がらくたフリートーク

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2003年6月
6月27日(金) またまた、新しいことを始めました
「フリーペーパーをつくってみました」
「いきなりだな」
「ええ。話はブックサロン掲示板でも出ていたのですが、色々考えるよりまずつくってみた ほうがいいと思ってね」
こちらに見本が載っています。名前は『がらくたかわら版』です」
「内容は、がらくた放送局に載せている日記の転載が半分と、本や音楽・映画に関するフリ ートークが半分です」
「現物が欲しい方には無料でお送りします。こちらまでメールを。まあ、あくまで『準備号』な ので、今後も続けるかはわかりませんが、気が向いたらやってみたいなあと思っています」
「今度はいろんな人とも協力してフリーペーパーづくりをやってみたいとも思っていますの で、興味がある人はブックサロン掲示板に書き込みをお願いします」

6月18日(水) 追悼… の巻
「えー、いまや春風亭柳昇といえば…」
「わが国では、とうとう、だあれもいなくなってしまいました」
「落語家の春風亭柳昇師匠が、6月18日に胃がんのため亡くなりました。82歳でした」
「私たちは、寄席やホールで直接高座を見たこともないので、偉そうなことは言えないです が、ファンとして追悼の意を表したいと思います」
「テレビの中継(NHKの『日本の話芸』や日本テレビの『笑点』など)で見た高座は、面白か ったなあ。好きにやっているようで、見ていて面白いのがすごいと思った。好きに芸をやって いる人って、なんとなく素直に見ることが出来ないんだけれど、この人は素直に面白かった なあ」
「それから、落語以外でも活躍していました。トロンボーンが得意なことは知っていました が、60歳を超えてから富士登山を始めていたなんて、初めて知りました。また、ゆうきまさ み『究極超人あ〜る』(小学館文庫)というマンガでは、舞台となった春風高校の柳昇(やな ぎ・のぼる)校長のモデルにもなりました」
「『究極超人あ〜る』のアニメビデオでは、校長役の声を演じてもいました」
「でも、生で芸を見る機会がなかったことは、残念ですね」
「それは本当に思ったよ、俺も。せめて、著作の『寄席は毎日休みなし』(1999年,うなぎ書 房)や『与太郎戦記』『陸軍落語兵』(立風書房)などをこれからゆっくり読んでいこう」
「師匠の死にあたり、多くの人が色々な思い出を書いていますが、唐沢俊一氏もweb日記に 掲載していますので、引用しておきましょう」
「ニュース記事も一部掲載します」

春風亭柳昇師死去の報。82歳。こないだ昇輔さんが、"もう、元の顔がわからないくらい痩せ ちゃって……"と言っていたので、歳も歳、と思ってはいたが。新作派の落語家のうちでも、 話芸というようなものとは対極にある芸風で、滑舌は悪いわ、早口過ぎるわ、人物の描き分 けは出来ないわといった人であった。昔NHKの『減点パパ』に出演したとき、子供が"お父 さんの落語は下手です。本当に下手だと思います"と作文を読んで、本人がやたらあわてふ ためいていたのが可笑しかった。それくらい下手だったのだが、それでも客を爆笑させてい たのはえらいし、また、彼の才能を見抜いて人気者にした師匠の柳橋も目があった。いわゆ る傷病兵であり、障害者(手の指が数本欠けている)なのだが、それを高座では一切、客に 悟らせなかった(私も長いこと気がつかなかった)のは、やはりこれは"芸"だったのだな、と 思う。お仕事は一回、やったきりだったが、こちらの用意した出囃子のテープのメモに、柳昇 の名がない。それでもプロか、と怒鳴られるのを覚悟で、
「すいません、師匠の出囃子は何だったでしょうか」
 と楽屋に訊きにいったら、
「何だっていいです。あンなものア、鳴ってればいいってだけで……なンなら『星条旗よ永遠 なれ』だっていい」
 と答えたのが、いかにもこの師匠らしくて、落語以上に記憶に残っている。

春風亭柳昇さんが胃がんで死去…爆笑高座に幕(サンケイスポーツ) 6月17日7:00
 軽妙な新作落語で親しまれた現役最高齢の落語家、春風亭柳昇さんが16日午前2時10 分、胃がんのため東京都清瀬市の病院で亡くなった。82歳だった。日常生活のおかしみに 焦点をあて、「課長の犬」「日照権」など100作近い新作落語を創作。軽妙洒脱、飄々とトボ けた味わいのある話しぶりで愛された柳昇さん。名噺家がまた1人、逝った。
 柳昇さんは妻の孝子さん(73)、長女の順子さん(47)の2人に見守られる中、眠るように 静かに息を引き取った。
 柳昇さんの遺体が安置された武蔵野市の自宅で応対した孝子さんによると、昨年12月2 日に胃かいようと思って入院したところ、検査で胃がんと判明。告知はせず同12日に手術。 28日に退院したものの、病魔は徐々に柳昇さんの肉体を蝕んでいった。
 4月24日に再入院。同26日に横浜にぎわい座で高座があり、病院から執念で会場に駆け つけたが、高座に上がることはできなかった。最後の高座は4月23日、東京・渋谷クロスタ ワーホールで開かれた「落語特選会」で演じた「結婚式風景」だった。
 最後に公の場に姿を見せたのは、5月31日に新宿・末広亭で行われた一門会。「(体調 悪化で本来なら)絶対に見られないはずのものを見られたので、よかったのでは…」。孝子 さんは穏やかな口調でそう語った。
 この3カ月は点滴だけで、食事を口にすることがなかった柳昇さん。亡くなる4、5日前に、 最後の力を振り絞り、「今まで大変だったね。迷惑かけたね」と夫人を労ったという。これが 最後の言葉だった。
 柳昇さんといえば、「大きなことをいうようですが、いまや春風亭柳昇といえば、わが国では 私一人でありまして…」という口上があまりにも有名。軽妙洒脱で飄々とした味わいのある独 特の語り口で親しまれた。
 林鳴平のペンネームで「結婚式風景」「ガード下」「課長の犬」「免許証」「日照権」など風刺 とユーモアのきいた100作以上の新作落語を創作。60歳になってから富士登山を始めた り、トロンボーンを吹くなど多芸多才な落語家として知られた。また、57年には若い女性によ るファンクラブ「柳昇ギャルズ」が結成されたこともある。
 一昨年の古今亭志ん朝、昨年の柳家小さんに続き、落語界は、また1人、大きな宝を失う ことになった。

◆落語芸術協会最高顧問の桂米丸 「良き友で、良きライバルでした。ライバル同士は普 通はそれほどうち解けないものですが、新作落語を作っては、こうした方がいいんじゃない かと言い合える仲でした。柳昇さんは努力家で勉強家。協会の運営でも弥次喜多の珍道中 ではないが、決断の遅い私を後押ししてくれた。自分の好きな道に入り、好きなことができて 幸せな人生だったと思います」

<春風亭 柳昇(しゅんぷうてい・りゅうしょう)> 本名・秋本安雄(あきもと・やすお)。大正9 年10月18日、東京・武蔵野市生まれ。昭和16年に召集され、中国で終戦を迎えた。21 年、戦友の父親だった春風亭柳橋に弟子入り。24年に柳昇を襲名し、33年真打ちに昇進 した。テレビ、ラジオにも数多く出演し、陸軍時代の体験と夏目漱石の「坊ちゃん」からヒント を得て創作した「与太郎戦記」は44年に映画化され、自らも出演した。57年に芸術祭賞受 賞。落語芸術協会理事長、日本演芸家連合会長を歴任。平成元年に勲四等瑞宝章を受 章している。

★春風亭昇太「理想の師匠でした」
 武蔵野市内にある柳昇さんの自宅では、妻の孝子さんが集まった報道陣に気丈に応対し た。悲報を聞いて駆けつけた弟子の春風亭昇太(43)は「最後の言葉は聞けませんでし た。『こうしなさい』とか、命令とかは絶対にしなくて、『やりたいことを見つけてやりなさい』とい う、理想の師匠でした…」と肩を落とした。放送作家の高田文夫氏(54)は弔問後、「非常に 穏やかな顔でした。(自分がプロデュースした4月23日の)最後の高座で会いましたが、別 人のようでした。非常に前向きで攻めの芸を持っている人。いい意味で魂が昇太くんに受け 継がれています」と偲んだ。

落語家・春風亭柳昇、胃がんで死去−82歳(夕刊フジ) 6月16日18:00
  軽妙な語り口、とぼけた芸風で親しまれた落語家で落語芸術協会理事長の春風亭柳昇 (しゅんぷうてい・りゅうしょう、本名・秋本安雄)さんが16日午前2時10分、胃がんのため東 京都清瀬市の病院で死去した。82歳だった。東京都出身。自宅は東京都武蔵野市関前3 −16−10。通夜は19日午後6時から。葬儀・告別式は20日正午から、武蔵野市八幡町1 −1−2の延命寺で。喪主は妻、孝子(たかこ)さん。
 昭和16年召集され、戦地で両手を負傷。復員後の21年、戦友の父だった先代・春風亭 柳橋に入門し、24年、五代目柳昇を襲名。33年に真打に昇進した。
 「古典落語はソバや酒を飲むしぐさがあるが、あたしゃ(負傷で)指がうまく動かない」と新 作落語に活路を見いだし、「結婚式」「課長の犬」など日常生活やサラリーマンを題材にした 作品を次々と発表。著作「与太郎戦記」は映画にもなった。37年、桂米丸らと「創作落語研 究会」を結成し、国立演芸場開場の設立促進委員長として折衝に当たった。
 趣味のトロンボーンを使った芸なども得意で、57年には女性のファンクラブ「柳昇ギャル ズ」も結成される人気だった。同年、芸術祭賞優秀賞受賞。平成2年に勲四等瑞宝章受 章。
 落語芸術協会によると昨年12月、精密検査で胃がんが発見され、同月の手術で胃の3分 の2を摘出。しかし、今年5月に再び症状が悪化し再入院していた。最後の高座は4月23 日、渋谷クロスタワーホテルでの超特選落語会。演目は十八番の「結婚式風景」だった。

◆落語芸術協会副会長、三遊亭小遊三さんの話 「協会を代表して外と折衝するのが抜群 にうまかった。国立演芸場設立のときも、国や政治家との交渉に東奔西走、常に落語のこと を考えておられた。昨年夏、私のバンドが浅草演芸場に出たとき、トロンボーンを吹いてい ただいたが、客も本人も大喜びだったのが印象に残っている。常に前向きで、当人もまだ死 んだ気がしていないんじゃないかと思うくらい。教わることがまだまだいっぱいあったので残 念だ」

6月11日(水) 速報、古本日記ダイジェストの巻き
 どうも、燃朗です。今回は、古本日記の速報ということで、6月1日(日)に吉祥寺と西荻窪 に行った時の様子を書いておきます。くわしくは改めて古本日記を書きますが、まずは雰囲 気だけでも味わってもらおうというわけです。ということで文章も箇条書きのような感じです が、まあダイジェスト版ということで。

6/1(日) 吉祥寺・西荻窪古本屋めぐり
 目的は、西荻窪で開かれる北尾堂ブックカフェ。4月に引き続いての吉祥寺・西荻窪古本 屋めぐりとなった。
■吉祥寺編
 まず駅前の古本センターで2冊購入。ポッププロジェクト編『広告キャラクター大博物 館』(1994年,日本文芸社)。グリコの「ランニングマーク」、不二家の「ペコちゃん」に始ま り、企業の広告に登場するキャラクターを紹介した本。写真や絵も多く、見ているだけでも 面白そうだ。加藤尚武『ジョーク哲学史』(1988年,河出文庫)。古今東西の哲学者を紹 介し、その人物や思想にまつわる小噺が掲載されるという本。著者は哲学・倫理学の専門 家として知られる(現在鳥取環境大学学長)。大学生の頃、俺は氏の『応用倫理学のすす め』(1994年,丸善ライブラリー)を読んだり、NHK教育テレビで放送された『NHK人間講座 21世紀の倫理を求めて』(2000年7月〜9月)を見たりして、影響を受けたなあ。
 その後、トリック&トラップというミステリーの専門店を目指す。ここはマンションの1室のよ うだ。しかし、開いていないので残念ながら中には入れなかった。開店が遅いのか、たまた ま休みだったのか。ちなみに場所は、中道通りを西に行って5分くらい、郵便局の向かいで す。郵便局の隣には中古レコード屋もある。レコード屋も覗いてみるが、購入はなし。
 そこからヴィレッジヴァンガードへ。店内を一周して、プラスチックス『ウェルカム・プラスチ ックス』(VICL2013,1990年ビクター音楽産業)というCDを買う。あと、ダイエットジンジャー エールも買う。世の中にはこんなものもあるのね。
 ヴィレッジヴァンガードから東へ向かい、吉祥寺通りを渡ってサンロードというアーケード 街に入る。駅の北に伸びる商店街。ここにある外口書店さかえ書房へ入る。どちらも久々 にじっくり見るが、残念ながら購入はなし。サンロードを北に抜けて、五日市街道沿いの 井書店へ。別冊宝島339『1970年大百科』(1997年,宝島社)を均一棚から見つけ、購 入。この店の均一棚は、店頭の他に一階から二階への階段にもある。ここでは結構本を手 に入れている。あと、店頭で荻窪・西荻窪・吉祥寺の古本屋地図&案内「おに吉」を入手。 これは便利だし、岡崎武志・坪内祐三他の諸氏による古本にまつわる文章も載っている。 これが無料で手に入るのはお得だ。荻窪・西荻窪・吉祥寺の古本屋の多くで配布されてい るようです。
 五日市街道を東に進んで、古本すうさい堂へ。唐沢俊一『カラサワ堂怪書目録』(1999 年,学陽書房)雑誌『マルコポーロ 1993年12月号 特集:読書狂い、本と遊べ』(文 藝春秋)を購入。『マルコポーロ』は、実は初めて買う。その後ご主人と色々と話し込む。す いさい堂はご主人の趣味や個性が店に表れていて、面白いなあ。
 すうさい堂を出て南下し、JRの高架下にあるりぶる・りべろへ。店頭で以下の四冊を見つ ける。鏡明・関三喜夫・南伸坊『シンボーズ・オフィスへようこそ! Part1・Part2』 (1985年/1986年,角川文庫)外山滋比古『メモと日記の方法』(1984年,潮文庫) 雑誌『散歩の達人 2000年6月号 特集:柴又・堀切・水元公園』(弘済出版社)。『散 歩の達人』は、出版社の名前が現在の「交通新聞社」になる前のだね。店内も久々に覗い てみる。中は文庫や新書の棚を中心に見るが、こちらでは購入はなし。
 昼食はりぶる・りべろの隣の武蔵家でラーメンを食べる。好き嫌いはあるだろうが、俺は このちょっとこってりした感じが好き。
 JRの高架をくぐって更に南下し、よみた屋へ。ここでも、店頭で二冊を見つけ、購入。 月綸太郎『法月綸太郎の新冒険』(1999年,講談社ノベルス)ウィルソン・ブライア ン・キイ『メディア・セックス』(1989年,リブロポート)。『メディア・セックス』は、サブリミナ ル効果についての本ですね。この理論自体は間違っていることが後に判明したのだが、話 として面白そうなので購入。この本、これまで色々な古本屋で見たが、今回の店頭均一で 見たのが一番安い値段だった。
 本日はブックスターション和はパスして、駅に戻るように歩く。駅前にできたブックオフに入 ってみる。前回は立ち読みをする人の多さと、店内のうるささ(店内放送、店員の機械的な あいさつ、買取り待ちの客を呼ぶ放送)に耐えかねてすぐ出てしまったのだが、今日は100 円均一だけ覗く。それでも三冊購入。綱島理友『全日本なんでか大疑問調査団』(1997 年,講談社文庫)横田順彌『水晶の涙』(1992年,徳間文庫)立花晶『まんが生 活』(1999年,白泉社)。『水晶の涙』は押川春浪を主役にした明治物の小説。『まんが生 活』は、女性マンガ家によるマンガにまつわるエッセイマンガ。なぜかマンガではなく単行本 の棚にあった。

■西荻窪編
 JR中央線で新宿方面へ一駅戻って西荻窪に到着。まずは駅北口の興居島屋(ごごしま や)へ。ここでは古本ではなく新刊のミニコミ『スムース別冊 まるごと一冊中公文庫』 (2003年)を購入。ここは久々に来たけれど、いい雰囲気のある店だよなあ。店の雰囲気 が昔ながらの古本屋を思わせる。絵本やCDなんかも置いてあります。
 いったん駅前まで戻り、駅の北西へ進みハートランドへ。ここに来たのも実は久しぶりで あった。この店は奥がカフェスペースになっていて、コーヒーなども飲める。最近一部の棚を 「古本フリマ」として貸し出ししているようだ。その古本フリマの棚のうち、古本うさぎ書房 棚から購入。伊東四朗『この顔で悪いか!』(1997年,集英社)。やはり芸人の本は気 になってしまう。
 ハートランドを出て、すぐ近くの音羽館へ。今日も家族連れなど多くの人が訪れていた。店 頭の均一台からJ・ティプトリー・ジュニア『たったひとつの冴えたやりかた』(1987年, ハヤカワSF文庫)を、店内で坂本龍一『週刊本6 本本堂未刊行図書目録』(1984年, 朝日出版社)を見つけ、購入。『本本堂未刊行図書目録』は前から欲しかった本。定価より も高かったが、なかなか見かけない本なので思い切って買ってしまいました。
 音羽館を出て、JRの高架をくぐり駅の南へ。ここにあるカフェギャラリーサパナが北尾堂 ブックカフェの会場。カフェオレなど飲みながら、北尾トロさんと今日買ってきた本の話な ど、古本の話を中心に色々話す。ここはのんびりした空気が流れていて楽しいなあ。もちろ ん、古本も置いてあるので、じっくりと棚を眺めて唐沢商会『ガラダマ天国』(1997年、ぴ あ)を購入。これは唐沢俊一氏・なおき氏の兄弟コンビによるエッセイマンガ。原作の唐沢 氏のウンチクと、作画のなおき氏の絵が、なんともいい味を出している。
 サパナを出て、もう少し西荻窪の古本屋巡り。この時点で午後7:30くらいなのだが、中央 線沿線の古本屋は結構遅くまで営業しているのだ。ということで、まずは新しくできたカノポ へ。明神通りを南東へ向かって、公園の向かいにあります。サパナでおすすめを受け て、行ってみた。ここは、なかなかいい。ミステリー・写真集・日本の懐かしもの(昭和30年 代くらいか)などの本が目に止まった。現代文学も、各作家ごとにかなり在庫がある。俺が 唯一といっていいくらい読む日本の現代文学作家、高橋源一郎の著作もかなりそろってい た。それから、都築響一『賃貸宇宙』(2001年,筑摩書房)もあった。定価は9,500円以上す る写真集。かなりお買い得の値段だったが、既に持ち合わせがなく断念。これは『TOKYO  STYLE』(2003年,ちくま文庫)と同じく、東京に住む人々の部屋を撮影した写真集。
 そして最後はスコブル社へ。カノポスから駅の方に戻り、駅南通りを南下する。本日は購 入本はなかったが、あの本が山のように積まれた店の中を歩き回るのは楽しい。

 ということで、今回はかなり盛りだくさんだったと思う。しかし、時間の関係で行けなかった 店もあるし、ブックカフェは6月一杯開催なので、今年中にもう一度行ってみようと思ってい ます。

6月7日(土) お久しぶりのフリートークの巻
「おひさしブリザード!」
「ああ、寒いギャグってことですね」
「そうじゃねえよ。さあ、日記の掲載ですっかり影の薄くなったフリートークですが」
「そういう内輪の事情はやめてけれ」
「あ、左卜全だ」
「えー、『ヤメテケレ』は、左卜全とひまわりキティーズのヒット曲、『老人と子供のポルカ』に 登場したフレーズですね」
「『ヤメテケーレ、ゲバゲバ』って歌詞ですな。ちなみに、ゲバはドイツ語で暴力を意味する 『ゲバルト』のことです。かつての学生運動での暴動などをゲバと呼んでいました。その批判 なんですよ、あの歌は」
「さらにいうと、左卜全と一緒に歌っていたひまわりキティーズには、後にル・クプルのボーカ ルとして『ひだまりの詩』をヒットさせたEmiがいました」
「(夢から覚めたように)今日はなんの話ですか?」
「それはこっちが聞きたいわ!」
「5月1日から『健康増進法』という法律が施行されました。法律の条文はここに載っていま すので、くわしく知りたい方はどうぞ。簡単に言うと、国民保健の向上を目的とした法律だ な」
「いきなりだな。しかし、この健康増進法施行にともなって、関東の私鉄では駅から喫煙ス ペースがなくなるなど、色々なニュースもありました。なぜかというと、不特定多数の人が集 まる場所では、タバコを吸わない人がタバコの煙を吸わないようにすることが健康増進法で 求められているからなんですね」
「まあ、禁煙は俺は構わないと思う。俺は全然タバコを吸わないし、現時点では健康増進法 に違反したからといって罰則があるわけではないからね。でも、この健康増進法がこれから どんどん厳しくなったら、と考え始めると、なかなか怖いことになるぞ」
「なんかまともな話になってきたな。なんだ、その『怖いこと』というのは?」
「例えば、体に悪いといわれているのはタバコだけじゃない。『砂糖の摂り過ぎは体に悪い。 だから1日に食べられる砂糖の量を制限しよう』とか、『アルコールは体に悪影響を与える ので禁止しよう』となったらどうだ? これに罰則がともなうと、お菓子を食べたりビールを飲 んだりする量も法律で決められて、違反すると罰金を取られたり、逮捕されたりするかもし れないぜ。こーわいですねえ、こーわいですねえ」
「なんで淀川長治さんみたいになってるんだよ! まあ、現時点ではただの作り話ですけれ ど、可能性がないとはいえないよな」
「そう、作り話だと思っているうちに、恐怖はすぐそこまで忍び寄るのです」
「なんだその終わり方!」
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