p.176)こと。

 つまり、プラモデルも時代が進むにつれ、より色々な動きが取れるようになり、かつアニメーションの設定に近いつくりができるようになる。
 この新しい技術で、新しいシリーズのモビルスーツ(その中には過去のシリーズから進化したものもある)をプラモデル化したり、過去発売されたプラモをより精巧な形で復刻したりする。

 なるほどねえ。たしかに、未だに一番最初の『機動戦士ガンダム』(通称:ファーストガンダム)のモビルスーツが、再度プラモデル化されるもんなあ。

 目次は、次のとおりです。

 はじめに 一九八一年と二〇〇四年のボール
・序章 ガンプラ前史(一九七〇年代まで)
・第一章 ガンダム登場前夜
・第二章 ガンダム登場(一九七九年〜一九八〇年代前半)
・第三章 ガンダムの進化と深化(一九八〇年代後半〜一九八八年)
・第四章 ハイクオリティの時代へ(一九八九年〜一九九九年)
・第五章 二十一世紀を超えて(二〇〇〇年〜)
 終わりに 改造の楽しさ再び!
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●買った本
・なし
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●気になる本
・とくになし
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2005年3月7日(月)
あれから、もう10年(もう、10年)。

 ↑は、卒業式の呼びかけ風です。

・米Yahoo!が創業10周年を記念して、創業当時のWebページを公開
http://promo.yahoo.com/birthday10/incorporation/

 公開されているのはアメリカ版のトップページのみのようです。つまり、リンク先はすべて現在のページ。

 当時のYahoo!の記憶ははっきり残っていないけれど、俺がはじめてwebサイトを見た当時でも、どこもかしこもこんな感じのデザインだった。画像すら少なくて、動画なんて考えられなかった。
 ちなみに俺が生まれて初めてインターネットのブラウザを起動したのは、1996年。大学にあったUNIXの端末を使ってだった。ブラウザは、はじめは「モザイク」で、その後「ネットスケープ」になった。

 これは聞いた話だけれど、1994年くらいだと、「webブラウザ」も「プロバイダのサーバーに接続するためのソフト」も、お金を出して買っていたそうだ。今からすると信じられないなあ。
 1996年当時でも、Googleもなかったし(1998年創業)、Amazonもアメリカでは創業していたが(1995年)、俺は全く知らなかった。そもそも、検索エンジンでサイトを探すことを知らなくて(検索エンジンの存在自体を知るまでずいぶん時間がかかった)、雑誌や広告に載っているURLをメモして、手で打ち込んでいた。テレビゲームのパスワードみたいだなあ、今思うと。

 あの頃は、まさか10年後に自分でwebサイトを管理していようとは思わなかったよ。
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ということで、本日の、
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●読んでいる本
神津友好『笑伝 林家三平』(2005年,新潮文庫)

→故林家三平師匠の伝記です。

 想像とは違うけれど、非常に面白い。
 想像していたのは、「爆笑エピソードの数々!」みたいな本だった。しかし、そうじゃなかった。復員してから、噺家として修行を積んでいく様子を、当時の世相の紹介などを含めて、丁寧に書いていく本。

 三平師匠が旧制中学の頃、「作家になるか、文芸評論家にでもなりたいと思っていた」(p.32)とか、昭和23年、前座の頃に三木のり平と偶然出会い、一時三木鶏郎グループの公演に出演したとか、色々と意外な話も読める。
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●読み終えた本
・なし
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●買った本
・なし
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●気になる本
吾妻ひでお『失踪日記』
(2005年,イースト・プレス)

→キャッチフレーズは「全部 実話です(笑)」とのこと。

 マンガ家吾妻ひでお氏の、失踪後の日々を描いた漫画らしい。
 俺は吾妻先生が失踪していたことすら知らなかったよ。結構すごい日々を送っていたらしいので、気になる
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2005年3月8日(火)
『スペースワープ5000』、欲しいけど。

 『スペースワープ5000』というのは、1983年〜1987年に販売されていたおもちゃ。この度復刻されました。
 立体のコースターを組み立てて、そこに鉄球(ビー玉くらいの大きさ)を転がす。コースは決まった形が基本にあるが、オリジナルのコースを作ることもできる。

 今日、おもちゃ屋で実際に組み立てられたコースが展示されていて、そのコースを鉄球が転がる様子を見ていたら、欲しくなってしまった。子どもの頃、工作用紙を組み立てて、上からビー玉を転がして遊んだことを思い出した。

 でも、俺の部屋に置く場所がありません。だから買うのをためらってしまう。

 でも、欲しいなあ。

【参考】
・バンダイのプレスリリース
http://www.bandai.co.jp/releases/J2005011401.html
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ということで、本日の、
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齋藤一郎『本屋でコーヒーブレイク』(2005年,遊友出版)

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 ひとつ気になった話が。
 東京の大きな駅の周辺では、電車の網棚やゴミ箱で拾った本や雑誌を売っている露天がある。俺は、他の地区でも同じような露天があるのだろうと思っていた。しかし、この本によると、これは「名古屋や大阪では見かけないから、東京限定の商売のようだ」(p.17)とのこと。

 そうだったのか! でも、本当にそうなのかな。東京以外で、路上で本や雑誌を売る露天をご覧になった経験のある方は教えてください。あ、「俺の書いた詩集を読んでくれ」とか、そういうのは除きます。

 ちなみに、俺はあそこでは絶対に本を買わない。「古本屋も同じようなもんでしょ」と言われるかもしれないが、違うと思う。うまく説明できないけれど。
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●読み終えた本
神津友好『笑伝 林家三平』(2005年,新潮文庫)

→故林家三平師匠の伝記です。

 初代柳家権太楼師匠が三平師匠に書いた色紙の言葉が、胸に染みる。
「笑わせる腕になるまで泣かされた/ものさとわが師われに語りし」(p.54)

 この本の三平師匠の生涯を読むと、まさにこの言葉のとおりで、人気者になるまでは(家族ともども)非常に苦労しているのが分かる。
 人気者になったらなったで、ネタを作るのに苦労したり、古典落語をやらねばならないと思いながら、人気のある小噺をつなげた話をやり、マンネリと思われているんじゃないかと焦ったり、決して明るく楽しいばかりではない。

 それでも、香葉子夫人と支えあいながら(若い頃は浮気も多かったようだが)、芸をみがく様子を読むと、感動する。没後もずっと記憶・記録に残る噺家さんには、やっぱりそれ相当の苦労と、努力と、経験があるのだなあと思った。

 三平師匠の記念館、「ねぎし三平堂」にも、是非行ってみたい。
 
・ねぎし三平堂
http://www.sanpeido.com/f01_goannai.htm
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●買った本
・なし
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●気になる本
・特になし
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2005年3月9日(水)
こんな「本」もある。

●トイレットブック『建築する身体』発売!
http://www.shunjusha.co.jp/news/2005/02/toile.html
→Q.:トイレットブックとはなにか?
 A.:トイレットペーパーに文字を印刷したもの

 これだとそのまんまですね。もう少し詳しく紹介しましょう。

 まず、もとになる本として、荒川修作・マドリン・ギンズ:著・河本英夫:訳『建築する身体−人間を超えていくために』(2003年,春秋社)がある。
 そしてこのトイレットブックは、「書籍『建築する身体』からエッセンスを抜き出し、それを26字×112行(約3000字)にまとめたもの」を印刷したトイレットペーパーです。サイズは一般的なものと同じなので、トイレで使用することもできます。
 上記の出版社のサイト、または下記の著者のサイトから、購入することができます。

・荒川修作+マドリン・ギンズ ARCHITECTURAL BODY
http://www.architectural-body.com/

 なんともうまく言えないのだが、気になる
荒川修作・マドリン・ギンズ『建築する身体』(2004年,春秋社)

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●読んでいる本
齋藤一郎『本屋でコーヒーブレイク』(2005年,遊友出版)

→書店でのエピソード、個性派書店の紹介、テーマごとの面白本紹介、書店への本の営業の中でのエピソードなどをまとめた本。

 第一章「本屋でコーヒーブレイク」を読んでいますが、書店にまつわる小噺みたいなものもわりと多い。
 例えば、夜、書店で立ち読みしている女性のスカートの中を覗こうとする酔っ払いの話。
「一部始終を注視していた店長はあわててその男を追いかけて、言った。『お客さん、ウチは本屋なんだから。本以外のものは勝手に見ないでください』」(p.10)

 こりゃまあ、実話としたら出来すぎだと思うが、俺は嫌いじゃないよ、こういう話。
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●読み終えた本
・なし
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●買った本
・なし
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●気になる本
・鈴木康允・酒井堅次『ベースボールと陸蒸気 日本で初めてカーブを投げた男・平岡煕』(2005年,小学館文庫)
→日本初の野球クラブチームを設立した平岡煕氏の伝記。

 「日本で初めてカーブを投げた男」というタイトルが気になる
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2005年3月10日(木)
書店のポイントサービスについて

●本屋さんもポイント制 三省堂、本格導入で全国波及へ
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/keizai/20050308/K2005030705950.html

 記事を読むと、他の小売店のようにポイントでの割引を実施するのは、それほど簡単ではなさそうだ。
 本は定価で販売することが決まっていて(これが「再販制度」です)、値引きはないけれど、その分全国どこでも同じ価格で買える。

 しかし、ポイントサービスは実質は値引である。これが普及すると「サービスを実施するだけの経営体力のない中小書店」が競争の上で不利、ということらしい。

 でも、オンライン書店の中には購入した本の数%をポイントとして付与する制度も限定的だけれどあるし、ショッピングセンター内の書店だと、そのショッピングセンターのポイントカードを導入している場合もある。だから、これから書店間の競争の中で、ポイント制が導入される場合もあるんだろうなあ。

 ただ、俺が思うのは、「本は安く買えればいいわけでもない」ということ。
 結構な定価の本を、「この店でなら買おう」と思ったり、古本屋で元の定価よりも高い価格で本を買ったりすることもある。
 ポイント制で値引きがあっても、買いたくない店では買いたくないんじゃないかと思う。本という商品が不思議なのか、俺の頭の中身が不思議なのかは分からないけれど。
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ということで、本日の、
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-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
●読んでいる本
 明日からは、
・日本ペンクラブ:編・尾辻克彦:選『不思議の国の広告』(1993年,福武文庫)
 を読みます。

 広告に関する文章を集めたアンソロジー。天野祐吉・南伸坊・荒俣宏・糸井重里などの諸氏の文章が収録されている。

 蛇足ながら、「尾辻克彦」は赤瀬川原平氏の別ペンネームです。そして「辻」は正式には点がふたつです。
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●読み終えた本
齋藤一郎『本屋でコーヒーブレイク』(2005年,遊友出版)

→書店でのエピソード、個性派書店の紹介、テーマごとの面白本紹介、書店への本の営業の中でのエピソードなどをまとめた本。

 一気に読み終えてしまった。「面白本を探そう」という、テーマごとのブックガイドを集めた部分がある。そこに掲載されている本に面白そうなものが多くて、また色々な本が読みたくなる。

 例えば、
・山本厚生『ひと裁ち折り紙 折り目あそびの魅力』(2004年,萌文社)
 とか、
高橋孝輝『値段が語る、僕たちの昭和史』(2001年,主婦の友社)
 とか、タイトルと紹介文だけでも面白そうだ。

 この二冊がどんな本かというと、それは下の「●気になる本」の部分を読んでみてください。

 『本屋でコーヒーブレイク』の目次は次の通り。
 1.本屋でコーヒーブレイク
 2.ユニーク書店探訪
 3.面白本を探そう
 4.本屋ぶらり見てある記
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●買った本
【新刊】
・雑誌『お笑い通信 Vol.2』(2005年,日経BP社)
→DVD付きのムックです。
 出演は、トークがアンタッチャブル・アンガールズ&キングオブコメディ。ネタがチョップリン・流れ星・せんたくばさみ・ダーリンハニー・タイムマシーン3号・東京03.
●公式サイト:http://www.wara2.jp/wara2/pc/index.html

【古本】
・雑誌『電撃 HOBBY MAGAZINE 6周年記念特別号Vol.4』・『同・vol.2』(2004年・2005年,メディアワークス)
→ぞっき本(新刊書店で販売されず、返品もされず、古本屋で販売される本)。
 この間『vol.3』を買った古本屋さんへ行ったら、その時買わなかった二冊が残っていた。
 そうなったら、そりゃ買うよ。

久住昌之『工夫貧乏のシアワセ』(2003年,双葉社)

「家族に呆れられながらも全くめげることなく、身近な物を利用して発明と工夫を繰り返すオジハル老人を、息子である著者が時にはキビシク、時には愛情たっぷりに紹介するエッセイ。99年刊「工夫癖」を大幅に加筆訂正(オンライン書店bk1の紹介文)
 久住氏の本をちゃんと読んだことはないのだが、立ち読みしたらなんとなく面白そうだし、写真も多いし、買ってみる。
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●気になる本
山本厚生『ひと裁ち折り紙 折り目あそびの魅力』(2004年,萌文社)

「紙を何度か折り重ね、折り目を増やし、最後に折る折り目がどんな「形」を創るのか、切って開いて見せる遊び「ひと裁ち折り紙」。一人でも大勢でも、子どももお年寄りも、どの国の人でも楽しめる魅力的な折り目あそびを紹介』(オンライン書店bk1の紹介文)

 折り紙を折って一部を切ると、アルファベットや数字、図形が模様として表れるらしい。
 本を見ながら実際にやってみたい。気になる

高橋孝輝『値段が語る、僕たちの昭和史』(2001年,主婦の友社)

「インスタントラーメンからバナナ、大学の授業料、初任給まで、1950年代から現在に至るモノの値段の変遷をめぐる風俗史。当時の写真もついた、団塊の世代にはなつかしいタイムトラベル本」(オンライン書店bk1の紹介文)

 こういう値段の移り変わりの本には、興味がある。この本は新書版で手軽そうなので、気になる
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2005年3月11日(金)
森田検索

「吉川くーん!」

 森田健作はともかく、「吉川くーん!」は何歳くらいまでの人が分かるんだろうか。

 さて、色々と新しく面白い検索サイトが登場しています。

●グーグル、検索キーワードを自動提案する「Googleサジェスト」開始
http://arena.nikkeibp.co.jp/news/20050310/111696/
・googleサジェスト:http://www.google.co.jp/webhp?complete=1&hl=ja
→「検索ボックスに入力した最初の文字から、これに続くさまざまな候補を自動的に選んで示す」ようになっている。

 さっそく、「吉川くーん!」を入れてみましょう。
 …候補が出てきません。じゃあ、「吉川」でどうだ!
googleサジェスト

 なるほど。ある単語に続く言葉として、どんな言葉があるのかが分かって、面白いなあ。しばらく遊んでみよう。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
●「第3の検索エンジン」登場、マーズフラッグが画像主体の検索サービス
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/it/363714
・MARSFLAG:http://www.marsflag.com/
→検索結果は、サイトのプレビュー画面とともに表示される。
 こっちはまだあまり精度が高くないような印象を受ける。どういう仕組みでサイトを探し出すのか分からないですが、これから面白くなりそうな予感はします。
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ということで、本日の、
※本に貼ってあるリンクは、断りがなければオンライン書店bk1へのリンクです。
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●読んでいる本
・日本ペンクラブ:編・尾辻克彦:選『不思議の国の広告』(1993年,福武文庫)
→広告に関する文章を集めたアンソロジー。
 今日までに読んだのは次の文章。

・天野祐吉「大急ぎ『広告五千年史』」
・平林規好「不思議の国へのオマージュ」
・南伸坊「ハリガミ考現学(抄)」
・尾辻克彦「タカシ 心配するな、すぐ帰れ 父」
・荒俣宏「広告図像の大洪水−北原コレクションと<エコノグラフィー>論」
・堀江誠二「現代チンドン事情(抄)」

 南伸坊氏や尾辻克彦氏の、考現学・観察に関する文章は、前にも読んだことがあったのだが、再読しても面白かった。
 特に「タカシ 心配するな、すぐ帰れ 父」は、尾辻氏(=赤瀬川原平氏)が、新聞の三行広告にドラマを発見してしまう、非常に手に汗握る話。『東京路上探検記』(1989年,新潮文庫)にも収録されています。
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●読み終えた本
・なし
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●買った本
・なし
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●気になる本
橘蓮二:写真・吉川潮:文・『高座の七人』(2001年,講談社文庫)

「平成の落語は彼らのものだ!昇太、たい平、花録(かろく)、志の輔、喬太郎、談春、そして小朝。高座の熱気を凝縮し、楽屋の素顔を鮮やかに切り取る1枚1枚。そして吉川潮氏の愛情あふれる文章が、ページをめくる者を夢の寄席に連れてゆく。贔屓にするならこの7人、明日の名人・大看板はここから!文庫撮り下ろし」(オンライン書店bk1の紹介文)
橘蓮二:写真・高田文夫:監修『おあとがよろしいようで 大増補版』(2005年,講談社文庫)


 ここのところ、五代目春風亭柳昇師匠・三代目林家三平師匠と、噺家の伝記を続けて読みました。
 で、「そういえば講談社文庫に噺家さんの写真集があったっけ」と検索してみたら、上の二冊を見つけた次第。
 これは気になる
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2005年3月12日(土)
「ちびくろ・さんぼ」復刊で俺に生まれた疑問

 1953年に岩波書店から発売された絵本「ちびくろ・さんぼ」が、4月に瑞雲社(ずいうんしゃ)という出版社から復刊される。
・瑞雲社サイト内の紹介ページ:http://www.zuiunsya.com/news/chibikuro.html
「幻のベストセラー岩波版絵本ついに復刊!あるところにかわいいくろいおとこの子がいました。なまえをちびくろ・さんぼといいました…。」

 「ちびくろ・さんぼ」は、元々イギリスのヘレン・バンナーマン作の物語で、岩波書店以外にも色々な出版社から刊行されていたが、1988年に内容が黒人差別であるという市民団体の抗議があり、すべて絶版になった。
 その後、1999年に径書房(こみちしょぼう)という出版社から、原著の絵を使用した『ちびくろさんぼのおはなし』が刊行されるなどの復刊もあったが、今回岩波書店版が復刊されることになった。

・径書房サイト内の紹介ページ:http://www.komichi.co.jp/bd/4-7705-0173-0.html

 「ちびくろ・さんぼ」絶版の経緯は、色々なサイトで書かれているので、興味がある方は調べてみてください。

 ところで、俺が気になったのが、瑞雲社サイトにあった下記の一文。

「とらとバターの話のみ収録されています。」

 どうやら、岩波書店版には、「とらとバターの話」以外にもう一編、「ちびくろ・さんぼ」の話が収録されていたらしい。
 俺は今の今まで、「ちびくろ・さんぼ」といえば、「洋服などをトラにとられて、でも最後にトラがぐるぐる回ってバターになる話」だけだと思っていました。
 そうじゃない話、ご存知の方はいますか? ネットで調べても、この情報にはたどり着けないです。
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ということで、本日の、
※本に貼ってあるリンクは、断りがなければオンライン書店bk1へのリンクです。
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●読んでいる本
 明日から、
久住昌之『工夫貧乏のシアワセ』(2003年,双葉社)

「家族に呆れられながらも全くめげることなく、身近な物を利用して発明と工夫を繰り返すオジハル老人を、息子である著者が時にはキビシク、時には愛情たっぷりに紹介するエッセイ。99年刊「工夫癖」を大幅に加筆訂正(オンライン書店bk1の紹介文)
 を読みます。
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●読み終えた本
・日本ペンクラブ:編・尾辻克彦:選『不思議の国の広告』(1993年,福武文庫)
→広告に関する文章を集めたアンソロジー。
 今日読んだのは次の文章。

・小田切慎平「ジャパニーズ・イメージ(抄)」
・臼井栄三「広告。一番目の忘れもの…『エリア感覚』」
・仲畑貴志・堀井博次・山川浩二「関西的発想ってなんや」
・糸井重里「『85点の言葉』特別講座」

 中で、やっぱり糸井氏の話は面白くて、まず広告を人にどんな花束をあげるか、という例えから始まる。
 その後、漢字と仮名文字のバランスの話(「『くうねるあそぶ』にしても、これを『食う、寝る、遊ぶ』にしたら、これはダメなのです」P.206)とか、「『正しいロジックだから負けるはずがない』という考えは、はっきりいって、これは大間違いです」(p.217)という話とか、色々な話が出てくる。
 広告だけではなくて、人にものを伝える場合に参考になることが多くて、面白かった。
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●買った本
・なし
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●気になる本
糸井重里『合コン&宴会芸大全』(2005年,日本文芸社パンドラ新書)

→今日立ち読みしてきたら、「スナック芸大全」の復刊だった。

 タイトルどおり、スナックなんかで披露するとちょっとモテそうなクイズ・ゲーム・小ネタを集めた本。
 しかし、なぜこのタイミングで復刊されるんだろう。気になる。
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2005年3月13日(日)
新宿ルミネにできたヴィレッジヴァンガードの話

 3月9日(水)、オープン当日のヴィレッジヴァンガード新宿ルミネ店に行ってきました。場所は新宿ルミネ2の4階、前はブックファーストのあった場所です。

 ちなみに、ヴィレッジヴァンガードというのは、本屋なのですが、雑貨・CDなど、置いてある本に関する品物、更にはなんとなく面白そうな品物を並べているお店です。
 俺は非常に好きです、この店。よく行くのはお茶の水店と吉祥寺店。

 では、簡単ではありますが新宿店の感想を。

・オープン当日ということもあり、さっぱりした感じだった。商品はたくさん並んでいるが、なんとなくおしゃれできれいな雰囲気。
 ヴィレッジヴァンガードって、なんとなく色々な商品が思い入れ一杯で並んでいて、ごちゃごちゃしているんです。その印象はあまりない。
 通常は、商品に手書きのPOPがたくさん貼ってあるのですが、それも少なかった。これはこれから増えていくのだと思う。

・大きいBGMは流れていない(ビルの一フロアのためだと思う)。ただし、試聴機が5台くらいあって、画像を流すモニタも2台くらいあった。

・ビルの一フロアということで、ヴィレッジヴァンガード特有の「秘密基地っぽさ」はやや薄かった。これは同じくショッピングセンターの中にあるラクーア店(東京ドームシティ)に近い印象を受けた。
 地下に向かって階段を降りるとか、すごく大きな入口を潜り抜けてお店に足を踏み入れるとか、そういうことがないのが理由なのかな。
 逆にいうと、外部との物理的な境界線が、ヴィレッジヴァンガードらしい雰囲気をつくるひとつの要素なのかもしれない。

 オープン当日なので、これから徐々にビルの中に馴染んでくるのではないかと思います。
 なにより、東京でここまで大きなターミナル駅に隣接してヴィレッジヴァンガードが出来るのは初めてなので、新宿に行く機会があれば定期的に行ってみたいな、と思います。
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ということで、本日の、
※本に貼ってあるリンクは、断りがなければオンライン書店bk1へのリンクです。
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●読んでいる本
久住昌之『工夫貧乏のシアワセ』(2003年,双葉社)

→自分の父親(オジハル)が日々の暮らしの中で行う、様々な工夫を観察し、紹介した本。

 この工夫には、共通して「出来上がったものはちょっと…」という感想を持ってしまった。
 「アイデアはいい」とか、「アイデアからしてどうかなあ」とか、色々思うのだが、結局「出来上がったものはちょっと…」という感じなのだ。

 これを久住氏は、こんな風に表現する。
「オジハルの工夫にはルールが無い。常識が無い。
 芸術に近い。でも美意識は無い。
 職人に近い。でも技術は無い。」
(p.23)

 このときは、「コタツの脚を高くするため、空き缶にセメントを詰めたものにコタツの脚を差す」という工夫をしている。それも、空き缶に色を塗ったり紙をまいたりはせず、そのまんま。

 でも、こういうささやかな工夫をしたい気持ちは、なんとなく分かる。

 続きを読むのが楽しみだなあ。
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●読み終えた本
・なし
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●買った本
・なし
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●気になる本
日垣隆『売文生活』(2005年,ちくま新書)

「物書きたちは、いかにして自らの生活を成り立たせてきたのか?原稿料という、タブー視することの多かった側面に光を当てた、これまでにない作家論・文化論・日本論」(オンライン書店bk1の紹介文)

 前に読んだ小谷野氏の下の本では、物書きは儲からないという話をしていたが、上の本ではどんな話が出てくるんだろうか。気になる。
小谷野敦『評論家入門』(2004年,平凡社新書)

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2005年3月14日(月)
ギター・タロー

 今日、ラーメン屋で昼飯を食っていたら、隣のややガラの悪いサラリーマン風が、こんな会話をしていました。
 口調から、Aが先輩で、Bが後輩と思われます。

A「その方がいいだろ。いいって言うじゃなーい」
B「あ、波田陽区っすね」
A「ちっげえよばか! ギター侍だよ」
B「ああ、そ、そうっすね」

 さて、Bはこの時、なんと答えればよかったのだろうか?
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ということで、本日の、
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●読んでいる本
 「なに読もうか」と考えた末、明日からは
泉麻人『東京ディープな宿』(2003年,中央公論新社)

 を読むことにします。
 東京都内の、「オシャレなタウン情報誌の類いにあまり載らない、佇まいや屋号、立地が面白い、比較的リーズナブル…。そんな『ディープな宿』」(bk1の紹介文)を紹介した本。
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●読み終えた本
久住昌之『工夫貧乏のシアワセ』(2003年,双葉社)

→自分の父親(オジハル)が日々の暮らしの中で行う、様々な工夫を観察し、紹介した本。

 面白すぎて、一気に読んでしまった。オジハルのつくった数々の工夫の他、町にあるオジハル的物件も紹介されている(街のオジハル達pp.133-155)。
 オジハル的物件には、「トマソン」や「VOW」にも通ずるものがある。工夫や努力はしているのだが、出来たものがどこかずれてしまったもの。例えば、屋根一面に盆栽を乗せている家とか、バス停に沿った塀に、等間隔に置かれた吸殻入れ(大きな空き缶で、しかもそんなに必要でもないらしい)とか。

 しかし、やはりオジハルの発想力・行動力は抜きん出ている。なにしろかつて、家の風呂場を一人で自作した。著者はこれを「オジハル湯」と命名している。しかしこの「オジハル湯」も、著者によると「見れば見るほど、みすぼらしい」(p.160)のであった。

 他にも、ワープロで、キーボードで、点と曲線、直線、模様などを駆使して描かれる絵なども最高である。
 元の絵に透明ビニール袋を重ね、上からマジックでなぞり、それをワープロの画面に貼り付けて、点を打って絵を描くそうだ。その発想力と実行する行動力がすごいなあ。

 ただ、最後に書かれたこんな文章を読むと、こういう生活にあこがれも感じる。
「この人はきっとシアワセだ。
 七十数年間生きてきて、戦争もあったし、いろいろあったけれど、考えれば今もこれからもいろいろあるけど、今、みすぼらしいプロペラが風に回るのを無心に眺めている、この人はきっと、シアワセなのだと思った」
(p.258)
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●買った本
・なし
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●気になる本
『本の街神保町古書店案内』(2005年,ピエ・ブックス)

「Welcome to 「古本ワールド」。ビジュアル古書店が集まる神保町周縁を「裏神保町」と命名。豊富な写真で案内する。意外と敷居は高くない老舗古書店など、オトメも満足、ビジュアル系神保町指南書」(オンライン書店bk1の紹介文)

 「ビジュアル古書店」ってえのは、写真集や画集、絵本などを多く扱う古本屋です。決して店の人がXとかルナシーとかラクリマクリスティーみたいな恰好をしているわけじゃないですよ。
 しかし、この首をかしげざるを得ない奇妙な紹介文。いったいどんな本なのか、逆に気になる。「オトメも満足」って…。
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2005年3月15日(火)
今日は高円寺へ

 今日は、仕事帰りに高円寺へ行きました。

 先月に引き続き、古本酒場コクテイルで開催された「岡崎武志 フォークとトークの会 後編」に行ってきました。
 岡崎武志はライターで、古本関係の著作も多い方です。

 今回も、岡崎氏が上京して、物書きになったきっかけの話や、世田谷文学館で開催されている「生誕100年 映画監督・成瀬巳喜男展」の話など、色々と面白い話が聞けた。

 歌も、ギターの弾き語りで、吉田拓郎を中心にフォークソングを披露。さらに、岡崎氏の蔵書のオークションも行われました。

 フォークソングと古本という、いかにも高円寺らしい夜を過ごしたのでありました。

【参考】
・古本酒場コクテイル
http://www.koenji-cocktail.com/
・雑誌『彷書月刊』サイト(岡崎氏の日誌を連載中)
http://www3.tky.3web.ne.jp/~honnoumi/

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ということで、本日の、
※本に貼ってあるリンクは、断りがなければオンライン書店bk1へのリンクです。
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●読んでいる本
泉麻人『東京ディープな宿』(2003年,中央公論新社)

 東京都内の、「オシャレなタウン情報誌の類いにあまり載らない、佇まいや屋号、立地が面白い、比較的リーズナブル…。そんな『ディープな宿』」を紹介した本。

 一番初めに泊まるのが、荻窪にある旅館西郊。古きよきモダンという感じの宿。
 その後も、錦糸町・羽田・九段下・東京駅ステーションホテルなど、東京に住んでいるとなかなか泊まらないような場所に宿を取り、近辺を歩いている。

 登場する宿の面白さはもちろん、この「都内に泊まる」というシチュエーションがたまらなく面白そうだ。ちょっと、真似してみたくなる。
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●読み終えた本
・なし
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●買った本
・なし
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●気になる本
デザインバーコード社『バーコード革命』(2005年,アーティストハウスパブリッシャーズ)

「いつも隅っこに位置し、どこか控えめで地味な存在だったバーコード。でも、ほんの少しのアイデアで堂々と商品をアピールできる存在に! サントリー「アミノ式」「カテキン式」で採用され注目の「デザインバーコード」を紹介」(オンライン書店bk1の紹介文)

 これまでとは違う、様々な形のバーコードをデザインする会社の、バーコードのサンプルを集めた本。この会社そのものも気になる。

【参考】
・デザインバーコード株式会社
http://www.d-barcode.com/

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2005年3月16日(水)
なぜか『Deep Love』を読む(1/4)

【 1 】
 ということで。
 毎度毎度耳の穴カキ麻呂が、およそ俺の読書傾向とはあわない本を送ってきまして、また俺も律儀で貧乏性なので読んでしまうのですが。
 今回はすごいよ。この本です(↓)。
Yoshi『Deep Love【完全版】第一部アユの物語』(2002年,スターツ出版)

 いやあ、読む前から気が重くなります。
 著者紹介の、「本を読まない人達のミリオンセラー作家」という肩書きと、すかした写真。帯に書かれた女優菊川怜女史の「こんなにピュアな愛に触れたのは初めてです」の推薦コメント…。
 …もう、十分だよ。読みたくねえよ、こんな本。

 でも、読むんだよ。

 さっそく読んでみました。

 二時間後。

 なんと逆転ホームラン。
 これは傑作かもしれない! 読みもしないで敬遠して悪口言ってごめんなさい。感動しました。ちょっと泣きました。みんなもぜひ読んでください。「こんなにピュアな愛に触れたのは初めてです」。

 …そんなわけねえだろ! 傑作なわけないだろ。そーんな奴おれへんやろー。

 しかし、なぜこの「本」が「本を読まない人達のミリオンセラー」になったのかは、なんとなく分かった。

 そこで以後数回にわたり、木の葉燃朗が、「なぜ『Deep Love』は本を読まない人に読まれているのか」という謎を解き明かしていきます。今回の感想文を読めば、本を読まない人向けのベストセラーが書けるかもしれないし、書けないかもしれない。たぶん書けない。
(続く)
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ということで、本日の、
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●読んでいる本
・佐久間英夫『テクノのススメ』(1999年,ブルース・インターアクションズ)
→テクノのミュージシャン・レコード・CDについて、時代を追って解説する本。

 あとがきによると、「この本を書くにあたっての一つの目標は、YMOから始まったテクノ・ポップと現在のテクノを同一線上に結び付けたいという点にあります」(p.228)とのこと。
 その目標の通り、YMO・クラフトワークからはじまって、それこそプロディジーやケミカル・ブラザーズ、更に電気グルーヴにケンイシイまで、当時の時点でのテクノミュージックを丁寧に紹介している。

 レコードのジャケットも、単色だけれど多数掲載されていて、それを眺めるだけでわくわくする。
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●読み終えた本
泉麻人『東京ディープな宿』(2003年,中央公論新社)

 東京都内の、「オシャレなタウン情報誌の類いにあまり載らない、佇まいや屋号、立地が面白い、比較的リーズナブル…。そんな『ディープな宿』」を紹介した本。

 読んでいると実際に泊まってみたくなるのですが、中でも「東京ステーションホテル」はいいなあ。
 ここは、JR東京駅の赤レンガ駅舎内にあります。丸の内、八重洲、日本橋あたりをぷらぷら歩いて、ここに泊まるというのは、実に贅沢な気がする。電車で一時間かからずに自宅に帰れるのに。

 あとは、九段下の靖国神社のそばの九段会館に泊まる、というか、神田神保町を歩くのに泊りがけで行くというのがいい。たしか植草甚一氏も、お茶の水の山の上ホテルに泊まって、一泊二日で神保町を歩くエッセイを書いていた気がする。

 俺はあんまり旅行は好きではないのだが、こういう商店街を歩く旅は、してみたくなる。
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●買った本
・なし
 雑誌『テレビブロス』は、明日買います。
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●気になる本
目からウロコの編集部 東京ご近所彷徨班:編『東京便利帳』(2005年,第三文明社)

「リーズナブルに東京を楽しむためのアイディアを思いつく限り取材し、なおかつ東京の意外な顔を知る観光雑学、とても役に立つ簡単な旅行情報などを詰め込む。データ:2005年1月現在」(オンライン書店bk1の紹介文)

 多分、泉麻人氏の本を読んだので、こういう本が気になる。
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2005年3月17日(木)
なぜか『Deep Love』を読む。なぜか埼玉(2/4)

【 2 】
Yoshi『Deep Love【完全版】第一部アユの物語』(2002年,スターツ出版)


 さて、ひょんなことから『Deep Love』を読んだわけですが、いきなり大胆な仮説をぶち上げましょう。

 「『Deep Love』は小説ではない!」

 なんかこのハッタリかました感じ、いいなあ、我ながら。
 なぜそう思ったか。これには理由があります。『Deep Love』は、文章の構成というかルールが、普通の小説とは違うのである。そしてこれが、『Deep Love』の特徴である。

 例えば。

1.文章が横書き。したがって当然本も左開き(左のページの方が、ページ数が若い)
2.主人公アユのセリフは、すべて『 』で囲まれている(他の人物は「 」)
3.小説の中に、「ここで著者が言いたいこと」が、< >に囲まれて書かれちゃっている。

 あ、上のは、「鉄拳の『こんな本は、たき火にくべてやる』」というネタではないです。全部この本で本当に使われている「テクニック」です。
 特に3はねえ、衝撃的だった。「そんなことやっていいの!?」と思った。

 例えばこんな部分。主人公アユが、拾った子犬パオとともに、居候先の家主のおばあちゃんとの話を聞くシーン。おばあちゃんが戦時中のつらい思い出を話している。

「それ以上は、もう言葉にならなくなり、おばあちゃんはその場に泣き崩れた。
(中略)
 まだ起き上がれないはずのパオがヨロヨロと歩き出した。そして、おばあちゃんに近づくと切れた舌で、しわだらけの手をまるで慰めるかのようになめた。

<パオにはきっとわかったんだろう。そう、おばあちゃんの悲しみが……>」
(pp.38-39)

 この<パオには…>が、著者の言いたいことです。普通なら読者が考えるだろうことが、堂々と書かれています。
 そこ、書いちゃダメだろう。

 後半になると、もっと直接的に、著者のお説教というか、お言葉というか、ご神託というか、そんなものが登場する。
 
「<ほとんどの人がそうだろう。生きていることを当たり前だと考えている。まるで永遠に生きていくかのように……死について考えることもせず、ただただ消費していく……。一度しかないのに……永遠ではないのに……>」(p.124)

 小説の読み方が分からない人にとっては、すごく読みやすくなっているわけです。読みながらあれこれ考えなくていいわけですからね。

 そう、「あれこれ考えなくていい」。これもまた、『Deep Love』の大きな特徴なのです。
(続く)

↓は本日風邪のため開店休業中。最低限のメモしかありません。
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ということで、本日の、
※本に貼ってあるリンクは、断りがなければオンライン書店bk1へのリンクです。
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●読んでいる本
・佐久間英夫『テクノのススメ』(1999年,ブルース・インターアクションズ)
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●読み終えた本
・なし
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●買った本
雑誌『テレビブロス』
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●気になる本
・特になし
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2005年3月18日(金)
なぜか『Deep Love』を読む。なーんでか?(3/4)

 そりはねー。

 さて。
【 3 】
Yoshi『Deep Love【完全版】第一部アユの物語』(2002年,スターツ出版)

 はいどうも。「珍本探偵ブックパラパラ」こと木の葉燃朗が、「なぜ『Deep Love』は本を読まない人に読まれているのか」という謎の解明に挑んでおります。

 前回、「『Deep Love』は小説ではない!」という仮説について考えました。続いて「『Deep Love』を読むときはあれこれ考えなくていい」という点を紹介しようとにしたところでした。

 しかしその前に、一応「『Deep Love』ってどんな話よ」って紹介をしておきましょう。ストーリー紹介をすっかり忘れていました。
 ちなみに、この先は『Deep Love』の完全なネタバレです。あと、身も蓋もない書き方をします。
 このコラムを読まれる大多数の人は『Deep Love』読まないだろうから、別に問題ないのですが、「ちょーこれから、ちょー『Deep Love』、ちょー読みたい」というコギャル、ギャル男、「ギャル男じゃないよ、元ギャル男」の芸人さんなどは読み飛ばしてください。

●17歳の女子高生アユは、売春・ホストの健二との同棲・薬物使用などをしている。
→アユは、怪我をした犬パオをきっかけに、知り合ったおばあちゃんの家に居候する。
→アユはある時、健二が薬物欲しさにホストクラブから盗んだ金の埋め合わせのため、おばあちゃんの貯金を盗む。
→おばあちゃんはアユのお金を盗んだ告白を聞き、なぜ貯金をしていたかを話した翌日、急逝する。また借金を返さなかった健二も、自殺か他殺かはっきりしない状況で死ぬ。
→おばあちゃんは、捨て子で、かつて自分が育て、現在は実の親に引き取られた病気の少年義之の手術代として、貯金をしていた。
→アユはおばあちゃんの代わりにお金を貯め、義之に手術を受けさせようと決意する。
→アユは売春をやめ、居酒屋でアルバイトをして、おばあちゃんのいた家にパオと住み、質素な生活で貯めたお金を、義之の父親に預ける。
→アユの親友レイナは、性交した男の彼女に逆恨みされ、強姦される。その際に妊娠するが、子どもを生むことを決意する。
→義之とアユの間に、恋心が芽生える。アユは義之を連れて沖縄に旅行に行く。
→沖縄から東京に帰ってくると、アユは義之を誘拐した罪で警察に補導される。
→アユは義之と再会することが出来ないが、アユは義之の父に金を預け続ける。しかし、父親はその金を使い込んでいる。
→金を貯めるため、アユは再度売春を行う。それが原因でアユはエイズに感染し、パオとともに死ぬ。
→アユと性交をしていた義之の父親もエイズに感染し、義之にすべてを話て自殺する。
→アユの死後、レイナがアユについて調べる。アユの両親は離婚し、アユは母親とともに義父・義兄と暮らし、その中で義父・義兄・実母に売春をさせられ、義父には強姦されていたことが分かる。
→青山墓地の近くで、義之・レイナと「アユ」と名づけられたレイナの娘がすれ違う。

 以上、「5分で分かる『Deep Love』」でした。ちゃんと読んでも2時間かからないけれどね。

 さて。上の要約を読むと、なかなか壮絶な物語という印象を持つかもしれません。しかし実際に読むと、不思議とそういう気持ちは起きません。
 なぜか? それが、「『Deep Love』を読むときはあれこれ考えなくていい」一番の理由なのです。
(続く)

 風邪はすっかり直りました。今日は六本木へ遊びに行きました。我ながら元気になり過ぎです。
━━━━━━━━━━━━
ということで、本日の、
※本に貼ってあるリンクは、断りがなければオンライン書店bk1へのリンクです。
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
●読んでいる本
・佐久間英夫『テクノのススメ』(1999年,ブルース・インターアクションズ)
→テクノのミュージシャン・レコード・CDについて、時代を追って解説する本。

 「YMOとクラフトワーク」にはじまり、「エレクトリック・ショック!」、「テクノ・ポップな感覚」、「ニュー・ロマンティックス」、「ニュー・ウェイヴ」など、見出しだけでも魅力的な項目が並ぶ。

 名前は知っているけれど音楽を聴いたことのないウルトラボックス!(Ultravox!)、OMD、テレックス(TELEX)のCDが紹介されていて、中古CD屋で見つけたら軒並み買いそうな勢いです。

 そういえばこの間、DEVOのCDを買いました。
・DEVO『FREEDOM OF CHOICE』(1980年,3435-2)
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
●読み終えた本
・なし
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
●買った本
雑誌『テレビブロス』(東京ニュース通信社)
→特集は次の通り。
 ・春のドラマ特集
 ・健康のススメ
 ・ドラマ「聞かせてよ愛の言葉を」
 ・サッカー日本代表

 しかし、なんと言っても興味深かったのは、
 ・対談:清水ミチコ×大瀧詠一

 今の大瀧詠一氏はこういう風貌なんだねえ。
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
●気になる本
「かまやつ女」の時代
三浦展著

「いつの時代も若者は、その時代の変化を映す鏡。そして、これからの時代は階層化へ向かうことを若者は敏感に感じ取っている。それが彼らの行動に現れ、ファッションに現れる。女性の変化を通じて、時代の変化の方向を見つめる」(オンライン書店bk1の内容紹介)

 今日、立ち読みしました。
 「かまやつ女」とは、「ひところのかまやつひろし氏のようなファッションの若い女性」のこと。
 といっても、タイトルの印象ほど軽い内容の本ではない。そういう独自の自分らしさの追及が、階級化をまねくのではないかとか、そんな感じの分析の本。

 非常にぼんやりした紹介の仕方で申し訳ない。ただ、なんとなく気になる
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2005年3月19日(土)
「なぜか『Deep Love』を読む」も今日でおしまいだ(4/4)

【 4 】
Yoshi『Deep Love【完全版】第一部アユの物語』(2002年,スターツ出版)


 なぜ本を読まない人間が『Deep Love』に「感動」するのかを考えていますが、本日最終回です。
 いよいよ、俺が考える「『Deep Love』を読むときはあれこれ考えなくていい」理由を紹介します。
 ズバリ!

「『Deep Love』には、書いてあることしか書いていない」

 …たぶん、読んでいる多くの人が鼻で笑ったことでしょう。
 しかし、よく思い出してください。あなたがこれまで読んだ小説で、「書いてあることしか書いていない」ものがどれだけあったのか。
 どんな小説でも、いわゆる「行間を読む」とか、「文面には表れないあれこれを想像させる」とか、そういうのがあるんじゃないでしょうか? たとえ素人が書いた、読む方が恥ずかしいような出来の悪い「小説」であったとしても。

 『Deep Love』には、ないんです。

 だいたいね、行動も「泣き崩れた」とか「両目いっぱいに涙を溜めていた」とか「たまらなく愛しさを感じ始めていた」とか、そのまんま。セリフも情景描写もそのまんま。

 だから、書いてあることを「へー」、「ほー」と読むしかない。まさに「『Deep Love』を読むときはあれこれ考えなくていい」んです。頭を使う必要がない。
 驚くほど早く読める理由もここにあります。そして、読んでいてらくちんです。全然楽しくないけれど。

 しかし、これまで本を読んだことがない人が『Deep Love』を読んで感動するというのは、これは危険ですよ。思考停止の(そもそも動いてすらいない)頭へ、著者の書いた文章が流れ込む。その中には、文中に挟まれた著者の「ご神託」もあるわけです。
 それが、疑うこともなく頭の中にたまっていく。

 そんな経験を通じて、著者と同じ考えを持った若者が量産されかねない。そうやって、本を読まない若者を一気に洗脳して、そして扇動して、日本を征服しようというのが著者の意図じゃないのか…?
 一番初めに俺が書いた、「『Deep Love』は小説ではない!」という違和感も、この「本」が洗脳ツールだとしたらつじつまがあうわけで。
 うわー、こりゃえらいこっちゃ!

 …というのは俺の暴走した妄想。しかし、読む側が勝手に洗脳されている部分はあるだろうし、著者がなにかをくわだてている可能性も否定できない。ラジオ局の株買い占めとか。それはないと思うけれど。
 でも著者が自分の「読者=信者」を使ってお金儲けできる可能性は高いよな。

 まあ、そんな風に『Deep Love』の内容とは全然関係のないあれこれを考えさせてくれました。ちなみに、『Deep Love』の中身については、もう既に忘れ始めています。

 次回は、通常のコラムをお休みして、【 1 】〜【 4 】を一挙に掲載します。
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ということで、本日の、
※本に貼ってあるリンクは、断りがなければオンライン書店bk1へのリンクです。
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●読んでいる本
日垣隆『売文生活』(2005年,ちくま新書)

→収入(原稿料・印税)の話を中心に、日本の文学・文筆について書いた本。

 「第三章 標準としての夏目漱石」での、夏目漱石が朝日新聞のから給料をもらって文章を書く話が、興味深い。
 大学教授という、そこそこの収入があって、かつ安定している立場から、社員扱いとはいえ文章一本で生活をするにあたって、漱石は非常に細かな契約・約束を朝日新聞と交わしている。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
・佐久間英夫『テクノのススメ』(1999年,ブルース・インターアクションズ)
→上の本を読み始めてしまい、読むのはお休み。
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●読み終えた本
・なし
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●買った本
【新刊】
吾妻ひでお『失踪日記』(2005年,イースト・プレス)

→キャッチフレーズは「全部 実話です(笑)」とのこと。
 マンガ家吾妻ひでお氏の、失踪後の日々を描いた漫画。

日垣隆『売文生活』(2005年,ちくま新書)

「物書きたちは、いかにして自らの生活を成り立たせてきたのか?原稿料という、タブー視することの多かった側面に光を当てた、これまでにない作家論・文化論・日本論」(オンライン書店bk1の紹介文)
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●気になる本
・特になし
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2005年3月20日(日)
総集編「なぜか『Deep Love』を読む」

 本日は通常のコラムをお休みして、「『Deep Love』を読む」の総集編をお送りします。
−−−−−−−−−−
・なぜか『Deep Love』を読む(1/4)

 ということで。
 毎度毎度耳の穴カキ麻呂が、およそ俺の読書傾向とはあわない本を送ってきまして、また俺も律儀で貧乏性なので読んでしまうのですが。
 今回はすごいよ。この本です(↓)。

Yoshi『Deep Love【完全版】第一部アユの物語』(2002年,スターツ出版)


 いやあ、読む前から気が重くなります。
 著者紹介の、「本を読まない人達のミリオンセラー作家」という肩書きと、すかした写真。帯に書かれた女優菊川怜女史の「こんなにピュアな愛に触れたのは初めてです」の推薦コメント…。
 …もう、十分だよ。読みたくねえよ、こんな本。

 でも、読むんだよ。

 さっそく読んでみました。
 
 二時間後。
 
 なんと逆転ホームラン。
 これは傑作かもしれない! 読みもしないで敬遠して悪口言ってごめんなさい。感動しました。ちょっと泣きました。みんなもぜひ読んでください。「こんなにピュアな愛に触れたのは初めてです」。

 …そんなわけねえだろ! 面白いわけないだろ。そんな奴おれへんやろ。

 しかし、なぜこの「本」が「本を読まない人達のミリオンセラー」になったのかは、なんとなく分かった。

 そこで今回は、木の葉燃朗が、「なぜ『Deep Love』は本を読まない人に読まれているのか」という謎を解き明かしていきます。今回の感想文を読めば、本を読まない人向けのベストセラーが書けるかもしれないし、書けないかもしれない。たぶん書けない。
−−−−−−−−−−
なぜか『Deep Love』を読む。なぜか埼玉(2/4)

Yoshi『Deep Love【完全版】第一部アユの物語』(2002年,スターツ出版)


 さて、ひょんなことから『Deep Love』を読んだわけですが、いきなり大胆な仮説をぶち上げましょう。

 「『Deep Love』は小説ではない!」

 なんかこのハッタリかました感じ、いいなあ、我ながら。
 なぜそう思ったか。これには理由があります。『Deep Love』は、文章の構成というかルールが、普通の小説とは違うのである。そしてこれが、『Deep Love』の特徴である。

 例えば。

1.文章が横書き。したがって当然本も左開き(左のページの方が、ページ数が若い)
2.主人公アユのセリフは、すべて『 』で囲まれている(他の人物は「 」)
3.小説の中に、「ここで著者が言いたいこと」が、< >に囲まれて書かれちゃっている。

 あ、上のは、「鉄拳の『こんな本は、たき火にくべてやる』」というネタではないです。全部この本で本当に使われている「テクニック」です。
 特に3はねえ、衝撃的だった。「そんなことやっていいの!?」と思った。

 例えばこんな部分。主人公アユが、拾った子犬パオとともに、居候先の家主のおばあちゃんとの話を聞くシーン。おばあちゃんが戦時中のつらい思い出を話している。

「それ以上は、もう言葉にならなくなり、おばあちゃんはその場に泣き崩れた。
(中略)
 まだ起き上がれないはずのパオがヨロヨロと歩き出した。そして、おばあちゃんに近づくと切れた舌で、しわだらけの手をまるで慰めるかのようになめた。

<パオにはきっとわかったんだろう。そう、おばあちゃんの悲しみが……>」
(pp.38-39)

 この<パオには…>が、著者の言いたいことです。普通なら読者が考えるだろうことが、堂々と書かれています。
 そこ、書いちゃダメだろう。

 後半になると、もっと直接的に、著者のお説教というか、お言葉というか、ご神託というか、そんなものが登場する。
 
「<ほとんどの人がそうだろう。生きていることを当たり前だと考えている。まるで永遠に生きていくかのように……死について考えることもせず、ただただ消費していく……。一度しかないのに……永遠ではないのに……>」(p.124)

 小説の読み方が分からない人にとっては、すごく読みやすくなっているわけです。読みながらあれこれ考えなくていいわけですからね。

 そう、「あれこれ考えなくていい」。これもまた、『Deep Love』の大きな特徴なのです。
−−−−−−−−−−
なぜか『Deep Love』を読む。なーんでか?(3/4)

 そりはねー。

 さて。

Yoshi『Deep Love【完全版】第一部アユの物語』(2002年,スターツ出版)


 はいどうも。「珍本探偵ブックパラパラ」こと木の葉燃朗が、「なぜ『Deep Love』は本を読まない人に読まれているのか」という謎の解明に挑んでおります。

 前回、「『Deep Love』は小説ではない!」という仮説について考えました。続いて「『Deep Love』を読むときはあれこれ考えなくていい」という点を紹介しようとにしたところでした。

 しかしその前に、一応「『Deep Love』ってどんな話よ」って紹介をしておきましょう。ストーリー紹介をすっかり忘れていました。
 ちなみに、この先は『Deep Love』の完全なネタバレです。あと、身も蓋もない書き方をします。
 このコラムを読まれる大多数の方は『Deep Love』読まないだろうから、別に問題ないのですが、「ちょーこれから、ちょー『Deep Love』、ちょー読みたい」というコギャル、ギャル男、「ギャル男じゃないよ、元ギャル男」の芸人さんなどは読み飛ばしてください。

●17歳の女子高生アユは、売春・ホストの健二との同棲・薬物使用などをしている。
→アユは、怪我をした犬パオをきっかけに、知り合ったおばあちゃんの家に居候する。
→アユはある時、健二が薬物欲しさにホストクラブから盗んだ金の埋め合わせのため、おばあちゃんの貯金を盗む。
→おばあちゃんはアユのお金を盗んだ告白を聞き、なぜ貯金をしていたかを話した翌日、急逝する。また借金を返さなかった健二も、自殺か他殺かはっきりしない状況で死ぬ。
→おばあちゃんは、捨て子で、かつて自分が育て、現在は実の親に引き取られた病気の少年義之の手術代として、貯金をしていた。
→アユはおばあちゃんの代わりにお金を貯め、義之に手術を受けさせようと決意する。
→アユは売春をやめ、居酒屋でアルバイトをして、おばあちゃんのいた家にパオと住み、質素な生活で貯めたお金を、義之の父親に預ける。
→アユの親友レイナは、性交した男の彼女に逆恨みされ、強姦される。その際に妊娠するが、子どもを生むことを決意する。
→義之とアユの間に、恋心が芽生える。アユは義之を連れて沖縄に旅行に行く。
→沖縄から東京に帰ってくると、アユは義之を誘拐した罪で警察に補導される。
→アユは義之と再会することが出来ないが、アユは義之の父に金を預け続ける。しかし、父親はその金を使い込んでいる。
→金を貯めるため、アユは再度売春を行う。それが原因でアユはエイズに感染し、パオとともに死ぬ。
→アユと性交をしていた義之の父親もエイズに感染し、義之にすべてを話て自殺する。
→アユの死後、レイナがアユについて調べる。アユの両親は離婚し、アユは母親とともに義父・義兄と暮らし、その中で義父・義兄・実母に売春をさせられ、義父には強姦されていたことが分かる。
→青山墓地の近くで、義之・レイナと「アユ」と名づけられたレイナの娘がすれ違う。

 以上、「5分で分かる『Deep Love』」でした。ちゃんと読んでも2時間かからないけれどね。

 さて。上の要約を読むと、なかなか壮絶な物語という印象を持つかもしれません。しかし実際に読むと、不思議とそういう気持ちは起きません。
 なぜか? それが、「『Deep Love』を読むときはあれこれ考えなくていい」一番の理由なのです。
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「なぜか『Deep Love』を読む」も今日でおしまいだ(4/4)

Yoshi『Deep Love【完全版】第一部アユの物語』(2002年,スターツ出版)


 木の葉燃朗です。なぜ本を読まない人間が『Deep Love』に「感動」するのかを考えていますが、本日最終回です。
 いよいよ、俺が考える「『Deep Love』を読むときはあれこれ考えなくていい」理由を紹介します。
 ズバリ!

「『Deep Love』には、書いてあることしか書いていない」

 …たぶん、読んでいる多くの人が鼻で笑ったことでしょう。
 しかし、よく思い出してください。あなたがこれまで読んだ小説で、「書いてあることしか書いていない」ものがどれだけあったのか。
 どんな小説でも、いわゆる「行間を読む」とか、「文面には表れないあれこれを想像させる」とか、そういうのがあるんじゃないでしょうか? たとえ素人が書いた、読む方が恥ずかしいような出来の悪い「小説」であったとしても。

 『Deep Love』には、ないんです。

 だいたいね、行動も「泣き崩れた」とか「両目いっぱいに涙を溜めていた」とか「たまらなく愛しさを感じ始めていた」とか、そのまんま。セリフも情景描写もそのまんま。

 だから、書いてあることを「へー」、「ほー」と読むしかない。まさに「『Deep Love』を読むときはあれこれ考えなくていい」んです。頭を使う必要がない。
 驚くほど早く読める理由もここにあります。そして、読んでいてらくちんです。全然楽しくないけれど。

 しかし、これまで本を読んだことがない人が『Deep Love』を読んで感動するというのは、これは危険ですよ。思考停止の(そもそも動いてすらいない)頭へ、著者の書いた文章が流れ込む。その中には、文中に挟まれた著者の「ご神託」もあるわけです。
 それが、疑うこともなく頭の中にたまっていく。

 そんな経験を通じて、著者と同じ考えを持った若者が量産されかねない。そうやって、本を読まない若者を一気に洗脳して、そして扇動して、日本を征服しようというのが著者の意図じゃないのか…?
 一番初めに俺が書いた、「『Deep Love』は小説ではない!」という違和感も、この「本」が洗脳ツールだとしたらつじつまがあうわけで。
 うわー、こりゃえらいこっちゃ!

 …というのは俺の暴走した妄想。しかし、読む側が勝手に洗脳されている部分はあるだろうし、著者がなにかをくわだてている可能性も否定できない。ラジオ局の株買い占めとか。それはないと思うけれど。
 でも著者が自分の「読者=信者」を使ってお金儲けできる可能性は高いよな。

 まあ、そんな風に『Deep Love』の内容とは全然関係のないあれこれを考えさせてくれました。ちなみに、『Deep Love』の中身については、もう既に忘れ始めています。
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 さて、次はどんな本が来るのだろうか。気になる。



2005年3月21日(月)
角田光代さんの話

 昨日、テレビの「情熱大陸」を録画しておいて、今日見ました。
 この番組は、毎週一人の人間を取材する30分のドキュメンタリー。今回は、作家の角田光代氏。角田氏は、今年1月、第132回直木賞を『対岸の彼女』(2004年,文藝春秋)で受賞しました。

 俺は、角田氏の本は『愛してるなんていうわけないだろ』(2000年,中公文庫)をつい先日読んだだけだが、なんとなく興味があって、見てみました。

 なんというか、強い人だと思った。見た目は、優しそうでほんわかした雰囲気なのだが、心とか、意志とか、強いんだろうなあと思った。
 小学校一年生の頃に作家になりたいと作文に書いていて、悲しい話ではなく楽しい話を書いて、読む人に楽しい気持ちを持って欲しいと書いていたというのは、すごいなあ。

 それと、最後に印象に残ったのは、自宅にはカメラが入らないことを取材の条件にしていた点。その理由が、小説とプライベートとは切り離しで読んで欲しいと思っているから。作家のプライベートではなく、想像力と作品が関係あるという話をしていた。

 ううむ、かっこいい。俺はこの番組で、角田さんのファンになりました。まだ本は一冊しか読んでいないけれど。

 あと、今回の番組とはあまり関係ない話をいくつか。

・角田氏を知ったのは、1〜2年くらい前から北尾トロ氏の主宰した古本屋関連のイベントで朗読をしたりとか、webサイトで岡崎武志氏と古本の連載をしていたとか、古本関係の話がきっかけ。

・これは本当にどうでもいい話だが、実は俺が唯一出たいテレビ番組が「情熱大陸」なんですよ。今の状況では全然この番組とは関係がないけれど。
 今後もし万が一奇跡的に著名人になったら、他の番組は断ってでも「情熱大陸」には出たい。
対岸の彼女
角田光代著

愛してるなんていうわけないだろ(中公文庫)
角田光代著

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ということで、本日の、
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●読んでいる本
・佐久間英夫『テクノのススメ』(1999年,ブルース・インターアクションズ)
→テクノのミュージシャン・レコード・CDについて、時代・ジャンルごとに解説する本。

 非常に密度が濃くて、ちょっとずつ楽しみながら読んでいます。
 特に、やっぱり1980年代のテクノポップとか、エレクトロポップとかの紹介は、読んでいてわくわくします。ジョルジオ・モルダーの紹介文なんか読むと、聴いてみたい。人によっては、聴いたことがないというと驚かれるかもしれないが。
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●読み終えた本
日垣隆『売文生活』(2005年,ちくま新書)

→収入(原稿料・印税)の話を中心に、日本の文学・文筆について書いた本。

 夏目漱石の話(「第三章 標準としての夏目漱石」)、筒井康隆、立花隆の両氏の話(「第四章 トップランナーたちの憂鬱」)、そして著者自身の経験を通じて、原稿料・印税など、文章を書くこととお金との関係を考察している。

 最後に、樋口一葉のエピソードを紹介しながら書かれる話が、印象深い。
「文士には、金銭欲や出世欲など不釣合いです。しかし、思う存分自由に、得心のゆく作品を書き続けるためには、一家のやりくりにエネルギーを削がれない程度の収入はなければなりません。/それこそが『お金も自由も』という、今後掲げられるべき売文生活のスローガンです」(p.247)

 面白くはあったのだが、なんとなく読んだ後に内容を思い出そうとしてもぼんやりしている。後で内容についてはもう一度考えてみます。
 ともあれ、色々なエピソードや、時に色々な物書きに噛み付くような著者の物言いは、読んでいて面白かった。
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●買った本
【新刊】
・雑誌『ユーゲー』(マイクロマガジン)
→定期購読している雑誌が届く。
 中古ゲームと、比較的マイナーな新作を中心としたゲーム雑誌。

 特集は、大作に隠れた2004年の名作ゲームを紹介する「ユーゲーAWARD2004」と、懐かしのアクションゲーム特集「8BIT!アクションゲームズ」。
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●気になる本
柿崎俊道『聖地巡礼 アニメ・マンガ12ヶ所めぐり』(2005年,キルタイムコミュニケーション)

「アニメやマンガの舞台となった実在の場所を、現地の写真と作中の画像とで比較・紹介。マニアのためのガイドブックとして最適」(bk1の内容紹介)

 登場する作品は『げんしけん』、『ラーゼフォン』、『アベノ橋魔法☆商店街』など。

 えー、全然わかりません。あ、『新世紀エヴァンゲリオン』も載っていて、これは分かります。
 しかし、『究極超人あ〜る』も登場するらしい。これは気になる
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2005年3月22日(火)
壮絶な話なのに面白い!

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ということで、本日の、
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●読み終えた本
吾妻ひでお『失踪日記』(2005年,イースト・プレス)

→マンガ家吾妻ひでお氏の、失踪生活を描いた漫画。

 イントロダクションには「このマンガは人生をポジティブに見つめ、なるべくリアリズムを排除して描いています」(p.5)「リアルだと描くの辛いし暗くなるからね」(p.5)とあるが、それでもかなりすごい生活をしていたことが分かる。

 収録されているのは、ホームレス生活を描いた「夜を歩く」、失踪の後、ガス関係の肉体労働に従事する「街を歩く」、アルコール中毒になり、強制入院した日々を描く「アル中病棟」の三部。「街を歩く」の後半は、マンガ家デビューした当時の思い出話で、これもまた面白い。

 多分、この内容を、例えばつげ義春のような絵で描いてあったら、少なくとも俺は読むのに抵抗があると思う。しかし、吾妻氏独特の丸っこい、かわいい絵で描いてあるので、読むのがつらくない。
 それから、当時の出来事の中で、マンガにして面白いものを選んでいることも、面白さの理由だろう。このあたりは、氏のうまさだと思う。
 このあたりについては、巻末のとり・みき氏との対談でも触れられています。

 そんな吾妻氏ですが、この本のインタビューを読むと、今は断酒もしてマンガも描き続けるそうです。まだまだ失踪・入院時のエピソードはあるそうなので、そちらもちょっと楽しみ。
 あと、吾妻氏はアンガールズやポイズンガールバンドなどが好きみたいですよ。

 今、この本を読んだ方の中で、「インタビューなんてなかったじゃん」と思った方がいるかもしれません。
 でも、あるんです。隠されています。探してみましょう。
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●読んでいる本
・佐久間英夫『テクノのススメ』(1999年,ブルース・インターアクションズ)
→テクノのミュージシャン・レコード・CDについて、時代・ジャンルごとに解説する本。

 この本を読んでいるので、最近聴いているのはDepeche Modeとか808 StateとかKraftwerkとかになっています。
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●買った本
【フリーペーパー】
・『メトロミニッツ』(スターツ出版)
→『Deep Love』と同じ版元が出している、東京の地下鉄の駅で配布するフリーペーパー。

 センシティブなアーバンライフを送るヒントにあふれた雑誌です。俺もセンシティブなアーバンライフを送りたいので毎月もらっています。

 今回のトピックスは、「新しい二次会のススメ」、「オペラに行っていいですか?」、「究極の朝ごはん〜梅干し編〜」など。
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●気になる本
・佐藤和歌子『間取り相談室』(2005年,ぴあ)
間取り相談室

「北海道から沖縄まで日本全国からオカシな間取りが大集合。間取りとともにその持ち主の悩みも掲載。間取りの数だけ悩みがある。あなたのお家はどうですか?」(bk1の内容紹介)

 『間取りの手帖』(2003年,リトル・モア)の続編。内容も気になるが、作りも想定もほとんど同じなのに版元(出版社)が変わっていることも気になる
間取りの手帖
佐藤和歌子著

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2005年3月23日(水)
YMO関連で色々話題になっているCD

 2月にソニーミュージックからテクノ歌謡関係のCDが復刻されましたが、今度はYMO及びメンバーのソロのCDが復刻されます。

 まずはライブ音源とレア音源を収録した8枚組のCD BOX、YMO『L-R TRAX』。8枚組みと考えると、15,750(税込)は決して高くないのだが、まだ買うかどうしようか検討中。

 このCDに関連してちょっと話題になっているのがhttp://www.ymo.org/というサイト。
 おそらく『L-R TRAX』に対するものと思われる、細野晴臣、高橋幸宏、坂本龍一の三氏からのメッセージが掲載されている。

 内容は、「ごめんなさい」の一言にはじまり、過去の音源が「時にぼくたちの意図しない商品となって世に出ていくことがあります。それを目にして、ぼくたちは心を痛めています」というもの。
 さらに「ファンのみなさま方には、商品を見極める目をもって音楽をたのしんでいただきたいと思います」、また「過去の音源が再発されることで、新たにぼくたちの音楽に出会う方がいれば、大変うれしいことです」と続く。

 色々複雑な問題があるんだろうなあ。たしかに、今回の8枚組も、レアトラック集と言われる1枚を除くと、過去発売されていたものだからなあ。
 他にも、オリジナルアルバムが再販されては廃盤になる状況も、見ていて奇妙ではある。

 その『L-R TRAX』の他に、ソニーミュージックから下記のアルバムが復刻されます。

・細野晴臣&イエロー・マジック・バンド『はらいそ』
・細野晴臣『フィルハーモニー』
・坂本龍一&カクトウギセッション『サマー・ナーヴス』
・坂本龍一『B-2 Unit』
・高橋幸宏『ニウロマンティック』
・高橋幸宏『WHAT,ME WORRY?(2in1)』


 またキングレコードからは、下記が復刻。

・坂本龍一・土取利行『ディスアポイントメント・ハテルマ』
・細野晴臣『HOSONO HOUSE』
・細野晴臣『COCHIN MOON(コチンの月)』
・高橋幸宏『サラヴァ!』
・高橋幸宏『音楽殺人』


 とりあえず、『はらいそ』と『フィルハーモニー』は、買います。

【参考】ソニーミュージックの宣伝ページ
http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/ymo/
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●読んでいる本
・佐久間英夫『テクノのススメ』(1999年,ブルース・インターアクションズ)
→テクノのミュージシャン・レコード・CDについて、時代・ジャンルごとに解説する本。

 下の本を読み始めて、今日は休み。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・
・雑誌『ユーゲー 2005年5月号』(マイクロマガジン)
→知名度は低いが面白い新作ゲームと、懐かしのゲームを紹介するゲーム雑誌。

 特集の「8BIT! アクションゲームズ」が懐かしくて楽しい。
 ファミコンやPCエンジン、ゲームボーイ、果てはPC-88やMSXなんていうパソコンも含めた、懐かしのゲーム機のアクションゲームを紹介している。

 もちろん「スーパーマリオブラザーズ」のようなメジャー作品もあるが、「悪魔城ドラキュラ」や「忍者くん」、「テグザー」、「けっきょく南極大冒険」など、ゲーム好きなら「おお!」と声を上げるようなナイスなラインナップになっています。
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●読み終えた本
・なし
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●買った本
・なし
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●気になる本
木内昇『新・東京の仕事場』

「仕事場を見れば、その人がわかる! 宮藤官九郎、太田垣晴子、TUGBOATらクリエイター35名の仕事場を一挙公開。2002年ギャップ出版刊に、『都心に住む』誌上で新たに取材した10名のレポートを加えた増補版」(bk1の内容紹介)

 他に、しりあがり寿、みうらじゅんなどの諸氏の仕事場も収録されています。俺は人の部屋や本棚を見るのが好きという趣味の持ち主なので、こういう本は気になる
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2005年3月24日(木)
なんだか気になる「子だくさんゲーム」。

・PS2用ゲーム『ぼくらのかぞく』(ソニーコンピュータエンタテインメント)
@公式サイト
http://www.playstation.jp/scej/title/bkz/index.html
APlaystation.com内の紹介ページ
http://www.jp.playstation.com/Item/2/6172170.html

 ネットで偶然見つけて、ジャンルが「子だくさんゲーム」になっていたので、気になって公式サイトを読んでみました。

 どうやら、「子供たちの親となり、結婚から定年退職までの35年間の日々を体験」(Aより)するゲームらしい。アドベンチャーゲームかと思ったが、「このゲームには与えられたノルマも、ゲームとしての目的もまったくありません。それらを作るのはあなたです」(@より)と書いてあるので、多分「人生シミュレーション」みたいなゲームなんだろう。ゲームの舞台はなんと高円寺。

 その他、ゲームの情報として下記のようなことが書いてあります(いずれもAより)。

●子供の数はシナリオクリアごとに増加。配偶者、孫を含め最終的には
20人以上の大家族を目指せます!!

●繰り返し遊べます。たとえば同じ就職先を選んでも子供の状態(良い子
/悪い子)によって展開が分岐。

●子供たちのバイトや就職先として数々の企業が実名で登場。
就職ガイドとしても良。

 なんか、ちょっと面白そうな気がする。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・
 YMO関連のCDですが、CD屋の棚の前に立ったら色々欲しくなってしまいまして、結局4枚購入

・細野晴臣&イエロー・マジック・バンド『はらいそ』
・細野晴臣『フィルハーモニー』
・坂本龍一・土取利行『ディスアポイントメント・ハテルマ』
・高橋幸宏『音楽殺人』


 吉村編集長お薦めの『音楽殺人』も買いました。更に、一緒に並んでいた

・細野晴臣『コインシデンタル・ミュージック』(TECN-15337)

 も買いました。全部あわせてわりといい金額になりましたが、いいんだ。酒もほとんど飲まないし、ギャンブルは一切やらないし風俗にも行かないんだから、本とCDくらい欲しい分は好きなだけ買ってやる。
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ということで、本日の、
※本に貼ってあるリンクは、断りがなければオンライン書店bk1へのリンクです。
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●読んでいる本
・佐久間英夫『テクノのススメ』(1999年,ブルース・インターアクションズ)
→テクノのミュージシャン・レコード・CDについて、時代・ジャンルごとに解説する本。

 この本を読んでいて、もう一度ブライアン・イーノを聞きたくなった。それから、デトロイト・テクノも。中学生か高校生の頃に聴いて、難しくて分からなかった。
 でも、この本を読んでいると、もう一度聴いてみたくなる。
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●読み終えた本
・雑誌『ユーゲー 2005年5月号』(マイクロマガジン)
→知名度は低いが面白い新作ゲームと、懐かしのゲームを紹介するゲーム雑誌。

 この雑誌を読んでいる間だけは、かつてのゲーム熱が再び盛り上がってくる。
 今回特集されている、2004年のゲームの中から隠れた名作を紹介する「ユーゲーAWARD2004」を読むと、XBOXの「メタルウルフカオス」とか、PS2の「九龍妖魔学園紀」とか、PS2の「THEお姉チャンバラ!」とか、遊んでみたくなる。

 それで時々ゲームを買ってきてはみるものの、だいたい途中で投げ出してしまう。

 俺も嫌な大人になっちまったもんだぜ。
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●買った本
・なし
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●気になる本
・『横山光輝のすべて 「鉄人28号」から「三国志」まで』(2005年,辰巳出版)
横山光輝のすべて

「平成16年に亡くなった漫画界の巨匠・横山光輝の作品をくまなく紹介。あわせてテレビ、映画化された作品をはじめ、グッズも紹介、一冊で巨匠のすべてを見せます」(bk1の内容紹介)

 どのくらいの内容なのかは実物を立ち読みしてみないと分かりませんが、気になる
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2005年3月25日(金)
俺にとってサッカーは優先順位がなかなか高いのです。

 今、サッカーを見ていて、そわそわしてちゃんとコラムの更新が出来そうにないので、今日は本の話をちょこっとだけ。
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ということで、本日の、
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●読んでいる本
 明日からは、
赤瀬川原平『目利きのヒミツ』(2002年,光文社知恵の森文庫)

 を読みます。
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●読み終えた本
・佐久間英夫『テクノのススメ』(1999年,ブルース・インターアクションズ)
→テクノのミュージシャン・レコード・CDについて、時代・ジャンルごとに解説する本。
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●買った本
 お茶の水の丸善の前で、バーゲンブック(または「ぞっき本」)販売をしていたので、そこから三冊購入。

・雑誌『電撃 HOBBY MAGAZINE 6周年記念特別号Vol.1』(2004年,メディアワークス)
→あちこちのぞっき本で見かける、ガンダムのプラモデルが付録についたムック。

・スポーツスピリット21『No.8 イングランドサッカー「黄金の軌跡」』(2003年,ベースボールマガジン社)
・『連続写真で見るプロ野球20世紀のスター100人の群像II』(2002年,ベースボールマガジン社)

→A4サイズのビジュアル多数の本。こういう本を眺めるのはなかなか楽しい。

 今の日本プロ野球には失望している俺だが、昔の野球スターの本は好きなのである。
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●気になる本
戸田覚『あのヒット商品のナマ企画書が見たい!』(2005年,ダイヤモンド社)
あのヒット商品のナマ企画書が見たい!

「ダイキン工業のうるるとさらら、KDDIのインフォバーなど、ヒット商品を出している企業のホンモノの企画書を、大ヒットの秘密や開発ストーリーとともに紹介。98年刊「ヒット商品の企画書が見たい!」の第2弾」(bk1の内容紹介)

 こういう企画書についての本って、気になる。別に俺は企画をつくる仕事はしていないけれど。
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2005年3月26日(土)
異常に食った日

 ここ一週間ぐらい会社の仕事が急がしくてストレスが溜まって、しかも寝不足で、そうなるとやけに食べるようになります。

 俺は180cm、90kgという体格ですが、普段は体の大きさほどは食べません。
 でも、今日は食ったなあ。電気グルーヴの『カフェ・ド・鬼』か、THE BOOMの『過食症の君と拒食症の僕』かってくらいに。こんな感じでした。

【朝食】
・コンビニのおにぎり一個
→今日は家で食べる時間がなく、通勤途中に買って、駅のホームで立ち食いする。行儀悪い。
 これはまあ大したことはない。

【昼食】
・つけ麺とミニチャーシュー丼のセット
→ミニチャーシュー丼は、普通のお茶碗くらいの大きさ。
 朝食がおにぎり一個なら、まあ許容範囲かもしれません。

 しかしその後、会社に戻る途中に普段買わないような
・シュークリーム
・チョコクレープ

 をコンビニエンスストアで買って、会社の休憩室で食べてしまう。

【夕食】
 で、仕事が終わった帰り、あまり食べる気がしないにも関わらず、
・回転寿司 10皿
 食べてしまう。なんというか、体はあまり食べようと思わないが、なぜか食べてしまう。

 そんなこんなで帰ってきました。そしてなぜか今、帰りに買ってきた。
・ミニチーズケーキ
 を食べながら、このコラムを書いています。これは、出来ることなら今日じゃなくて明日の朝にでも食べたいです。でも、なぜか食っています。

 明日は休みなので、よく寝て、適切な量の食事をして、心身ともに直します。
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ということで、本日の、
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●読んでいる本
赤瀬川原平『目利きのヒミツ』(2002年,光文社知恵の森文庫)

 「文庫版のためのまえがき」から引用しますと、赤瀬川氏は目利きの「ヒミツがありそうだということを、感じているのである」(p.3)。しかしそのヒミツを「知っているのは自分だけで、それは人には伝えにくいものなのではないか。それは言葉にしにくい、理論化しにくいことで、自分の体だけに備わった能力、あるいは運命みたいなものかもしれないと思う」(p.3)らしい。

 しかし、その目利きのヒミツについて、考えてみたのがこの本。
 それで例えば、人間の関係の「ワケあり」や「デキてる」を見抜けるかどうかという話が出てくる。
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●読み終えた本
・なし
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●買った本
・なし
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●気になる本
アスキー書籍編集部編『みんながコレで燃えた!NEC8ビットパソコンPC−8001・PC−6001』(2005年,アスキー)

「今、蘇る8ビットの銘機たち。日本のパソコンは、PC−8001・PC−6001から始まった。その開発者へのインタビューや、懐かしの名作ゲームなどを収録。袋綴じあり。付属のCD−ROMは館外貸出不可」(bk1の内容紹介)

 Windows用のCD-ROMがついていまして、PC-8001・PC-6001のゲームが収録されていて遊べるようになっています。俺は当時のパソコンには詳しくないのだけれど、気になる

・アスキーの編集部のページ
http://www.ascii.co.jp/pb/ant/p8p6book/index.htm
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2005年3月27日(日)
しばらく待っていたこの映画、いよいよ公開されました

・映画『ハサミ男』(池田敏春 監督)
http://www.media-b.co.jp/hasami/
3月19日より、東京台場・シネマメディアージュ他にて上映。
出演は豊川悦司・麻生久美子・阿部寛、他。原作は殊能将之氏の小説。

 原作はミステリー小説。前に読んで、非常に面白かったのだが、映画化の話を一番初めに知ったときは、「映画化はうまく行くの?」と思った。
 映画の公式サイトを見たら、どういう風に映画化したかなんとなく分かった。でも、ますます見たくなった。面白そうな予感はする。見に行くつもりです。
 まあ、もしも俺の期待したのと違う内容だったとしても、麻生久美子さんが出演しているだけで、見る価値があるかと思います。

 しかし、現時点で東京の上映がお台場だけというのは、見に行くのにちょっとつらいなあ。渋谷・新宿・池袋あたりで上映しないかしら。

【参考:原作の小説です】
ハサミ男(講談社文庫)
殊能将之〔著〕

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ということで、本日の、
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●読んでいる本
赤瀬川原平『目利きのヒミツ』(2002年,光文社知恵の森文庫)

 第三章「現代美術と鼻の関係」が、面白い。

 「現代芸術の作品というのは、みんな感覚的に見ることに苦労している。どこをどう見ていいのかわからない」(p.78)。そうなると、「現代芸術の作品の目利きというのはいるんだろうか」(p.81)、多分いないんじゃないかという話になる。

 例えば、リキテンシュタインの「リボンの少女」という、「アメリカの通俗マンガの一コマを百号ぐらいのキャンパスに拡大してその通りに描いた」(p.82)油絵を、東京都現代美術館が六億円で買った話がある。しかし、学生のアルバイトを雇えば、同じ絵がもっと安くつくれてしまう。

 そういう状況だと、「目利きという単一物質凝視の世界ではなくて、システムの中の一つの作品、いや作品はむしろ部分であって、システム自体の流れを嗅ぎ分ける、そういう『鼻が利く』という能力の必要となるのが現代美術の世界なのだと思う」(pp.90-91)となる。

 俺は正直に言うと、読んでいてあんまりきちんと理解できていない。でも、なんだか読んでいてすっごい面白い話だ。
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●読み終えた本
・なし
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●買った本
・なし

 でも、中古CDを何枚か買いました。

・THE真心ブラザーズ『けじめの位置〜栄光の軌跡II〜』(1993年,KSC2-52)
→初期の頃のアルバム。多分ベスト盤じゃなかったかな。
 「どか〜ん」、「真夏といえども」、「モルツのテーマ」を収録。高田渡「自転車に乗って」のカバーもいいなあ。

・The d.e.p『地球的病気』(2001年,SRCL-5055)
→初めて知ったのですが、メンバーがなかなか豪華で、購入。

 だって、佐久間正英(キーボード・ギター)、屋敷豪太(ドラム)、土屋昌巳(ギター)、ミック・カーン(ベース)、ビビアン・スー(ボーカル)だからねえ。
 なかなかかっこいいです。

・FATBOY SLIM『LONG WAY,BABY』(1998年,ESCA-7350)
→ファットボーイ・スリムは、名前しか知らなかったですが、このあたりもちょっと聴いていこうと思いまして。
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●気になる本
関口知宏『絵日記でめぐる43日間』(2004年,徳間書店)

「NHKで放送された「列島縦断鉄道12000kmの旅」。北海道・稚内から佐賀県・肥前山口まで日本列島をJR線の一筆書きで縦断するその43日間を綴った絵日記を完全公開。多数の写真、エピソード満載で贈る」(bk1の内容紹介)

 このテレビ番組そのものがなかなか面白かったので、この本も気になる
 著者は俳優で、関口宏氏の息子でもあります。
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2005年3月28日(月)
未来の本屋のカタチ

●nikkeiBP Special リアルタイム・リテール
“ポスト・フューチャーストア”を示すフューチャー・ブックストア
〜NRF 2005 X05パビリオンレポート〜

http://retail.nikkeibp.co.jp/special/05/

 ビジネス向けの割と硬い記事で、俺もまだ内容をちゃんとは理解できてないのですが。
 今年1月にニューヨークで開催した展示会で発表された、最新技術をフル活用した未来の書店の展示レポートです。

 店内の端末に顧客カードを通すと、自分向けのオススメ商品や商品検索が出来るとか、店員が小型パソコンを持っていて質問に答えるとか、店員同士が無線で商品の情報を確認するとか(これは例えばアルバイトが「てんちょー」と走っていく代わり)、色々な場面が想定されている。

 店の規模にもよるし、ここで挙げられた例がすべていいこととは限らないが、新しい可能性としては面白いなあ。
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ということで、本日の、
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●読んでいる本
赤瀬川原平『目利きのヒミツ』(2002年,光文社知恵の森文庫)

 第七章「ニセ札の手ざわり」の中に、「千円札記憶模写」という実験が出てくる。

「これはいつも使っている千円札を、ポケットから出さずに、頭の中の記憶だけに基づいて」(p.194)描く実験。
 で、スーパーのレジ係、銀行窓口係の人は意外に描けなかったらしい。これには赤瀬川氏も「ニセ札が来たらどうするんですか」(p.201)と言いたくなったそうだが、実はそう思うことにこそ誤りがあるという話。

 というのも、お札は目で見た模様や文字だけではなく、紙質とか手触りとかシワとか、色々な情報から真偽が判別される。そのお札を渡す人間の様子なども見ている。

 このように、目で見て頭で考えることだけでなく、感覚も大切にしないといけないというのが、この本全体で言われているテーマの一つ。
 だから俺が昨日「読んでいてあんまりきちんと理解できていない。でも、なんだか読んでいてすっごい面白い話だ」と思ったのは、あながち間違いではないわけですね。
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●読み終えた本
・なし
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●買った本
 ネットで注文していた本が届く。

天辰むつ季『懐ゲーキャラ名鑑』(2004年,キルタイムコミュニケーション)

「中古ゲームソフトの情報に合わせて様々なゲームに登場するユニークなキャラクター達を紹介。ゲーム専門誌『ユーゲー』連載を書下ろしを加えて単行本化。今甦る懐かしのゲーキャラたち!」(bk1の内容紹介)
 色々なテレビゲームのキャラクターのイラストと、ゲームにまつわるエッセイマンガ、ゲームの紹介文をまとめた本。
 ファミコンのドット絵から想像してきれいなイラストを描いているのが、元のゲームとのギャップも感じられて面白い。

・いしいひさいち『フン!』(2004年,徳間書店)
フン!

→マンガ『ののちゃん』に出てくる犬のポチを主人公にしたマンガ。

 四コマではありませんが、一ページのギャグマンガ集です。
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●気になる本
・糸井重里:監修・ほぼ日刊イトイ新聞:編『言いまつがい』(2005年,新潮文庫)
言いまつがい

・糸井重里:監修・ほぼ日刊イトイ新聞:編『オトナ語の謎。』(2005年,新潮文庫)
オトナ語の謎

→webサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」のコーナーから生まれた本が、文庫化。

 『言いまつがい』は、装丁もわざとぐでぐで(角が丸かったり、表紙が小さかったり)になっていたのだが、文庫版ではどうなっているか気になる
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2005年3月29日(火)
チューズデーナイトはキチジョージ!

 タイトルはなんのもじりでもないのでお気になさらず。

 吉祥寺の「kiss cafe」で行われたイベント、「すうさい堂プロデュース《バリヤバい映像の夕べ》」に行ってきました。

 吉祥寺の古本屋、古本すうさい堂ご主人の秘蔵の映像を流すというもの。

 なんとなくゆるゆるした雰囲気の中、みうらじゅん氏の「笑っていいとも」テレフォンショッキング出演時のビデオ(1993年)、ゆらゆら帝国デビュー当時のライブ映像、戸川純のライブ映像、映画『ミミズバーガー』のクライマックスシーン、日本版(東映版)特撮ドラマ『スパイダーマン』、イギーポップのライブ映像、宮崎吐夢のDVDなどを堪能してまいりました。

【参考】
古本すうさい堂:http://suicidou.fc2web.com/
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ということで、本日の、
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●読んでいる本
赤瀬川原平『目利きのヒミツ』(2002年,光文社知恵の森文庫)

 第七章「ニセ札の手ざわり」を引き続き読んでいたら、「マネーマン」という映画の話が出てきて、これが面白そうだった。

 この映画、ドキュメンタリーで、お札を細密に模写した紙を、偽札だと明かしてから支払に使わせて欲しいという芸術家を撮影している。
 その芸術家のコレクターもいるわけで、そのコレクターは、偽札で支払ったときの領収書とおつりを持って店に行き、偽札を買いたいという。そうなると、店の主人が考え始めて、売れないという。

 そんなやりとりを記録した映画らしい。面白そうだなあ。その映画を、赤瀬川氏が見るというのがまた面白い。もちろん、映画館が分かっていて招待しているようなのだが。
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●読み終えた本
・なし
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●買った本
・なし
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●気になる本
井ノ原快彦『アイドル武者修行』(2005年,日経BP社)


「ジャニーズのアイドルグループ「V6」メンバー・井ノ原快彦が、自らの仕事の意味を客観的につづった報告書。本人撮影を含むプライベートショットも収録する。『日経エンタテインメント!』連載に書き下ろしを加えて単行本化」(bk1の内容紹介)

 ちなみに「楽天ブックス」の紹介文では、「ジャニーズ事務所での仕事の意味や、舞台裏でのやりとりをタレント当事者に説明してもらうという、従来のアイドルコラムとはひと味違うエッセーです」とのこと。
 まあ、みなさん色々思うところはあると思いますが、誰が、なにを、どのように書いた本なのか、気になる
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2005年3月30日(水)
新宿へ行ってくる。

 所用があって新宿に行きました。

 書店のブックファーストヴィレッジヴァンガード紀伊国屋書店を見て、それからCD屋のディスクユニオンを見て、更にここへ行きました。
談話室滝沢
 談話室滝沢へ入る最後のチャンス。もちろん入りましたよ。

(明日に続く)
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ということで、本日の、
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●読んでいる本
池谷伊佐夫『神保町の虫』(2004年,東京書籍)

→神保町にまつわるエピソードや、神保町の古書店のイラストを掲載した本。著者は古本屋に関する著作が数多くあるが、この本は比較的新しい神保町の姿を描いている。

 神保町へ行きたくなって手が震えてくる。それは大げさにしても、神保町を一日かけて歩いて、古本力を高めたい。

 古本力とは、俺が勝手に命名していますが、俺の気力・体力の元になる力です。古本を買ったり、古本屋を歩くと高まります。最近やや減退気味。
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●読み終えた本
赤瀬川原平『目利きのヒミツ』(2002年,光文社知恵の森文庫)

 第8章「真贋の奥に見える生きもの」の中に、中古カメラの話が登場する。
 赤瀬川氏の中古カメラの話を読むと、俺はいつも自分と古本の関係に思いを馳せる。

 今回出てきたのは、中古品の質の話。
 中古のカメラには、「美品」、「中古良品」、「中古」などで、質のランク付けがされる。更に質が悪いと、「難あり」、「○○不良」などになって、最低が「研究用」である。
 これは、故障が何箇所もあって、直してもしょうがないレベル。なぜこれも販売されるかというと、分解して研究するため、または修理用の部品取りに使えるから。これは中古パソコンでもあります。

 一方、質が上がると、「新同」(新品同様)、「未使用」、「元箱つき」、「元箱、取説つき」となる。その上が「未開封」。
 この「未開封」までくると、ちょっとおかしな話になってくる。経済的価値(売り買いする時の値段)は高いのだが、一度開けると価値が下がるので、開けられない。つまりカメラの使用の機能としては最低ランクの「研究用」と同じになってしまう。

 これはね、古本の価値にはない面白さですよ。むしろ、おもちゃ、プラモデルのコレクターの方が分かるのかもしれない。
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●買った本
・雑誌『テレビブロス』(東京ニュース通信社)
→特集は、「春の新ドラマ」、アニメ「ドラえもん」(肝付兼太・たてかべ和也両氏の対談あり)、台湾スター(華流で「ファーリュー」らしい)、ゴールデンウィーク映画、ドラマ「怪奇大家族」DVD記念小特集、などなど。
 表紙がドラえもんだったので、ヴィレッジヴァンガードでちゃんとドラえもんのマンガ単行本と一緒に並べられていました。こういうところがさすがヴィレッジヴァンガード。

・春風亭昇太『はじめての落語。』(2005年,東京糸井重里事務所)
→昇太師匠の落語のCD付きの本。本の内容も、噺を活字にしたものと、昇太師匠の解説。
 新宿の紀伊国屋書店で買ったら、手ぬぐいをおまけにもらいました。

・雑誌『THE DIG No.40』(2005年,シンコーミュージック・エンタテイメント)
→ディスクユニオンで見つける。
 特集は「YMO」、「はっぴいえんどファミリーの今昔」、「ジェスロ・タル」。
 表紙もYMOのアルバム『増殖』で使われたあの人形です。これは欲しくなったなあ。
【参考】出版社webサイトの紹介ページ
http://www.shinko-music.co.jp/mag/di/40.html
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●気になる本
リチャード・ホーン『死ぬまでにしたい101のアラ技』(2005年,早川書房)

「人間モルモットになる、逮捕される、オーロラを見る、飛行機の中でHする、辞書に載る単語を発明する、復讐する、百歳まで生きる等......。実行した後は詳細に記録もできるガイドブック。総カラー」(出版社webサイトの内容紹介)

 日本でも、どこかのwebサイトで同じようなネタをやっていそうですが、外国にも同じようなことを考えている人がいるんだねえ。気になる
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2005年3月31日(木)
一度でいいから「談話室滝沢」で滝沢沙織とデートしたかった。

 ところで、滝沢沙織って誰ですか?

(前回までのあらすじ)
 新宿のディスクユニオンで中古CD屋を物色しながら、「今度四天王を聞かれたら、みっつまで正しく答えて、最後にアインシュツルテンデ・ノイバウテンと言おう」とぼんやり考えていた、わたくし木の葉燃朗。

 その後、閉店直前の「談話室滝沢」に入りました。生まれて初めてだ。

談話室滝沢

 そもそもこの店を知ったのだって、唐沢俊一氏の都内のマニアック名所探訪記『近くへ行きたい』(2003年,講談社)を読んだからで、その経験がなければずっと知らずに一生を過ごしたかもしれない。いわば滝沢を知らない子どもたちの一人だったかもしれない。

 まあ、そんなのはどうでもいい話。最初で最後の滝沢経験はどうだったか?

 いいわ、ここ。

 コーヒーとケーキとアイスクリームのセットが1300円なのだが、これは普通の味である。驚くほどうまいわけではない。
 でも、ここは雰囲気に金を払う場所なんだなあと思った。なんというか、コーヒーを飲みながらぼんやりして、まわりの人々の会話を聞いていると、落ち着く。駅前にあるチェーンのカフェとも、老舗と言われる喫茶店とも違う、独特の居心地のよさ。
 絶妙の「放っておかれぶり」というか、気にされていないわけではないが、気にされすぎていないわけでもない感じがよかった。

 あと、ウェイトレスさんの立居振舞もいいですね。メイドカフェなんて目じゃねえぜ!

 残念なことに最初で最後になってしまいましたが、一度でも行けたことはよかった。惜しむらくは、一回くらいここでデートがしてみたかった。

 レジで清算したときにもらった「謝恩券」は、大事にとっておきます。

談話室滝沢謝恩券
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●読んでいる本
池谷伊佐夫『神保町の虫』(2004年,東京書籍)

→神保町にまつわるエピソードや、神保町の古書店のイラストを掲載した本。

 神保町の古書店のイラストレポートが、面白い。斜め上から見た店の様子を描いている。
 この店の紹介を見ると、いてもたってもいられなくなる。
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●読み終えた本
・雑誌『テレビブロス』(東京ニュース通信社)
 個人的に気になった記事は、
・映画『コーヒー&シガレッツ』紹介
・川崎和哉氏コラム(高田馬場に出来た「寿がきや」の話)
 でした。
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●買った本
 bk1に注文していた本が届く。

たごもりのりこ作・絵『ばけばけ町のべろろんまつり』(2005年,岩崎書店)

「夏の日、ばけばけ町のあんぐり地蔵さまが、べろろんっとお口をあけて、お供えものを食べたら、年に1度の「べろろんまつり」のはじまりです。けんちゃんととらこちゃんは、ゆかたに着がえてお祭りへでかけました」[bk1の内容紹介]
 知り合いのイラストレーターたごもりさんの絵本。この方の絵本は、独特の絵と、飽きの来ない話の展開が面白い。

【参考】
 たごもりさんのサイトhttp://www.tagoya.org/illust.html

田中雄二『電子音楽In The〈Lost〉World』(2005年,アスペクト)
「未来派、ミュージック・コンクレート、電子音楽、シンセサイザー音楽、ジョン・ケージからサンプリングまで電子技術を駆使した世界の音楽を記録した「レコード芸術」1600余枚を、一冊にまとめたオールカラーガイド」[bk1の内容紹介]
 この本をちょっとずつ読みながら、また欲しいCDが出てきて、色々思いを馳せるのが楽しみだ。
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●気になる本
・特になし
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